Column / 2019 12,10

引越業者がつかまらない!単身なのにウン十万円?
「引っ越し難民」問題について、引越会社3社を集めて議論してみた

ここ2年ほど、春先に「引っ越し難民」という言葉を耳にするようになった。どの引越業者に連絡しても空きがない、見積りが高額すぎてとても頼めないなど、「引っ越ししたくてもできない人」が増えているという。
引越業界は、こうした状況をどう捉えているのだろうか?また、そもそもなぜ難民が生まれてしまうのか?各社はどんな対策を講じているのか?次の引っ越しシーズンを迎える前にこの問題について考えるべく、引越会社3社にお集まりいただき、議論していただいた。

榎並紀行(やじろべえ)

編集者・ライター。水道橋の編集プロダクション「やじろべえ」代表。「Relife mode」をはじめとする住まい・暮らし系のメディア、グルメ、旅行、ビジネス、マネー系の取材記事・インタビュー記事などを手掛けます。
Twitter:https://twitter.com/noriyukienami
WEBサイト:50歳までにしたい100のコト https://www.yajirobe.jp/media/50-100/

●慢性的な人手不足を解消し、引っ越し難民を救うには?


―― では、どこをどう変えれば慢性的な人手不足を解消できるのでしょうか? それが、ひいては「引っ越し難民を救うこと」にもつながると思うのですが。

アート:どこを変えるというよりも、基本に立ち返ることだと思います。やはり、引越業界で働きたいと思う人を少しでも増やすこと。そして、若い人をしっかりと育成し、定着させていくこと。そうやって業界全体を底上げし、引っ越しの質を保ちながら全体の件数を増やしていく。これに尽きると思います。
トレファク:私も同じ意見です。それには働き方もそうですし、何より引っ越し業界で働くことの楽しさを知ってもらう必要がある。引っ越しは「辛い仕事」というイメージがあるかもしれません。もちろん、肉体的にきついことはあります。それでも、私が引っ越しの現場に出ていた頃を思い返すと、当時は本当に楽しかった。そして、きれいごとではなく、目の前のお客様から感謝のお言葉をいただくことが働くエネルギーになりました。
ファイン:そうなんですよね。私も現場は楽しかった。引っ越し作業が終わって自宅に戻ると、達成感がありました。どんなに疲れていても、夜に窓を開けたら爽快な気分でしたよ。


―― そうした仕事の魅力を、若い従業員の方に伝えていくことも大事ですね。

ファイン:そう思います。うちは社長の私と現場の距離が近いので、入ったばかりのアルバイトの子にも直接伝えるようにしています。
アート:今の若い人は、仕事でお客様に感謝された経験が少ないように思います。おそらく、どうすれば心から「ありがとう」と言っていただけるのか分からないところもあるのではないでしょうか。
アート:ただ、それってじつは単純なことで、たとえば「帽子をしっかりかぶって、作業前にきちんと挨拶をする」。それだけで、お客様から会社にお褒めの言葉をいただけたりするんです。そうした声を、リーダーを通じてしっかり引っ越しのスタッフにフィードバックし、やりがいや喜びを感じてもらう。一つひとつ、そんなことを地道に繰り返していくしかないのかなと思いますね。


―― 皆さんのお話を伺い、引っ越し難民が生まれる背景には様々な事情があり、一朝一夕には解決できない問題だということがよく分かりました。そして、同時に業界全体でこれまでの働き方を見直しつつ、引っ越しの質と量を保つための取り組みを進めていることも。

「Relife mode」の読者が引っ越し難民にならないためにも、業界の健全な発展を願っております。本日はありがとうございました。

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