譲渡所得の計算方法
不動産を売却する際の課税方法・所有期間・税率などについて解説いたします。
- 譲渡所得の計算方法
- 1. 譲渡所得とは
- 2. 課税方法・所有期間・税率など
- 3. 取得費・譲渡費用
- 4. 取得費・譲渡費用に関するQ&A
- 5. 標準建築価額による取得価額の計算
- 6. 相続・遺贈又は贈与により取得した不動産の取得費・取得日
- 7. 取得費・取得日に関するQ&A
- 8. 土地や建物を売却したときの税金に関するフローチャート
- 9. 3,000万円特別控除の利用例
- 10. 3,000万円特別控除に関するQ&A
- 11. 特定居住用財産の買換え特例について
- 12. 3,000万円特別控除と特定居住用財産の買換え特例の比較
- 13. 店舗兼住宅の場合の居住用の買換え・事業用の買換え
- 14. 売買契約締結後、引渡し前に相続が発生した場合
- 15. 居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- 16. 居住用財産の損益通算及び繰越控除に関するQ&A
- 17. 土地等の2009年(平成21年)・2010年(平成22年)取得の1,000万円特別控除
- 18. 土地等の1,000万円特別控除に関するQ&A
- 19. 空き家の3,000万円特別控除
- 20. 空き家の3,000万円特別控除に関するQ&A
- 21. 空き家の3,000万円特別控除の適用を受けるための手続きは?
- 売却する方向けのページはこちら
譲渡所得とは
不動産を売却したことによって生じた所得を譲渡所得といいます。譲渡所得に対しては、他の所得と分離して所得税と住民税が課税されます。なお、譲渡所得がマイナスの場合には課税されることはありません。
課税方法・所有期間・税率など
譲渡所得の計算
譲渡所得 = 譲渡収入金額※1 -(取得費※2 + 譲渡費用※3)
課税譲渡所得 = 譲渡所得 - 特別控除※4
- ※1土地・建物の譲渡代金、固定資産税・都市計画税の精算金
- ※2次の①、②のうち大きい金額を使います。
①実額法:土地・建物の購入代金と取得に要した費用を合計した金額から、建物の減価償却費を差し引いた金額
②概算法:譲渡収入金額 × 5% - ※3売却するために直接かかった費用をいいます(詳細はこちらから)。
- ※4居住用の3,000万円特別控除の特例等
税額計算
税額 = 課税譲渡所得 × 税率(所得税・住民税)
譲渡益に対する税率は他の所得と分離して、分離課税の税率となり、対象となる不動産の用途や所有期間により税率が異なります。
課税方法
所得税は、給与所得や不動産所得など各種所得金額を合計し総所得金額を求め、これについて税額を計算する総合課税が原則です。
しかし、不動産の売却に伴って生じる譲渡所得については、他の所得とは合算せず、個別に税額を計算する分離課税方式が採用されています。
所有期間によって所得区分が異なる
土地・建物を譲渡した場合の短期譲渡所得と長期譲渡所得は、譲渡した年の1月1日時点において、所有期間が5年以下か、5年を超えるかにより判断します。
| 所有期間 | 判定 |
|---|---|
| 5年以下の土地・建物等 | 短期譲渡所得 |
| 5年を超える土地・建物等 | 長期譲渡所得 |
譲渡所得の税率表
| 所有期間 | |||
|---|---|---|---|
| 長短区分 | 短期 | 長期 | |
| 期間 | 5年以下 | 5年超 | 10年超所有軽減税率の特例※ ※ 買換えた住宅における住宅ローン控除との併用はできません。 |
| 自己居住用 | 39.63% (所得税 30.63%・住民税 9%) | 20.315% (所得税 15.315%・住民税 5%) |
|
| 上記以外 | 39.63% (所得税 30.63%・住民税 9%) | 20.315% (所得税 15.315%・住民税 5%) | |
(注)上記税率には、復興特別所得税として所得税の2.1%相当が上乗せされています。
用途(居住用・事業用・その他)により特例が異なる
- ●譲渡益が出た場合、一定の条件を満たせば
- ①3,000万円特別控除の特例
- ②10年超所有軽減税率の特例
- ③特定居住用財産の買換え特例
- ●譲渡損が出た場合、一定の条件を満たせば
- ①居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- ②特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- ①又は②の適用がある場合、その譲渡損は他の所得との損益通算及び翌年以後の繰り越しができることとなります。
(注)上記特例の適用については、「11.譲渡所得の計算方法」〜「12.マイホームを売却したときの5つの特例」の解説、ケーススタディ、Q&A、フローチャートなどをご参照ください。
不動産売却時の長短区分・課税区分と利用可能な特例
| 所有期間 | |||
|---|---|---|---|
| 長短区分 | 短期 | 長期 | |
| 期間 | 5年以下 | 5年超 | 10年超 |
| 自己居住用 (詳細はこちらから) | 短期譲渡所得 3,000万円特別控除 |
| |
| 10年超所有軽減税率の特例 特定居住用財産の買換え特例 | |||
| 上記以外 | 短期譲渡所得 | 長期譲渡所得 | |
| 被相続人居住用 | 空き家の3,000万円特別控除(詳細はこちらから) | ||
- 土地等の2009年(平成21年)・2010年(平成22年)取得の1,000万円特別控除
- 2009年(平成21年)1月1日から2010年(平成22年)12月31日までの間に取得した土地等を所有期間が5年を超えて譲渡した場合には、その譲渡所得の金額から1,000万円を控除する(詳細はこちらから)。
- 低未利用土地を譲渡した場合の100万円特別控除
- 個人がその年の1月1日時点で所有期間が5年を超える都市計画区域内にある低未利用土地でその上にある建物等を含めた価額が500万円(一定の要件を満たす場合は800万円)以下のものを譲渡した場合には、その年中の低未利用土地の長期譲渡所得の金額から100万円を控除することができる。なお、買主がその土地を利用する意向を市区町村長が確認した場合に限る。2020年(令和2年)7月1日から2028年(令和10年)12月31日までの譲渡に適用。また、2023年(令和5年)1月1日以後の譲渡について、譲渡後の用途がコインパーキングの場合は適用できない。
税務上の居住期間・所有期間・建築年数とは
- ①居住期間 …… 入居日と転居日の間の日数をいいます。
- 居住期間は実際に入居してから転居するまでの期間をいいます。例えば単身赴任などで家族と離れて暮らしているときでも、その事情が解消すれば家族と一緒に生活すると認められる場合は、その期間は居住期間として認められます。
解釈が難しい場合は税務署や税理士等に必ず確認をするようにしてください。 - ②所有期間 …… 譲渡した年の1月1日時点で何年が経過しているかで求めます。

2021年(令和3年)11月10日に購入した資産を2026年(令和8年)11月11日に譲渡した場合、11月11日で満5年を超えていますが、譲渡した2026年(令和8年)の1月1日時点で5年を超えていないため、長期譲渡所得となりません。上記の例では、2027年(令和9年)1月1日以後に譲渡した場合に長期譲渡所得となります。
- ③建築年数 …… 登記簿上の建築年月日から取得までの期間をいいます。
原則 応用・例外 取得日
譲渡日●資産引渡しの日
(鍵の引渡日)
●登記申請書類の引渡しの日●契約効力発生の日
(竣工前の分譲マンションや請負建築は原則通り引渡しの日)
●登記の日
●相続や贈与で取得した資産は被相続人・贈与者が取得した日を相続人・受贈者が引き継ぐ居住の日 ●実際に転居した日
●自宅の使用開始日●住民票の異動日 居住用財産の5つの特例の適用や長期譲渡・短期譲渡に該当するかどうかを区別するのには、所有期間・居住期間の判定が重要となります。税法上の期間計算にご注意ください。
取得費・譲渡費用
取得費
取得費は次の①、②のうち大きい金額を使います。
- ①実額法:土地・建物の購入代金、建築代金、購入の仲介手数料の他リフォームの設備費や改良費など取得に要した費用を合計した金額から、建物の減価償却費を差し引いた金額
- ②概算法:譲渡収入金額 × 5%
法定耐用年数表(定額法)
| 建物の構造等 | 非事業用 | 事業用 | ||
|---|---|---|---|---|
| 耐用年数 | 償却率 | 耐用年数 | 償却率 | |
| 木骨モルタル造 | 30年 | 0.034 | 20年 | 0.050 |
| 木造 | 33年 | 0.031 | 22年 | 0.046 |
| 鉄骨 (骨格材の肉厚が3㎜以下) | 28年 | 0.036 | 19年 | 0.053 |
| 鉄骨 (骨格材の肉厚が3㎜超4㎜以下) | 40年 | 0.025 | 27年 | 0.038 |
| 鉄骨 (骨格材の肉厚が4㎜超) | 51年 | 0.020 | 34年 | 0.030 |
| 鉄筋コンクリート造 | 70年 | 0.015 | 47年 | 0.022 |
譲渡費用
譲渡費用とは譲渡のために直接要した費用をいいます。
- ①土地や建物を売却するために支払った仲介手数料など
- ②登記若しくは登録に要する費用
- ③印紙税で売主が負担したもの
- ④貸家を売却するため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
- ⑤土地などを売却するためにその上の建物を取壊したときの取壊し費用、建物の損失額
- ⑥測量に要した費用
- ⑦売却する契約をした後に、他へ高い価額で売却するために(さらに有利な条件で売却するため)最初の契約者に支払った違約金
- ⑧借地権を売却するときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など
- ⑨その他その資産の譲渡価額を増加させるためにその譲渡に際して支出した費用
※居住期間に修繕費や固定資産税などその資産の維持や管理のためにかかった費用、売却した代金の取立てのための費用などは譲渡費用になりません。
取得費・譲渡費用に関するQ&A
Q.19 建物の取得費の計算で、昔購入したマイホームの売買契約書・領収書はあるが、土地・建物の価格が明記されていない。どうしたらよい?Q.20 昔購入したマイホームを売却するが、購入時の契約書類を紛失してしまった。購入したときの書類がない場合、概算取得費(譲渡収入 × 5%)により申告するしかない?ケーススタディ
新築で購入した住宅を売却した場合の取得費の計算
1989年(平成元年)2月(新築、鉄骨鉄筋コンクリート造)に4,500万円で購入したマンションを2026年(令和8年)11月に売却しました。契約書をみても土地・建物の価格が明記されておりません。
土地・建物の取得費の計算方法について教えてください。なお、建物の登記床面積は80㎡です。
- ①購入金額を土地と建物の金額に区分する。
- 建物の標準的な建築価額表を用いて建物の取得価額を算出します。マンションの購入価額から算出した建物の価額を差し引いた金額が土地の取得価額となります。
- 購入時の建物の取得価額
1989年(平成元年)鉄骨鉄筋コンクリート造:237,300円(1㎡あたり)
237,300円 × 80㎡ = 18,984,000円
- 購入時の土地の取得価額
- 45,000,000円 - 18,984,000円 = 26,016,000円
- ②建物について減価償却費を計算する。
- 建物は経年劣化するため、購入価額が取得費とはなりません。従って、売却時点での価値を求める必要があります。売却時点の価値とは、取得価額から減価償却費を差し引いた金額です。
- 売却時の建物の取得費
1989年(平成元年)2月~2026年(令和8年)11月・・・・・・37年9ヶ月→38年※
18,984,000円 × 0.9 × 0.015(70年)× 38年 = 9,738,792円
18,984,000円 - 9,738,792円 = 9,245,208円
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
③譲渡所得の計算の基礎となる取得費の金額
①土地・・・26,016,000円 + ②建物・・・9,245,208円 = 35,261,208円
ケーススタディ
中古で購入した住宅を売却した場合の取得費の計算
2000年(平成12年)7月建築の戸建(木造、登記面積80㎡)を2014年(平成26年)2月に3,000万円(土地・建物一括、内訳は不明)で購入し、2026年(令和8年)6月に売却した場合の土地・建物の取得費の計算方法を教えてください。
- ①購入価額を土地と建物の金額に区分する
- 2000年(平成12年)新築時の建物価額を建物の標準的な建築価額表を用いて算出し、新築時から購入時までの減価の額を計算して、購入時の建物の取得価額を求めます。その建物の取得価額を一括購入価額から差し引いた金額が土地の取得価額となります。
- 新築時の建物の建築価額
2000年(平成12年)木造:159,000円(1㎡あたり)
159,000円 × 80㎡ = 12,720,000円
- 新築時から
取得日までの減価の額 2000年(平成12年)7月~2014年(平成26年)2月・・・・・・13年7ヶ月→14年※
12,720,000円 × 0.9 × 0.031(33年)× 14年 = 4,968,432円
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
- 購入時の建物の取得価額
- 12,720,000円 - 4,968,432円 = 7,751,568円
- 購入時の土地の取得価額
- 30,000,000円 - 7,751,568円 = 22,248,432円
②建物について取得日から売却日までの減価の額を計算する
- 売却時の建物の取得費
2014年(平成26年)2月~2026年(令和8年)6月12年4ヶ月→12年※
7,751,568円 × 0.9 × 0.031(33年)× 12年 = 2,595,224円
7,751,568円 - 2,595,224円 = 5,156,344円
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
③譲渡所得の計算の基礎となる取得費の金額
①土地・・・・・・22,248,432円 + ②建物・・・5,156,344円 = 27,404,776円
ケーススタディ
居住中に増改築をした場合の取得費の計算
2002年(平成14年)3月に3,000万円で建築した建物(木造)を2026年(令和8年)5月に売却しました。
この建物に対して2016年(平成28年)4月に1,000万円をかけて増改築をしております。
この場合の建物の取得費の計算方法について教えてください。
- ①新築部分
2002年(平成14年)3月 〜 2026年(令和8年)5月…24年 2ヶ月 → 24年※
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
30,000,000円 × 0.9 × 0.031(33年)× 24年 = 20,088,000円
30,000,000円 - 20,088,000円 = 9,912,000円
- ②増改築部分
2016年(平成28年)4月 〜 2026年(令和8年)5月…10年1ヶ月 → 10年※
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
10,000,000円 × 0.9 × 0.031(33年)× 10年 = 2,790,000円
10,000,000円 - 2,790,000円 = 7,210,000円
③建物の取得費 9,912,000円 + 7,210,000円 = 17,122,000円
標準建築価額による取得価額の計算
①対象となる建物の築年数を調べます。
建築年月日や建物の構造は、建物の全部事項証明書等で確認ができます。
②建物の取得価額を算出します。
建物の標準的な建築価額表
(単位:千円/㎡)
| 建築年 | 構造 | |||
|---|---|---|---|---|
| 木造・ 木骨モルタル | 鉄骨鉄筋 コンクリート | 鉄筋 コンクリート | 鉄骨 | |
| 1965年(昭和40年) | 16.8 | 45.0 | 30.3 | 17.9 |
| 1966年(昭和41年) | 18.2 | 42.4 | 30.6 | 17.8 |
| 1967年(昭和42年) | 19.9 | 43.6 | 33.7 | 19.6 |
| 1968年(昭和43年) | 22.2 | 48.6 | 36.2 | 21.7 |
| 1969年(昭和44年) | 24.9 | 50.9 | 39.0 | 23.6 |
| 1970年(昭和45年) | 28.0 | 54.3 | 42.9 | 26.1 |
| 1971年(昭和46年) | 31.2 | 61.2 | 47.2 | 30.3 |
| 1972年(昭和47年) | 34.2 | 61.6 | 50.2 | 32.4 |
| 1973年(昭和48年) | 45.3 | 77.6 | 64.3 | 42.2 |
| 1974年(昭和49年) | 61.8 | 113.0 | 90.1 | 55.7 |
| 1975年(昭和50年) | 67.7 | 126.4 | 97.4 | 60.5 |
| 1976年(昭和51年) | 70.3 | 114.6 | 98.2 | 62.1 |
| 1977年(昭和52年) | 74.1 | 121.8 | 102.0 | 65.3 |
| 1978年(昭和53年) | 77.9 | 122.4 | 105.9 | 70.1 |
| 1979年(昭和54年) | 82.5 | 128.9 | 114.3 | 75.4 |
| 1980年(昭和55年) | 92.5 | 149.4 | 129.7 | 84.1 |
| 1981年(昭和56年) | 98.3 | 161.8 | 138.7 | 91.7 |
| 1982年(昭和57年) | 101.3 | 170.9 | 143.0 | 93.9 |
| 1983年(昭和58年) | 102.2 | 168.0 | 143.8 | 94.3 |
| 1984年(昭和59年) | 102.8 | 161.2 | 141.7 | 95.3 |
| 1985年(昭和60年) | 104.2 | 172.2 | 144.5 | 96.9 |
| 1986年(昭和61年) | 106.2 | 181.9 | 149.5 | 102.6 |
| 1987年(昭和62年) | 110.0 | 191.8 | 156.6 | 108.4 |
| 1988年(昭和63年) | 116.5 | 203.6 | 175.0 | 117.3 |
| 1989年(平成元年) | 123.1 | 237.3 | 193.3 | 128.4 |
| 1990年(平成2年) | 131.7 | 286.7 | 222.9 | 147.4 |
| 1991年(平成3年) | 137.6 | 329.8 | 246.8 | 158.7 |
| 1992年(平成4年) | 143.5 | 333.7 | 245.6 | 162.4 |
| 1993年(平成5年) | 150.9 | 300.3 | 227.5 | 159.2 |
| 1994年(平成6年) | 156.6 | 262.9 | 212.8 | 148.4 |
| 1995年(平成7年) | 158.3 | 228.8 | 199.0 | 143.2 |
| 1996年(平成8年) | 161.0 | 229.7 | 198.0 | 143.6 |
| 1997年(平成9年) | 160.5 | 223.0 | 201.0 | 141.0 |
| 1998年(平成10年) | 158.6 | 225.6 | 203.8 | 138.7 |
| 1999年(平成11年) | 159.3 | 220.9 | 197.9 | 139.4 |
| 2000年(平成12年) | 159.0 | 204.3 | 182.6 | 132.3 |
| 2001年(平成13年) | 157.2 | 186.1 | 177.8 | 136.4 |
| 2002年(平成14年) | 153.6 | 195.2 | 180.5 | 135.0 |
| 2003年(平成15年) | 152.7 | 187.3 | 179.5 | 131.4 |
| 2004年(平成16年) | 152.1 | 190.1 | 176.1 | 130.6 |
| 2005年(平成17年) | 151.9 | 185.7 | 171.5 | 132.8 |
| 2006年(平成18年) | 152.9 | 170.5 | 178.6 | 133.7 |
| 2007年(平成19年) | 153.6 | 182.5 | 185.8 | 135.6 |
| 2008年(平成20年) | 156.0 | 229.1 | 206.1 | 158.3 |
| 2009年(平成21年) | 156.6 | 265.2 | 219.0 | 169.5 |
| 2010年(平成22年) | 156.5 | 226.4 | 205.9 | 163.0 |
| 2011年(平成23年) | 156.8 | 238.4 | 197.0 | 158.9 |
| 2012年(平成24年) | 157.6 | 223.3 | 193.9 | 155.6 |
| 2013年(平成25年) | 159.9 | 258.5 | 203.8 | 164.3 |
| 2014年(平成26年) | 163.0 | 276.2 | 228.0 | 176.4 |
| 2015年(平成27年) | 165.4 | 262.2 | 240.2 | 197.3 |
| 2016年(平成28年) | 165.9 | 308.3 | 254.2 | 204.1 |
| 2017年(平成29年) | 166.7 | 350.4 | 265.5 | 214.6 |
| 2018年(平成30年) | 168.5 | 304.2 | 263.1 | 214.1 |
| 2019年(平成31年・令和元年) | 170.1 | 363.3 | 285.6 | 228.8 |
| 2020年(令和2年) | 172.0 | 279.2 | 276.9 | 230.2 |
| 2021年(令和3年) | 172.2 | 338.4 | 288.2 | 227.3 |
| 2022年(令和4年) | 176.2 | 434.4 | 277.5 | 241.5 |
| 2023年(令和5年) | 204.1 | 366.7 | 314.3 | 281.1 |
| 2024年(令和6年) | 220.6 | 568.6 | 369.0 | 308.5 |
(注)「建築統計年報(国土交通省)」の「構造別 : 建築物の数、床面積の合計、工事費予定額」表の1㎡あたりの工事費予定額による
- 【注意】使用目的及びその範囲
- 「建物の標準的な建築価額表」は土地と建物を一括で取得し、その契約において価額の区分がない場合、価額区分の一方法として、建物の取得価額を算定するために使用するものです。従って、契約書等によりそれぞれの価額が区分して記載されている場合や、建物に係る消費税額が判明しており、消費税率で割り戻すことで建物価額が算出できる場合は、これを取得価額とします。
また、中古建物の場合は、その建物の建築時から取得時までの経過年数に応じた減価償却費相当額を控除した残額を取得価額とすることができます。
相続・遺贈又は贈与により取得した不動産の取得費・取得日
相続・遺贈又は贈与により取得した不動産は、原則として前所有者の取得費を引き継ぎます。
同じく取得時期も原則として前所有者の取得日を引き継ぎます。この他、収用の買換え特例や固定資産の交換の特例等の税金の特例を使って取得した場合には前の資産の取得費を引き継ぐという規定もあります。
ケーススタディ
長期譲渡所得の所得税・住民税
2013年(平成25年)3月に4,000万円で購入した非事業用マンション(鉄筋コンクリート造)を2026年(令和8年)1月に4,100万円で譲渡した場合、譲渡所得にかかる確定申告の税額はいくらですか。
譲渡費用は200万円かかりました。なおマイホームの3つの特例は対象外とします。
①課税譲渡所得を求めます。
4,100万円 -{( 4,000万円 - 491万円 )+ 200万円 }= 391万円
- ②建物について減価償却費を計算する。
- 所有期間は、2026年(令和8年)1月1日で5年超なので長期譲渡所得の所得税・住民税の税率20.315%が適用となります。
譲渡所得 391万円 × 20.315% = 79万円(所得税・住民税)
減価償却費の計算方法(参照)
4,000万円 = 土地 1,200万円 + 建物 2,800万円 の場合
2013年(平成25年)3月〜2026年(令和8年)1月……12年10ヶ月→13年
2,800万円 × 0.9 × 0.015 × 13年 = 491万円
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
上記ケースで購入時期が2021年(令和3年)3月だった場合(短期譲渡所得の所得税・住民税)
①課税譲渡所得を求めます。
4,100万円 -{( 4,000万円 - 189万円 )+ 200万円 }= 89万円
②税額を求めます。
所有期間は、2026年(令和8年)1月1日で5年以下なので短期譲渡所得の所得税・住民税の税率39.63%が適用となります。
課税譲渡所得 89万円 × 39.63% = 35万円(所得税・住民税)
減価償却費の計算方法(参照)
4,000万円 = 土地 1,200万円 + 建物 2,800万円 の場合
2021年(令和3年)3月〜2026年(令和8年)1月……4年10ヶ月→5年
2,800万円 × 0.9 × 0.015 × 5年 = 189万円
※経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。
- (注1)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。
- (注2)譲渡所得の税額計算については、譲渡所得の計算方法を参照。
土地や建物を売却したときの税金に関するフローチャート
土地や建物を売却した場合の特例適用の可否について以下のフローチャートをご参照ください。
なお10年を超えて所有する自宅を買換えずに譲渡する場合、「3,000万円特別控除の特例」と「10年超所有軽減税率の特例」は重複適用することができます。
また、買換えをして譲渡をした場合には上記の2つの特例を適用するか、又は買換えの特例を適用するかの選択ができます。
フローチャート






3,000万円特別控除の利用例
ケーススタディ
建物・土地共に夫・妻の共有の場合
相続で取得したマイホームを今年8,000万円で売却しました。
取得費は不明であり、譲渡費用は300万円でした。なお、夫婦共有で持分は土地・建物共に2分の1ずつとなっております。
「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用条件を満たしている場合、税金はいくらですか?
①譲渡益を求めます。
8,000万円 -( 8,000万円 × 5% + 300万円 )= 7,300万円
- ②譲渡益を持ち分で按分します。
夫・・・ 7,300万円 × 1 / 2 = 3,650円
妻・・・ 7,300万円 × 1 / 2 = 3,650円
- ③3,000万円特別控除後の譲渡益は
夫・・・ 3,650万円 - 3,000万円 = 650万円
妻・・・ 3,650万円 - 3,000万円 = 650万円
- ④「10年超所有軽減税率の特例」適用後の税額は
夫・・・ 650万円 × 14.21% = 92万円(所得税・住民税)
妻・・・ 650万円 × 14.21% = 92万円(所得税・住民税)
夫婦合計 184万円となります。
建物夫、土地妻所有の場合
マイホーム(妻が相続で取得した土地に夫が建物を建築)を今年5,000万円(建物400万円、土地4,600万円)で売却しました。取得費・譲渡費用は1,600万円(建物400万円、土地1,200万円)でした。建物は夫所有で土地は妻所有です。
「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用条件を満たしている場合、税金はいくらですか。
居住用家屋の所有者と敷地の所有者が異なる場合、家屋の所有者については「3,000万円特別控除」の適用がありますが、敷地の所有者には、この特例の適用がないのが原則です。しかし、家屋と敷地の所有者が異なる場合でも、家屋所有者の譲渡所得の金額から特別控除額3,000万円が全額控除しきれないときは、次に掲げる要件の全てに該当する場合に限り、その控除しきれない金額を敷地所有者の譲渡所得の金額から控除することができます。
- 要件
- ●その家屋とともにその敷地の用に供されている土地等の譲渡があったこと
- ●その家屋の所有者とその敷地の所有者とが親族関係を有し、かつ生計を一にしていること
- ●その敷地の所有者は、その家屋の所有者とともにその家屋を居住の用に供していること
| 夫・・・ | ①譲渡益 | 400万円 - 400万円 = 0円 |
| 妻・・・ | ①譲渡益 | 4,600万円 - 1,200万円 = 3,400万円 |
| ②特別控除 | 3,400万円 - ※3,000万円 = 400円 | |
| ③税額 | 400万円 × 14.21% = 56万円(所得税・住民税) |
※夫で控除しきれない特別排除の残額を妻の譲渡所得の金額から控除します。
店鋪兼住宅の場合
相続により取得した店舗併用住宅(居住部分3/4・店舗1/4)を今年6,000万円で売却しました。取得費は不明であり譲渡費用は300万円でした。居住用部分について「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用条件を満たしている場合、税金はいくらですか。
居住用部分に対応する譲渡所得についてのみ、「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用を受けることができます。
- ①譲渡益を求めます。
- 6,000万円 -( 6,000万円 × 5% + 300万円 )= 5,400万円
- ②居住用・非居住用部分の譲渡益は
居住用部分 ・・・ 5,400万円 × 3 / 4 = 4,050万円 非居住用部分 ・・・ 5,400万円 × 1 / 4 = 1,350万円
- ③税額の計算
居住用部分 ・・・ ( 4,050万円 - 3,000万円 )× 14.21% = 149万円(所得税・住民税) 非居住用部分 ・・・ 1,350万円 × 20.315% = 274万円(所得税・住民税) 合計 149万円 + 274万円 = 423万円
なお、居住部分の面積がその家屋の面積の概ね90%以上を占めている店舗兼住宅については、その家屋全部を居住部分とみて、「3,000万円特別控除」の適用を受けても差し支えないことになっております。
(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。
ケーススタディ
住まなくなって3年経過した日の年末までに譲渡した場合
3年前転勤により家族で転居することになり、住んでいた自宅は賃貸に出していました。
本年この旧自宅の売却をした場合、3,000万円特別控除の適用はできないでしょうか。
居住の用に供しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、3,000万円特別控除は適用することができます。
なお、居住の用に供しなくなった後、売却までの用途については空き家のままでも、賃貸に出していても構いません。

家を取壊し更地にしてから売却を行った場合
その更地の売却にかかる契約が家を取壊してから1年以内に締結され、かつ、その家を居住の用に供しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、家がなくとも3,000万円特別控除は適用することができます。なお、更地となった後については駐車場等、賃貸その他の用途に供してはいけません。

※但し、居住の用に供しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却が条件となります。
ケーススタディ
敷地の一部を売却した場合の居住用3,000万円特別控除の適用は?
庭先部分の売却
400㎡の土地に自宅を建てて暮らしています。
この度、建替え資金出のため敷地の一部を売却したいと思います。
庭先部分100㎡を売却しようとしています。
この場合、居住用3,000万円特別控除の適用はあるでしょうか?
次のように扱われます。
- ①その土地の一部の譲渡が、その居住用家屋の譲渡と同時に
行われたものであるときは特例の対象となります。 - ②その土地の一部の譲渡が、その居住用家屋の譲渡と同時に
行われていない場合、特例の対象とはなりません。
したがって、図のような庭先の一部譲渡は特例の
対象にはなりません。
家屋のある敷地部分であれば特例の対象になります。
ケーススタディ
一つの敷地を分割して2人の買主に売却した場合の3,000万円特別控除の適用は?
居住用敷地を分割して売却
マイホームを売却しようと思います。敷地が広いため一括で購入する
買主が見つかりません。2分割して、2人の買主に別々に売却するとい
う話が出ています。
この場合、居住用3,000万円特別控除は全体に適用できるでしょうか?
居住用財産の敷地を2つに分割して、一部は土地のみを譲渡し、残りは
土地と家屋とを共に譲渡した場合、いわゆる庭先だけの譲渡は居住用
財産の譲渡には該当しないものとして取り扱われます(ケーススタディ
「敷地の一部を売却した場合の居住用3,000万円特別控除の適用は?」
参照)。
しかし、居住用財産の一部の譲渡であっても、その譲渡がその居住用
財産の全部を譲渡する計画のもとに、その居住用財産の全部を譲渡
するための一連の行為として行われたものであり、かつ、同一年中に
その全部の譲渡が完了している場合には、その全部の譲渡について、
居住用3,000万円特別控除の適用があります。
(注)2区画以上に分割して渡する場合、税務上は問題ないのですが、不動産
業者と同等の分譲事業となるため、宅地建物取引業法の制約があります。
ケーススタディ
土地が単独所有、建物が二人の区分所有の場合
以前から父が所有していた土地(所有期間10年超)に2019年(令和元年)11月に完全分離型の二世帯住宅を建築し、父と息子で区分所有して居住しております。2026年(令和8年)2月に8,000万円で売却(建物対価3,000万円、土地対価5,000万円)しました。取得費については不明として計算します。
譲渡費用は400万円(建物譲渡費用150万円、土地譲渡費用250万円)です。税額はいくらになりますか。
- 条件整理
- ●完全分離型の二世帯住宅
- ●一階、二階ともに床面積は同じ
- ●一階は父が、二階は息子がそれぞれ所有している
- ●父及び息子は別生計
- ●土地は父が単独で所有
完全分離型の二世帯住宅で、土地が父の単独所有の場合、土地につい
て父利用部分(全体の建物の床面積のうち、父所有分が占める割合)
は居住用となりますが、息子利用部分(全体の建物の床面積のうち、
息子所有分が占める割合)は、自己の居住用以外となり、居住用の
特例の適用は受けられなくなります。
- ①譲渡益を求めます。
建物・・・ 3,000万円 -( 3,000万円 × 5% + 150万円 )= 2,700万円
土地・・・ 5,000万円 -( 5,000万円 × 5% + 250万円 )= 4,500万円
- ②譲渡益を所有権ごとに按分します。
息子:建物 ・・・ 2,700万円 × 1 / 2 = 1,350万円 父:建物 ・・・ 2,700万円 × 1 / 2 = 1,350万円 土地 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4,500万円
- ③税額を計算します。
- 特別控除課税所得
息子・・・1,350万円 - 1,350万円※ = 0円税額 0円
※1,350万円<3,000万円のため特別控除は1,350万円
息子の譲渡税は課税されません。
- 父:居住用部分譲渡益
建物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,350万円
土地・・・4,500万円 × 1 / 2 = 2,250万円
合計3,600万円
税額・・・( 3,600万円 - 3,000万円 )× 20.315%※ = 121万円(所得税・住民税)
※譲渡した年の1月1日現在において、建物と土地の所有期間がともに10年を超えていないため、軽減税率の適用はできません。
- 父:非居住用部分譲渡益
土地・・・4,500万円 × 1 / 2 = 2,250万円
税額・・・2,250万円 × 20.315% = 457万円(所得税・住民税)
- 譲渡税額は
息子・・・0円、父・・・121万円 + 457万円 = 578万円 となります。
(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切捨てて計算しております。
ケーススタディ
2013年(平成25年)4月に3,000万円で購入したマンションを2026年(令和8年)5月に3,200万円で売却しました。譲渡費用は113万円、減価償却費は209万円でした。この売却と同時に自己資金2,000万円、ローン4,500万円で個人の売主から6,500万円の中古マンション(省エネ等住宅に該当しない)を購入しました。
3,000万円特別控除を選択すると住宅ローン控除は使えないそうですが、どちらを選択した方が有利ですか?
3,000万円特別控除を選択すると
①譲渡益の計算
3,200万円 -{( 3,000万円 - 209万円 )+ 113万円 }= 296万円
②課税譲渡所得と税額
296万円 - 296万円※ = 0円税額 0円
※296万円<3,000万円のため特別控除は296万円
住宅ローン控除を選択すると
①課税譲渡所得と税額
296万円 × 20.315% = 60万円(所得税・住民税)
②住宅ローン控除の控除額の計算
個人から省エネ等住宅に該当しない中古住宅を購入し、2026年(令和8年)に入居した場合は、住宅ローン控除を適用する上での年末のローン残高の上限は2,000万円です。入居年から10年間の年末ローン残高が2,000万円以上であり、かつ毎年の年間の所得税額が14万円を超える方を前提とすると、10年間の住宅ローン控除適用による減税額は140万円となります。(住宅ローン控除参照)
住宅ローン控除 = ▲140万円(所得税)
③ ①と②を合計した税額は
上記の事例では後者の方が有利になります。但し譲渡税は先払い、ローン控除の所得税は10年間で還付されます。
(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切捨てて計算しております。
3,000万円特別控除に関するQ&A
Q.22 居住用財産を弟へ売却。弟はその家に住み、私は別の場所にマイホームを新築した。親族への売却だが、居住用の特例は適用できる?Q.23 転勤により、大学に通う子供だけを残して転居し、生活の拠点を移した。このような親族のみが居住する物件を売却した場合でも、3,000万円特別控除の特例は受けられる?Q.24 3,000万円特別控除を適用すると配偶者控除及び配偶者特別控除や基礎控除が使えなくなる場合がある?特定居住用財産の買換え特例について
マイホームを売却した金額より、買換えたマイホームの取得金額の方が大きければ課税されないという制度です。
この制度は税金の支払いを免除するのではなく、課税の繰り延べといわれます。
譲渡資産に対する譲渡所得税は買換え資産に引き継がれます。
この場合、譲渡資産の「取得費」は次の買換え資産に引き継がれますが、「取得日」は引き継がれません。
譲渡所得の計算
| 譲渡代金>買換え代金の場合 | 譲渡代金≦買換え代金の場合 |
|---|---|
| 譲渡所得はなし |
特例の適用判断にあたっての注意点
- 1. 居住期間は通算年数で判定
- 特定居住用財産の買換え特例には居住期間が10年という要件がありますが、引き続き居住している必要はなく、転勤等により一時的にその場所以外に居住している期間がある場合には、通算して10年以上であればかまいません。また、その10年という期間は譲渡した日までの居住期間をいい、前述した所有期間の計算とは考え方が違いますので、注意してください(「税務上の居住期間・所有期間・建築年数とは」参照)。
- 2. 土地と建物の所有者が異なる場合でも可能
特定居住用財産の買換え特例は、基本的に建物の所有者に適用されます。しかし、土地と建物の所有者が異なる場合でも、次の要件を全て満たしたときは特定居住用財産の買換え特例の適用を受けることができます。敷地所有者と建物所有者が、譲渡資産の譲渡時から買換資産を居住の用に供すべき期日(取得年の翌年末)まで生計を一にする親族関係があるという条件と共に、売却した資産・購入した資産に次のような条件が付いています。
売却したマイホーム(譲渡資産) 購入したマイホーム(買換資産) - ①敷地所有者の所有期間10年超
- ②敷地所有者の居住期間10年以上
- ③敷地と建物の同時譲渡
- ④敷地所有者と建物所有者が譲渡時に同居
- ①居住用の建物・敷地を取得すること
- ②買換資産は譲渡資産の収入割合に応じて取得
- ③買換資産の取得期限内までに取得
- ④譲渡した敷地所有者・建物所有者共に買換資産に居住する
※買換資産のうち、2028年(令和10年)1月1日以後に居住の用に供する建築後使用されたことのない家屋で「災害危険区域等内」に存するものは適用対象外
- 3. 適用期限
- 2027年(令和9年)12月31日までの譲渡で、譲渡価額が1億円以下(※固定資産税等精算金を含む)である場合に限る
ケーススタディ
特定居住用財産の買換え特例を受けて購入したマイホームを売却する場合の税額
現在の自宅は、1994年(平成6年)に購入した従前の自宅(取得費2,000万円)を2016年(平成28年)に6,000万円で売却し、同年にその売却代金と自己資金1,000万円を合計した7,000万円で買換えたものです。この時に特定居住用財産の買換え特例を利用しました。今般、この自宅について売却を検討しています(売却予定金額は9,000万円)が税金はどうなるでしょうか。

| 計算のポイント | 居住している自宅であるため3,000万円特別控除を利用することはできます。但し、現在の自宅は2016年(平成28年)に取得したものであり、2026年(令和8年)に譲渡した場合は、譲渡した年の1月1日現在において10年超所有していないことになりますので、特定居住用財産の買換え特例や10年超所有軽減税率の特例は利用できません。 なお、この自宅の譲渡所得計算上の取得費は、1994年(平成6年)に購入した従前の自宅の取得費2,000万円に自己資金1,000万円を加えた3,000万円となります。 |
|---|
- ①2016年(平成28年)買換え特例を適用した税額は 0円
②2026年(令和8年)3,000万円特別控除を適用した税額
売却代金取得費譲渡費用特別控除9,000万円 -( 3,000万円 + 280万円 )- 3,000万円 = 2,720万円
(注)譲渡費用を280万円と想定
● 税額を求めます。
所得税 = 2,720万円 × 15.315% = 416万円
住民税 = 2,720万円 ×5% = 136万円
合計 552万円
- ③2016年(平成28年)と2026年(令和8年)の税額合計552万円です。
2016年(平成28年)の時点で買換え特例を使わず購入していた場合の税額
①2016年(平成28年)3,000万円特別控除を適用したと仮定した税額
売却代金取得費特別控除6,000万円 - 2,000万円 - 3,000万円 = 1,000万円
(注)譲渡費用は考慮しない
● 税額を求めます。
所得税 = 1,000万円 × 10.21% = 102万円
住民税 = 1,000万円 ×4% = 40万円
合計 142万円
②2026年(令和8年)3,000万円特別控除を適用した税額
売却代金取得費譲渡費用特別控除9,000万円 -( 7,000万円 + 280万円 )- 3,000万円 = 0円
(注)譲渡費用を280万円と想定
- ③2016年(平成28年)と2026年(令和8年)の税額合計142万円です。
このように買換え特例を利用した場合、買換えしたときの税金はなくても、その後その買換資産を売却した場合には当初の売却時に3,000万円特別控除を適用した方が有利な場合があります。買換え特例を選択する場合は買換資産を10年を超えて所有するという長期的な目線で税法上の適用を考えなければなりません。
※1994年(平成6年)から2016年(平成28年)までの10年超所有軽減税率
(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。
特定居住用財産の買換え特例のポイント
- 取得費の引き継ぎ
- 2016年(平成28年)に取得した自宅の取得費は、7,000万円ではなく、1994年(平成6年)の取得費2,000万円を引き継いでおり、これに1,000万円の自己資金を加えた3,000万円とみなされます。
- 取得日はいつか?
- 取得費2,000万円が引き継がれる一方で、取得日は引き継がれません。2016年(平成28年)に取得した自宅の取得日は2016年(平成28年)となります。
3,000万円特別控除と特定居住用財産の買換え特例の比較
所有期間が10年超の場合
マイホームの譲渡所得が3,000万円以下である場合は3,000万円特別控除の適用で税金は発生しません。3,000万円を超えたときは買換資産の価格により、「3,000万円特別控除」+「10年超所有軽減税率の特例」又は「特定居住用財産の買換え特例」の有利不利を比較する必要があります。
親からの相続により取得した自宅(取得費不明、10年超所有)を今年4月に7,000万円で譲渡しました。譲渡費用は300万円でした。
「3,000万円特別控除」+「10年超所有軽減税率の特例」の適用要件を満たしている場合の税金はいくらですか。
①譲渡所得を求めます
譲渡収入取得費譲渡費用7,000万円 -( 7,000万円 × 5% + 300万円 )= 6,350万円
②課税譲渡所得(3,000万円特別控除後)
譲渡所得特別控除6,350万円 - 3,000万円 = 3,350万円
③「10年超所有軽減税率の特例」適用後の税額
所得税 = 3,350万円 × 10.21% = 342万円
住民税 = 3,350万円 ×4% = 134万円
合計 476万円
上記ケース1と同じ条件で譲渡し、5,000万円の物件(取得費用を含む)に買換えた場合、特定居住用財産の買換え特例の適用を受けると税金はどうなりますか。
「譲渡代金>買換え代金」の場合には、その差額について長期譲渡所得の税率で課税されます。
①譲渡収入金額
7,000万円 - 5,000万円 = 2,000万円
②取得費・譲渡費用
(7,000万円 × 5% + 300万円)×2,000万円7,000万円=185万円
③譲渡所得
2,000万円 - 185万円 = 1,815万円
④税額
所得税 = 1,815万円 × 15.315% = 277万円
住民税 = 1,815万円 ×5% = 90万円
合計 367万円
476万円>ケース2
367万円
今年分の確定申告においては、ケース2の特定居住用財産の買換え特例を選択した方が有利となります。
(注)税額は円単位で算出しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。
店舗兼住宅の場合の居住用の買換え・事業用の買換え
特定居住用財産の買換え特例を適用するには、買換資産の家屋の登記床面積が50㎡以上かつ土地面積が500㎡以下という要件があります。店舗兼住宅とその敷地を一括で譲渡して、その譲渡代金全額を使って店舗兼住宅とその敷地を取得し、特定居住用財産の買換え特例を適用する場合の面積要件の考え方は次のようになります。
- ●家屋
- 店舗兼住宅のうち居住用部分の登記床面積が50㎡以上であること
- ●土地
- 買換資産の土地全体が500㎡以下であること
なお、譲渡した不動産の事業用部分については、特定事業用資産の買換え特例の適用を受けることが可能なケースもあります。
売買契約締結後、引渡し前に相続が発生した場合
不動産売買契約締結後、引渡し前に相続が発生した場合の譲渡税と相続税の取扱いは次の通りです。
売主の譲渡税の取扱い
譲渡所得を計算する上で譲渡した日は「契約した日」又は「引渡した日」のいずれかを選択することができます。どちらを選択するのかで課税関係が変わります。
- ①引渡日を譲渡日として申告する場合(原則的な考え方)
引渡した日を譲渡した日と考えた場合、相続人が譲渡したと考え相続人が確定申告することとなります。この場合相続後でも相続人のマイホームであれば、居住用財産の3,000万円特別控除を適用することができます。また、この場合には相続税額の取得費加算の規定も適用することが可能です。 - ②契約日を譲渡日として申告する場合(特例)
契約した日を譲渡した日と考えた場合、被相続人が譲渡したと考え被相続人の準確定申告で譲渡所得を計算することとなります。この場合、被相続人のマイホームであれば、居住用財産の3,000万円特別控除を適用することができます。また、相続税の計算上譲渡税が債務控除の対象となります。また契約日と同年中に相続が発生した場合には、被相続人は譲渡の翌年1月1日に存在していないため、住民税はかからないこととなります。なお、準確定申告の際に譲渡所得の申告がなかった場合には、契約日を譲渡日として申告することができません。
| 引渡日を譲渡日とする場合 | 契約日を譲渡日とする場合 | |
|---|---|---|
| 申告者 | 相続人 | 被相続人 |
| 課税される税目 | 所得税、住民税 | 所得税 (契約日の翌年に相続が発生した場合には 住民税も課税される) |
| 居住用の特例について | 相続人が要件を満たせば適用可 | 被相続人が要件を満たせば適用可 |
| 相続税の債務控除 | 譲渡税部分は対象とならない | 譲渡税部分は対象となる |
| 相続税額の取得費加算 | 適用可 | 適用不可 |
相続税の取扱い

- ①売主が亡くなった場合
土地としての評価ではなく譲渡代金の残代金請求権として評価します。今回のケースは4,500万円の未収入金が相続財産となります。 - ②買主が亡くなった場合
(イ)原則:相続財産として土地の引渡請求権と、債務として残代金支払債務を評価します。
今回のケースは5,000万円の債権と、4,500万円の債務となります。(ロ)特例:相続財産について土地として相続税の申告があった場合には相続税評価額で計算されることとなります。
| 売主が亡くなった場合 | 買主が亡くなった場合 | |
|---|---|---|
| 相続により取得した財産 | 預金:500万円 残代金請求権:4,500万円 | 土地引渡請求権:5,000万円 又は土地:4,000万円 |
| 相続により継承した債務 | なし | 残代金支払債務:4,500万円 |
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
損益通算とは、譲渡所得、不動産所得、事業所得等の計算上生じた損失を給与所得などの他の所得と相殺することをいい、繰越控除とはその相殺しきれなかった損失を翌年以後の所得と相殺することをいいます。
ケーススタディ
給与所得は800万円です。自宅を買換えましたが売却の際に3,200万円の譲渡損が発生しました。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用要件を満たしており住宅ローン控除を併用しています。
- 売却した年の税金(損益通算)
- ●給与所得より大きな譲渡損失があるのでその年に源泉徴収された所得税は確定申告により全額還付されます。
- ●住民税は前年の所得に基づき翌年に課税されます。損益通算により翌年の住民税は所得税同様ゼロとなります。
- 2年目以後の税金(繰越控除)
- ●売却した年の譲渡損失で引ききれなかった2,400万円(3,200万円 - 800万円)は翌年以後3年間その年の給与所得から順次控除されます。本ケースでは3年間にわたり控除され、各年の所得税はゼロになります。住民税は下表のように1年遅れで3年間ゼロとなります。
- ●5年目は繰越控除が適用できなくなりますが、買換えた物件の住宅ローン控除がこの年から適用できるようになります。
| 所得税 | 住民税 | |
|---|---|---|
| 売却した年 | 損益通算 | ─ |
| 2年目 | 繰越控除 | 損益通算 |
| 3年目 | 繰越控除 | 繰越控除 |
| 4年目 | 繰越控除 | 繰越控除 |
| 5年目 | ─ | 繰越控除 |
損益通算と譲渡損失繰越控除の計算方法例
| 給与所得 | 譲渡損失と繰越計算 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 売却した年 | 800万円 |
| |||
| 2年目 | 800万円 |
| |||
| 3年目 | 800万円 |
| |||
| 4年目 | 800万円 |
| |||
| 5年目 | 800万円 | この年から住宅ローン控除が適用されます。 |
居住用財産の損益通算及び繰越控除に関するQ&A
Q.25 損益通算・繰越控除を住宅ローン控除と併用する場合の計算上の注意点は?土地等の2009年(平成21年)・2010年(平成22年)取得の1,000万円特別控除
2009年(平成21年)又は2010年(平成22年)に取得した国内にある土地等を譲渡した場合には、譲渡所得の金額から1,000万円を控除することができます。譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合にはその譲渡所得の金額が控除額になります。
| 要件 |
|---|
※居住用の3,000万円特別控除、特定居住用財産の買換え特例等との併用はできません。住宅ローン控除との併用は可能です。 |
土地等の1,000万円特別控除に関するQ&A
Q.26 2010年(平成22年)2月に購入したマンションを今年4月に売却した。マンションの売却でも1,000万円控除の適用は受けられる?Q.27 賃貸していた土地家屋を売却した。
自己の居住用ではないが、1,000万円控除は受けられる?Q.28 兄と共有の土地を売却した。
私と兄の各々が1,000万円までの控除を受けられる?Q.29 今年5月に10年間住んだマイホームを売却し、2009年(平成21年)に購入した土地を9月に売却した。
マイホームについては居住用3,000万円控除の適用を受けようと思うが、9月に売却した土地については1,000万円控除を受けることができる?Q.30 2010年(平成22年)に購入した自宅マンションを今年売却して、戸建に買換えた。
売却するときの居住用3,000万円控除と買換える自宅の住宅ローン控除との併用はできないが、1,000万円控除と住宅ローン控除の併用は可能?Q.31 2009年(平成21年)に2つの土地を購入したが、今年そのうちの1つを売却して1,000万円控除を受ける予定。
もう一方の土地を翌年以後に売却した場合、1,000万円控除はもう受けられない?
空き家の3,000万円特別控除
空き家の3,000万円特別控除とは、被相続人の死亡により空き家になった不動産を相続人又は包括受遺者が売却した場合、適用要件を満たすものについてはその譲渡所得から3,000万円(もしくは2,000万円)を控除することができる制度です。
| 要件 | |
|---|---|
| 適用期間 | 相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年(令和9年)12月31日までの譲渡 |
| 相続した家屋 |
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| 譲渡対価等 |
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| 特別控除額 | 相続人1人につき3,000万円(空き家及びその敷地を取得した相続人が3人以上いる場合は1人あたり2,000万円) |
| 他の特例との関係 |
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空き家の3,000万円特別控除に関するQ&A
Q.32 母が亡くなり、長男が相続により被相続人の居住用家屋を取得した。母が亡くなる以前、父からの相続の際に、既に2分の1を相続により取得していた場合の空き家の3,000万円控除の対象はどうなる?空き家の3,000万円特別控除の適用を受けるための手続きは?
2段階で申請します。まず、空き家が所在する市区町村で空き家の確認書を発行してもらいます。その確認書を確定申告書に添付して税務署に提出します。









ケーススタディ
昨年、1人暮らしをしていた父が亡くなりました。一人息子である私が相続しましたが、使用する予定がないため、売却することにしました。
敷地上には父が亡くなる直前まで暮らしていた自宅200㎡、店舗100㎡、倉庫100㎡(=全体で400㎡)が建っています。
全体で8,800万円で売却しました。空き家の3,000万円控除を適用すると税額はどうなるでしょうか?
仲介手数料や測量費などの譲渡費用の合計額は360万円です。




- 監修
- 東京シティ税理士事務所https://tokyocity.co.jp/