不動産投資を始める前に知っておきたいメリットとリスク

不動産投資は、収益を得られることや節税効果があるというメリットを持っています。しかし、不動産投資にはリスクもあるため、メリットとリスクという2つの側面をしっかりと把握したうえで始めることが大切です。

目次
  1. 不動産投資とは?
  2. 不動産投資のメリットは?
  3. 不動産投資のリスクと回避策は?
  4. 初期費用はどのくらい必要?
  5. 信頼できるパートナーと不動産投資を進めよう!
記事カテゴリ 賃貸
2023.02.10

不動産投資とは?

不動産投資とは、不動産を購入し、保有している不動産によって利益を得る投資方法のことをいいます。「不動産投資を始めたいけれど、難しそう」と迷っている人もいるのではないでしょうか?そこで今回は、不動産投資を始めようか迷っている人や興味のある人に向けて、不動産投資を始めるうえで知っておきたいメリットやリスクについて解説します。

不動産投資で得る利益には2種類ある

不動産投資で得られる利益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

インカムゲインとは、保有している資産に対して得られる利益のことをいい、不動産投資の場合は、資産を賃貸に出すことで得られる家賃収入がインカムゲインになります。きちんと管理をし、空室を出さなければ、長期的に毎月安定した金額を得られるという特徴があります。

対してキャピタルゲインとは、保有している資産を売却して得られる利益のことです。不動産投資の場合は、土地や建物などの不動産売却を行うことで得られる売却益のことを指し、購入時にかかった費用よりも売却時に得た金額のほうが高くなればなるほど、大きな利益を得ることができます。

家の模型とグラフ

「1棟投資・区分投資・一戸建て投資」3つの投資方法

不動産投資には、「1棟投資」・「区分投資」・「一戸建て投資」という3つの投資方法があります。それぞれの特徴やメリット、リスクについて詳しく見ていきましょう。

1棟投資
1棟投資とはマンションやアパートを1棟まるごと所有し、投資する方法のことをいいます。メリットとしては、部屋数が複数あるため、賃貸に出した際に空室になるリスクを分散することができ、家賃収入がゼロになることが少なくなります。また、部屋数が多いことで、家賃収入によって得られる利益が大きくなることも、不動産投資をするうえでメリットとなるでしょう。

一方で、リスクとしては1棟まるごと購入することとなるため、初期費用が高くなることや、修繕費用が別の投資方法である区分投資に比べて高くなることが挙げられます。

マンション

区分投資
区分投資とは、マンションやアパートを1戸単位で所有し、投資する方法のことをいいます。メリットとしては、1棟投資と比較すると、初期費用を抑えて投資を始められることが挙げられます。共用部分や土地はほかのオーナーと分割所有できることから、修繕費の支出が大きくなるリスクを回避できるというメリットもあるため、なるべく費用を抑えつつ、不動産投資を始めたいという人におすすめです。

しかし、区分投資は1棟投資と違って1戸単位で物件を所有するため、空室になったときに家賃収入が途絶えてしまうリスクがあります。また、修繕は管理組合が行うことが多いため、費用の負担をしなければならず、投資資金に対する収益の割合である「利回り」が低くなる場合があるので注意が必要です。

一戸建て投資
一戸建て投資とは、一軒家を所有し、投資する方法のことをいいます。1棟投資や区分投資のように、マンションを所有する場合は共有スペースに対する費用もかかるのに加えて、管理も難しい傾向にあります。しかし、一戸建て投資の場合は、共有スペースがないため、1棟マンションと比較すると諸費用を抑えられ、管理がしやすいことがメリットとして挙げられるでしょう。また、一戸建ての場合はファミリー世帯からの需要が高い傾向にあるため、長期的に入居し続ける傾向にあり、安定した家賃収入を得やすいことも特徴です。

リスクとしては、築年数の古い中古物件の場合、マンションよりもリフォームの規模が大きくなることが挙げられます。修繕リフォームには時間も費用もかかるため、注意しましょう。また、住宅ローンで組んでいた所有物件を貸し出す場合、ローンの組み換えが必要になります。しかし、一戸建て投資では築年数が古いほど建物の価値が下がるため、融資を受けにくくなってしまうことがあります。

一戸建て

不動産投資には、表面的な金額だけでなく、修繕費用・管理費用、税金などがかかります。不動産投資を始める前にそれぞれのメリットと注意点を理解することは、不動産投資を成功させる1つの要素となるでしょう。知識を必要とする不動産投資において、不動産会社など専門家に相談することも大切です。

不動産投資のメリットは?

不動産投資の種類によって、それぞれメリットとリスクは異なりますが、ここからは不動産投資全体に共通するメリットとリスク、その回避策をご紹介します。まず、不動産投資を行うことで得られる4つのメリットについて見ていきましょう。

収入が得られる

不動産投資において賃貸を行っている場合、所有している物件に家賃を払い続ける借主がいる限り、毎月安定した収入を得られるというメリットがあります。家賃だけではなく、建物の賃貸借契約の際の礼金や、契約更新時の更新料も収入となります。

電卓と書類に記入する人

節税効果がある

不動産投資における賃貸によっては、収入が得られるだけでなく、所得税と住民税の節税効果もあります。節税につながる理由は、購入時にかかった登記費用や仲介手数料、毎月かかる修繕費などを経費として計上することで、所得の金額を少なく申告できるからです。

なかでも大きな節税につながるのが、「減価償却」という会計処理に基づくものです。不動産(建物部分)は時間の経過とともに、資産価値が減少していく「減価償却資産」と呼ばれます。減価償却資産は購入した年にまとめてではなく、分割して費用計上しなければなりません。そのため、不動産を取得した次の年からは、実際に支出がなくても、一定期間は経費として一定金額を計上できるので、課税所得を減らすことができます。

所得税と住民税の節税効果に加え、不動産投資は相続税対策にもなります。同じ金額の不動産を持っているほうが、同じ金額の現金を持っているよりも税額が低くなる可能性が高く、相続税対策につながるといえるでしょう。

相続税評価額を算出する際に、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価され、時価の7~8割となります。なかでも、賃貸として建物が第三者に貸し出されている場合、不動産は相続税評価額も低くなります。しかし、現預金や株式の場合は、額がそのまま相続税評価額になってしまうため、相続税対策においては現金よりも不動産として所有していたほうが、税額が低くなる傾向があるのです。

●不動産投資の節税に関する記事はこちら
不動産投資は節税につながる?その仕組みと注意点を解説

●家の評価額に関する記事はこちら
家の評価額とは?

家の模型と電卓と通帳

資産になる

不動産投資は、いざとなれば売却して現金化することも可能です。物価が上がると不動産の価値も上がるため、現物資産である不動産は、インフレリスクにも強いことが特徴です。そしてデフレになった場合でも、家賃が大きく下がるといった可能性は低いため、景気のよしあしが影響しにくいというのは大きなメリットといえるでしょう。

生命保険の代わりになる

不動産投資が生命保険の代わりにもなります。不動産投資において不動産を購入し、借り入れを行う際は、一般的に団体信用生命保険(団信)に加入しなければなりません。団信に加入することで、ローン契約者が亡くなった場合や高度障害状態になった場合に、残りのローンが保証金で弁済される仕組みになっています。

団信に加入した状態で契約者が亡くなった場合、不動産の所有権はローンの残債がゼロの状態で被保険者の家族が引き継ぐため、家賃収入もそのまま入り続けます。契約者が亡くなるとローン残債の支払いが厳しくなるリスクがありますが、団信に加入していれば残債の支払いも必要なく、収入も得られるため、安心できるといえるでしょう。

ただし、法人で不動産を所有する場合は、団信に加入できないことや、住宅ローンを借り入れた後に加入することはできないなどの例外もあるため注意が必要です。

パソコンの前で考える男性

不動産投資のリスクと回避策は?

ここまでメリットについてお伝えしましたが、不動産投資はメリットがある分、リスクも存在します。不動産投資には大きく分けて3つのリスクがあるため、それぞれ見ていきましょう。また、そのリスクを回避するための対策についてもご紹介します。

空室・滞納リスク

貸し出している物件に契約者がおらず空室になってしまうと、不動産投資のメリットとなる家賃収入が入らなくなってしまうというリスクがあります。空室になることによって、当初予定していた利回りが低下してしまい、資産運用が難しくなることもあります。空室が埋まらない理由としては、立地に問題がある場合や、空室対策がうまくなされていないなどがあるため、空室になった場合でも、しっかりと対応してくれる不動産会社に管理を依頼することが大切です。

また、入居者がいた場合でも家賃を滞納されてしまえば、家賃収入を得ることができません。家賃保証会社を付けたり、入居審査を厳しくしたりするなどの対策をすることで、事前に家賃滞納を防ぐことができれば、うまく不動産を運用できるでしょう。

物件の購入、売却、賃貸を行う三井のリハウスでは、独自のネットワークを持つことでスピーディな入居者募集が実現できるため、空室リスクを低減させることが可能です。不動産投資を始めたいけれど空室リスクが怖いと感じている人はぜひ三井のリハウスにお任せください。

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円と矢印が書かれた積み木

価格変動のリスク

物件の価格が購入時よりも大幅に低下する場合もあり、不動産投資には価格変動のリスクがあるといえます。物件を売却するとなった際に、売却価格が購入価格を大きく下回ってしまうと、せっかく不動産投資を行ったにもかかわらず、それほど収益が得られなかったということも考えられるでしょう。

一般的に価格が下がりやすくなる原因としては、物件の老朽化が進むことや利便性が損なわれることなどが挙げられます。価格変動のリスクを最小限に抑えるためには、物件を購入する際に立地や将来的な都市計画も踏まえて決定したり、老朽化に備えてメンテナンスを計画的に行ったりすることが重要です。

金利変動のリスク

不動産投資には住宅ローンの利用により、金利が影響することで発生するリスクもあります。ローンを返済している間に金利が上がる可能性があり、そうなると、総返済額が増えることも考えられます。その場合は、ローン返済ができない状態に陥ってしまうことがあるので注意しましょう。一括購入できない場合は、金利の上昇を見込んだり、資金計画を立てたり、頭金を増やしたりして余裕のあるローンの組み方を立てることが大切です。

電卓を持って悩む女性

初期費用はどのくらい必要?

不動産投資を始める人にとって、リスクに備えた資金計画は非常に重要です。資金計画を綿密に立てることで、不動産をうまく運用できる可能性が高くなります。それぞれ費用がいくらかかるのか知っておくと、不動産投資がスムーズに進むでしょう。ここからは、不動産投資に必要な費用のなかで最初にかかる初期費用についてお伝えします。

ローンを利用して不動産投資を始めるには、自己資金として物件価格の10~20%前後が必要です。しかし、住宅ローンを組む際に、契約者の職業や年齢、年収、勤続年数などによって銀行の融資額が変わる場合があるため、あくまでも目安として考えましょう。初期費用以外で必要になる資金は、金融機関から融資を受けることが一般的ですが、物件価格の全額を借り入れるフルローンが可能な金融機関もあります。

LOANと書かれた積み木と家の積み木

また、不動産投資の際に利用できるローンには、「不動産投資ローン」と「プロパーローン」の2種類があります。不動産投資では、不動産投資ローンを使うのが一般的です。

不動産投資ローンとは、家賃収入といった収益を得るための収益物件を購入する際に組むローンのことです。公務員やサラリーマンなどの安定的な収入が見込める職業に就いている人が、審査で通りやすいといわれています。

プロパーローンとは、保証会社を利用せずに金融機関が返済の滞納リスクを負担して貸し出すローンのことをいいます。その金融機関独自の審査基準で融資が決められるため、不動産投資ローンの審査基準を満たさない人でも借り入れができる可能性があります。しかし、保証人または連帯保証人が求められるため、その点は押さえておきましょう。

信頼できるパートナーと不動産投資を進めよう!

ここまで不動産投資に関するさまざまな知識を解説してきました。不動産投資は、メリットとリスクの両面があるため、それぞれを理解したうえで不動産投資を行うとよいでしょう。また、不動産投資を成功させるには、パートナーとなる不動産会社選びが重要です。よい不動産会社を見極める際は、メリットだけでなく、リスクもしっかり説明してくれるか、購入後もしっかりとフォローしてくれるかなどのサービスも含めたポイントを見てみましょう。

不動産投資に興味があっても疑問や不安を抱えている人も多いはずです。そんなときは一度、不動産のプロである、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。三井のリハウスでは、購入から賃貸、さらにその後の売却までお手伝いします。一度相談してみてはいかがでしょうか?

アユカワタカヲ

株式会社タカプランニングジャパン代表取締役。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナーなどの資格を保有。
会社員時代に不動産投資をスタートさせ、今では幅広く不動産賃貸業を営む。
メディア出演や著作の出版、セミナーなどでも活躍。
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