賃貸管理とは?分譲マンションを貸す際の基礎知識&管理会社の選び方

所有しているマンションを賃貸に出すには、賃貸管理と呼ばれる業務が発生します。その業務は多岐にわたるため、委託管理をすることが一般的です。今回は、賃貸管理にはどんな業務があるのか、どのように委託先を選べばよいのかをご紹介します。

目次
  1. 賃貸管理とは?
  2. 賃貸管理の具体的な内容
  3. 賃貸管理会社の選び方
  4. 収支のシミュレーションをしてみよう!
記事カテゴリ 賃貸
2022.08.08

賃貸管理とは?

「マンションの一室を賃貸に出そうと思うけど、やったことないし不安だな」と思っている人もいるのではないでしょうか?分譲マンションの一室を賃貸として出す場合、「賃貸管理」という業務が発生します。賃貸管理とは部屋を貸し出す際の室内管理を指し、入居者への対応や、設備のメンテナンスなどを行います。多くの場合は賃貸管理会社が管理を請け負います。

また、賃貸管理の形態は、「委託管理」「サブリース」「自主管理」の3種類に分類されます。

委託管理とは、マンションの管理の一部または全てを専門の管理会社に依頼することを指し、サブリース管理は、不動産管理会社がオーナーから物件を借り上げ、管理会社が借主と賃貸契約を結ぶ方法です。最後の自主管理は、賃貸管理を業者に依頼せず、自身で行うことを指します。しかし、賃貸管理の業務に365日24時間体制での対応が求められるため、本業がある人にとってはあまり現実的とはいえません。そのため、賃貸管理を上手く行うには、よい賃貸管理会社を選ぶことが鍵といってもよいでしょう。それぞれの方法のメリットと注意点を以下に簡単にまとめました。

管理形態メリット注意点
委託管理管理業務を自身で行う必要がない委託費用がかかる
サブリース物件の契約状況にかかわらず安定的に賃料収入が得られる委託管理より収益性が下がる
自主管理管理費用が抑えられる全ての管理業務を自身で行う必要がある

賃貸管理を業者に依頼するといっても、具体的にどのような業務を、どれくらいの費用がかかるのかが気になりますよね。そこで今回は、「今後住まなくなるマンションを賃貸に出したい」と考えている人や、「マンション投資を始めたいけれど、どうすればよいか分からない」という人に向けて、賃貸管理会社選びや資金計画のポイントについて解説していきます。

高層ビル群

賃貸管理の具体的な内容

ここからは、賃貸管理の業務範囲や内容について見ていきましょう。

賃貸管理の範囲

分譲マンションの一室を貸し出す場合、賃貸管理の範囲は「専有部」に限られます。専有部分とは、所有者が個人で所有する部分です。これに対し、マンションのエントランスや階段、エレベーターなどの共同で使用する共有部や共有設備の管理は、マンション管理会社(建物管理会社)が管理を行います。そのため賃貸管理会社は、貸し出す室内の管理のみを行います。

また、入居者の募集や、契約業務は「賃貸仲介」業務の範囲となります。賃貸仲介では、入居募集の広告の作成を行い、入居希望者が現れたら、内覧の立ち合いや契約をする際の重要事項説明、鍵の受け渡しなども行います。

賃貸管理の内容

賃貸管理会社が請け負う業務内容は、以下の通りです。

●家賃の管理
入居者が入居すると家賃の集金を毎月行わなければなりません。そこで、各入居者の入金確認を行い、滞納している入居者がいる場合は、入居者に連絡を取り、家賃支払いの催促を行います。なお、入居者が契約の際に家賃保証会社に加入している場合は、入居者が家賃を滞納したとしても、オーナーは家賃保証会社から家賃と同じ保証額を受け取ることができます。

●トラブル、クレーム対応
入居者からの室内に関するトラブルやクレームに対応します。クレームになりやすい内容としては、エアコン等設備の不具合や洗面化粧台・トイレなどの水漏れなどが挙げられます。賃貸管理会社によっては、顧客のニーズに合わせ、24時間対応窓口を設けている会社もあります。

オペレーター

●賃貸借契約更新
賃貸借契約の更新手続きも、賃貸管理業務に含まれます。部屋を借りる際の契約は、普通賃貸借契約と定期賃貸借契約の2種類があります。普通賃貸借契約の場合は2年契約が一般的とされており、2年を超えて暮らし続ける場合は、更新を行う必要があるのです。契約更新はWEBや書面などの方法がありますが、書面の場合は賃借人から書類へ署名、捺印をもらう手続きが必要です。

賃貸管理会社の選び方

賃貸管理会社が代行してくれる業務内容について説明してきましたが、賃貸管理会社はどのように選べばよいのでしょうか?ここからは、賃貸管理会社を選ぶ際にチェックすべきポイントについて見ていきましょう。

得意な物件の種類

賃貸管理は、会社によって得意とする物件の種類が異なります。1棟アパートなのか、区分所有の分譲マンションなのかなど、物件の種類だけではなく、都心部なのか郊外部なのかなど、得意とするエリアにも違いがあります。

たとえば、三井のリハウスであれば都心部にある区分所有のマンションの仲介・管理が得意といったように、ひとくちに物件の管理といっても、そのなかで得意分野があるのです。自分の所有している物件の管理を得意としている管理会社を選ぶようにしましょう。

トラブルへの対応力の高さ

トラブルが起こった際に、柔軟に対応できるかどうかも判断基準になります。入居者の家賃の滞納があった場合や、設備の不具合トラブルがあった際に、迅速に対応してくれるかどうかを確認するようにしましょう。定休日も対応できる窓口が設けられているか、物件管理を行うスタッフは何人体制なのかをチェックすることが大切です。

また、賃貸管理会社の受け持つ物件のうち、滞納状態が続いている物件の数を確認することも大切です。滞納が続いている場合、その物件は家賃の回収ができていないため、空室と同じ状態になり、貸主の収入がストップしてしまう恐れがあります。滞納があった場合はどのような対応をしているかをチェックしてみましょう。

集客力の高さ

仲介業務も併せて行う管理会社へ委託をする場合は、効果的な空室対策を提案してくれるかどうかも、押さえておきたいポイントです。空室を生まないためには、上手く集客しなければなりません。そのため、効果的な集客をしているかどうかも確認すべき点といえます。

会社の規模によって、集客の戦略は異なります。たとえば、店舗の多い大手の賃貸管理会社であれば、知名度の高さという観点から集客力に期待ができるといえますし、地域に密着した賃貸管理会社であれば、地域内でのニーズや適切な家賃設定を把握している可能性が高いといえるでしょう。

また、物件の宣伝方法についてもチェックしてみましょう。チラシ広告だけでなく、web広告も掲載している賃貸管理会社であれば、より多くの認知度を獲得する可能性が高まります。宣伝方法だけでなく、効果的な空室対策を提案できるかどうかも併せて確認しましょう。空室対策として、物件に適切な人気設備の導入やリフォームなどを行うことで、物件のイメージアップにつながる場合もあります。

加えて、希望者が入居した後も、設備が故障する前に修理や交換を提案することで、より長く居住してもらうことにもつながります。

アルファベットを並べる人の手

収支のシミュレーションをしてみよう!

分譲マンションを貸す際に必要となる賃貸管理や、賃貸管理を業者に依頼する際のポイントについて解説してきました。では、賃貸管理会社に業務を依頼すると、どの程度お金がかかり、収支に影響するのでしょうか?

賃貸管理会社と委託契約を結ぶ場合、「管理委託料(管理委託手数料)」が発生します。賃貸管理会社やオプション、サービス内容によって異なりますが、目安は家賃の5%前後です。
加えて、手数料以外にも、支払わなければならない費用がいくつかあります。主な費用としては、毎月の管理費、修繕積立金などです。ただし、これらの費用や固定資産税、都市計画税、リフォーム代、設備の修繕費、管理委託料などは経費として所得から控除できます。

さらに、住宅ローンが残っている場合は、金融機関に相談して賃貸住宅向けローンに借り換える必要があり、この際に切り替え手数料が発生することが多い点にも留意しましょう。分譲マンションを貸し出すことで、財産を手放すことなく定期収入を得られますが、さまざまな支出の項目もあるため、資金計画を立てるのが難しいと感じる人もいるでしょう。資金計画で悩んだら、専門家のアドバイスを求めるのも有効です。

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アユカワタカヲ

株式会社タカプランニングジャパン代表取締役。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有。
会社員時代に不動産投資をスタートさせ、今では幅広く不動産賃貸業を営む。
メディア出演や著作の出版、セミナーなどでも活躍。
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