不動産投資にはどんなメリットがある?注意点や成功させるポイントについても解説

不動産投資とは、不動産を購入し賃貸経営を行うことで家賃収入を得ることです。節税効果やレバレッジ効果といったメリットがあります。今回はそんな不動産投資の知識やメリット、注意点などを初心者にも分かりやすく解説します。

目次
  1. 不動産投資とは?
  2. 不動産投資は主に3種類
  3. 不動産投資のメリットとは?
  4. 不動産投資の注意点とは?
  5. 不動産投資を成功させるためのポイント
  6. 不動産投資にかかる費用
  7. まずは不動産会社に相談しよう!
記事カテゴリ 賃貸
2023.04.13

不動産投資とは?

不動産投資とは、「購入した不動産を貸し出すことで、家賃収入を得る投資」または「購入した不動産を売却することで利益を得る投資」のことをいいます。単に「不動産投資」という場合、前者を指していることが一般的です。不動産のオーナーとなり賃貸経営を行うこの方法では、うまく経営ができれば安定した収入を見込めるというメリットがあります。

ただ、不動産投資は投資の経験や知識がない人にとっては難しく、手を出しにくいというイメージもあることでしょう。また、「空室が続いてしまい、思うような家賃収入が得られなかったらどうしよう」といった不安を抱え、興味はあるものの不動産投資を始めるか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

そこで本記事では、不動産投資初心者や、これから不動産投資を始めようと考えている人に向けて、不動産投資の基本的な知識やメリット、注意点などをお伝えします。

家の模型とパソコンで作業する男性

不動産投資は主に3種類

賃貸経営を行う不動産投資のなかには、「区分マンションの投資」「アパート・マンションの一棟投資」「一戸建て物件投資」の3種類が存在します。それぞれにメリットや注意点があるため、自分に合った投資方法がどれなのかを知っておくことが大切です。以下で詳しく見ていきましょう。

区分マンションの投資

区分マンション投資とは、マンションの一室を購入して賃貸経営を行う不動産投資方法です。一室のみを購入するため初期費用がかかりにくいというメリットがあります。マンションやアパートの一棟投資に比べて区分マンション投資は一室のみであるため、大きな収入は見込めませんが、その分、初期費用が一棟投資よりもかかりにくいという点で初心者におすすめの投資方法です。

しかし、区分マンション投資は入居者の退去後、新たな入居者が見つかるまでは収入が得られなくなるので注意が必要です。

また、投資金額に対する収益の割合を「利回り」といいますが、主に管理組合が行う修繕の費用や固定資産税などの費用を負担する必要があるため、利回りが低くなることがあります。時期や物件によっては売却益が見込める場合があるため、家賃収入と併せて資金計画を立てるとよいでしょう。

不動産投資の利回りについては、以下の記事で詳しく解説しています。

●不動産投資の利回りに関する記事はこちら
不動産投資における「利回り」とは?基礎知識や相場、判断方法を知ろう

マンション

マンション・アパートの一棟投資

マンションやアパートを建物ごと購入し、賃貸経営を行う不動産投資方法もあり、これを「一棟投資」と呼びます。複数の住戸を貸し出すことで入居者も多くなるため、多くの家賃収入を期待できるというメリットがあります。さらに一部に空室が生じても、ほかの住戸の家賃収入によってカバーすることができるので、家賃収入の変動が少ないというメリットもあります。

しかし一棟まるごと購入する分、先述の区分マンションと比べて初期費用が高くなる傾向にあるため、賃貸経営による収益により採算が取れるかを、利回りはよいか、売却時に大きく値下がりしないような物件か、という点から考えることが大切です。まとまった金額の資金が手元にある状態で投資を始められると、さらに安心でしょう。

また、一棟投資では、複数の住戸に加えて共用スペースも管理の対象となるため、区分マンションの投資と比べて維持の手間がかかってしまうといった注意点もあります。

一戸建て物件投資

マンションやアパートではなく、一戸建ての物件を購入し賃貸経営を行う投資方法もあります。一戸建て物件はファミリー向けのものが多く、特に高校生以下の子どもがいる場合は、通園・通学のために引越しをせず長く入居する傾向があります。そのため、一度入居が決まってからの空室のリスクが、マンションの1LDKや2LDKの物件に比べて少なくなりやすいところがメリットとして挙げられます。

なお一戸建てには、共用スペースがあるマンションやアパートのように定期的な管理費がかからないことが一般的ですが、後々まとまった額の修繕費がかかる可能性があるため注意が必要です。またファミリー層以外が入居しにくいため、一度入居者が退去してしまうと再び入居者を見つけるのに時間がかかる場合があります。

一戸建ての住まい

不動産投資のメリットとは?

ここまで不動産投資の種類についてお伝えしてきました。ここからは不動産投資のメリットについて解説します。具体的に見ていきましょう。

収入が得られる

不動産投資の最大のメリットは、賃貸経営を行うことで毎月安定した家賃収入が手に入る点です。また貯蓄をしっかり行っている方にとっては、不動産投資は副業としても始めやすいという特徴もあります。本業と並行しながら行うことで収入を増加させられるのは非常に魅力的ですよね。

ただし、空室の状態が続いたり、利回りが低かったりすると収入が十分に得られないケースもあるため注意が必要です。投資用物件を選ぶ際は、立地とニーズを考えたうえで購入することを心がけましょう。

●不動産投資を成功させるコツに関する記事はこちら
マンション投資を成功させるコツは?メリットと注意点を解説

所得税・住民税の軽減を期待できる

投資用物件を購入してからしばらくの間、毎年の所得税や住民税の金額を軽減することが可能です。その理由としては、「減価償却費の発生」「損益通算の利用」の2点が挙げられます。

投資用物件の購入費用は、耐用年数の間だけ減価償却費として計上され、所得を少なく申告できるため、節税効果を期待できます。減価償却とは、建物や設備といった、経年劣化を伴う資産の取得にかかった費用を、何年かに分けて経費として計上していくことを指します。

また、不動産の購入後、会計上の支出が収入を上回り、不動産所得がマイナスとなってしまった場合には、「損益通算」を行うことが可能です。損益通算を行うことで、不動産投資による赤字の分だけ、ほかの所得を少なく申告できます。これにより、課税対象所得を減らし、所得税や住民税が減額できる仕組みとなっています。

●不動産投資の節税に関する記事はこちら
不動産投資は節税につながる?その仕組みと注意点を解説

●減価償却と耐用年数に関する記事はこちら
不動産の構造別耐用年数と減価償却の計算方法を解説!

家の模型と現金と電卓とTAXと書かれた積み木

相続税が抑えられる

資産の相続が発生した際に投資用物件を所有していれば、同じ資産価値の現金を持っているよりも相続税の額が抑えられる可能性があります。これは、相続税の課税対象額(相続税評価額)の算出方法が、現金と不動産では異なるためです。

相続税評価額は、現金を相続する場合には額面通りの金額とされるのに対して、不動産については「固定資産税評価額」が用いられます。固定資産税評価額は時価の70~80%程度であるため、現金ではなく不動産の形で資産を保有していたほうが、相続税を抑えられるといえるのです。

●評価額に関する記事はこちら
評価額とは?家の評価額を知る方法や、必要になるタイミングを解説!

●不動産の相続についての関連記事はこちら
不動産を相続することになったら?手続きの流れとよくある疑問を解説

保険の役割を果たす場合がある

不動産投資は、生命保険の役割も果たす可能性があります。不動産購入時に金融機関から加入することを求められる「団体信用生命保険(団信)」は、不動産投資ローンの契約者が亡くなった場合に残った借入額を免除することができ、ローン残債がゼロになる保険です。

団信が下りた後であっても、遺族は不動産を手放す必要はなく、不動産経営を続けることができます。貸し出しをやめて物件を売却することも可能です。

インフレに強い

不動産のような現物の資産はもの自体に価値があるため、現金や有価証券よりも価値が下がりにくい傾向にあります。不動産投資は、土地や家などの実物資産に投資するため、インフレに強いというメリットがあるのです。一方で、預貯金や株式などといった金融資産は、インフレによって目減りしてしまいます。

また、不動産の価格は、インフレとともに上がる傾向にありますが、現金や預貯金は物価の上昇に伴い、その相対的な価値は下がってしまいます。同様に、不動産投資を始める際に借り入れたお金もインフレとともに価値が下がるため、返済の負担は実質的に軽減されるといえるでしょう。このように、投資用物件を所有していると、インフレが起こった場合でも所有財産の価値が大きく下がりにくい傾向にあるため、安心感があるといえるでしょう。

グラフと虫眼鏡と家の模型

レバレッジ効果がある

不動産投資はレバレッジ効果が高いという特長もあります。レバレッジ効果とは、少ない自己資金で大きな利益を生むことができるというものです。投資資金を全て用意しなければならない株式とは違い、不動産投資は、不動産投資ローンの借り入れを行えば、物件価格全額の自己資金を用意せずとも始めることが可能です。

不動産投資ローンを利用して購入した物件をよい利回りで賃貸運営し、よい条件で売却ができれば投資した自己資金よりも大きな収益が見込めます。ただし、利回りが低かったり借り入れの金利が高かったりすると「逆レバレッジ」になり、損をする恐れがあるため注意が必要です。

収入の予測がしやすい

不動産投資は資産価値が変動しにくい一方で、収入の予測を行いやすいという特徴があります。入居者が見つかりさえすれば、購入費用や家賃収入、住宅ローンの返済期間や月々の返済額などといった条件は初期のうちに出そろっているため、確実性の高い資金計画を立てられます。

不動産投資の注意点とは?

続いて、不動産投資で注意すべきリスクとその対策を解説していきます。

空室となれば家賃収入が得られない

不動産投資では、空室により家賃収入が得られない場合があります。不動産投資ローンの借り入れを行っている場合は、家賃が減少したり、ゼロになってしまったりした場合でもローンを返済しなければならないため、特に注意が必要です。

空室を避けるためには、物件の価値を高めることが重要です。設備の充実度、リフォームやリノベーションがされているかどうかなど入居者の一般的なニーズを満たせるように、メンテナンス・グレードアップが必要です。

さらに、物件のエリアも重要です。人口が多かったり、スーパーやコンビニをはじめ、利便性の高い施設が多くあったり、交通アクセスがよかったりするエリアの場合は、需要が高くなる傾向があります。そういった需要の高いエリアの物件を選ぶことで空室リスクへの対策となるでしょう。

投資用物件を選ぶ際のコツについては、以下の記事でチェックしてくださいね。

●投資用物件を選ぶ際のポイントに関する記事はこちら
不動産投資の初心者が知っておきたい、よい投資物件選びのポイント

TAXと書かれた積み木

固定資産税や都市計画税がかかる

土地や建物などの不動産を所有すると固定資産税や都市計画税がかかります。固定資産税は、市町村が公表している固定資産税評価額に税率1.4%をかけて計算されます。また市街化区域内に不動産を所有している場合に課される都市計画税は、固定資産税評価額に税率0.3%をかけて計算されます。空室で家賃収入が得られない状況でも、これらの税金は必ず毎年発生するため、資金計画を立てるうえで常に念頭に置いておきましょう。

青空と高層ビル群

入居者による家賃滞納

入居者が家賃を滞納する場合もあります。家賃滞納に関するトラブルが起こってしまうと、収益の問題だけでなく、貸主と入居者の精神的なストレスにもつながります。そのため、家賃の回収は賃貸管理会社に任せるケースが多く、これにより労力を省くことができます。

なお、家賃滞納は長引くほど回収率が下がる恐れがあるため、滞納が発生した場合は早めに対応するようにしましょう。

修繕を行う必要がある

物件は築年数が増加することで劣化が生じるため、修繕を行わなければなりません。原状回復費用の貸主負担分のほか、クリーニング費用なども特約がない限り原則として貸主の負担により修繕を行う必要があります。

また、建物が古かったり、設備が悪かったりすると入居者が集まりにくくなり、空室リスクの増加の原因となってしまう点にも注意が必要です。不動産投資用に中古の物件を購入する際も修繕を要する箇所がないか念入りにチェックしましょう。外から見える部分だけでなく、配管といった内部まで確認しておくことをおすすめします。

グラフと家の模型

価格変動によるリスク

投資用に購入した不動産は相続して次の世代に渡すこともありますが、最終的には売却する場合が多いでしょう。ここで、築年数を重ね過ぎた不動産は、売却する際の資産価値が大幅に減少してしまう恐れがあるため、注意が必要です。ただし、購入してから数年で売る場合にも注意する必要があります。なぜなら、不動産を所有していた期間によって売却する際にかかる税金も変わるからです。

所有期間が5年超のものは「長期譲渡所得」、5年以下のものは「短期譲渡所得」とされ、短期譲渡所得のほうが税率は高くなります。その点を考慮した場合、「5年間の定期賃貸借契約」という貸し方も方法の一つです。

5年が経過すると賃借人が退去して空室となり、居住用物件として売り出すことも可能となります。賃貸中の投資用物件(オーナーチェンジ物件)よりも流通性が増すだけでなく、タイミングが合えば売却時の税金を抑えることにつながります。譲渡所得に関する詳細は以下のリンクをご覧ください。

●譲渡所得に関する記事はこちら
譲渡所得の計算方法

先ほどお伝えしたように建物・設備のメンテナンスやリフォーム・リノベーションは空室リスクの減少だけでなく、資産価値をキープするうえでも有効です。また、利便性がよく底堅い人気が見込まれる物件であれば価格の大きな下落は防げる可能性があるため、立地や将来的な都市計画も踏まえて購入物件を決定することも重要です。

金利変動によるリスク

不動産投資ローンを借り入れる場合、金利の変動にも注意が必要です。借り入れを行った金融機関にローンを返済する際は利息を上乗せして支払わなければなりません。返済している間に金利が上がりローンの返済が滞ってしまわないように、資金計画をしっかりと立てることが大切です。

不動産投資を成功させるためのポイント

ここまで不動産投資のメリットや注意点を解説してきました。メリットや注意点について分かったうえで、不動産投資を成功させるにはどうしたらよいのかと疑問に思っている人もいることでしょう。ここからは不動産投資を成功させるためのポイントを2つご紹介します。

営業担当者と老夫婦

長期的なリターンを考えて不動産投資を行う

不動産投資は、入居者の家賃が利益になるため、長期的に安定した収入が見込めるという特長があります。一方で、不動産投資はすぐに大きな利益が得られるわけではありません。不動産投資を行う場合は短期運用ではなく、なるべく長い目で見るようにしましょう。

不動産購入時にしっかり調査する

不動産投資において不動産を購入する際、物件の状態や周辺環境などを念入りに調査することが大切です。建物の構造や築年数、立地などを踏まえて周辺の物件と比較することも重要です。不動産投資は上記でもお伝えしたように、長期的に運用することが多いため、物件の購入は慎重に行いましょう。

人差し指を立てる女性

不動産投資にかかる費用

ここからは、不動産投資を始めるうえで必要となる費用項目についても、簡単に触れていきます。

通常、不動産投資には初期費用がかかり、ローンの頭金や手数料などに自己資金を充てることになります。初期費用の目安は、頭金と諸費用をあわせて15~30%程度です。

しかし、収入が安定している人は「フルローン」と呼ばれる、不動産を金融機関からの融資のみで購入する方法を用いることができる場合があります。この場合、頭金の用意が必要なく、自己資金が少ない状態から投資を始めることができます。

ただし、フルローンでは自己資金を用意する場合よりも金利が上昇してしまう可能性があるほか、毎月の返済額が大きくなるといった注意点もあるため、借り入れにあたっては慎重に検討する必要があります。

まずは不動産会社に相談しよう!

ここまで不動産投資の知識やメリット、注意点を解説してきました。不動産投資は空室リスクや家賃滞納を受けるリスクがあるなど、いくつかの注意点もありますが、長期的に安定収入が得られることや、インフレに強いといったメリットも多い投資方法です。少しでも興味がある場合は、不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか?

不動産投資を成功させるためには長期的に不動産投資を考えること、そして不動産購入時の調査を徹底的に行うことが大切です。不動産投資の目的は、副収入の確保や、老後の生活の資金源とすることなどさまざまですが、長期的に賃貸経営を行ううえで目的をはっきりさせておくとよいでしょう。

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アユカワタカヲ

株式会社タカプランニングジャパン代表取締役。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有。
会社員時代に不動産投資をスタートさせ、今では幅広く不動産賃貸業を営む。
メディア出演や著作の出版、セミナーなどでも活躍。
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