「新婚さん」から「おひとりさま」まで……“もしものとき”の貴重な資産

目次
  1. 売りやすく貸しやすい、分譲マンションを購入する意味
2016.07.24

念願のマイホーム――。買うのは一軒家がいいのか、はたまた分譲マンションがいいのか、これから家を買おうと思っている多くの人にとっては、おそらく「一生に一度の買い物」であり「人生で一番高額な買い物」なだけに、非常に頭を悩まされる問題でしょう。

多くの人が理想とするのは、庭付き一軒家の注文住宅。土地は自分だけのものですし、たいてい庭もあり、自分の望み通りの設計にできます。しかし、都心の地価は高すぎて、土地を買うとなったら郊外、しかも都心からかなり離れたところでないと、庭付き一軒家など夢のまた夢といった人も多いでしょう。

一方の分譲マンションは、土地は共有で自由にはできず、生活音など隣近所との関係にもより気をつかわなければなりませんが、たいてい通勤通学に便利な立地で、かつ購入するには現実的な価格である場合が多いです。しかも、ほとんどの分譲マンションには管理人がおり、セキュリティ面もよく、また、室外の掃除などの面倒はあまりありません。

果たしてどちらがいいのか、住宅情報誌や住宅購入関連の書籍を見ても、さらにはネットで検索してみても、さまざまな意見があって、一軒家と分譲マンションにはそれぞれ一長一短があります。どちらも甲乙つけがたいのが実情です。

売りやすく貸しやすい、分譲マンションを購入する意味

住宅に対する好みや望み、家族構成や家庭の事情によって、どのような住宅が必要かは人によってさまざま。そこでここでは、「新婚さん」や「おひとりさま」まで、子どもの有無などに関係なく、「資産価値」としてのマイホーム購入を考えてみましょう。なぜなら、「人生で一番高額な買い物」なわけで、マイホームは「もしものときの重要な資産」にもなるからです。

購入した家に一生住み続け、その家と土地を遺産としてお子さんに残したいという場合は、家の資産価値はあまり関係がありません。しかし、たとえそうだったとしても、生活していくうちに事情が変わるケースもあります。転勤や転職、さらにはリストラや会社の倒産、景気後退による収入の低下など、人生には何が起こるかわかりません。

そんなとき、頼りになるのが家という「資産」です。将来、マイホームを売ることや貸すことを想定した場合、一軒家と分譲マンションではどちらがいいかを考えると、そのメリットの違いは明らかです。

一般的に一軒家は駅からやや離れた住宅街にあることが多いのに対し、マンションは駅から近くにあることが多いです(もちろん郊外にあるマンションもたくさんありますが)。駅から近くにあれば通勤通学に便利なため、購入や賃貸の希望者も多いのは明らかでしょう。

そのため、こういった分譲マンションは築年数が経っても値下がり率が低いのが一般的です。つまり、資産価値が下がりにくいといえるのです。

逆に一軒家は、建物部分は新築から20〜25年で市場価値がゼロになるという慣行があります。つまり、20〜25年後には土地の価値だけになってしまうのです。また、郊外にある一軒家の場合、駅近くの分譲マンションに比べると購入や賃貸の希望者が少ないことは容易に想像できると思います。

また、一軒家は、建売住宅でも注文建築でも、建物の設計や東西南北の位置など物件それぞれの個性が強く、購入・賃貸希望者を見つけるのに時間がかかるケースが多いようです。

一方の分譲マンションは、室内の設計はオーソドックスであるぶん、万人受けする造りになっていて、マンションの立地や価格にもよりますが、購入・賃貸希望者が比較的短時間で見つかります。

それにくわえて、分譲マンションの場合はその地域、建物のタイプなどによって中古価格相場が決まっているので価格が安定し、売る側にとっても買う側にとっても安心して売却・購入することができます。

分譲マンションには、「もしものときの資産」としてこのようなメリットがあるのです。

以上に述べたことは、実際にはさまざまな要素が絡んできて、すべての物件に当てはまるわけではありませんが、マイホーム購入を考えるときには、その「資産価値」も考慮し、その住宅が“自分や家族にとっていいか悪いか”だけではなく、“住宅購入を考えているほかの人にとってどうか”ということも、大事かもしれません。