不動産会社のよい選び方は?ポイントや注意点を解説

賃貸物件探しにおいて重要な役割を担っている不動産会社は非常に数が多く、そのなかから信頼のおける会社を選ぶことは難しいかもしれません。本記事では、そのような不動産会社の選び方や信頼できる営業担当者の見分け方のポイント・注意点を解説します。

目次
  1. よい不動産会社の見極めも大切
  2. 不動産会社選びのポイント
  3. 不動産会社選びの注意点
  4. 信頼できる営業担当者の見分け方
  5. 不動産会社選びは慎重に!
記事カテゴリ 賃貸
2023.04.13

よい不動産会社の見極めも大切

家を探すときには、エリアや家賃などを気にしがちですが、「どんな不動産会社にお願いするか」ということも、実は非常に重要な要素です。しかし、不動産会社は数が多く、そのなかから自分に合った最適な会社を選ぶのは難しいことでしょう。そのため、不動産会社選びに役立つ知識を事前に身につけておくことは、大切といえます。

賃貸物件を扱う不動産仲介会社には、仲介だけでなく物件の管理会社としての機能も持つ会社と、管理会社としての機能を持たない会社の2パターンに分けられます。

管理会社の機能を持たない不動産仲介会社は、国土交通大臣から指定された不動産流通機構によって運営される不動産情報ネットワーク「レインズ(REINS)」をもとに、物件情報を仕入れています。そのため、基本的に不動産会社が紹介できるのはレインズに掲載されている物件です。

ただし管理会社の機能を持つ不動産仲介会社であれば、レインズに掲載している他社の物件だけでなく、貸主から直接委託されている物件も紹介しています。そのような物件は、貸主の希望によって物件情報をレインズに公開していないケースが一定量あります。そのため、特定の管理会社の機能を持つ仲介会社だけが紹介できる物件も数多くあるため、物件情報の質や量も不動産選びでは重要な要素となります。

これらの点を踏まえて、進学や就職、転勤などで新しく物件を探す際は、さまざまな不動産会社と出会うことになりますが、そのなかからよい会社を選ぶことが大事です。しかし「信頼のおける不動産会社を選びたい」と思っても、どうすればよいのか分からない人や、不動産会社が信頼できるかどうか判断できない人もいることでしょう。そのような人に向けて、今回は不動産会社の選び方のポイントや注意点、信頼できる不動産会社の特徴までを詳しく解説します。

男性とのビジネスミーティング

不動産会社選びのポイント

ここからは不動産会社を選ぶ際のポイントをお伝えします。ポイントを押さえておくことで、信頼のおける不動産会社を選べる可能性が高まります。生活において欠かせない物件選びにかかわる不動産会社と、良好な信頼関係を築くためにも、ここで紹介したポイントを参考に、後悔のないように不動産会社を選びましょう。

店舗の口コミを見る

口コミを見ることは、対応のよい、接客力がある不動産会社を選ぶための1つの指標になります。ただし、人によって感じ方や不動産会社との相性が違うため、口コミを信じ切ってしまうのは危険です。

口コミを信じ切ってしまうのは危険ですが、不動産会社を選ぶうえで、あまりにも評判が悪いところは避けておいたほうがよいかもしれません。また、口コミを見るのと同時に、その不動産会社が得意とするエリアや営業時間、定休日も確認しておくと、物件選びに役立ちます。

「中小不動産会社はNG」「大手不動産会社はNG」など、「○○な不動産会社はNG」というのも誤りの可能性があるため注意が必要です。同じ不動産会社であっても、情報量や経験量が違うため、店舗や営業担当者によって接客力や対応は変わってきます。取引件数が多い大手不動産会社と地域密着型の中小不動産会社にはそれぞれ違った強みがあります。

大手不動産会社の強みは、複数の店舗があるため、地域をまたいで物件探しを行えることや、大手ならではの組織力や情報力の強さが挙げられるでしょう。一方で中小不動産会社の場合は、地域密着型のため、そのエリアに精通していることが多く、家主とのかかわりも深いことが強みです。自分の探したい物件がどちらに合うのかを考えて、より最適な不動産会社から選択することをおすすめします。

パソコンとスマートフォンを使っている人

あらかじめ情報を仕入れておく

不動産会社に行く前に、または物件を内覧する前に、あらかじめインターネット上で気になった物件の情報を収集・整理しておくことも大切です。希望の物件を決めておくことで、スムーズに取引が進んだり、営業担当者が似ている物件を紹介してくれたりする場合があります。

物件の家賃や初期費用の予算、住みたいエリア、駅からの距離といった自分が優先したい条件を整理しておきましょう。家賃の目安は、手取り収入の4分の1から3分の1ほどとされています。自分の経済状況に無理のない範囲で物件を選ぶことが大切です。

また、不動産会社選びや、物件選びでは、家賃の相場を把握しておくことも重要です。家賃の相場は、候補の物件の家賃が適したものかどうかを確認するために必要な知識となります。提示された物件の家賃が高すぎたり、安すぎたりした場合は、不動産会社に対して家賃の価格の根拠を尋ねてみるとよいでしょう。説明された根拠に対して納得がいくかどうかも、その不動産会社が信頼できる会社かを見極める指標となります。

漠然と部屋を借りたいという状態で不動産会社に相談しに行ったり物件を問い合せたりすると、希望する物件にたどり着くまでに時間がかかってしまうこともあります。生活するうえで必要不可欠な物件を選ぶ際に後悔しないよう、希望条件をある程度決め、あらかじめ物件の情報を知った状態で不動産会社に相談、もしくは物件への問い合せをすることをおすすめします。

賃貸マンションの間取り図

免許の更新回数を確認する

不動産会社に掲出されている宅地建物取引業の免許の更新回数を確認しておくことも、不動産会社選びにおけるポイントです。宅地建物取引業の免許は、土地や建物などの売買や交換、貸借の媒介や代理を行う宅地建物取引業をするうえで欠かせないものです。

この免許は5年間有効で、5年ごとに更新する必要があります。よって、免許に書かれた更新回数から、その不動産会社のおよその営業年数を知ることができます。不動産会社では、免許証番号や有効期間が示された「宅地建物取引業者票」の掲示が義務付けられているため、不動産会社に訪れた際には更新回数を確認しておくとよいでしょう。不動産会社の営業年数が長いからといって、営業担当者の経験が豊富であるとは限りませんが、不動産会社を選ぶうえで1つの指標になるでしょう。

不動産会社が貸主から委託を受けているか確認する

不動産会社を選ぶ際は貸主から委託を受けている会社であるかを確認しておきましょう。不動産会社の業務は、貸主と借主の仲介業務を行う「賃貸仲介業務」と、物件の募集・管理を行う「賃貸管理業務」に大きく分かれています。前者だけを行う仲介会社もありますが、仲介業務に加えて管理業務も行う賃貸管理会社は多くあります。

賃貸管理会社は、貸主とのコミュニケーションを取ったうえで、物件の調査や管理などを行っています。賃貸仲介会社と比較すると貸主や物件のことをよく分かっているため、物件選びでも安心して任せられるでしょう。

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都市部

不動産会社選びの注意点

ここまで不動産会社選びのポイントについてご紹介しました。次は、不動産会社選びにおける注意点をお伝えします。注意点を事前に知っておくことで、取引時のトラブル防止につながります。

仲介手数料を確認しよう

仲介手数料とは、物件の売買や賃貸の契約時に不動産会社へ支払う手数料のことをいいます。仲介手数料は、不動産会社や物件によってそれぞれ変わってくるものです。賃貸の場合、仲介手数料の上限は借主分と貸主分を合わせて賃料の1か月分 + 消費税と定められていますが、借主が賃料1か月分 + 消費税分を支払う条件となっていることが多く見受けられます。物件を借りる際には、仲介手数料(賃料1か月分 + 消費税)がかかることも視野に入れて資金計画を立て、不動産会社を選ぶとよいでしょう。

また、仲介手数料のほかに清掃費用が敷金から引かれるのかどうか、礼金はいくらかかるか、初期費用の見積もりに目的が不明瞭な金銭がないか、などよく確認することが大切です。

電卓と家の模型

損害保険は選択できる

損害保険料は、新しく物件を借りる際の初期費用に含まれています。損害保険に加入することは、法律上義務付けられていませんが、多くの物件が賃貸借契約時に損害保険への加入を必須条件としています。よって、損害保険に加入しないと物件を借りることができない場合が多いため、気を付けましょう。

賃貸借契約の終了時に借主は、物件を借りている間に生じた損傷を修繕しなければならないという「原状回復義務」があり、原状回復ができなければ損害賠償責任が発生してしまいます。そのため、万が一の場合に備えて損害保険に加入する必要があるのです。

しかし、不動産会社が提携している損害保険に必ずしも入る必要はなく、自分で加入したい損害保険を選ぶことができます。場合によっては、損害保険料を抑えることで初期費用を減らせるかもしれません。

信頼できる営業担当者の見分け方

不動産会社を選ぶ際に重要なのは、その会社の営業担当者が信頼できるかどうかということです。情報量があり、物件の特徴やメリット・デメリットを答えてくれる営業担当者に任せることで、よりよい物件選びができる可能性が高まります。ここからは信頼できる営業担当者の見分け方についてお伝えします。信頼のおける営業担当者の特徴について把握し、適した不動産会社を選ぶコツをつかみましょう。

不動産取引

レスポンスが早い

信頼できる営業担当者か見分けるために、要望や質問に対する返答が早いかどうかを確認しておきましょう。レスポンスが遅いと内見の調整が取りづらかったり、いつの間にか希望の物件をほかの入居希望者が契約していたりなど、機会損失につながることがあるかもしれません。経験や知識が豊富であっても、レスポンスが遅い営業担当者には注意が必要です。

特に、新生活を始める前の1~3月や転勤シーズンである9~10月は繁忙期であるため、人気のある物件はすぐに契約が決まってしまうことが多く、早いレスポンスが重要になります。物件をスムーズに借りるためにも、レスポンスが早い営業担当者に依頼しましょう。

契約を急かさない

契約を急かさないかどうかも信頼できる営業担当者を見分けるポイントです。物件探しの際に、早く契約を決めたいといった営業担当者の都合によって、契約を急かしてくることがあります。「内見時に契約すれば特典がもらえる」「人気の物件だから今決めたほうがよい」などといわれて、納得しないまま急いで契約を決めてしまわないようにしましょう。

急かされた状態では、正しい判断ができないまま契約を決めてしまい、後悔する可能性が高くなります。ある程度の時間を取って物件を探せば、よりよい条件の物件を見つけられるかもしれません。理想の物件を見つけるためには、複数の物件で内見を行ってそれぞれを比較することが大切です。

繁忙期かつ人気の物件である場合は契約がすぐに決まってしまうことが多いため、急かされるのは仕方ないかもしれませんが、そうでない場合は急ぐことなく、物件の契約は慎重に決めましょう。

マンション

●内見のポイントに関する記事はこちら
内見でのチェックポイントとは?持ち物や流れについても解説

対応が手厚い

物件探しにおいて営業担当者の対応は非常に重要です。営業担当者が手厚く親身に対応してくれると、安心して物件探しを任せられるのに加え、スムーズに契約が進みやすくなります。

営業担当者が物件の希望条件を丁寧に聞き、希望条件に近い物件を提示してくれると、自分の理想に合ったよい物件を見つけられるかもしれません。また、契約するかどうか分からなくても内見を受け入れてくれたり、物件のよいところだけでなく注意点も伝えてくれたりすると、営業担当者との信頼関係が築きやすいでしょう。

同じ不動産会社であっても、営業担当者によって対応や接客力は違ってきます。そのため、顧客を優先してくれるような対応の手厚い営業担当者を選ぶとよいでしょう。

不動産会社選びは慎重に!

ここまで不動産会社の選び方のポイントや注意点、信頼できる不動産会社の見分け方などをお伝えしてきました。物件選びに大きくかかわる不動産会社を選ぶ際は、営業マンの特徴や不動産会社の口コミを見て、あらかじめ物件の情報や相場について把握しておくことが大切です。

信頼のおける不動産会社を選ぶためには、希望条件を丁寧に聞いてくれるか、物件のよいところだけでなく、注意点も教えてくれるかといった対応の誠実さやレスポンスの早さなども確認しましょう。

また、仲介手数料や敷金、礼金、損害保険料、保証会社の保証料などの諸費用も長期的に考えて、得する方法を選び、綿密な資金計画を立てましょう。トラブルを防ぐためにも、不動産会社選びの注意点に目を通し、事前に理解しておくことをおすすめします。

多くの不動産会社のなかから信頼できる会社を選ぶには、労力と時間が必要になるかもしれません。しかし、安心して物件選びを任せられる営業担当者であれば、理想に近い物件が見つかる可能性が高いです。後悔することがないように不動産会社選びは慎重に行い、新たな物件で満足のいく新生活を送りましょう!

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アユカワタカヲ

株式会社タカプランニングジャパン代表取締役。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有。
会社員時代に不動産投資をスタートさせ、今では幅広く不動産賃貸業を営む。
メディア出演や著作の出版、セミナーなどでも活躍。
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