内見でのチェックポイントとは?持ち物や流れについても解説

物件の内見時には、多くのチェックポイントがあります。室内で確認できる日当たりや眺望に加えて、物件の周辺環境などその項目はさまざまで、よい物件を選ぶためにも事前に知っておくと役に立ちます。本記事では、持ち物や内見の流れと併せて解説します。

目次
  1. 内見とは?
  2. 室内におけるチェックポイント
  3. 周辺環境におけるチェックポイント
  4. 内見時の持ち物
  5. 内見の流れ
  6. ポイントを押さえて理想の物件をつかもう!
記事カテゴリ 賃貸
2023.04.13

内見とは?

気になる物件に実際に足を運んで見学することを「内見(内覧)」といいます。内見ではどのようなポイントを意識的にチェックするべきなのか分からないという人もいるのではないでしょうか?

内見は物件を購入したい場合や、賃貸物件を探している場合に行うもので、物件選びにおいて非常に重要なプロセスです。物件を訪れることで、住居内の間取りや設備に加え、周辺環境なども目で見て確かめられるため、実際に暮らしたいと思える物件かどうかを判断するうえで役立ちます。

本記事では、不動産の内見を行ううえでのチェックポイントについて、賃貸物件に焦点を当てて解説していきます。ご紹介するポイントを参考に内見を有意義なものとして、物件選びを成功させていきましょう。

内見をする不動産会社の担当者と夫婦

室内におけるチェックポイント

まず、物件の室内におけるチェックポイントについてみていきましょう。以下に挙げる項目は、パンフレットに記載された写真や数値情報から推測するのが難しいものが中心となっています。物件を実際に見てみることで「住み心地がよさそうか」、「室内はきれいか」、「設備に不備はないか」などが分かりやすくなります。

屋外環境からの影響

野外の環境から大きく影響を受ける条件については内見を通し、実際に体感することで確かめておきたい重要なポイントです。具体的には以下の通りです。

日当たり
日当たりは、部屋の明るさだけでなく、洗濯物の乾きやすさにも影響し、さらに冬場には室内の温度にも影響します。内見時には、実際の日当たり具合や方位を確認しましょう。

眺望
部屋から見える景色もポイントの1つです。眺望のよい物件には、緑が多い、海が見える、夜景がきれいなどさまざまなタイプがあり、自分の好む景色が見えるかチェックすることが大切です。また、近隣の建物や前面の道路などから室内を見られないか、プライバシーが保たれるかどうかも内見の際に確認しておきましょう。

風通し・騒音
窓からドアまたは窓から窓の位置が一直線上にある物件は風通しがよい傾向があります。風通しがよいと空気がきれいになるため、健康面でよい影響を与えます。さらに、湿気をたまりにくくする効果があるため、カビやダニの発生を防ぐことにつながります。内見時には、窓を開けて風の流れを確認するとよいでしょう。

騒音については周辺にどんな施設があるか、道路の大きさ・交通量はどれくらいかをよくチェックする必要があります。駐車場付きのスーパーや病院・消防署などが近くにあると、出入庫のブザー音や車両の騒音が気になってしまうかもしれません。

騒音をチェックするには、上階・左右の隣室の生活音のチェックも兼ねて、自宅に人がいる可能性が高く、日当たりもチェックできる土日の10~14時ごろを見計らって内見すると実際に住む際の参考になるでしょう。

また、目の前にビル・マンションなどが建設される計画や、マンションの大規模修繕(外壁の補修など)の予定があると日当たりや眺望・風通しが遮られたり、騒音が出たりする可能性があるので注意が必要です。

日当たりのよい新築マンション

部屋の広さ

内見で部屋の広さを確認する際に重要となるのが、家具を置いても十分な広さが確保できるかということです。自分が持っている家具もしくは欲しい家具が決まっている場合は、あらかじめ測定しておき、大きさを把握したうえで内見すると、家具を置いたときの広さや生活動線をイメージしやすくなるでしょう。

収納スペース

収納スペースには、持っている荷物や服をしまうのに十分な広さがあるかを確認しましょう。備え付けの収納が十分でない場合は、別に収納用の家具を置く必要があります。室内に収納用の家具を置く必要が生じた場合、生活スペースが狭くなってしまうことに注意が必要です。

壁紙や床の汚れ・傷・臭い

中古物件の場合、前居住者が付けた汚れや傷がないか、気になる汚れ・傷の場合は引渡しまでにオーナーが修繕してくれるかチェックしましょう。また、賃貸の場合は、どこにどのような汚れ・傷があるかを借主が入居後すぐに確認して管理会社に提出します。退去する際に、自分が付けたものであると間違われた場合、原状回復費用・修繕費用の負担でトラブルになる恐れがあるため、細かくチェックしておきましょう。

また、水回りの臭いや、前居住者が喫煙者だった場合に染みついてしまったタバコの臭い、前居住者が飼っていたペットの臭いが気になる場合は、ハウスクリーニングやクロスの貼り替えを実施済みか、または実施する予定はあるか物件担当者に確認しましょう。

キッチン

料理をする人であれば、キッチンも見ておくべきポイントの1つです。コンロの数や、食洗器、ディスポーザーなどの設備の有無、収納スペースや冷蔵庫スペースの広さなどは物件それぞれで異なります。入居後に使う食器や、キッチン家電の数・サイズを事前に確認しておくことをおすすめします。また、使いやすいキッチンかどうかは、身長と設備のサイズの兼ね合いによっても左右されるため、内見時に確認しておくようにしましょう。

内見する不動産会社担当者と子ども連れの夫婦

水回り

浴室や洗面台、トイレなどの水回りも確認しておきましょう。水回りや収納スペース、日当たりの悪い場所はカビが発生しやすいので湿気対策や換気性能をチェックしておきましょう。カビがひどいと掃除に手間がかかりますし、場合によっては体調が悪くなる可能性もあります。

併せて換気扇や水栓の状態も確認しましょう。換気扇には、湿気を逃がしてくれる効果があります。ここで注意するべきポイントは、耐用年数を超えている換気扇は音が大きい場合があるということです。設備本体以外にも、水栓も含めて古いものは過去に破損や修理しているかどうかも確認しておくとよいでしょう。加えて、洗濯機置き場(防水パン)のサイズ確認も忘れずに行いましょう。所有している洗濯機をそのまま利用する場合には、サイズが合わないと買い替えが必要になってしまいます。

コンセントやTV端子の数と位置

適切な位置にあるか、数は十分かなどがチェックするべきポイントです。コンセントの位置や数は、家具や家電をどこに置くのかを基準に考えるとよいでしょう。自分がテレビを置きたい場所にTV端子があるかどうかも見ておくと、テレビやテーブル、ソファなどの位置をイメージすることができます。

内見をする不動産会社担当者と女性

電波状況

電波が通りやすいかどうかも念のため確認しておきましょう。電波状況は、周りの建物や物件の柱・壁の位置や厚みなど構造によって変わります。

ドアと窓の建付け

ドアや窓の建付けは実際に動かして確認しましょう。もし、建付けが悪い場合には、入居前までに修理できるかを管理会社に相談するとよいでしょう。また、玄関ドアはピッキングされにくいものか、断熱性・遮音性に優れている二重サッシの窓になっているかなども確認しておくと、防犯面でも安心です。

搬入経路

家具や家電を搬入する際の搬入経路についてもチェックしておきましょう。ポイントとして以下のようなものが挙げられます。

・玄関・エレベーターなどの開口部の幅
・階段の幅や傾斜
・扉の開く向き など

これらの項目は、引越しや家具の買い替えに影響を与えます。通常の動線で搬入できないものについては、ベランダから搬入するといった対応が求められ、出費がかさんでしまうため、持ち込みたい家具が搬入できそうか確かめておきましょう。

部屋の階数

マンションやアパートなどの物件の階数は、部屋の日当たりや風通し、防犯性などに影響を及ぼします。

1階の場合は、エレベーターや階段を使わずに出入りができるというメリットがありますが、防犯面の不安や洗濯物を外に干しにくいなどの点には注意が必要でしょう。2階以上の場合は、バルコニー前に遮る建物がなければ、階数が高くなるほど眺望、風通しがよくなる傾向にあります。

また、高層マンションでは、高層階であると家賃が高くなる傾向があります。エレベーターが使えなくなった場合に移動が困難になる、通勤・通学の時間帯になるとエレベーターが混雑してしまいなかなか来ないといった注意点があります。

上記のように、物件が何階にあるかによって、同じような立地条件であっても、住戸の特徴は変わるため、費用面の傾向に限らず、自分の理想とする生活スタイルに合わせて階数の条件を絞り込んでいくとよいでしょう。

共用部分

マンションやアパートなどの共用部分がある物件では、共用部分の清掃が行き届いているかどうかやきちんと管理されているかどうかを見ておくとよいでしょう。共用部分は、住民のマナーやモラルを確認できる場所になります。汚れが目立っていたり、管理されていなかったりした場合は、一度考え直してみてもよいかもしれません。また、ごみ捨て場の状態も管理が行き届いているかを判断できる基準となるため、チェックしておきましょう。

家の雑貨とそれを持つ女性

周辺環境におけるチェックポイント

室内だけでなく、周辺環境も内見時に見ておく必要があります。引越しをした後に気付いて、後悔することがないようしっかりとチェックしておきましょう。

生活に必要なお店や施設

スーパーやコンビニが近くにあるか、また営業時間についてもチェックしておきましょう。子どもがいる場合は、学校や病院、公園などが近くにあるかも確認しておくとよいでしょう。

飲食店が周辺にある場合は、食生活の選択肢が増えるというメリットがある反面、騒音や臭いが発生することもあるため注意が必要です。物件での生活を思い浮かべてみることで、周囲にあると便利なものがイメージしやすくなるでしょう。

交通の利便性

最寄り駅までの距離やバスを利用する場合はバスの本数などを確認しておきましょう。地図に記載されている徒歩の時間は80m当たり1分と換算した場合の時間になるため、実際に歩いてみると信号や坂道で思っていたよりも時間がかかるといったケースも考えられます。可能であれば、駅から物件まで一度歩いてみるとよいでしょう。

周辺地域の治安・防犯性

女性や、子どもがいるファミリーは特に、周辺環境の治安をチェックしておく必要があります。人通りの多さや街灯の有無は防犯性を計るうえで重要なポイントです。交番やこども110番の店があるとより安心といえるでしょう。

マンション

内見時の持ち物

ここまで内見時のチェックポイントについてお伝えしてきました。ここからは内見時にあると便利な持ち物をご紹介します。内見時の持ち物は以下の通りです。

・間取り図
・カメラ
・方位が分かるもの
・メジャー
・筆記用具とメモ帳
・懐中電灯
・地図

間取り図

家具の配置を検討する際に用いる間取り図ですが、そこに記載された情報が、実際の物件の間取りと比較して異なる部分がないかチェックしましょう。間取り図は、不動産会社が用意してくれることが多いですが、担当者が立ち会わずに自身のみで内見する場合は、物件情報サイト掲載の間取り図をスマホで見るか、印刷して持っていくとよいでしょう。

カメラ

物件をカメラで撮影しておくことで、後から見返すことができ、ほかの物件と比較する際に役に立ちます。これに加えて、物件に傷や汚れがあった場合、証拠として残すという目的でも、カメラは役に立ちます。カメラは、部屋全体を撮影できる広角カメラがおすすめです。また、スマートフォンを使って撮影する場合は、動画も撮っておくと後からイメージが湧きやすくなります。

コンパス

場合によっては、物件情報に記載されている方角が間違っていることもあるため、コンパスを持っていくとよいでしょう。コンパスは、スマートフォンの付属機能により代用することが可能です。

メジャー

メジャーは、冷蔵庫や洗濯機などの大きい家電や、ベッド・テレビ台・ソファなどの家具を設置する場所のサイズ、窓と必要なカーテンのサイズ、ドアのサイズを測る際に使用します。高さを測るのに便利なコンベックスタイプのメジャーがおすすめです。

メモを取る女性

筆記用具とメモ帳

内見で気が付いたことや収納スペースの大きさなどをメモに取っておくとよいでしょう。メモを取ることで、持っている家電や家具が置けるかどうかを判断するときや、引越しの前に家具を買うときによりイメージしやすくなります。

懐中電灯

懐中電灯は、電気の通っていない物件やクローゼット・押し入れの中を見たいときに使います。特に、夜間にテラスや外構などをチェックしたいときに重宝します。これについても、スマートフォンのライト機能により代用可能です。

地図

内見当日に周辺を散策したり、施設までの経路や所要時間を調べたりするうえで、スマートフォン付属の地図アプリは役に立ちます。また、地図アプリを活用して事前に物件周辺の施設を調べておくこともおすすめです。

内見の流れ

ここからは内見の流れについてお伝えしていきます。当日の流れについてしっかりと押さえておきましょう。

内見方法を選ぶ

不動産会社や物件によって異なりますが、内見方法は主に以下の3パターンがあります。

・物件現地に集合する
・不動産会社に訪問して、担当者と一緒に物件へ向かう
・物件の近くに設置されているキーボックスから鍵を取り、自身だけで内見する

3つ目の自身だけで内見する方法で対応している不動産会社は、物件や室内の設備などに関して気になったことを、その場で確認できないため注意が必要です。

また、内見にはお金がかからないため、見たい物件を積極的に依頼するとよいでしょう。複数の物件を見ることで、比較することができ住みたい物件を選びやすくなります。

内見する不動産会社担当者と女性

実際に物件を見学する

実際に物件と周辺を見学する際は、1件あたり30~60分程度の時間が必要となります。複数の物件を見たい場合は、1日あたり4~5件程度に絞ることがおすすめです。よい物件を見極めるためにも内見には十分な時間をもうけましょう。

内見には時間がかかるのに加えて、立っている時間が長くなるため、動きやすい服装と脱ぎ履きしやすい靴で行くことがおすすめです。また、1日に複数の物件を内見するときは、一般的に不動産会社の車やタクシーを使って移動します。周辺を見て回りたい場合は、事前に担当者に相談しておきましょう。

物件を見学する時点では費用は発生しません。契約が決まった際に、報酬として仲介手数料を不動産会社に支払うことになります。そのため、気に入る物件が見つかるまで積極的に内見をしていきましょう。

入居申し込みをするか考える

内見して気に入った物件があった場合は入居申し込みを検討しましょう。不動産会社によって異なりますが、入居申し込みは書面で不動産会社に提出する、もしくはWebフォームで送信する形で行われることが一般的です。

内見したからといって必ず入居申し込みを行う必要はありません。物件探しは、後悔することがないように慎重に決めることが重要です。ほかにも複数の物件を見たい場合は、今後どのような物件の内見を行いたいか、信頼できる不動産会社に相談しましょう。

●不動産会社の選び方のポイントはこちら
不動産会社のよい選び方は?ポイントや注意点を解説

新生活が始まる前の1~3月、人事異動のある9月は繁忙期であるため、人気のある物件は情報がネットなどに公開されてから2~3日後や1週間後などですぐに入居者が決まってしまうこともあります。入居したいと思う物件が見つかったらなるべく早く入居申し込みを行いましょう。

リビング

ポイントを押さえて理想の物件をつかもう!

ここまで内見で見ておくとよいチェックポイントと必要な持ち物、流れについて解説してきました。内見は、物件を選ぶうえで非常に大切な行程です。物件同士の比較を行いやすいよう、チェック項目を以下にまとめました。物件選びの際に、ぜひご活用ください。

物件同士の比較観点チェックリスト1

物件同士の比較観点チェックリスト2

物件同士の比較観点チェックリスト3

物件同士の比較観点チェックリスト4

内見は室内だけでなく、周辺環境も忘れずに見るようにしましょう。物件周辺は治安がよいか、生活するうえで必要な施設があるかなども物件選びの参考になります。また、ご紹介した内見時の持ち物を用意し、流れも事前に確認しておくことで、内見をより有意義なものにできます。理想の物件を選べるように準備しておきましょう。

人気の物件はすぐに入居者が決まってしまうことが多くなります。入居したいと思ったらなるべく早く申し込みを行うとよいでしょう。内見を成功させて新居での生活を楽しみましょう。

内見は無料で行えるため、気軽に依頼するとよいでしょう。三井のリハウスでは、豊富な物件数のなかから一人ひとりに合う条件の物件をご紹介することができます。内見の相談以外にも、賃貸物件について気になることがあれば気軽にご相談ください。

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アユカワタカヲ

株式会社タカプランニングジャパン代表取締役。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有。
会社員時代に不動産投資をスタートさせ、今では幅広く不動産賃貸業を営む。
メディア出演や著作の出版、セミナーなどでも活躍。
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