新築マンション投資とは?中古との違いや失敗例を解説!

新築マンション投資は入居者が見つかりやすい一方で、利回りが低い傾向があるといった注意点もあります。投資用不動産の購入を検討している人や、新築マンション投資について知りたい人に向けて、中古マンションと比較して解説します。

目次
  1. 新築マンション投資とは?
  2. 中古マンション投資と何が違う?
  3. 新築マンション投資の失敗例
  4. 新築マンション投資のポイント
  5. まずは不動産会社に相談しよう!
記事カテゴリ 賃貸
2023.02.10

新築マンション投資とは?

不動産投資の対象となる物件は、新築・中古マンション、アパート、一戸建てなどいくつかの種類があります。これらの投資用物件のなかで、入居希望者からの需要が一番高いのは「やっぱり新築マンション」というイメージを持つ人は多いのではないでしょうか?

確かに、新築マンションは人気がありますが、一方で気を付けなければならない注意点もあります。不動産投資を成功させるためにも、新築マンションにおける正しい知識を持ち、不動産投資についてよく考えることが大切です。ここでは、新築マンション投資について、メリットや注意点を中古マンションと比較して解説します。

中古マンション投資と何が違う?

「新築」とは、建設された後に誰も住んだことがなく、かつ建設から1年経っていない物件のことを指します。このような新築マンションへの投資には、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか?中古マンションと比較しながらお伝えします。

新築マンション

入居者が見つかりやすい

新築マンションは人気があるため借り手が見つかりやすい傾向にあります。人気の理由は、外観や内装がきれいであること、また、共用部も室内も新しい設備がそろっていて利便性が高い物件が多いことなどが挙げられます。加えて、借り手の心理からしても、前に誰かが住んでいた物件に比べると、まだ誰も住んだことのない物件は魅力的でしょう。

このような人気の高さから、新築マンションは家賃を高く設定しても入居者が見つかりやすいというメリットもあります。さらに、融資を受ける際にも新築マンションは有利な場合があります。家賃が高く、資産価値も高くなる新築マンションは、金融機関からの評価が高くなりやすいためです。

修繕費が少ない

中古マンションに比べると修繕費が少なく済むことも、新築マンションのメリットといえます。修繕費は築年数に従って上がっていく傾向があり、中古マンションの場合は設備の導入や修繕に多額の費用が必要になってしまうこともあります。そのため、購入したい物件があるなら、なるべく修繕費が安い新築のうちに購入しておくとよいでしょう。

電卓で計算する人

売却しやすい

新築マンションは、万が一ローンが払えなくなったり、または収益化がうまくいかなかったりなどで売却したくなったときにも、早く高く売却できる可能性があります。新築マンションは、中古マンションに比べて資産価値が高いことから、購入希望者が集まりやすいためです。

また、普通に暮らす範囲であれば、基本的に修繕の必要が少ないことから、売却時の諸費用がかかりにくく、不動産の売却価格から購入時にかかった費用と諸費用を引いた「譲渡所得」が多く得られる可能性が高いこともメリットです。

新築は保証期間が10年

新築住宅の売主である販売事業者が建築後1年を経過していない新築の住宅を販売するとき、「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の規定で、買主に引渡した日から10年間は瑕疵担保責任を負わなければなりません。つまり、物件引渡し後に欠陥が見つかった場合、修繕費を売主である販売事業者が負担してくれるのです。

万が一売主側の販売会社が倒産した場合でも、瑕疵担保責任を履行できるよう、売主には住宅瑕疵担保責任保険への加入が義務付けられています。一方、中古マンションの場合は通常2年(契約不適合責任)となります。中古マンションに比べて、新築マンションのほうが長期的に保証を受けられるというのはメリットといえるでしょう。

不動産取引

購入費が高い

新築マンションにはメリットがある一方、注意点もあります。まず、中古マンションに比べて購入費が高くなってしまう可能性があることが挙げられます。これは本体価格に販売事業者の利益や広告費等のコストなどが加えられているためです。購入費が高くなることで、ローンの借入額が高くなることもあるため、綿密な資金計画を立てることが大切です。

利回りが低い傾向にある

「利回り」とは、投資した物件から得られる収益のことをいいます。新築マンションは、中古マンションに比べて取得費用が高くなるので、利回りが低い傾向にあります。この新築は中古よりも利回りが低くなりやすいという点は、マンションでもアパートでも当てはまるため、新築マンション投資を検討している人は注意しましょう。

新築マンション投資の失敗例

ここまでは、新築マンション投資のメリットと注意点を見てきました。さらに新築マンション投資への理解を深めるため、次は新築マンション投資におけるよくある失敗例を見て、その理由を学んでいきましょう。

マンション

失敗例1 期待した家賃収入が得られない

新築マンションは家賃収入の予測が難しく、投資における失敗のもととなってしまうこともあります。

家賃収入の予測が難しい理由としては、新築の場合、過去にそのマンションでの運用例がないことが挙げられます。運用例がない状態では、空室リスクはどれくらいなのか、家賃はどのように変動するのかといった長期的な予測が難しいといえるでしょう。

しかし、上記でもお伝えしたように、新築マンションはまだ誰も住んだことがない物件であることから内装や外観がきれいで人気が高く、家賃も高く設定できるというメリットもあります。このような新築マンションのメリットを活かすためには、立地条件や家賃相場をしっかりと調査することが大切です。特に地方都市のマンションは、都心とは入居者の需要が違ってくるため、徹底的に調査を行う必要があります。

家賃収入を得て、新築マンション投資を成功させるためには、知識が豊富な不動産会社に相談するとよいでしょう。入居希望者が求める条件と物件がマッチしているか、家賃相場はどれくらいか、などの点で的確なアドバイスをもらうことができます。

失敗例2 売却時に想定よりも高値ではない

一般的に、新築マンションは中古マンションに比べると高値で売却しやすいとされています。しかし、思うような賃貸収入が得られず、マンションの売却を検討した際に、高値では売却できなくなってしまうというケースもあります。このような失敗が起こりやすいのは、マンションの立地条件が悪い場合です。そういった場合には、マンションの成約価格が購入した価格より安くなり、赤字になってしまうこともあります。

上記でお伝えしたように、新築マンションは所有して数年経過することで売り出し時には「中古物件」として扱われるため、一般的には資産価値が下がってしまいます。そうすると、購入した価格よりも売却価格が安くなってしまうことがあるため、注意が必要です。

ただし、売買の市況にもよりますが新築時より高値で売れる可能性もあります。たとえば立地や設備など好条件の物件や、新築分譲時に問い合わせが多く、人気となった物件などは高値で売却しやすい傾向にあります。投資用マンションを検討する際には、周辺の中古売買事例、類似物件と比較した特徴、分譲時価格と成約価格の上昇率、市場の傾向などからニーズの安定性や現時点で推定される売却価格を鑑みて物件を選ぶとよいでしょう。

マンションの模型と電卓

新築マンション投資のポイント

ここまで新築マンションの失敗例や注意点をお伝えしてきたことからも分かるように、新築マンション投資を成功させるためには、いくつか押さえておくべきポイントがあります。そこでここからは、新築マンション投資を成功させるための5つのポイントをご紹介します。

しっかりと計画を立てる

新築マンション投資において、まずはしっかりと資金計画を立てることが大切です。なぜならば短期の保有ではすぐに利益が出ない場合があるからです。それに加えて、利回りが低く、家賃収入から諸経費を差し引いた手残り額が小さくなってしまうことから、赤字になる可能性があります。

また、所有期間によって不動産を売却する際にかかる税金も変わります。所有期間が5年超のものは「長期譲渡所得」、5年以下のものは「短期譲渡所得」とされ、短期譲渡所得のほうが税率は高くなります。詳細は以下のリンクをご覧ください。

●譲渡所得に関する記事はこちら
譲渡所得の計算方法

しかし、長く保有すれば利益が出るとも限りません。上記でもお伝えしたように、築年数が経過すると売却時の価格が下がる可能性があることや、建物の老朽化が進むことで修繕費がかかる恐れもあるためです。

そういったリスクを回避するために余裕を持った資金計画を立て、頭金を多く用意しておくことや、諸費用を削減するなど、収益が得られるように運用していくことが新築マンション投資の成功につながるでしょう。

青空とマンション

利回りを把握する

新築マンション投資においては、利回りがどのくらいになるのかを把握しておくことも大切です。ただし、利回りだけで物件の収益性を判断してはいけないので注意しましょう。

なぜなら、利回りが高いということは、その分リスクも高くなる傾向があるからです。物件価格の割に家賃収入が高いといった場合は、家賃が高く設定されている可能性があります。そうすると、周辺の物件と比べて家賃が高いので、入居者が決まらないという空室リスクが起こり得るのです。そのため、利回りだけで判断するのは危険といえます。周辺の家賃相場、また仲介手数料や物件取得費といった諸費用も含めて検討しましょう。

●利回りに関する記事はこちら
不動産投資における「利回り」とは?基礎知識や相場、判断方法を知ろう

最終的な戦略を考える

新築マンション投資を行う前には、最終的にそのマンションをどうするのか出口戦略を立てることも大切です。「所有し続ける」「自分で住む」「売却する」など方法はさまざまですが、売却する場合は、時期や最終的な価格などを想定しておくとよいでしょう。

大規模、小規模それぞれのマンションの特徴を把握する

マンションは規模によって特徴が変わり、総戸数がおよそ50戸以下と151戸以上のマンションは、「修繕積立金」が高くなる傾向があります。修繕積立金とは長期的な建物のメンテナンスのために、区分所有者が積み立てる費用のことをいいます。

タワーマンション

修繕積立金が高くなる理由としては、151戸以上の大規模マンションは共用部分が多くなるため、その分費用がかかることが挙げられます。また、50戸以下の中~小規模マンションは、共用部分を少ない戸数で維持していかなければならないためといえます。どのような規模のマンションを購入するか決める際の参考にしてみてください。

新築マンションの募集ノウハウがある不動産会社に相談する

新築マンションは、竣工・引渡し後に、マンション内の同タイプの住戸も入居者募集を開始します。そのため、競合物件との価格競争が生まれやすく、募集方法を工夫しなければ希望通りの賃料での成約が難しくなることもあります。

このような事態を防ぐには、新築マンションの募集ノウハウを把握していて、社内ネットワークを活用した顧客ストックも充実している大手不動産会社に仲介を依頼するとよいでしょう。このような会社であれば、希望条件での早期成約にも近づけるはずです。

まずは不動産会社に相談しよう!

ここまで新築マンション投資について解説してきましたが、いかがでしたか?

新築マンション投資は、借り手の条件や売却時の評価ポイントとして重要な「築年数」の点で、中古マンションより優位であるといえます。立地や設備などの条件がよいマンションや、坪単価が上昇する見込みのあるエリアであれば、数年間保有することで購入時よりも高く売れる可能性があります。

新築マンション投資は利回りや家賃の変動リスクの把握、ローンの支払い計画など専門的な知識が必要であるため、投資の分野に明るい不動産会社に相談するのがおすすめです。プロの意見を聞くことでよりよい投資計画を立てることができるでしょう。

マンションが建ち並ぶエリア

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アユカワタカヲ

株式会社タカプランニングジャパン代表取締役。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有。
会社員時代に不動産投資をスタートさせ、今では幅広く不動産賃貸業を営む。
メディア出演や著作の出版、セミナーなどでも活躍。
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