2023年度税制改正の内容

2023年(令和5年)度税制改正の内容

2023年(令和5年)度税制改正大綱が2022年(令和4年)12月16日に発表されました。
不動産・相続・贈与に関連する主要な改正項目は以下のとおりです。

所得税・住民税

要件変更・延長空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除

現行制度
  1. ①2023年(令和5年)12月31日までの譲渡

  2. ②当該家屋が、引渡しの日までに次のいずれかに該当するとき
    a.耐震基準に適合することとなった場合
    b.家屋を取壊した場合

  3. ③取得した相続人各人別に3,000万円控除が可能

2024年(令和6年)1月1日以後の譲渡
  1. ①2027年(令和9年)12月31日までの譲渡

  2. ②当該家屋が、譲渡の時から譲渡年の翌年2月15日までに次のいずれかに該当するとき
    a.耐震基準に適合することとなった場合
    b.家屋を取壊した場合

  3. ③取得した相続人が3人以上の場合、各人別の特別控除額は2,000万円となる

贈与税

改正相続時精算課税制度

現行制度

この規定の適用を受ける贈与者からの贈与については、110万円基礎控除を合わせて受けることはできません。

2024年(令和6年)1月1日以後の贈与

この規定の適用を受ける贈与者からの2024年(令和6年)1月1日以後の贈与については、2,500万円の基礎控除とは別枠で年間110万円を控除できることとなりました。

相続税

新設・改正贈与財産が災害を受けた場合の特例•生前贈与加算

  • ①相続時精算課税制度を適用して贈与により取得した一定の土地建物が、取得後その贈与者の相続税の申吿期限までに災害※1によって一定の被害を受けたときは、相続税の課税価格に算入すべき価額はその贈与時の価額から災害によって被害を受けた額を控除した額による。

    ※1 2024年(令和6年)1月1日以後に生じる災害により被害を受ける場合について適用する。

  • ②相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続の開始前7年(現行3年)以内に被相続人から贈与※2により財産を取得した時は、その財産の価額は相続税の課税価格に加算する。
    上記により加算される財産のうち、相続開始前3年以内に贈与により取得した財産以外の財産について加算する額は、その贈与により取得した財産の合計額から100万円を控除した金額とする。

    ※2 2024年(令和6年)1月1日以後に行う贈与によリ取得する財産に係る相続税につき適用する。

不動産取得税

延長買取再販に係る不動産取得税の軽減

現行制度

宅地建物取引業者が中古住宅を取得し、住宅性能の一定の向上を図るための改修工事を行い個人へ譲渡し、その個人が居住した場合に宅地建物取引業者に課される不動産取得税が減額される制度

2023年(令和5年)4月1日以後

現行のまま2年間延長

固定資産税

新設大規模修繕工事を行ったマンシヨンの固定資産税の減額

  • ①適用要件
    次のいずれかの要件を満たすマンションのうち一定のもの
    a.マンションの管理に関する計画が、マンション管理適正化推進計画を作成した都道府県等の長により認定されたもの
    b.都道府県等からマンションの管理の適正化を図るために必要な助言•指導を受けて長期修繕計画を適切に見直したマンション

  • ②適用期間
    2023年(令和5年)4月1日から2025年(令和7年)3月31日までに一定の大規模修繕工事を行うこと

  • ③申告要件
    そのマンションの区分所有者が大規模修繕工事後3ヶ月以内にマンション管理士等が発行した証明書を添付して市町村に申告すること

  • ④軽減額
    そのマンションの家屋に係る固定資産税額(1戸あたり100㎡相当分まで)の3分の1を参酌して、6分の1以上2分の1以下の範囲内で市町村が定める割合相当額

登録免許税

延長土地の売買に係る登録免許税率の軽減

現行制度

土地の売買による所有権移転登記:1000分の15

2023年(令和5年)4月1日以後

現行のまま3年問延長

監修

東京シティ税理士事務所