サブリース契約とは?注意点やトラブル例を分かりやすく解説
サブリース契約とは、貸主が不動産会社に物件を貸し、その不動産会社が借主に転貸することです。賃貸管理を任せられる、収入を得られるなどのメリットがある一方、注意点もあります。この記事では、サブリース契約の基礎知識やトラブルを防ぐ方法について解説します。
目次
サブリース契約とは?
サブリース契約とは、賃貸住宅を貸出す際に、貸主(オーナー)と不動産会社(サブリース業者)が賃貸借契約(マスターリース契約)を締結し、不動産会社(サブリース業者)が借主(転借人)に転貸する契約形態です。
貸主はサブリース業者と賃貸借契約を結び、サブリース業者は借主(転借人)と転貸借契約を結ぶため、借主は不動産会社に、不動産会社は貸主に賃料を支払います。

家を貸出す場合に不動産会社へ賃貸管理を委任する際の契約形態には、主にサブリース契約のほかに「管理委任契約」があります。
管理委任契約とは、家を貸す際に発生する管理業務を不動産会社(賃貸管理会社)に委任する契約形態です。不動産会社(賃貸管理会社)に業務を委任しているだけなので、賃貸借契約は貸主と借主の間で結ばれます。貸主は、不動産会社(賃貸管理会社)に賃貸管理業務の手数料を支払います。

この記事では、サブリース契約について取り上げます。持ち家の賃貸を検討中で「管理委任かサブリースのどちらで賃貸経営をするべきか?」「サブリース契約のメリットや注意点は?」といったことが気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
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サブリース契約の注意点は?
サブリース契約の注意点は、金銭的な部分が多くを占めます。やや複雑な仕組みのため、不動産会社(サブリース業者)の立ち位置を理解できていないと、不利益を被る恐れがあります。具体的な注意点としては、以下の5つです。
・賃料(家賃)の減額請求をされることがある
・借主(転借人)を選べない
・手数料の負担が大きい
・免責期間が設定されている場合がある
・修繕費用やリフォーム費用は貸主が支払う
それぞれについて詳しく解説します。
なお、三井のリハウスでは、賃貸経営に関するご相談を無料で受け付けています。売買仲介で長年培ったノウハウを生かし、賃貸運営をサポートします。疑問や不安について分かりやすく丁寧にお答えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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賃料の減額請求をされることがある
サブリース契約は、管理を依頼するサブリース業者の方針によって賃料が減額される場合があります。サブリース契約でよく見られる「30年一括借り上げ」や「家賃保証」というシステムでは、契約期間中は当初の賃料額が支払われ続けると誤解してしまうケースも珍しくありません。借地借家法では、経済情勢の変化や近隣相場の下落などを理由に、貸主・借主の双方から賃料の増減を請求できると定められています。サブリース業者もこの規定にもとづき、賃料の減額を求めることがあります。
借主(転借人)を選べない
サブリース契約の場合、審査や契約手続きをサブリース業者が行うため、貸主は物件の借主(入居者)を選べないことにも注意しましょう。その分、賃貸管理の手間や賃料滞納のリスクもなくなるため一概にマイナスとはいえませんが、入居者の属性が気になる場合は、事前にサブリース業者へ確認しておくと安心です。
手数料の負担が大きい
サブリース契約では、貸主はサブリース業者に手数料(または賃料差額分)を支払う必要があり、その相場は賃料の10%~20%です。管理委任契約の手数料は賃料の5%~10%ほどが一般的なので、サブリース契約のほうが手数料は高い傾向があります。そのため、同じ賃料の物件で比較すると、サブリース契約のほうが貸主に入る収入は少なくなります。
免責期間が設定されている場合がある
家賃保証のあるサブリース契約には、募集開始時や退去後の数か月間、賃料支払いが免除される「免責期間」が設定されている場合があります。たとえば、契約してから募集開始を行い、借主が決まるまでの期間や、借主が退去した後の数か月間が免責期間に該当するケースがあります。
このような期間が設定されている場合は、サブリース業者から賃料が支払われなくなるため、注意が必要です。契約前には、免責期間の有無や期間を確認しましょう。
修繕費用やリフォーム費用は貸主が支払う
電気や水回りなどの設備が経年劣化していて、修繕・リフォームが必要な場合の費用は、通常、貸主が負担します。借主は退去時に「原状回復費」の一部を負担することがありますが、経年劣化による修繕や交換は貸主の負担となるので注意しましょう。
なお、利用する不動産会社やサービスによっては、修繕費用の一部を負担してくれる場合もあります。三井のリハウスでは、専有部内設備の一部修繕・交換費用を負担するフリーメンテナンスサービスをご用意しております。ただし、ご利用には一部条件がございますので、詳しくはお気軽にお問い合わせください。
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サブリース契約のメリットは?
サブリース契約は仕組みを理解し、信頼できる不動産会社(サブリース業者)を選べば利点もある契約形態です。サブリース契約の具体的なメリットには、次の2点が挙げられます。
・賃貸管理の手間が省ける
・安定した収入が得られる
それぞれについて1つずつ解説します。
賃貸管理の手間が省ける
サブリース契約の大きなメリットは、賃貸管理の手間を大幅に削減できる点です。賃料の集金や設備故障の対応、契約更新の手続きなどをサブリース業者に任せられるため、手間と時間を節約できます。
一般的な管理委任契約でも実務は任せられますが、修繕やトラブル対応の最終判断は貸主自身が行います。一方、サブリース契約であれば、借主と賃貸借契約を結んでいるサブリース業者が上記の決定や判断まで対応してくれるので、初心者や海外居住中の貸主などにとっても、安心できる経営方法といえるでしょう。
安定した収入が得られる
また、家賃保証のあるプランなら安定した収入を確保できるというメリットもあります。一般的な経営では空室が収入減に直結しますが、サブリース契約はサブリース業者が賃料を支払う仕組みのため、空室時でも収入が途絶えません。ただし、サブリース業者や賃貸管理プランによっては空室時の家賃保証がない場合もあるため、契約時に必ず確認しておきましょう。

サブリース契約でのトラブル事例
サブリース契約でのトラブルは、不動産会社(サブリース業者)から貸主への説明不足によって生じることがあります。賃料の減額や業者の指定など、よくあるトラブルの事例は、以下のような内容です。
・突然に賃料減額を請求される
・指定業者によって高額な修繕費用を払わされる
・不動産会社が倒産してしまう
突然に賃料減額を請求される
サブリース業者から賃料の減額を請求されるタイミングは、サブリース契約でトラブルに発展しやすい要素の1つです。よくあるのは、貸主が契約締結時に、サブリース業者が減額請求できることを把握していないケースです。数年ごとの契約更新や賃料見直しのタイミングで大幅な減額を提示されると、当初の収支計画が大きく狂ってしまうため、トラブルに至ることがあります。
指定業者によって高額な修繕費用を払わされる
物件の原状回復や大規模修繕工事を行う際、サブリース業者が指定する専門業者を利用することが契約上の必須条件となっているケースがあります。この場合、割高な工事費用を請求されることが少なくありません。もし貸主が費用負担を拒んだり、ほかの専門業者を探したりすると、契約維持のために「契約違反として家賃保証を打ち切る」と通告されることもあります。
不動産会社が倒産してしまう
最も深刻なトラブルとしては、サブリース契約を交わした不動産会社(サブリース業者)が倒産してしまうケースです。倒産すると家賃保証が停止してしまい、賃貸経営が立ち行かなくなってしまいます。倒産しそうな不動産会社では、貸主への賃料の滞納が続くこともあるので、契約期間中は不動産会社とこまめにコミュニケーションを取り、経営状態を注視しておきましょう。

サブリース契約のトラブルへの対策方法3つ
サブリース契約では賃料の減額や、解約時に高額な違約金を求められるトラブルが起こりやすいことを紹介してきました。貸主は不動産会社(サブリース業者)との契約前に、契約内容をよく確認して自ら情報収集を行い、サブリース契約の理解を深めておくことが重要です。ここからは、サブリース契約でのトラブルを防ぐための対策についてお伝えします。
契約内容をよく確認する
サブリース業者とのトラブルを避けるために大切なのは、事前に契約内容を確認することです。契約内容について確認が不十分だと「解約時に高額な違約金を請求されてしまった」「原状回復費はサブリース業者が負担してくれると思い込んでいた」などの問題が起き、想定外の出費が発生してしまうこともあります。
特に、手数料の金額、家賃保証の有無、修繕費用の負担などの項目は、サブリース業者によって異なります。契約内容について疑問点がある場合は、契約前にきちんと確認しましょう。
自分でも情報収集をする
サブリース契約では、いざ始めてみると借主が集まらなかったり、賃料の減額を求められたりして、想定していたほどの賃料収入を得られないこともあります。
このような事態を回避するには、自分自身で不動産に関する情報収集をしておくことが大切です。「自分が所有する家にはどの程度の需要があるのか」「周辺の賃料相場はいくらか」といったことを、周辺の不動産会社のホームページやチラシなどでリサーチしてみましょう。
なお、サブリース業者から支払われる賃料は、物件の築年数が経過するにつれて見直されるのが一般的です。そのため、家を賃貸に出す際は、数年ごとに収入が減ることも考慮したうえで長期的な事業計画を立てる必要があります。
三井のリハウスでは、お持ちの家の賃料査定を無料で受け付けています。妥当な賃料を知りたい方、家の賃貸に興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご利用ください。
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信頼できる不動産会社と契約する
サブリース契約を結ぶ際は、安定した経営をしていて信頼できる不動産会社(サブリース業者)を見極めることが大切です。選定に失敗すると、十分な収入を得られなかったり、適切な管理を行ってもらえなかったりといった問題が生じるかもしれません。サブリース業者を選ぶ際は、賃貸管理の実績が豊富か、トラブルへの対応力はあるかといった点を中心に比較してみましょう。
また、その会社が「賃貸住宅管理業登録制度」に登録されているかも重要な判断基準です。国土交通省の登録を受けているサブリース業者であれば、契約を結ぶ前に、将来的な「借上げ家賃の変動条件」について書面を交付し、専門知識を持つ実務経験者等が説明を行うことが義務付けられています。一方で、未登録の業者はこうした義務の対象外となるケースもあるため、リスクの説明が不十分になる恐れがあります。契約後のトラブルを避けるためにも、ホームページや店舗などで登録の有無を確認し、リスクを含めて誠実に説明してくれる会社を選びましょう。
もちろん、不動産会社の営業担当者の対応を見ることも大切です。こちらの相談や質問に対して、親身になって答えてくれる担当者であれば、契約後も何かと安心でしょう。
三井のリハウスでは、家を貸したい方からのご相談を随時受け付けています。ニーズに合わせて選べる賃貸管理サービスもご用意していますので、ご検討中の方はぜひお気軽にお問い合わせください。
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サブリース契約の解約はできる?
サブリース契約を貸主側から解約することは難しいとされています。サブリース契約は、借地借家法にもとづいて不動産会社(サブリース業者)に家を貸すことになりますが、借地借家法では「正当な事由なく貸主から契約の申し入れをすることはできない」と定められているためです。
中途解約には手数料や違約金が発生することもあるため、場合によってはトラブルに発展してしまう事例もあります。サブリース契約の解約時のトラブルを防ぐには、契約書内の「解約条件」を事前に徹底確認することが重要です。

サブリース契約が向いている貸主は?
サブリース契約に向いている貸主は以下の通りです。
・賃貸経営の経験が少ない人
・賃貸管理を行う時間がない人
・海外に転勤・居住している人
それぞれについて、詳しく解説します。
賃貸経営の経験が少ない人
賃貸管理業務や手続きに不慣れな初心者の方は、これらを不動産会社(サブリース業者)に任せられるサブリース契約がおすすめです。物件を貸出していると、設備の不具合をはじめとしたトラブルが発生することがあります。トラブル対応は実績が豊富なサブリース業者に任せることで、スピーディーに解決でき、事態が大きくなるのを抑えられるでしょう。

賃貸管理を行う時間がない人
サブリース契約ではサブリース業者が借主や入居者とのやりとりを行ってくれるため、貸主の賃貸管理業務にかかる時間を削減できます。そのため、賃貸管理に時間を費やせない貸主には特におすすめです。
海外に転勤・居住している人
海外在住で「すぐの対応が難しい」という方にもサブリース契約はおすすめです。時差や距離の壁があっても、サブリース業者が迅速に現地対応を行うため、貸主・借主双方にとって安心です。
なお、海外に居住している貸主の物件を法人が借りる場合、借主法人は「源泉所得税」を納付しなければならない決まりになっています。そのため、海外居住の貸主は借主を見つけにくくなるリスクがありますが、サブリース契約をしていればサブリース業者が借主として源泉所得税の対応を行うため、入居者募集の機会損失を防ぐこともできます。
よくある質問
ここではサブリース契約に関するよくある質問に分かりやすく回答していきます。
・サブリース契約って分かりやすくいうと何?
・サブリース契約は実際どうなの?
・サブリース契約のデメリットは?
サブリース契約って分かりやすくいうと何?
サブリース契約とは、又貸し(転貸)の仕組みを利用した賃貸経営サポートのことです。まず、オーナー様が建てたアパートやマンションを、サブリース業者が一括で借り上げます。そして、サブリース業者が入居者を募集し、個々の入居者に部屋を貸出します。
賃料固定型の場合、貸主は入居者の有無にかかわらず、サブリース業者から毎月一定の保証賃料を受け取れます。実績賃料連動型の場合は、入居者が払う賃料に応じて貸主に支払われる賃料が変動します。
入居者対応や建物の管理業務もサブリース業者が行うため、貸主は手間をかけずに安定した収入を得られるのが、サブリース契約の特徴です。
サブリース契約は実際どうなの?
インターネット上で「サブリースは危険」「やばい」といわれる理由は、主に契約内容を十分に理解しないまま契約し、予期せぬトラブルに巻き込まれるケースが多いためです。
代表的なトラブルは「賃料が30年間変わらないと思っていたのに減額された」「解約しようとしたら高額な違約金を請求された」というものがあります。サブリース契約はメリットだけでなく、リスクや契約の縛りも正しく理解していないと、収支計画が崩れる恐れがあることを認識しておきましょう。
サブリース契約のデメリットは?
サブリース契約の主なデメリットは、一般的な管理委任契約に比べて手数料が割高のため、手取り収入が減ってしまう点です。また、「家賃保証」といっても将来的に保証額が減額されるリスクがあることや、借地借家法により貸主側からの解約が非常に難しく、資産運用の自由度が下がる点にも注意が必要です。

サブリース契約でトラブルなく納得できる賃貸経営を
サブリース契約は、賃貸管理に関する専門的な知識やノウハウがなくても賃貸経営を行える契約形態です。そのため、賃貸経営の経験がない初心者の方にもおすすめです。
ただし、サブリース契約では、契約の更新時に大幅な賃料の減額を求められたり、不動産会社(サブリース業者)が経営破綻になったりといったトラブルも発生している点に注意しなければなりません。なお、このようなトラブルの対策として、サブリース契約に関する誇大広告や不当な勧誘等の禁止、重要事項の義務化など、法改正によって規制が強化されています。(※1)
トラブルに巻き込まれることなく賃貸経営を行うには、自分でも情報収集を行うほか、信頼できる不動産会社を探すことが重要です。三井のリハウスでは、賃貸経営に関するご相談を無料で受け付けています。賃貸経営のお悩みや不安について分かりやすくお答えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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※1出典:国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001368270.pdf
(最終確認:2026年2月27日)



