不動産投資の利回りの理想と最低ラインはどのくらい?目安や計算方法、注意点も解説

不動産投資の利回りとは、物件価格に対して1年間でどれくらいの金額を回収できるかを表した割合のことです。利回りは3種類あり、それぞれの違いを理解することが大切です。この記事では、不動産投資の利回りの計算方法や相場、確認する際の注意点について詳しく解説します。

目次
  1. 不動産投資における3つの利回り
  2. 不動産投資の人気が高い理由
  3. 不動産投資の利回りの相場
  4. 不動産投資の理想の利回りと最低ライン
  5. 不動産投資の利回りのシミュレーション方法
  6. 不動産投資の利回りを上げるのに賃貸管理が重要な理由
  7. 不動産投資で利回りを確認する際の注意点
  8. よくある質問
  9. 不動産投資の利回りに悩んだらプロに相談しよう
記事カテゴリ 賃貸 マンション
2026.04.17

不動産投資における3つの利回り

利回りとは、賃貸経営において物件購入価格に対する1年間の家賃収入の割合を示す指標です。物件の収益力を判断する材料の1つで、この数値からは、該当する物件でどの程度の収益を得られるか、また投資した資金を何年で回収できるかの目安が分かります。不動産投資の利回りは、主に以下の3種類です。

・表面利回り
・実質利回り
・想定利回り

それぞれ詳しく解説していきます。

不動産投資用マンションの外観

表面利回り

表面利回りは、税金や管理費などの経費を含めずに、物件購入価格と1年間の家賃収入をもとにして計算する収益割合のことで、「グロス利回り」とも呼ばれます。表面利回りは以下の方法で計算します。

表面利回り(%)=(年間家賃収入÷物件購入価格)×100

たとえば、物件購入価格が5,000万円で年間家賃収入が300万円の場合、表面利回りは以下のように求められます。

(300万円÷5,000万円)×100=6%

実質利回り

実質利回りは、表面利回りに購入時の諸費用、年間運営費、固定資産税、火災保険料、修繕費などを加味した収益割合のことです。実質利回りは以下の方法で計算します。

実質利回り(%)=(年間収入-年間諸費用)÷(物件購入価格+購入時諸費用)×100

具体的な例を考えてみましょう。年間収入300万円、年間諸費用50万円、物件購入価格が5,000万円で購入時諸費用が500万円の場合、実質利回りは以下の式で求められます。

(300万円-50万円)÷(5,000万円+500万円)×100=4.5%(※1)

不動産投資では、実質利回りを重視して判断することが重要です。物件購入の費用だけでなく、さまざまな諸費用が発生するため、表面利回りだけを見て判断すると、実際の収益とのずれが生じることがあります。

なお、実質利回りの経費に含まれる具体的な諸費用は以下の通りです。計算に細かく盛り込むほど、現実的な実質利回りになるでしょう。

購入時諸費用
・登記費用
・不動産取得税
・司法書士への報酬
・仲介手数料など

年間諸費用
・固定資産税
・火災保険料、地震保険料
・管理委任手数料
・ローン返済額
・修繕費、修繕積立金など

想定利回り

想定利回りは、一棟マンションや一棟アパート投資において、住戸が満室であることを想定しています。計算方法は以下の通りです。

想定利回り(%)=満室を想定した年間家賃収入÷物件購入価格×100

想定利回りは満室を想定しています。しかし、実際には思うように入居者が入らない、諸費用が高くなるといった理由で当初の想定を下回ることがあるため、あくまでも目安として考えましょう。

また、物件広告に掲載されている利回りは、表面利回りか想定利回りが一般的です。諸費用はケースバイケースで、あらかじめ正確には算出できません。記載の利回りには、どこまでの費用が含まれているかを不動産会社に確認しておくと安心です。

不動産投資の利回りの計算

不動産投資の人気が高い理由

不動産投資が人気な理由の1つは、自分で収入を管理しやすいからです。一度入居者が決まれば、定期的に安定した収入が得やすくなります。さらに、投資した不動産を自ら所有するため、賃料設定や管理体制の見直しを行うことで、利回りを高めることも可能です。インフレ局面でも、不動産は実物資産であるため、影響を受けにくいでしょう。むしろ賃料は物価上昇に合わせて上がる傾向があり、収益が維持されやすいといえます。また、不動産投資ローンを利用すれば、比較的少ない初期投資で着手できるケースもあり、始めやすい点も人気の理由です。

三井不動産リアルティでは、投資用不動産事業も行っております。全国の広いエリアの物件を取り扱っておりますので、興味のある方は以下のサイトをご覧ください。

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不動産投資の利回りの相場

平均利回りについて地域別に見ていきましょう。以下の表は、2025年10月~12月にかけて、三井不動産リアルティが表面利回りの平均値を記載したものです。(※2)

地域(※3)利回り(※4)
都心エリア4.0%
城南エリア4.9%
城西・城北エリア5.6%
城東エリア5.8%
横浜・川崎エリア6.9%

※3:都心エリア:港区・千代田区・中央区・渋谷区・新宿区・文京区
  城南エリア:品川区・目黒区・世田谷区・大田区
  城西・城北エリア:杉並区・中野区・練馬区・豊島区・板橋区・北区・台東区
  城東エリア:江東区・墨田区・荒川区・江戸川区・葛飾区・足立区
  横浜・川崎エリア:横浜市・川崎市

※4:三井不動産リアルティネットワークの売出・成約情報データベース(一棟マンション・一棟ビル・アパート)から抽出しております。

上記の表を見ると、都心からの距離、エリアによって利回りに傾向があることが分かります。ただし、投資物件を選ぶとき、利回りだけに着目するのは一概に正しい選択とはいえません。なぜなら賃貸経営の物件選びには、利回り以外にも物件の状態、築年数、環境など考慮すべき要素が多くあるからです。詳しくは後ほど説明します。

不動産投資の利回りの相場

不動産投資の理想の利回りと最低ライン

不動産投資における物件種別の理想の利回りは、以下の表の通りです。

物件種別新築中古
一棟マンション6%~8%8%~10%
区分マンション4%~5%5%~8%

中古物件の場合、物件の購入価格が比較的安いため、適切な賃料設定をすれば新築よりも高い利回りが見込めます。ただし、あまりにも物件が古く、リフォームや修繕が必要なときはそれらの経費を差し引かなければなりません。

不動産投資において理想の利回りや最低ラインを一概に設定するのは困難です。投資の目的によって許容する範囲は異なるため、自身の不動産投資の目的に合わせて資金計画を立て、投資価値の高い物件を慎重に選ぶことが大切です。

不動産投資の利回りのシミュレーション方法

気になる投資物件を見つけた際は、利回りを計算して、収益のシミュレーションを行うことがおすすめです。これによって、具体的な計画を立てやすくなります。

不動産投資の利回りのシミュレーションをする貸主

新築の区分マンションで計算する場合

新築の区分マンションを想定して、利回りを計算してみましょう。

〈例〉

物件新築マンション(2LDK)
物件購入価格5,000万円
想定家賃収入240万円(20万円×12か月)
購入時諸費用500万円
年間管理費24万円(管理費2万円×12か月)

・表面利回り
(20万円×12か月÷5,000万円)×100=4.8%(※1)

・実質利回り
(20万円×12か月-2万円×12か月)÷(5,000万円+500万円)×100=3.9%(※1)

以上のように新築物件を想定した場合、表面利回りは4.8%、実質利回りは3.9%です。ただし、ここでは管理費のみを諸経費として計算しています。実際はほかの諸経費も計上されるため、実質利回りは上記の数値よりも低くなることが想定されます。

中古の区分マンションで計算する場合

次に、中古の区分マンションのケースをシミュレーションしてみましょう。

〈例〉

物件中古マンション(2LDK)
物件購入価格3,500万円
想定家賃収入204万円(17万円×12か月)
購入時諸費用270万円
年間管理費24万円(管理費2万円×12か月)

・表面利回り
(17万円×12か月÷3,500万円)×100=5.8%(※1)

・実質利回り
(17万円×12か月-2万円×12か月)÷(3,500万円+270万円)×100=4.7%(※1)

このような中古物件を想定すると、表面利回りは5.8%、実質利回りは4.7%です。ただし、中古物件では、今後リフォームやメンテナンスが必要になることも考えられるでしょう。その場合は、諸経費がかさむため、実質利回りはこの数値よりも下がると予想されます。

シミュレーションの結果、利益が見込めない場合は、物件の購入は見送りましょう。また、中古物件ではリフォーム費用がかかるケースもあるため、注意が必要です。利回りを計算する際に、おおよそのリフォーム費用を把握できれば、諸経費に計上して実質利回りを計算してみるとよいでしょう。

不動産投資の利回りを上げるのに賃貸管理が重要な理由

賃貸管理の質は、空室率や賃料に影響するため、利回りに直結します。さらに、管理運営の質は所有期間中の利益だけでなく、物件を売却する際にも重要です。管理が行き届いていない場合、空室が増えて家賃収入が減少するだけでなく、建物の状態悪化により資産価値も下がります。適切に管理されている物件は、資産価値を維持しやすく、売却時に高値で成約できる可能性があるでしょう。そのため、賃貸管理業務は、専門的な知識と経験を持つ管理会社に任せるのがおすすめです。自宅から離れた不動産の管理も可能となるメリットもあります。

三井のリハウスでは、豊富な取引実績や専門知識を活かして、賃貸経営を全面的にサポートしています。不具合やトラブルが生じた場合に24時間対応できるコールセンターや、フリーメンテナンスサービスも提供していますので、ぜひ一度三井不動産リアルティにご相談ください。

●賃貸経営についてのお問い合わせはこちら

不動産投資で利回りを確認する際の注意点

利回りだけを指標にせず、物件の資産価値や購入後にかかる費用も考慮しましょう。特に高利回りの物件は、ハイリスクハイリターンの傾向があります。主に注意すべき点は以下の3つです。

・物件の資産性を重視する
・経費も考慮して計算する
・管理がしやすい物件か確認する

1つずつ説明していきます。

物件の資産性を重視する

不動産投資では、利回りだけでなく不動産自体の資産価値も重要です。資産価値が高い物件は、金融機関から評価されやすく、金利をはじめとした融資条件が有利になりやすいでしょう。さらに、長期的に見たとき、賃貸需要が安定し、投資資金の回収もしやすいといえます。このため、交通の利便性も踏まえて人気エリアの物件を選ぶことが大切です。人気エリアの物件は賃貸需要が安定しやすく、空室リスクを抑えられるため、結果として利回りの低下を防ぐことにつながります。

経費も考慮して計算する

表面利回りだけで判断するのは危険です。上述の通り、経費が含まれていないため、実質利回りを計算しましょう。賃貸では、入退去が必ず発生するため、空室期間や原状回復費用、また保険料などにも注意が必要です。特に築年数の古い物件や木造アパートは、修繕費が増える傾向があるため、長期的な維持コストまで考慮しましょう。

管理がしやすい物件か確認する

これから賃貸運営をするうえで、継続的にかかる管理コストも検討する必要があります。管理費用や手間がかかりそうな物件は避けることもポイントです。計画的にメンテナンスされており、手入れが行き届いている物件は管理負担が軽く、収益性も見込めるでしょう。耐震性や省エネ性が高い物件も修繕コストを抑えやすく、結果として利回りの安定につながります。

物件条件を調べる人

よくある質問

ここからは、不動産投資の利回りに関してよくある質問にお答えします。

不動産投資の利回り10%とはどのような意味?

不動産投資の利回り10%とは、仮に5,000万円で取得した物件を賃貸経営したときに、毎年500万円の家賃収入が得られることを指します。ただし、これは表面利回りの場合であり、実質利回りはさらに低くなる点に注意が必要です。なぜなら、表面利回りには物件の購入以外にかかる諸経費が考慮されていないためです。

投資資金を回収するまでに何年かかる?

不動産投資における資金の回収期間は、投資対象となる物件の条件により変わるため、一概に回収できる年数を断言することはできません。短期間で回収しようとすると、賃料を上げる必要があるため、結果として空室が増えるリスクがあります。そのため、余裕のある投資計画を立て、焦らずに行うことがポイントです。

不動産会社の営業担当者

不動産投資の利回りに悩んだらプロに相談しよう

不動産投資物件選びは、利回りを含め、立地や建物の構造、築年数、耐震性などさまざまな要素を考慮しなければなりません。自分だけでは調べきれない情報や、疑問が出てくることもあるでしょう。その場合は、不動産投資に関する知識が豊富な不動産会社へ相談するのがおすすめです。なかでも、物件の特性や地域ごとの賃貸のニーズなどは、不動産会社に尋ねるとよいでしょう。

三井不動産リアルティでは、不動産の購入や賃貸募集、賃貸管理、売却まで、三井不動産グループの総合力を活かしてトータルでサポートしています。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

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※1:小数点第2位を切り捨てて計算しております。

※2出典:三井不動産リアルティ「投資用不動産マーケットレポート2025.3Q」
https://pro.mf-realty.jp/cms/sites/default/files/uploaded/market-report/2026-02/%E6%8A%95%E8%B3%87%E7%94%A8%E4%B8%8D%E5%8B%95%E7%94%A3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%882025.3Q%EF%BC%88%E5%AE%9F%E6%95%B0%E7%89%88%29_0.pdf
(最終確認日:2026年3月26日)