晴海に初の地下鉄駅誕生か。
東京都が「都心部・臨海地下鉄」事業計画案を発表

大きく動き出した事業計画

2022年11月25日、東京都の小池百合子都知事は、これまで中央区が構想し早期実現に向けた『推進大会』などを開き、地域一体で整備に向けて取り組んできた臨海地下鉄の事業計画案を発表しました。東京駅と有明・東京ビッグサイト(仮称)駅をつなぐもので、つくばエクスプレスの延伸と接続、羽田空港アクセス線 (臨海部ルート)との接続も検討されています。これにより、国際競争力強化の拠点である都心と臨海副都心とのアクセス利便性の向上及び山手線等の混雑の緩和につながることが期待されています。

都心・臨海地下鉄新線ルート(想定)

開通すれば晴海の交通利便性は大きく改善

マンション開発等により人口増加を続けている晴海エリア。オリンピック・パラリンピックの選手村を活用した「HARUMI FLAG」の街びらきを2024年3月(予定)に控え、さらなる人口増加が予測されます。現在は東京BRTとバスが主要な交通手段となっていますが、都心部・臨海地下鉄が開通すれば、鉄道が新たな交通手段として加わり、交通利便性が格段に向上します。

HARUMI FLAG

中央区の人口が70年ぶり最多更新。
臨海部のマンション建設ラッシュで都心回帰強まる

2023年1月5日、中央区は定住人口が70年ぶりに最大を更新したと発表しました。各年1月1日現在における中央区の定住人口は、これまで1953年の172,183人が最大でしたが、1997年には銀座や日本橋など繁華街の商業地開発が進んで住宅地が減るなどし、またバブルによる家賃高騰などの影響を受け72,090人と最低人口へと激減。その後、臨海部のマンション建設ラッシュにより都心回帰が強まり、令和5年2023年1月1日現在、174,074人となり、70年ぶりに最大人口を更新しました。

勝どきのマンション群

2028年に20万人に達する見通し

中央区では、近年のマンション開発等による人口増加の傾向や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会終了後の晴海地区における住宅開発による人口増加の見込みなどを反映させた区独自の人口推計を実施。これによると、2028年には定住人口が20万人に達すると推計されています(※1)。

※1 出典:中央区 将来人口の見通しについて 令和4(2022)年1月推計

湾岸Time Machine 過去・現在・未来2040年代のベイエリアを読み解く(East)その4 – 東京ベイeSG まちづくり戦略とSDGs国内最大級の水素ステーション
東京ベイeSG まちづくり戦略では、人と地球のためのデジタルと先端技術をまちの隅々まで実装することが柱の1つとなっています。その主要施策の1つとなっているのが「水素ステーション計画」です。晴海の東京オリンピック・パラリンピック選手村地区では大会のレガシーとなるまちの形成に向け、水素ステーションを整備し、車両への供給を行うほか、パイプラインによる各街区への水素供給を行い、発電した電力を住宅共用部などで活用する計画です。報道によると、国内最大規模の水素ステーションの新設工事が2022年11月に開始。都の計画に基づき、石油大手ENEOSが整備・運営します。

高輪ゲートウェイシティ計画(仮称)の今

2024年度末に控える複合棟Ⅰおよび高輪ゲートウェイ駅周辺エリアの開業

JR東日本は、「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)」として、「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりを進行中。開発コンセプトに「Global Gateway」を掲げ、「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置付け、多様なパートナーや、周辺地域との共創によるまちづくりを行います。国際交流拠点としての主要な機能であるMICE施設(コンベンション、カンファレンス、ビジネス支援施設)、オフィス、商業等を整備する複合棟Ⅰは2024年度末(2025年3月)に開業予定。同時期に高輪ゲートウェイ駅周辺の広場・歩行者デッキ等を開業するとともに、高輪ゲートウェイ駅を全面開業する計画です。

複合棟Ⅰ(南東から)イメージパース

2025年度中にその他の棟(複合棟Ⅱ・文化創造棟・住宅棟)および各棟周辺エリアがオープン予定

高輪築堤の現地保存に伴う計画変更の具体的な施工計画が確定したため、複合棟Ⅱ、文化創造棟、住宅棟および各棟周辺エリアは2025年度中に開業する計画に決定。複合棟Ⅱは泉岳寺駅に隣接する大規模複合棟。フレキシビリティの高いオフィスフロアに加え、商業施設やクリニック、フィットネスを完備し、ビジネスワーカーの街でのくらしを支えます。
文化創造棟は、公園と一体となった低層建物を計画。外装デザインアーキテクトに隈研吾氏を迎え、建物全体で日本の四季を表現。各種プログラムに対応可能な展示施設、ホール等を備え、次世代に向けた文化育成・交流・発信の拠点としての機能が期待されています。

文化創造棟 イメージパース(画像提供:JR東日本)

計画図(画像提供:JR東日本)

田町、三田エリア最高層のオフィスビル、2023年2月に竣工へ

三田三・四丁目地区市街地再開発事業

周辺幹線道路や高低差等による、市街地の分断や歩行者ネットワークの不足、老朽化した建物や低未利用地の問題などを解決し、質の高い都市空間を備えたビジネス交流拠点・生活環境の形成を図るべく「三田三・四丁目地区市街地再開発事業」が進行中。住宅機能や商業機能等の多様な機能の集積をするとともに、安全で快適な歩行者ネットワークの形成や大規模緑地の保存・再整備などを行う計画となっています。

延床面積約20万㎡ 大規模オフィスタワーが中核に

オフィス、住宅、文化・交流施設、商業・生活支援施設、教育施設を含んだ4棟から構成される大規模開発で、中核施設となるのは地上42階、地下4階、延床面積約20万㎡を誇るオフィスタワー棟。大部分をオフィスで占め、地下を含む低層フロアには飲食店舗区画等を整備します。そのほか、三田通り沿いには学校や幼稚園など教育施設、北側の聖坂沿道には2棟の都市型住宅(225戸)を設けるなど多様な機能が集積しています。

位置図

外観

湾岸Time Machine 過去・現在・未来2040年代のベイエリアを読み解く(West)その4 – 東京ベイeSG まちづくり戦略とSDGs100%脱炭素化への取り組み
東京ベイeSG まちづくり戦略では、人と地球のためのデジタルと先端技術をまちの隅々まで実装することが柱の1つとなっています。その主要施策の1つが「都市再生特別地区の活用などにおける100%脱炭素化の取組推進」。その一丁目一番地が「芝浦プロジェクト」です。このプロジェクトでは、カーボンニュートラルへ向けた取り組みの一環として、街区全体でのCO排出量実質ゼロを実現することを目標に掲げています。建物内および地域冷暖房施設での省エネの取組みにより、2010年度の都内大規模事務所のCO排出量原単位の実績※1を基準とし、都市再生特区の目標である40%削減に対して、目標を上回る45%以上のCO排出量を削減できる見込み。さらに「太陽光発電」と、「カーボンニュートラル都市ガス※2」導入で街区全体での実質CO排出量をゼロにする予定です。
※1『東京都★省エネカルテ(平成23年度)』事務所用途原単位平均H22より
※2 天然ガスの採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、COクレジットで相殺(カーボン・オフセット)し燃焼しても地球規模ではCOが発生しないとみなすLNG(CNL)を活用した都市ガス