マンションで水漏れが起こったら?原因や対処方法、保険の補償範囲についても解説

マンションでの水漏れは、発生した部屋だけでなく、ほかの部屋にまで被害を与えてしまうケースがあります。責任の所在や費用が気になりますが、被害を最小限に抑えるためには、まず適切な対処が必要です。この記事では、水漏れの原因や対処方法に加えて、保険の補償範囲についても解説します。

目次
  1. マンションでの水漏れはどう対処する?
  2. マンションにおける水漏れの原因
  3. 水漏れの対処方法
  4. 水漏れの責任の所在はどのように決まる?
  5. 水漏れの被害を防ぐには?
  6. 水漏れが発生したら落ち着いて対応しよう
記事カテゴリ 賃貸
2023.06.19

マンションでの水漏れはどう対処する?

水漏れは、マンション生活で起こりうる困ったトラブルの1つです。発生する原因は、配管の詰まりや老朽化、洗濯機のホースが外れたなどさまざまです。

マンションに住んでいる方は、「自分の部屋で水漏れが起きてしまった場合、どう対処すればよいのか」「もし水漏れの被害を受けた場合、保険は適用されるのか」と気になったことがあるのではないでしょうか?

この記事では、マンションで水漏れが発生した際の対処方法や責任の所在について解説します。マンションの水漏れに関する知識を身につけて、万が一の際にも冷静に対応できるようにしましょう。

水漏れをしている蛇口

マンションにおける水漏れの原因

マンションでは、さまざまな箇所で水漏れが起こる恐れがありますが、そもそも何が原因で発生してしまうのでしょうか?まずは、水漏れが起こりやすい主な箇所とその原因をご紹介します。

キッチン

キッチンは水漏れが起こりやすい箇所の1つです。キッチンで水漏れが発生する理由には、主に以下の3つが挙げられます。

・排水管の詰まり
・蛇口の劣化・故障
・給水管の劣化・故障

キッチンの排水管は、食べ物のカスや油を流すことが多いため詰まりやすくなる箇所です。排水管が詰まった状態で水を流し続けると、水が逆流する原因となってしまい、水漏れにつながることがあります。

また、蛇口をひねるときに音がしたり、給水管がさびたりしている場合は、そこが劣化している恐れがあるため注意が必要です。ねじが緩んでいる場合にも水漏れを引き起こすことがあります。

トイレ

トイレも水漏れが多い箇所となります。主な原因は以下の3つです。

・排水管の詰まり
・トイレ本体や部品の劣化・故障
・給水設備の劣化・故障

トイレの水漏れにおける多くの原因は排水管の詰まりです。水の流れが悪い状態でさらに流してしまうと、水があふれてしまう恐れがあります。また、トイレ本体や部品、給水設備が古くなっている場合も水漏れを引き起こすことがあるため注意が必要です。

水漏れしているトイレ

天井

天井から水が漏れてくるケースもあります。主な原因は以下の2つが挙げられます。

・天井の上にある設備からの水漏れ
・上階からの水漏れ

天井からの水漏れは、マンションの共用設備による場合と、上の階による場合がありますが、どちらで起きているかはすぐ分からないこともあります。原因が分からない場合には管理会社に連絡し、対応するとよいでしょう。

バルコニー

バルコニーも水漏れが発生しやすい箇所の1つです。バルコニーで起こる水漏れの原因には、以下の2つがあります。

・排水口の詰まり
・劣化による床面のひび割れ

バルコニーには、雨水を流すために排水口が設置されています。しかし、排水口にごみやほこりが詰まっていると水が流れず、水漏れの原因となる場合があります。また、老朽化した床面がひび割れしている場合にも、雨水が染み込んで水漏れすることがあるので注意が必要です。

バルコニーでの水漏れを防ぐために覚えておきたいことは、防水加工がされていないバルコニーの場合、水を使用して掃除をすると水漏れを引き起こす恐れがあるということです。水を使用した掃除が禁止されているマンションもあるため、バルコニーの掃除は、確認してから行うようにしましょう。

以上のような場所では、水漏れが起こりやすい傾向があります。普段から使い方に気を付けることに加えて、老朽化が見られた場合にはメンテナンスを行うことが重要です。

蛇口越しの男女

水漏れの対処方法

「突然、水漏れが発生したら焦ってしまいそう」と不安に思う方も多いのではないでしょうか?水漏れが発生した際に取るべき行動は、主に3つあります。それぞれ落ち着いて行い、被害を最小限に抑えましょう。

管理会社に連絡する

自分の部屋でも共用部分でも、水漏れが発生したら管理会社に連絡しましょう。水漏れ被害の大きさを自分で判断することは難しいため、放置しておくと予想よりも被害が拡大し、周りの住民に迷惑をかけてしまう恐れがあります。管理会社に連絡して水漏れの状況を伝えれば、適切な指示を受けられるでしょう。

なお、夜間や休日には電話がつながらないこともあるため、緊急連絡先を確認しておくことをおすすめします。

水漏れしている箇所を写真に撮る

水漏れが起きたら、その部分を写真に撮っておきましょう。水漏れは原因や責任の所在がすぐに判断できず、多くは修繕後に特定されるため、後から調査する際に役立ちます。また、管理会社への連絡がつかず、状況報告ができない場合にも有効です。

応急処置をする

自分の部屋で水漏れが発生した場合、被害を最小限に抑えるためにも、自分でできる限りの応急処置を行うことが大切です。排水管や排水口が詰まっていないか、蛇口はしっかりと閉まっているかなど、まずは原因を調査し適切な処置を行いましょう。主な水漏れの応急処置には以下のようなものがあります。

・止水栓をドライバーで閉める
・水の元栓を閉める
・溢れた水をタオルで拭き取る

止水栓や元栓を閉めても水が止まらない場合は、バケツや大きなケースなどで水を受けるとよいでしょう。

水漏れしているホース

水漏れの責任の所在はどのように決まる?

水漏れにおける責任の所在は、何が原因で発生したか、どこで発生したかによって決定します。つまり、水漏れの原因は「入居者の過失」か「設備の不具合」か、水漏れが起きた箇所は「専有部分」か「共用部分」か、といったことが大きく影響するのです。

たとえば、水の出しっぱなしや排水管を詰まらせるなど、入居者の不注意によって発生した水漏れの場合は、入居者自身が責任を負うケースが多くなります。また、自分が暮らしている部屋やバルコニーなどの専有部で発生した水漏れに関しても入居者の責任となることが一般的です。

ただし、専有部であってもオーナーがメンテナンスや設備交換などを怠っていた場合や、自然災害で建物(室内)に被害が及んだ場合にはオーナーの責任となります。

先述しましたが、マンションの場合、被害が近隣の部屋にまで及ぶことがあります。自分の責任で水漏れを引き起こし、近隣に賠償金や修繕費を請求された場合には、それを負担しなければなりません。ただし、賃貸物件の場合には、入居時に火災保険と共に加入する借家人賠償責任保険に加入していることが多いため、水漏れが入居者の責任でも補償の範囲内であれば保険で解決することが可能です。

家の雑貨と修理道具

水漏れの被害を防ぐには?

ご紹介してきたように、水漏れは建物や設備の劣化により発生するケースがあります。また、注意していても水を出しっぱなしにしてしまったり、配管を詰まらせてしまったりすることで起きることも考えられます。

ここからは水漏れを事前に防ぐ方法と、万が一、水漏れが発生した際に修繕費や損害賠償をできる限り抑える方法についてお伝えします。

掃除・点検を行う

自身でできる範囲の掃除・点検をしながら物件を使うことが大切です。たとえば、パッキン・バルブの緩みチェック、詰まりの除去、水道代のチェックなどが挙げられます。

掃除・点検をしても改善されない場合には、物件のオーナーもしくは管理会社に相談すると、プロの業者に点検してもらえる場合もあります。また、マンションの管理会社や管理組合が主体となって行う定期点検はできるだけ受けるとよいでしょう。

保険に入る

「個人賠償責任保険」に加入していると損害を最小限に抑えることができます。個人賠償責任保険とは、他人のものを壊す、他人にけがをさせるといった法律上の損害賠償責任を負った際に補償してくれる保険のことです。

水漏れはさまざまなケースがあるため、賠償金の相場もそれぞれ異なり、被害が大きい場合には数百万円になるケースもあります。また、修理費用に加えて「汚水があふれた」「大切なものを傷めた」などの理由で精神的なダメージを与えた場合には、慰謝料を請求されることもあります。

基本的に、個人賠償責任保険は賃貸入居時に加入することが必須となっていますが、自分が保険加入しているかどうかと、主な補償内容について確認しておくとよいでしょう。

電話をする女性

水漏れが発生したら落ち着いて対応しよう

ここまで、水漏れの原因や対処方法、責任の所在などについて解説してきました。水漏れによる損害をできる限り抑えるには、普段から建物や設備の点検を行い、手入れをすることが効果的です。

一方、何らかの原因で水漏れが発生したときには、落ち着いて対応することが大切です。水漏れが発生したら、まずは管理会社に連絡しましょう。管理会社に状況を報告することで適切な対処方法を教えてもらえたり、点検・修繕の手配などをしてもらえたりする場合もあります。

また、マンションにおける水漏れは、周囲の人にも被害を与える恐れがあり、近隣へのお詫びが必要になるケースがあります。ただし、責任の所在が入居者、オーナー、マンションの管理会社など、どこにあるのかすぐに判断できないことは多いため、そうした事情からもやはり管理会社に相談すると安心です。

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