賃貸住宅も火災保険に入る?必要な補償や保険金額の決め方、保険料を抑える方法を解説

賃貸住宅でも火災保険に加入するのが一般的です。火災保険の補償内容は、加入者が物件の借主か貸主かによって異なります。この記事では賃貸住宅で必要な補償の内容や、保険金額の決め方、保険料を抑えるポイントについて解説します。

目次
  1. 賃貸住宅に火災保険は必要?
  2. 賃貸住宅で必要な補償
  3. 保険金額はどのように決まる?
  4. 火災保険料を抑えるには?
  5. 火災保険に加入して安心した生活を送ろう
記事カテゴリ 賃貸
2023.07.31

賃貸住宅に火災保険は必要?

火災保険とは火災だけでなく、風災、水災といった自然災害の被害を受けた際に、建物や家財の損害を補償する保険のことをいいます。落雷や、ガス漏れによる破裂なども補償されるのが一般的ですが、地震による損害は補償に含まれないため、別で地震保険に入る必要があります。地震保険は火災保険とセットで契約するのが通例で、単独で加入することはできません。

賃貸住宅への入居を検討している方のなかには、「賃貸でも火災保険に入ったほうがいいの?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?賃貸借契約の場合でも、火災保険への加入が一般的です。ただし、火災保険は物件の借主、貸主どちらが加入者かによって補償の内容が異なります。

この記事では賃貸住宅で必要となる補償内容や、保険金額の決め方、保険料を抑える方法について解説します。

契約の説明

賃貸住宅で必要な補償

まずは賃貸住宅で必要となる補償についてお伝えします。先述したように、賃貸住宅における火災保険の補償内容は加入者が借主と貸主、どちらであるかによって異なります。違いを詳しく見ていきましょう。

借主の補償内容

借主が加入する火災保険は、家財を補償する保険のことで「家財保険」ともいわれています。家財とは家具や家電、衣服など物件内にあるものを指します。

補償の範囲は必要に応じて設定することが可能です。たとえば、火災といった基本補償以外に、別途で補償を設定することで、水漏れや外部からの物体の衝突により家財に損害が発生した場合にも保険金を受け取ることができます。ただし、設定していない範囲は有事の際に補償が受けられないため、事前に補償の範囲を確認しておくことが大切です。

補償の上限となる保険金額は、同等の家財が手に入れられる料金の範囲内で設定するのがおすすめです。なお、持っている家財に相当する以上の金額を設定しても、支払われる保険金額は、実際に被害にあった金額までです。

借主が加入する火災保険には、「借家人賠償責任保険」「個人賠償責任補償特約」を含めることが一般的な入居の条件となっています。借家人賠償責任保険とは、貸主(大家さん)に対する損害責任をカバーするもので、物件の修繕が必要となった場合に補償を受けられます。また、個人賠償責任補償特約とは他人の家や所有物などの財産を壊したり、他人をけがさせたりして損害賠償責任を負った際に受けられる補償です。例としては水漏れといった偶発的な事故で、下の階の住人に被害を与えてしまった場合があります。

なお、借家人賠償責任保険や個人賠償責任補償特約は単独では契約できず、火災保険(家財保険)とセットで加入する必要があります。

保険の相談

貸主の補償内容

貸主が加入する火災保険は、主に所有物件自体を補償する保険です。火災の補償以外に風災や水災、盗難などの補償も設定することができ、設定した補償内であれば保険金が受け取れます。保険金額は同じ物件を建て直す、または再購入できる価格で設定されることが一般的です。

保険金額はどのように決まる?

保険金額とは保険を契約する際に設定するもので、事故が発生した際に保険会社が支払う限度額のことです。また、毎月支払う保険料は保険金額によって異なります。保険金額の決め方は借主と貸主で異なるため、それぞれ見てみましょう。

借主の場合

借主が加入する家財の保険金額は、世帯主の年齢や家族構成によって変わります。たとえば、一人暮らしと、3人家族では家財の量に大きな差があるからです。目安は以下のようになります。

入居者の条件入居者の年齢保険金額の目安
単身20~30代300万~400万円
夫婦(2人)20~30代前半500万~800万円
夫婦(2人)と子ども(1人)20~30代前半600万~900万円

※上記はあくまで一例であり、保険会社や年齢などによって目安となる金額は異なります。

保険金額は自らの暮らしに合った金額を設定することが大切です。保険金額を安く設定すると月々の保険料は抑えられますが、有事の際に十分な補償を請求できなくなってしまうことがあるため、注意しましょう。

貸主の場合

貸主が加入する所有物件の保険金額は、建物の評価や構造区分、築年数、所在地などに加えて、補償内容や保険期間、支払方法、割引があるかどうかといった複数の要素を踏まえて決まります。

マンションの場合、所有物件の評価額は専有面積をもとに算出され、1㎡あたりの標準的な単価と、延べ床面積または専有面積をもとに算出する「新築費単価法」が多く用いられています。

また、所有物件の建物部分が災害に強い構造であるほど保険料は安くなることが一般的です。構造は「M構造」「T構造」「H構造」の主に3つに分類されています。構造と建物の分類は以下の通りです。

構造建物
M構造コンクリート造マンションなど
T構造鉄骨造の一戸建てなど
H構造木造の一戸建てなど

保険料は、M構造の建物が安く、H構造の建物が高くなる傾向があります。また、築年数が浅いほど安く、経過するに伴い保険料は高くなるのが一般的です。

札束と家の模型と電卓

火災保険料を抑えるには?

ここからは火災保険料を抑えるコツをご紹介します。適切な補償が受けられる範囲内で、料金を抑えて利用しましょう。

保険料をまとめて支払う

まとめて支払うと、保険料を安く抑えることができます。火災保険の契約は最長5年で、長期契約の場合は「長期一括払い」という方法がおすすめです。解約したり、保険金額を変更したりする場合には、残りの金額を返金してもらえます。

長期一括払いの場合、保険の見直しを行う機会が少なくなる傾向があります。年数がたつと物件の状態が変わるため、保険の内容が適切かどうか定期的に確認することが大切です。なお、支払い方法は保険会社によって異なるため、事前にチェックしておくとよいでしょう。

計算している様子

保険会社を比較する

複数の保険会社をよく比較して契約する会社を選びましょう。補償の内容や金額は、保険会社によって異なり、「新築の保険料が安い」「中古の保険料が安い」など特徴もそれぞれです。また保険料は改定されることがあるため、更新する際には価格を確認する必要があります。

不要な補償を外す

貸主は余分な補償内容を外すことで保険料を抑えることが可能です。たとえば、マンション上層階の物件のように台風や大雨などによる浸水リスクがない場合は、水災に対する補償を外すといった、リスクに応じた契約を結ぶとよいでしょう。

また、隣の物件との距離が離れている場合には「類焼損害」の補償が必要ないケースもあります。類焼損害とは自分の家で火災が発生した際に、近隣住宅にも被害が及んでしまうことを指します。これらの補償については、物件の状況を踏まえて必要かどうかよく検討するようにしましょう。

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マンション模型と虫眼鏡

火災保険に加入して安心した生活を送ろう

ここまで賃貸向けに必要となる火災保険の補償内容や保険金額の決め方、保険料を抑える方法について解説してきました。

保険金額が安いと毎月支払う保険料の負担は軽くなりますが、事故が起きた際の損害が補償に含まれていないと自分で負担することになってしまいます。そのため、火災保険は自宅の状況に合った補償を選ぶことが大切です。

また、お伝えしたように、保険料は補償の内容や支払い方法を工夫することで抑えられる可能性があります。この記事を参考に保険料を抑える方法を検討してみてくださいね。

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