不動産・住宅税金の手引き譲渡所得の計算方法
不動産を売却する方

譲渡所得の計算方法

不動産を売却する際の課税方法・所有期間・税率などについて解説いたします。

譲渡所得とは

不動産を売却したことによって生じた所得を譲渡所得といいます。譲渡所得に対しては、他の所得と分離して所得税と住民税が課税されます。なお、譲渡所得がマイナスの場合には課税されることはありません。

課税方法・所有期間・税率など

取得費・譲渡費用

ケーススタディ

新築で購入した住宅を売却した場合の取得費の計算

1989年(平成元年)2月(新築、鉄骨鉄筋コンクリート造)に4,500万円で購入したマンションを2026年(令和8年)11月に売却しました。契約書をみても土地・建物の価格が明記されておりません。
土地・建物の取得費の計算方法について教えてください。なお、建物の登記床面積は80㎡です。

①購入金額を土地と建物の金額に区分する。
建物の標準的な建築価額表を用いて建物の取得価額を算出します。マンションの購入価額から算出した建物の価額を差し引いた金額が土地の取得価額となります。
購入時の建物の取得価額

1989年(平成元年)鉄骨鉄筋コンクリート造:237,300円(1㎡あたり)

237,300円 × 80㎡ = 18,984,000円

購入時の土地の取得価額
45,000,000円 - 18,984,000円 = 26,016,000円
②建物について減価償却費を計算する。
建物は経年劣化するため、購入価額が取得費とはなりません。従って、売却時点での価値を求める必要があります。売却時点の価値とは、取得価額から減価償却費を差し引いた金額です。
売却時の建物の取得費

1989年(平成元年)2月~2026年(令和8年)11月・・・・・・37年9ヶ月→38年※

18,984,000円 × 0.9 × 0.015(70年)× 38年 = 9,738,792円

18,984,000円 - 9,738,792円 = 9,245,208円

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

③譲渡所得の計算の基礎となる取得費の金額

①土地・・・26,016,000円 + ②建物・・・9,245,208円 = 35,261,208円

ケーススタディ

中古で購入した住宅を売却した場合の取得費の計算

2000年(平成12年)7月建築の戸建(木造、登記面積80㎡)を2014年(平成26年)2月に3,000万円(土地・建物一括、内訳は不明)で購入し、2026年(令和8年)6月に売却した場合の土地・建物の取得費の計算方法を教えてください。

①購入価額を土地と建物の金額に区分する
2000年(平成12年)新築時の建物価額を建物の標準的な建築価額表を用いて算出し、新築時から購入時までの減価の額を計算して、購入時の建物の取得価額を求めます。その建物の取得価額を一括購入価額から差し引いた金額が土地の取得価額となります。
新築時の建物の建築価額

2000年(平成12年)木造:159,000円(1㎡あたり)

159,000円 × 80㎡ = 12,720,000円

新築時から
取得日までの減価の額

2000年(平成12年)7月~2014年(平成26年)2月・・・・・・13年7ヶ月→14年※

12,720,000円 × 0.9 × 0.031(33年)× 14年 = 4,968,432円

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

購入時の建物の取得価額
12,720,000円 - 4,968,432円 = 7,751,568円
購入時の土地の取得価額
30,000,000円 - 7,751,568円 = 22,248,432円

②建物について取得日から売却日までの減価の額を計算する

売却時の建物の取得費

2014年(平成26年)2月~2026年(令和8年)6月12年4ヶ月→12年※

7,751,568円 × 0.9 × 0.031(33年)× 12年 = 2,595,224円

7,751,568円 - 2,595,224円 = 5,156,344円

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

③譲渡所得の計算の基礎となる取得費の金額

①土地・・・・・・22,248,432円 + ②建物・・・5,156,344円 = 27,404,776円

ケーススタディ

居住中に増改築をした場合の取得費の計算

2002年(平成14年)3月に3,000万円で建築した建物(木造)を2026年(令和8年)5月に売却しました。
この建物に対して2016年(平成28年)4月に1,000万円をかけて増改築をしております。
この場合の建物の取得費の計算方法について教えてください。

①新築部分

2002年(平成14年)3月 〜 2026年(令和8年)5月…24年 2ヶ月 → 24年※

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

30,000,000円 × 0.9 × 0.031(33年)× 24年 = 20,088,000円

30,000,000円 - 20,088,000円 = 9,912,000円

②増改築部分

2016年(平成28年)4月 〜 2026年(令和8年)5月…10年1ヶ月 → 10年※

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

10,000,000円 × 0.9 × 0.031(33年)× 10年 = 2,790,000円

10,000,000円 - 2,790,000円 = 7,210,000円

③建物の取得費 9,912,000円 + 7,210,000円 = 17,122,000円

標準建築価額による取得価額の計算

対象となる建物の築年数を調べます。
建築年月日や建物の構造は、建物の全部事項証明書等で確認ができます。

建物の取得価額を算出します。

該当する単価 × 登記床面積 = 建物の取得価額
建物の標準的な建築価額表
(単位:千円/㎡)
建築年構造
木造・
木骨モルタル
鉄骨鉄筋
コンクリート
鉄筋
コンクリート
鉄骨
1965年(昭和40年)16.845.030.317.9
1966年(昭和41年)18.242.430.617.8
1967年(昭和42年)19.943.633.719.6
1968年(昭和43年)22.248.636.221.7
1969年(昭和44年)24.950.939.023.6
1970年(昭和45年)28.054.342.926.1
1971年(昭和46年)31.261.247.230.3
1972年(昭和47年)34.261.650.232.4
1973年(昭和48年)45.377.664.342.2
1974年(昭和49年)61.8113.090.155.7
1975年(昭和50年)67.7126.497.460.5
1976年(昭和51年)70.3114.698.262.1
1977年(昭和52年)74.1121.8102.065.3
1978年(昭和53年)77.9122.4105.970.1
1979年(昭和54年)82.5128.9114.375.4
1980年(昭和55年)92.5149.4129.784.1
1981年(昭和56年)98.3161.8138.791.7
1982年(昭和57年)101.3170.9143.093.9
1983年(昭和58年)102.2168.0143.894.3
1984年(昭和59年)102.8161.2141.795.3
1985年(昭和60年)104.2172.2144.596.9
1986年(昭和61年)106.2181.9149.5102.6
1987年(昭和62年)110.0191.8156.6108.4
1988年(昭和63年)116.5203.6175.0117.3
1989年(平成元年)123.1237.3193.3128.4
1990年(平成2年)131.7286.7222.9147.4
1991年(平成3年)137.6329.8246.8158.7
1992年(平成4年)143.5333.7245.6162.4
1993年(平成5年)150.9300.3227.5159.2
1994年(平成6年)156.6262.9212.8148.4
1995年(平成7年)158.3228.8199.0143.2
1996年(平成8年)161.0229.7198.0143.6
1997年(平成9年)160.5223.0201.0141.0
1998年(平成10年)158.6225.6203.8138.7
1999年(平成11年)159.3220.9197.9139.4
2000年(平成12年)159.0204.3182.6132.3
2001年(平成13年)157.2186.1177.8136.4
2002年(平成14年)153.6195.2180.5135.0
2003年(平成15年)152.7187.3179.5131.4
2004年(平成16年)152.1190.1176.1130.6
2005年(平成17年)151.9185.7171.5132.8
2006年(平成18年)152.9170.5178.6133.7
2007年(平成19年)153.6182.5185.8135.6
2008年(平成20年)156.0229.1206.1158.3
2009年(平成21年)156.6265.2219.0169.5
2010年(平成22年)156.5226.4205.9163.0
2011年(平成23年)156.8238.4197.0158.9
2012年(平成24年)157.6223.3193.9155.6
2013年(平成25年)159.9258.5203.8164.3
2014年(平成26年)163.0276.2228.0176.4
2015年(平成27年)165.4262.2240.2197.3
2016年(平成28年)165.9308.3254.2204.1
2017年(平成29年)166.7350.4265.5214.6
2018年(平成30年)168.5304.2263.1214.1
2019年(平成31年・令和元年)170.1363.3285.6228.8
2020年(令和2年)172.0279.2276.9230.2
2021年(令和3年)172.2338.4288.2227.3
2022年(令和4年)176.2434.4277.5241.5
2023年(令和5年)204.1366.7314.3281.1
2024年(令和6年)220.6568.6369.0308.5

(注)「建築統計年報(国土交通省)」の「構造別 : 建築物の数、床面積の合計、工事費予定額」表の1㎡あたりの工事費予定額による

【注意】使用目的及びその範囲
「建物の標準的な建築価額表」は土地と建物を一括で取得し、その契約において価額の区分がない場合、価額区分の一方法として、建物の取得価額を算定するために使用するものです。従って、契約書等によりそれぞれの価額が区分して記載されている場合や、建物に係る消費税額が判明しており、消費税率で割り戻すことで建物価額が算出できる場合は、これを取得価額とします。
また、中古建物の場合は、その建物の建築時から取得時までの経過年数に応じた減価償却費相当額を控除した残額を取得価額とすることができます。

相続・遺贈又は贈与により取得した不動産の取得費・取得日

相続・遺贈又は贈与により取得した不動産は、原則として前所有者の取得費を引き継ぎます。
同じく取得時期も原則として前所有者の取得日を引き継ぎます。この他、収用の買換え特例や固定資産の交換の特例等の税金の特例を使って取得した場合には前の資産の取得費を引き継ぐという規定もあります。

ケーススタディ

長期譲渡所得の所得税・住民税

2013年(平成25年)3月に4,000万円で購入した非事業用マンション(鉄筋コンクリート造)を2026年(令和8年)1月に4,100万円で譲渡した場合、譲渡所得にかかる確定申告の税額はいくらですか。
譲渡費用は200万円かかりました。なおマイホームの3つの特例は対象外とします。

①課税譲渡所得を求めます。

譲渡収入取得価額減価償却費譲渡費用課税譲渡所得

4,100万円 -{( 4,000万円 - 491万円 )+ 200万円 }= 391万円

②建物について減価償却費を計算する。
所有期間は、2026年(令和8年)1月1日で5年超なので長期譲渡所得の所得税・住民税の税率20.315%が適用となります。

譲渡所得 391万円 × 20.315% = 79万円(所得税・住民税)

減価償却費の計算方法(参照
4,000万円 = 土地 1,200万円 + 建物 2,800万円 の場合

2013年(平成25年)3月〜2026年(令和8年)1月……12年10ヶ月→13年
2,800万円 × 0.9 × 0.015 × 13年 = 491万円

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

上記ケースで購入時期が2021年(令和3年)3月だった場合(短期譲渡所得の所得税・住民税)

①課税譲渡所得を求めます。

譲渡収入取得価額減価償却費譲渡費用課税譲渡所得

4,100万円 -{( 4,000万円 - 189万円 )+ 200万円 }= 89万円

②税額を求めます。

所有期間は、2026年(令和8年)1月1日で5年以下なので短期譲渡所得の所得税・住民税の税率39.63%が適用となります。

課税譲渡所得 89万円 × 39.63% = 35万円(所得税・住民税)

減価償却費の計算方法(参照
4,000万円 = 土地 1,200万円 + 建物 2,800万円 の場合

2021年(令和3年)3月〜2026年(令和8年)1月……4年10ヶ月→5年
2,800万円 × 0.9 × 0.015 × 5年 = 189万円

経過年数6ヶ月以上の端数は1年とし、6ヶ月未満は切り捨てます。

  1. (注1)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。
  2. (注2)譲渡所得の税額計算については、譲渡所得の計算方法を参照。

土地や建物を売却したときの税金に関するフローチャート

土地や建物を売却した場合の特例適用の可否について以下のフローチャートをご参照ください。
なお10年を超えて所有する自宅を買換えずに譲渡する場合、「3,000万円特別控除の特例」と「10年超所有軽減税率の特例」は重複適用することができます。
また、買換えをして譲渡をした場合には上記の2つの特例を適用するか、又は買換えの特例を適用するかの選択ができます。

フローチャート

3,000万円特別控除の利用例

ケーススタディ

建物・土地共に夫・妻の共有の場合

相続で取得したマイホームを今年8,000万円で売却しました。
取得費は不明であり、譲渡費用は300万円でした。なお、夫婦共有で持分は土地・建物共に2分の1ずつとなっております。
「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用条件を満たしている場合、税金はいくらですか?

①譲渡益を求めます。

8,000万円譲渡収入 -( 8,000万円概算取得費 × 5% + 300万円譲渡費用 )= 7,300万円譲渡益

②譲渡益を持ち分で按分します。

夫・・・ 7,300万円 × 1 / 2 = 3,650円

妻・・・ 7,300万円 × 1 / 2 = 3,650円

③3,000万円特別控除後の譲渡益は

夫・・・ 3,650万円 - 3,000万円 = 650万円

妻・・・ 3,650万円 - 3,000万円 = 650万円

④「10年超所有軽減税率の特例」適用後の税額は

夫・・・ 650万円 × 14.21% = 92万円(所得税・住民税)

妻・・・ 650万円 × 14.21% = 92万円(所得税・住民税)

夫婦合計 184万円となります。

建物夫、土地妻所有の場合

マイホーム(妻が相続で取得した土地に夫が建物を建築)を今年5,000万円(建物400万円、土地4,600万円)で売却しました。取得費・譲渡費用は1,600万円(建物400万円、土地1,200万円)でした。建物は夫所有で土地は妻所有です。
「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用条件を満たしている場合、税金はいくらですか。

居住用家屋の所有者と敷地の所有者が異なる場合、家屋の所有者については「3,000万円特別控除」の適用がありますが、敷地の所有者には、この特例の適用がないのが原則です。しかし、家屋と敷地の所有者が異なる場合でも、家屋所有者の譲渡所得の金額から特別控除額3,000万円が全額控除しきれないときは、次に掲げる要件の全てに該当する場合に限り、その控除しきれない金額を敷地所有者の譲渡所得の金額から控除することができます。

要件
  • ●その家屋とともにその敷地の用に供されている土地等の譲渡があったこと
  • ●その家屋の所有者とその敷地の所有者とが親族関係を有し、かつ生計を一にしていること
  • ●その敷地の所有者は、その家屋の所有者とともにその家屋を居住の用に供していること
夫・・・①譲渡益400万円 - 400万円 = 0円
妻・・・①譲渡益4,600万円 - 1,200万円 = 3,400万円
②特別控除3,400万円 - 3,000万円 = 400円
③税額400万円 × 14.21% = 56万円(所得税・住民税)

夫で控除しきれない特別排除の残額を妻の譲渡所得の金額から控除します。

店鋪兼住宅の場合

相続により取得した店舗併用住宅(居住部分3/4・店舗1/4)を今年6,000万円で売却しました。取得費は不明であり譲渡費用は300万円でした。居住用部分について「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用条件を満たしている場合、税金はいくらですか。

居住用部分に対応する譲渡所得についてのみ、「3,000万円特別控除」と「10年超所有軽減税率の特例」の適用を受けることができます。

①譲渡益を求めます。
6,000万円 -( 6,000万円 × 5% + 300万円 )= 5,400万円
②居住用・非居住用部分の譲渡益は
居住用部分・・・5,400万円 × 3 / 4 = 4,050万円
非居住用部分・・・5,400万円 × 1 / 4 = 1,350万円
③税額の計算
居住用部分・・・( 4,050万円 - 3,000万円 )× 14.21% = 149万円(所得税・住民税)
非居住用部分・・・1,350万円 × 20.315% = 274万円(所得税・住民税)

合計 149万円 + 274万円 = 423万円

なお、居住部分の面積がその家屋の面積の概ね90%以上を占めている店舗兼住宅については、その家屋全部を居住部分とみて、「3,000万円特別控除」の適用を受けても差し支えないことになっております。

(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。

ケーススタディ

住まなくなって3年経過した日の年末までに譲渡した場合

3年前転勤により家族で転居することになり、住んでいた自宅は賃貸に出していました。
本年この旧自宅の売却をした場合、3,000万円特別控除の適用はできないでしょうか。

居住の用に供しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、3,000万円特別控除は適用することができます。
なお、居住の用に供しなくなった後、売却までの用途については空き家のままでも、賃貸に出していても構いません。

住まなくなって3年経過した日の年末までに譲渡した場合

家を取壊し更地にしてから売却を行った場合

その更地の売却にかかる契約が家を取壊してから1年以内に締結され、かつ、その家を居住の用に供しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すれば、家がなくとも3,000万円特別控除は適用することができます。なお、更地となった後については駐車場等、賃貸その他の用途に供してはいけません。

家を取壊し更地にしてから売却を行った場合

但し、居住の用に供しなくなった日以後3年を経過する日の属する年の12月31日までの売却が条件となります。

ケーススタディ

敷地の一部を売却した場合の居住用3,000万円特別控除の適用は?

庭先部分の売却

400㎡の土地に自宅を建てて暮らしています。
この度、建替え資金出のため敷地の一部を売却したいと思います。
庭先部分100㎡を売却しようとしています。
この場合、居住用3,000万円特別控除の適用はあるでしょうか?

次のように扱われます。

  1. ①その土地の一部の譲渡が、その居住用家屋の譲渡と同時に
    行われたものであるときは特例の対象となります。
  2. ②その土地の一部の譲渡が、その居住用家屋の譲渡と同時に
    行われていない場合、特例の対象とはなりません。

したがって、図のような庭先の一部譲渡は特例の
対象にはなりません。
家屋のある敷地部分であれば特例の対象になります。

ケーススタディ

一つの敷地を分割して2人の買主に売却した場合の3,000万円特別控除の適用は?

居住用敷地を分割して売却

マイホームを売却しようと思います。敷地が広いため一括で購入する
買主が見つかりません。2分割して、2人の買主に別々に売却するとい
う話が出ています。
この場合、居住用3,000万円特別控除は全体に適用できるでしょうか?

居住用財産の敷地を2つに分割して、一部は土地のみを譲渡し、残りは
土地と家屋とを共に譲渡した場合、いわゆる庭先だけの譲渡は居住用
財産の譲渡には該当しないものとして取り扱われます(ケーススタディ
「敷地の一部を売却した場合の居住用3,000万円特別控除の適用は?」
参照
)。

しかし、居住用財産の一部の譲渡であっても、その譲渡がその居住用
財産の全部を譲渡する計画のもとに、その居住用財産の全部を譲渡
するための一連の行為として行われたものであり、かつ、同一年中に
その全部の譲渡が完了している場合には、その全部の譲渡について、
居住用3,000万円特別控除の適用があります。

(注)2区画以上に分割して渡する場合、税務上は問題ないのですが、不動産
業者と同等の分譲事業となるため、宅地建物取引業法の制約があります。

ケーススタディ

土地が単独所有、建物が二人の区分所有の場合

以前から父が所有していた土地(所有期間10年超)に2019年(令和元年)11月に完全分離型の二世帯住宅を建築し、父と息子で区分所有して居住しております。2026年(令和8年)2月に8,000万円で売却(建物対価3,000万円、土地対価5,000万円)しました。取得費については不明として計算します。
譲渡費用は400万円(建物譲渡費用150万円、土地譲渡費用250万円)です。税額はいくらになりますか。

条件整理
  • ●完全分離型の二世帯住宅
  • ●一階、二階ともに床面積は同じ
  • ●一階は父が、二階は息子がそれぞれ所有している
  • ●父及び息子は別生計
  • ●土地は父が単独で所有

完全分離型の二世帯住宅で、土地が父の単独所有の場合、土地につい
て父利用部分(全体の建物の床面積のうち、父所有分が占める割合)
は居住用となりますが、息子利用部分(全体の建物の床面積のうち、
息子所有分が占める割合)は、自己の居住用以外となり、居住用の
特例の適用は受けられなくなります。

①譲渡益を求めます。

建物・・・ 3,000万円 -( 3,000万円 × 5% + 150万円 )= 2,700万円

土地・・・ 5,000万円 -( 5,000万円 × 5% + 250万円 )= 4,500万円

②譲渡益を所有権ごとに按分します。
息子:建物・・・2,700万円 × 1 / 2 = 1,350万円
父:建物・・・2,700万円 × 1 / 2 = 1,350万円
土地
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4,500万円
③税額を計算します。
特別控除課税所得

息子・・・1,350万円 - 1,350万円 = 0円税額 0円

1,350万円<3,000万円のため特別控除は1,350万円

息子の譲渡税は課税されません。

父:居住用部分譲渡益

建物・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1,350万円

土地・・・4,500万円 × 1 / 2 = 2,250万円

合計3,600万円

税額・・・( 3,600万円 - 3,000万円 )× 20.315%121万円(所得税・住民税)

譲渡した年の1月1日現在において、建物と土地の所有期間がともに10年を超えていないため、軽減税率の適用はできません。

父:非居住用部分譲渡益

土地・・・4,500万円 × 1 / 2 = 2,250万円

税額・・・2,250万円 × 20.315% = 457万円(所得税・住民税)

譲渡税額は

息子・・・0円、父・・・121万円 + 457万円 = 578万円 となります。

(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切捨てて計算しております。

ケーススタディ

2013年(平成25年)4月に3,000万円で購入したマンションを2026年(令和8年)5月に3,200万円で売却しました。譲渡費用は113万円、減価償却費は209万円でした。この売却と同時に自己資金2,000万円、ローン4,500万円で個人の売主から6,500万円の中古マンション(省エネ等住宅に該当しない)を購入しました。
3,000万円特別控除を選択すると住宅ローン控除は使えないそうですが、どちらを選択した方が有利ですか?

3,000万円特別控除を選択すると

①譲渡益の計算

譲渡収入取得価額減価償却費譲渡費用

3,200万円 -{( 3,000万円 - 209万円 )+ 113万円 }= 296万円

②課税譲渡所得と税額

特別控除課税所得

296万円 - 296万円 = 0円税額 0円

296万円<3,000万円のため特別控除は296万円

住宅ローン控除を選択すると

①課税譲渡所得と税額

296万円 × 20.315% = 60万円(所得税・住民税)

②住宅ローン控除の控除額の計算

個人から省エネ等住宅に該当しない中古住宅を購入し、2026年(令和8年)に入居した場合は、住宅ローン控除を適用する上での年末のローン残高の上限は2,000万円です。入居年から10年間の年末ローン残高が2,000万円以上であり、かつ毎年の年間の所得税額が14万円を超える方を前提とすると、10年間の住宅ローン控除適用による減税額は140万円となります。(住宅ローン控除参照

住宅ローン控除 = ▲140万円(所得税)

③ ①と②を合計した税額は

納税減税減税60万円 +(▲140万円)= ▲80万円

上記の事例では後者の方が有利になります。但し譲渡税は先払い、ローン控除の所得税は10年間で還付されます。

(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切捨てて計算しております。

特定居住用財産の買換え特例について

マイホームを売却した金額より、買換えたマイホームの取得金額の方が大きければ課税されないという制度です。
この制度は税金の支払いを免除するのではなく、課税の繰り延べといわれます。
譲渡資産に対する譲渡所得税は買換え資産に引き継がれます。
この場合、譲渡資産の「取得費」は次の買換え資産に引き継がれますが、「取得日」は引き継がれません。

譲渡所得の計算

譲渡代金>買換え代金の場合譲渡代金≦買換え代金の場合
  1. ①譲渡収入金額
    譲渡代金 - 買換え代金
  2. ②取得費・譲渡費用

    (譲渡資産の取得費 + 譲渡費用)×譲渡代金

  3. ③譲渡所得
    ① - ②
譲渡所得はなし

特例の適用判断にあたっての注意点

1. 居住期間は通算年数で判定
特定居住用財産の買換え特例には居住期間が10年という要件がありますが、引き続き居住している必要はなく、転勤等により一時的にその場所以外に居住している期間がある場合には、通算して10年以上であればかまいません。また、その10年という期間は譲渡した日までの居住期間をいい、前述した所有期間の計算とは考え方が違いますので、注意してください(「税務上の居住期間・所有期間・建築年数とは」参照)。
2. 土地と建物の所有者が異なる場合でも可能

特定居住用財産の買換え特例は、基本的に建物の所有者に適用されます。しかし、土地と建物の所有者が異なる場合でも、次の要件を全て満たしたときは特定居住用財産の買換え特例の適用を受けることができます。敷地所有者と建物所有者が、譲渡資産の譲渡時から買換資産を居住の用に供すべき期日(取得年の翌年末)まで生計を一にする親族関係があるという条件と共に、売却した資産・購入した資産に次のような条件が付いています。

売却したマイホーム(譲渡資産)購入したマイホーム(買換資産)
  1. 敷地所有者の所有期間10年超
  2. 敷地所有者の居住期間10年以上
  3. 敷地と建物の同時譲渡
  4. 敷地所有者と建物所有者が譲渡時に同居
  1. 居住用の建物・敷地を取得すること
  2. 買換資産は譲渡資産の収入割合に応じて取得
  3. 買換資産の取得期限内までに取得
  4. 譲渡した敷地所有者・建物所有者共に買換資産に居住する

買換資産のうち、2028年(令和10年)1月1日以後に居住の用に供する建築後使用されたことのない家屋で「災害危険区域等内」に存するものは適用対象外

3. 適用期限
2027年(令和9年)12月31日までの譲渡で、譲渡価額が1億円以下(※固定資産税等精算金を含む)である場合に限る
ケーススタディ

特定居住用財産の買換え特例を受けて購入したマイホームを売却する場合の税額

現在の自宅は、1994年(平成6年)に購入した従前の自宅(取得費2,000万円)を2016年(平成28年)に6,000万円で売却し、同年にその売却代金と自己資金1,000万円を合計した7,000万円で買換えたものです。この時に特定居住用財産の買換え特例を利用しました。今般、この自宅について売却を検討しています(売却予定金額は9,000万円)が税金はどうなるでしょうか。

特定居住用財産の買換え特例を受けて購入したマイホームを売却する場合の税額
計算のポイント居住している自宅であるため3,000万円特別控除を利用することはできます。但し、現在の自宅は2016年(平成28年)に取得したものであり、2026年(令和8年)に譲渡した場合は、譲渡した年の1月1日現在において10年超所有していないことになりますので、特定居住用財産の買換え特例や10年超所有軽減税率の特例は利用できません。
なお、この自宅の譲渡所得計算上の取得費は、1994年(平成6年)に購入した従前の自宅の取得費2,000万円に自己資金1,000万円を加えた3,000万円となります。
  1. 2016年(平成28年)買換え特例を適用した税額は 0円
  2. 2026年(令和8年)3,000万円特別控除を適用した税額

    売却代金取得費譲渡費用特別控除

    9,000万円 -( 3,000万円 + 280万円 )- 3,000万円 = 2,720万円

    (注)譲渡費用を280万円と想定

    ● 税額を求めます。

    所得税 = 2,720万円 × 15.315% = 416万円

    住民税 = 2,720万円 ×5% = 136万円

    合計 552万円

  3. 2016年(平成28年)と2026年(令和8年)の税額合計552万円です。

2016年(平成28年)の時点で買換え特例を使わず購入していた場合の税額

  1. 2016年(平成28年)3,000万円特別控除を適用したと仮定した税額

    売却代金取得費特別控除

    6,000万円 - 2,000万円 - 3,000万円 = 1,000万円

    (注)譲渡費用は考慮しない

    ● 税額を求めます。

    所得税 = 1,000万円 × 10.21% = 102万円

    住民税 = 1,000万円 ×4% 40万円

    合計 142万円

  2. 2026年(令和8年)3,000万円特別控除を適用した税額

    売却代金取得費譲渡費用特別控除

    9,000万円 -( 7,000万円 + 280万円 )- 3,000万円 = 0円

    (注)譲渡費用を280万円と想定

  3. 2016年(平成28年)と2026年(令和8年)の税額合計142万円です。

このように買換え特例を利用した場合、買換えしたときの税金はなくても、その後その買換資産を売却した場合には当初の売却時に3,000万円特別控除を適用した方が有利な場合があります。買換え特例を選択する場合は買換資産を10年を超えて所有するという長期的な目線で税法上の適用を考えなければなりません。

1994年(平成6年)から2016年(平成28年)までの10年超所有軽減税率

(注)税額計算は円単位で計算しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。

特定居住用財産の買換え特例のポイント

取得費の引き継ぎ
2016年(平成28年)に取得した自宅の取得費は、7,000万円ではなく、1994年(平成6年)の取得費2,000万円を引き継いでおり、これに1,000万円の自己資金を加えた3,000万円とみなされます。
取得日はいつか?
取得費2,000万円が引き継がれる一方で、取得日は引き継がれません。2016年(平成28年)に取得した自宅の取得日は2016年(平成28年)となります。

3,000万円特別控除と特定居住用財産の買換え特例の比較

所有期間が10年超の場合

マイホームの譲渡所得が3,000万円以下である場合は3,000万円特別控除の適用で税金は発生しません。3,000万円を超えたときは買換資産の価格により、「3,000万円特別控除」+「10年超所有軽減税率の特例」又は「特定居住用財産の買換え特例」の有利不利を比較する必要があります。

ケース1「3,000万円特別控除」+「10年超所有軽減税率の特例」

親からの相続により取得した自宅(取得費不明、10年超所有)を今年4月に7,000万円で譲渡しました。譲渡費用は300万円でした。
「3,000万円特別控除」+「10年超所有軽減税率の特例」の適用要件を満たしている場合の税金はいくらですか。

  1. 譲渡所得を求めます

    譲渡収入取得費譲渡費用

    7,000万円 -( 7,000万円 × 5% + 300万円 )= 6,350万円

  2. 課税譲渡所得(3,000万円特別控除後)

    譲渡所得特別控除

    6,350万円 - 3,000万円 = 3,350万円

  3. 「10年超所有軽減税率の特例」適用後の税額

    所得税 = 3,350万円 × 10.21% = 342万円

    住民税 = 3,350万円 ×4% = 134万円

    合計 476万円

ケース2「特定居住用財産の買換え特例」+「長期譲渡所得の税率」

上記ケース1と同じ条件で譲渡し、5,000万円の物件(取得費用を含む)に買換えた場合、特定居住用財産の買換え特例の適用を受けると税金はどうなりますか。
「譲渡代金>買換え代金」の場合には、その差額について長期譲渡所得の税率で課税されます。

  1. 譲渡収入金額

    7,000万円 - 5,000万円 = 2,000万円

  2. 取得費・譲渡費用

    (7,000万円 × 5% + 300万円)×2,000万円7,000万円185万円

  3. 譲渡所得

    2,000万円 - 185万円 = 1,815万円

  4. 税額

    所得税 = 1,815万円 × 15.315% = 277万円

    住民税 = 1,815万円 ×5% 90万円

    合計 367万円

ケース1
476万円
ケース2
367万円

今年分の確定申告においては、ケース2の特定居住用財産の買換え特例を選択した方が有利となります。

(注)税額は円単位で算出しますが、便宜上「1万円未満」を切り捨てて計算しております。

店舗兼住宅の場合の居住用の買換え・事業用の買換え

特定居住用財産の買換え特例を適用するには、買換資産の家屋の登記床面積が50㎡以上かつ土地面積が500㎡以下という要件があります。店舗兼住宅とその敷地を一括で譲渡して、その譲渡代金全額を使って店舗兼住宅とその敷地を取得し、特定居住用財産の買換え特例を適用する場合の面積要件の考え方は次のようになります。

●家屋
店舗兼住宅のうち居住用部分の登記床面積が50㎡以上であること
●土地
買換資産の土地全体が500㎡以下であること

なお、譲渡した不動産の事業用部分については、特定事業用資産の買換え特例の適用を受けることが可能なケースもあります。

売買契約締結後、引渡し前に相続が発生した場合

居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

損益通算とは、譲渡所得、不動産所得、事業所得等の計算上生じた損失を給与所得などの他の所得と相殺することをいい、繰越控除とはその相殺しきれなかった損失を翌年以後の所得と相殺することをいいます。

ケーススタディ

給与所得は800万円です。自宅を買換えましたが売却の際に3,200万円の譲渡損が発生しました。
居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用要件を満たしており住宅ローン控除を併用しています。

売却した年の税金(損益通算)
給与所得より大きな譲渡損失があるのでその年に源泉徴収された所得税は確定申告により全額還付されます。
住民税は前年の所得に基づき翌年に課税されます。損益通算により翌年の住民税は所得税同様ゼロとなります。
2年目以後の税金(繰越控除)
売却した年の譲渡損失で引ききれなかった2,400万円(3,200万円 - 800万円)は翌年以後3年間その年の給与所得から順次控除されます。本ケースでは3年間にわたり控除され、各年の所得税はゼロになります。住民税は下表のように1年遅れで3年間ゼロとなります。
5年目は繰越控除が適用できなくなりますが、買換えた物件の住宅ローン控除がこの年から適用できるようになります。
所得税住民税
売却した年損益通算
2年目繰越控除損益通算
3年目繰越控除繰越控除
4年目繰越控除繰越控除
5年目繰越控除

損益通算と譲渡損失繰越控除の計算方法例

給与所得譲渡損失と繰越計算
売却した年800万円
譲渡損失▲3,200万円
通算
譲渡損失の残▲2,400万円
2年目800万円
譲渡損失の繰越控除額▲2,400万円
控除
譲渡損失の残▲1,600万円
3年目800万円
譲渡損失の繰越控除額▲1,600万円
控除
譲渡損失の残▲800万円
4年目800万円
譲渡損失の
繰越控除額
▲800万円
5年目800万円この年から住宅ローン控除が適用されます。

土地等の2009年(平成21年)・2010年(平成22年)取得の1,000万円特別控除

2009年(平成21年)又は2010年(平成22年)に取得した国内にある土地等を譲渡した場合には、譲渡所得の金額から1,000万円を控除することができます。譲渡所得の金額が1,000万円に満たない場合にはその譲渡所得の金額が控除額になります。

要件
  1. ①2009年(平成21年)1月1日から2010年(平成22年)12月31日までに国内の土地等を取得していること
  2. ②親子や夫婦など特殊関係者から取得した土地等ではないこと
  3. ③相続、遺贈、贈与、交換、代物弁済及び所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと

居住用の3,000万円特別控除、特定居住用財産の買換え特例等との併用はできません。住宅ローン控除との併用は可能です。

空き家の3,000万円特別控除

空き家の3,000万円特別控除とは、被相続人の死亡により空き家になった不動産を相続人又は包括受遺者が売却した場合、適用要件を満たすものについてはその譲渡所得から3,000万円(もしくは2,000万円)を控除することができる制度です。

要件
適用期間相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ2027年(令和9年)12月31日までの譲渡
相続した家屋
  • 相続開始の直前において被相続人が一人で居住していたものであること
  • 下記①及び②の要件を満たす場合も、被相続人が相続開始の直前に居住していたものとして認められます。
  1. ①-1介護保険法に規定する要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人、その他これに類する被相続人が、次に掲げる施設に入所していたこと
    a.養護老人ホーム等
    b.介護老人保健施設等
    c.サービス付高齢者向け住宅
  2. ①-2障害支援区分の認定を受けた被相続人が、法令に規定する障害者支援施設等に入所していたこと
  3. 被相続人が老人ホーム等に入所をした時から相続開始の直前まで、その家屋につきその被相続人による一定の使用がなされ、かつ、事業、貸付又はその被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと
  • 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された、区分所有建築物以外の建物であること
  • 相続時から売却時まで、事業、貸付け、居住の用に供されていないこと
  • 相続又は遺贈(包括遺贈に限る)により土地及び家屋の両方を取得したこと
譲渡対価等
  • 譲渡対価の額の合計額が1億円以下(固定資産税等精算金を含む)であること
  • 共有の場合や店舗併用住宅の場合には売却物件全体の譲渡対価が1億円以下(固定資産税等精算金を含む)であること
  • 譲渡日の属する年の翌年2月15日までに、家屋を取り壊すこと、又は耐震リフォームをすること
  • 上記取り壊し等を買主が行う場合は、売買契約書に買主が翌年2月15日までに取り壊す又は耐震工事をする旨を記載
  • 特殊関係者(詳細はこちら)に対する売却ではないこと
特別控除額相続人1人につき3,000万円(空き家及びその敷地を取得した相続人が3人以上いる場合は1人あたり2,000万円)
他の特例との関係
  • 「自己居住用財産の3,000万円特別控除」又は「自己居住用財産の買換え特例」のいずれかとの併用可能
  • 同一年中に、相続した空き家と自己居住用財産を売却し、「空き家の3,000万円特別控除」と「自己居住用財産の3,000万円特別控除」を併用する場合には、2つの特例を合わせて3,000万円が控除限度額となる
  • 住宅ローン控除との併用が可能
  • 相続財産を譲渡した場合の相続税の取得費加算(Q.21)とは選択適用

空き家の3,000万円特別控除の適用を受けるための手続きは?

2段階で申請します。まず、空き家が所在する市区町村で空き家の確認書を発行してもらいます。その確認書を確定申告書に添付して税務署に提出します。

確認書確認書確認書
確認書確認書確認書確認書確認書確認書
ケーススタディ

昨年、1人暮らしをしていた父が亡くなりました。一人息子である私が相続しましたが、使用する予定がないため、売却することにしました。
敷地上には父が亡くなる直前まで暮らしていた自宅200㎡、店舗100㎡、倉庫100㎡(=全体で400㎡)が建っています。
全体で8,800万円で売却しました。空き家の3,000万円控除を適用すると税額はどうなるでしょうか?
仲介手数料や測量費などの譲渡費用の合計額は360万円です。

被相続人の居住部分のみ特別控除の適用が可能です。売却額8,000万円ー5%概算取得費440万円ー譲渡費用360万円=譲渡所得8,000万円自宅 8,000万円x自宅200m2/全体400m2=4,000万円 4,000万円ー特別控除3,000万円=1,000万円 譲渡所得1,000万円x税率20.315%=所得税・復興税・住民税203万円 ※空き家売却の場合、10年超所有したマイホームを売却した際の軽減税率14.21%の適用はありません。店舗 8,000万円x店舗100m2/全体400m2=2,000万円 譲渡所得2,000万円x税率20.315%=所得税・復興税・住民税406万円倉庫 8,000万円x倉庫100m2/全体400m2=2,000万円 譲渡所得2,000万円x税率20.315%=所得税・復興税・住民税406万円 ※万円未満は切り捨てて表示しています。

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