地代の相場はいくら?借地権ごとの計算方法や調べ方も解説
地代の相場は、借地権によって異なり、計算方法も複数あります。とはいえ、算出する際の要素は土地ごとに異なるため、一概に相場がいくらとはいえません。今回の記事では、地代の基礎知識や考え方、さらには坪単価のシミュレーションをご紹介します。
地代とは
地代とは、土地を借りて利用する対価として、借地人(土地の借主)が土地の所有者(貸主・地主)に支払うお金で、簡単にいえば、土地の利用料を指します。借地人は建物所有目的で地代を払うことにより、借地権を得るという仕組みです。
借地権とは、借地人が持つ権利で、その土地の上に建物を所有する権利を指します。借地人は地代を支払うことで、借地権の権利を守っているとも考えられるでしょう。
また、地代にはいくつかの種類があり、契約時に「権利金」を支払っているか否かによって金額が変わる場合もあります。権利金とは、借地契約の締結時に借地人から土地の所有者へ支払うお金で、簡単にいえば、借地権の権利にかかるものです。権利金の額は、理論上「土地の時価×借地権割合」で算出されることが多いとされています。なお、権利金の支払いは法律で義務付けられているものではありません。慣習として支払われることが多いため、契約内容によっては権利金が設定されていないケースもあります。

【地代と併せて知っておきたい】底地と借地の違い
第三者に土地を貸す際は、「底地」と「借地」に分けて考えるのが一般的です。
| 比較項目 | どのような土地か |
|---|---|
| 底地 | 借地権が設定されている土地の所有権:貸主の立場からの呼び方 |
| 借地 | 借地人が土地を借りている状態:借主の立場からの呼び方 |
「底地」とは、貸主(地主)が所有している土地のうち、借地権が設定されている土地の所有権のことです。借地人がその土地に建物を建てるといった目的で利用している場合、その土地を貸主の立場から底地といいます。つまり、底地も借地も同じ土地のことを指しますが、貸主の立場から見た呼び方が底地です。
貸主からしてみると、土地を所有していることに変わりはありませんが、底地は借地人に貸している土地であるため、土地の所有者が自由に利用することはできません。
「借地」とは、借地人が土地の所有者から借りている状態のことを指します。借地人(借主)の立場から見た呼び方が借地です。借地の上の建物を増築する際や売却するときは、土地の所有者(地主)の承諾が必要です。
●底地の買取相場について詳しくはこちら

地代の種類
権利金とは、借地権の設定時に貸主に対して支払うお金のことです。借主が貸主に支払う土地の利用料のことを「地代」といいます。
| 地代の種類 | 該当ケース | 支払う地代 | 計算方法 |
|---|---|---|---|
| 通常の地代 | 主に普通借地権に見られる地代 | 相当の地代よりも低廉な額 | 住宅用途の場合は固定資産税の3倍程度 |
| 相当の地代 | 主に定期借地権に見られる地代 | 土地の価値を基準とした地代 | 土地の価額×6%程度 |
「通常の地代」とは、一般的には普通借地権において支払われる地代のことです。一方、「相当の地代」とは、一般的には定期借地権において支払われる地代のことです。
地代の相場
地代は、借地契約の内容に左右されます。土地を貸すときの借地権の種類には、「普通借地権」「一般定期借地権」「事業用定期借地権」などがあり、それぞれで一定の傾向があります。ただし、地代の相場は法律で定められているものではありません。土地の価値や立地条件、契約内容などによって変わるため、あくまで目安として考える必要があります。
| 借地権の種類 | 相場 |
|---|---|
| 普通借地権 | ・固定資産税の3倍~5倍程度(住宅用) ・固定資産税の4倍~7倍程度(商業用) |
| 一般定期借地権 | ・地価の2%~3%程度(住宅用) ・地価の4%~5%程度(事業用) |
| 事業用定期借地権 | ・地価の6%程度 |
※地価は簡易的に相続税路線価で求めた金額を用いることもあります。
以下で借地権の種類別に地代の相場を解説します。
なお、土地の条件によって貸すか売却するか、最適な活用方法は変わります。そのため、そもそも土地をどのように活用すべきか、どのような方法が金銭的な利点が多いかなどで迷われている場合は、不動産会社の無料査定を受けてみるのもよいでしょう。まずは三井のリハウスで、無料査定を受けてみてはいかがでしょうか。
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普通借地権
普通借地権とは、更新の概念がある借地権です。実質的に借主(借地人)の一方的な意思のみで更新が可能で、貸主からの更新拒絶は困難となっています。
普通借地権の地代相場は、住宅用の場合、固定資産税の3倍~5倍程度、商業施設の場合は、固定資産税の4倍~7倍程度に設定されることもあります。
普通借地権の地代相場は低く設定される傾向があるため、貸主は契約時に権利金をもらえることが一般的です。ほかにも、更新料・条件変更承諾料・譲渡承諾料・建て替え、増築承諾料・抵当権設定承諾料などがもらえることもあります。
一般定期借地権
一般定期借地権とは、更新の概念のない借地権であり、期間が満了した段階で更地にして貸主へ返還することが義務付けられている借地権です。年間借地料は、土地の利用用途によって異なり、住宅用の場合、地価の2%~3%程度、店舗など事業用建物の場合は、地価の4%~5%程度に設定されています。
事業用定期借地権
事業用定期借地権とは、更新の概念のない借地権であり、建物が事業目的でのみ土地活用が可能です。地代は、相当の地代で設定されることが多くあります。相当の地代は、地価の6%程度が相場とされています。
●借地権の種類についてはこちら
地代の計算方法
地代の計算方法には、以下の4つの方法があります。
・公租公課から算出する方法
・公示価格から算出する方法
・路線価から算出する方法
・取引事例から算出する方法
地代は、経済情勢や周辺環境など、さまざまな要素の影響を受けます。そのため、正確な数値を算出するのは困難ですが、上記の方法からおおよその相場を導くことは可能です。ここでは、地代のおおよその数値を計算するための4つの算定方法をご紹介します。

公租公課から算出する方法
地代の相場を求めるうえで一般的に利用されるのが、公租公課方式です。公租公課方式とは、固定資産税から算出する方法で、以下のように計算します。
・住宅地の場合:「固定資産税」の3倍~5倍程度
・商業地の場合:「固定資産税」の4倍~7倍程度
固定資産税は、固定資産税納税通知書に添付されている「課税明細書」で確認できます。
●土地にかかる固定資産税について詳しくはこちら
公示価格から算出する方法
公示価格とは、「公示地価」や「基準地価」のことを指します。公示地価は、国土交通省のもと、2名以上の不動産鑑定士が「標準地」を鑑定・評価して決められた土地価格で、基準地価は、不動産鑑定士が都道府県が選定した「基準地」を調査し、それをもとにして決められた土地価格です。公示価格を用いた計算式は、以下のようになります。
相当の地代=公示価格×土地面積×6%程度
●公示価格について詳しくはこちら
路線価から算出する方法
地代の相場は、相続税路線価からも算出できます。相続税路線価とは、「道路に面している土地1㎡あたりの価格」を指し、公示価格の8割程度に設定されていることが一般的です。
相当の地代=相続税路線価×土地面積×6%程度
相当の地代の目安は、地価の6%程度とされていますが、具体的にどのような地価(時価や地価公示、路線価)を用いるかは契約当事者同士で決める内容です。
●路線価の計算方法についてはこちら
取引事例から算出する方法
対象としている土地と似た事例を集め、そこから地代の相場を算出するのが、取引事例から算出する方法です。「賃貸事例比較法」とも呼ばれます。
対象となる土地と似た条件の取引事例を集め、周辺の地代と比較し、日当たりや周辺環境などを加減します。実際の事例を参考に地代を決めるため、時価を算出できるのが特徴です。しかし、不整形地など特殊な土地の場合は、類似事例が少なく、算出できない可能性もあります。事例を多く集められる際は有効な手段ですが、データが乏しい地域では算出が難しい方法といえるでしょう。
周辺の土地の相場や類似事例に詳しい必要があるため、不動産会社などの専門家に依頼することをおすすめします。三井のリハウスなら、土地の相場を的確に算出できます。地代の設定が難しいという方は、ぜひ三井のリハウスにご相談ください。
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地代が変わるタイミング
土地の価値は、経済や周辺環境に合わせて変動します。地代が変わるタイミングには、地価に変動があったときや固定資産税が増減したときなどが挙げられます。
土地の価値が変わっているにもかかわらず、地代は以前のままで適正な価格になっていないということもあり得ます。その際、貸主と借主の双方には、地代の見直しを求める「地代等増減額請求権」が設けられており、税金や地価に著しい変動があったときなどに行使できます。
以下で地代が変わるタイミングについて解説します。

固定資産税が増減した
地主の土地の固定資産税が増減したときは、地代改正のきっかけとなります。固定資産税は、貸主は納税通知書によって把握が可能です。一方で、借主は固定資産評価証明書を取得すると、変動額を推測することができます。
地価が著しく変動した
地価の著しい変動も、地代が変わるタイミングです。たとえば、再開発により周辺(もしくは地域)一帯の利便性が向上したときや、近隣地域が都市計画の予定地になった際などは、地代を見直す必要があります。
また、インバウンドなどによる経済の影響も地価に関係することがあります。借地が事業用(商業用)で利用客が見込める際は、地代の見直しを検討してみてもよいでしょう。ただし、地代の改定は一方的に決められるものではなく、請求した場合でも必ず認められるとは限りません。最終的には当事者間の合意や調停、裁判所の判断などによって決まります。
よくある質問
ここからは、地代に関するよくある質問をご紹介します。実際に地代の相場を計算してみるので、算出方法の参考にしてみましょう。

地代相場の調べ方は?
地代相場を調べる際は、参考にする価格によって調べ方が異なります。具体的には、実勢価格・公示地価・基準地価・固定資産税評価額・路線価から、おおよその地代相場が分かります。
それぞれの土地価格ごとに調べ方が異なるため、詳しい地代相場が知りたい場合は専門家に依頼するのがおすすめです。
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地代の坪単価の相場は?
前提として、地代の相場は、契約の種類や時期、利用用途などによって異なります。実務では、土地の使い方(住宅用・事業用)によって地代利回りも変わるため、広く共通する坪単価の相場を算出することは難しいでしょう。今回は、一般的な住宅の場合を想定して、公租公課方式でシミュレーションをしてみます。
【条件】
土地用途:住宅用地
土地面積:100坪
年間の公租公課(固定資産税):30万円
【1坪あたりの公租公課】
土地全体の公租公課(30万円)÷土地面積(100坪)=3,000円/1坪
【1坪あたりの地代相場】
住宅用地の公租公課の倍率は、3倍~5倍程度
1坪あたりの公租公課(3,000円)×公租公課倍率(住宅用)(3倍~5倍程度)=9,000円~15,000円/1坪
よって、上記のシミュレーションにおいては、坪単価はおおよそ9,000円~15,000円となります。
地代は固定資産税の何倍が妥当ですか?
普通借地権の場合、地代の相場は、固定資産税の3倍~7倍程度です。住宅用地の場合は、3倍~5倍程度、商業利用の場合は、4倍~7倍程度が妥当とされています。
●固定資産税の計算方法について詳しくはこちら
借地権価格って何?
借地権価格とは、建物を所有する目的で他人の土地を利用できる「借地権」が持つ経済的価値のことです。借地権を売却する場合は、借主が得られる対価として機能し、相続・贈与の場合は、評価の基準となります。地代が低いほど、借地権価格は高くなり、地代が高いほど、借地権価格は低くなるのが一般的です。
借地権価格は簡易的に、土地の評価額に借地権割合をかけて算出することもあります。借地権割合とは、借主が持つ借地権の割合です。土地は、貸主が持つ底地権と、借主が持つ借地権に分けられ、概念上は「借地権価格+底地価格=更地価格」と考えられますが、実際には借地権価格と底地価格を合算しても更地価格に満たないことが一般的です。
たとえば、土地の評価額が2,000万円で借地権割合が60%の場合、借地権価格は、理論上は1,200万円(2,000万円×60%)です。しかし、実際には借地の残存期間や契約内容などにより、さらに安くなります。
●借地権の売却について詳しくはこちら
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ここまで、借地権別の地代相場や地代の計算方法などをご紹介してきました。実際に自分で相場を計算することもできますが、税金や地価はその土地ごとに変わるため、正確な数値を算出するのは簡単ではありません。
また、地代は安定した収入にはなるものの、決して高い額を見込めないということも事実です。そのため、余った土地を貸すのをやめて、その土地を売却することも検討してみてはいかがでしょうか?
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不動産鑑定士 竹内英二
株式会社グロープロフィット代表取締役。不動産鑑定士、宅地建物取引士をはじめとしたさまざまな資格を保有。不動産の専門家として、不動産鑑定やコンテンツのライティングなども行なっている。
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