賃貸借契約の流れは?手続きに必要な書類や入居審査について徹底解説

賃貸借契約をスムーズに進めるためには、手続きの流れ、審査に必要な書類を把握することが重要です。今回は、お部屋探しから入居までの流れと必要書類、チェックポイントなどの情報を、初めて賃貸借契約を結ぶ方にも分かりやすく解説します。

目次
  1. 賃貸借契約から入居までの流れ
  2. 【早見表】賃貸借契約で必要な書類
  3. 【早見表】賃貸借契約で必要な費用
  4. 賃貸借契約のチェックポイント5選
  5. 【まとめ】賃貸借契約の流れを理解してスムーズに物件を見つけよう!
記事カテゴリ 賃貸 マンション
2025.06.06

賃貸借契約から入居までの流れ

まずは、賃貸借契約の流れを見ていきましょう。物件探しから入居までのおおまかな流れは以下の通りです。

1.希望条件の整理
2.物件探し
3.物件の内見
4.入居申し込み
5.入居審査
6.重要事項説明・契約手続き
7.鍵の受け渡し・入居

それぞれの流れについて見ていきましょう。

1.希望条件の整理

賃貸住宅の希望条件を整理し、住みたい部屋をイメージすることは、理想の住まいを見つけることにつながります。具体的には以下のような例が挙げられます。

・職場や学校、最寄り駅への交通アクセス
・エアコン、バス・トイレ別、オートロックなどの設備
・スーパー、コンビニ、病院、公園などの周辺環境
・賃料(一般的な目安は手取り収入の3分の1)
・間取り
・広さ
・築年数

ただし、希望する条件にこだわり過ぎると物件の数が限られ、想定する賃料を超えてしまったり、気に入った物件が見つからなかったりする恐れがあります。物件を探す際は、条件に優先順位を付け、バランスを考慮して検討しましょう。

賃貸借契約にあたって希望条件を整理する入居者

2.物件探し

希望条件を整理したら、条件に沿って賃貸物件を探しましょう。物件探しの主な2つの方法と、それぞれにおすすめの人を一覧表にまとめました。

インターネットで探す ・希望条件が具体的に定まっていない人
・多くの物件を比較検討したい人
不動産会社へ行く・具体的な希望条件が決まっている人

インターネットで物件を探す場合、希望条件を入力して検索することで、多数の物件を効率的に比較検討できます。居住エリアを決めかねている場合や、特定のエリアに絞って多くの物件を比較したい場合におすすめです。

希望の条件やエリアが決まっている場合は、直接不動産会社に足を運ぶことがおすすめです。専門知識を持つスタッフに相談することで、より自分の希望に合った物件を見つけられる可能性が高まります。不動産会社に訪問する前に、希望エリアの市場相場や予算内でどのような物件を借りられるのかを把握しておくと、物件探しがよりスムーズです。

3.物件の内見

気になる物件が見つかったら、不動産会社に内見の希望を出します。内見時には、以下の点を確認しましょう。

・部屋の使い勝手、におい、日当たりや眺望、騒音、収納スペース
・周辺環境(駅からのアクセス、周辺施設など)
・共用部分の状態(エントランス、廊下、ごみ置き場など)

内見後、気に入った物件があれば、なるべく早めの入居申し込みがおすすめです。入居の申し込みを悩んでいるうちに、ほかの希望者との契約が決まってしまうこともあるため、注意しなければなりません。

●内見のチェックポイントについてはこちら

4.入居申し込み

内見を行い、物件を借りると決めたら、入居審査で使うための入居申込書を提出します。入居の申し込みは、入居申込書に記入して不動産会社の担当者へ直接提出するほか、オンラインで行う方法もあります。オンラインでの手続きでも提出書類や必要な情報などは変わりませんが、よりスムーズに行えることがメリットです。

入居申込書には、主に以下の情報を記入します。

・氏名、住所、連絡先
・勤務先、年収、勤続年数
・入居希望日、同居人数
・連帯保証人の情報

入居申込書は、貸主や管理会社が入居審査を行うための重要な資料です。事実と異なる内容を記載してしまうと、後々トラブルに発展する可能性があるため、正確に記入しましょう。

入居申し込みをする入居者

5.入居審査

入居申込書を提出した後は、入居審査が行われます。審査内容は公になっていないことがほとんどですが、一般的に以下のポイントが審査されるといわれています。

・賃料の支払い能力(収入や雇用状況など)
・身元保証(保証会社の利用、連帯保証人の有無など)
・借主の属性(過去の賃貸トラブルの有無など)

また、審査に必要な書類の具体的な例として、以下のものが挙げられます。

・身分証明書(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
・在籍証明書
・収入証明書(源泉徴収票、給与明細書など)
・印鑑証明書(連帯保証人が必要な場合)
・住民票

審査期間は、必要書類の提出状況や貸主による確認までの期間などによって異なりますが、3日~10日程度かかることが一般的です。

賃貸物件の入居審査

6.重要事項説明・契約手続き

入居審査が通ったら、いよいよ契約手続きです。契約手続きでは、まず不動産会社の担当者から重要事項説明を受けます。重要事項説明とは、宅地建物取引士の資格を持った担当者が賃貸借契約の内容や物件に関する重要な情報を説明するものです。

重要事項説明では、以下の内容が説明されます。

・物件の概要(所在地、構造、設備など)
・契約内容(契約期間、賃料、更新料、解約条件など)
・費用(敷金、礼金、仲介手数料など)
・そのほか(禁止事項、原状回復義務など)

重要事項説明を受けた後、賃貸借契約書に署名・捺印します。賃貸借契約書は、契約内容を具体的に定めた重要な書類のため、内容をよく理解したうえで署名・捺印するようにしましょう。

契約時には初期費用として、敷金、礼金、当月分の日割り家賃、翌月分の家賃、仲介手数料、火災保険料などを支払う必要があります。これらの初期費用は物件によって異なりますが、賃料の4か月~6か月分程度のことが一般的です。

7.鍵の受け渡し・入居

契約が完了したら、物件の引渡しとして部屋の鍵を受け取ります。引越しまでに、転出届の提出やライフラインの手続きがあるため、時間に余裕を持って準備しましょう。可能であれば引越し前に物件を再度見ておくと、家具を購入したり、レイアウトを考えたりする際に役立つでしょう。

【早見表】賃貸借契約で必要な書類

賃貸借契約の流れをスムーズに進めるためには、必要な書類を事前に準備しておくことが重要です。主な必要書類は以下の表の通りです。

必要なタイミング書類詳細目的
入居申込時申込書氏名、生年月日、現住所、電話番号、勤務先の情報、業種、年収、勤続年数など貸主・不動産会社への身元確認のため
身分証明書運転免許証、健康保険証、パスポートなど本人確認のため
収入証明書源泉徴収票、給与明細書など賃料支払い能力の確認のため
契約時印鑑認印契約書への署名・捺印のため
印鑑証明書連帯保証人が必要な場合、実印による契約締結が必要な場合印鑑が本物であることを証明するため
住民票3か月以内に発行されたもの住所確認のため

これらの書類は、入居審査や契約手続きで必要になることが多いものです。不足があると、賃貸借契約の手続きが滞ってしまうこともあるので、事前に確認しておきましょう。

【早見表】賃貸借契約で必要な費用

賃貸借契約の流れのなかで必要な費用を事前に確認し、準備しておきましょう。主な初期費用には、以下のようなものが挙げられます。

必要なお金説明相場備考
敷金賃料の未払いや借主が部屋を損傷させた場合の原状回復費用の担保となるお金賃料の1か月~2か月分原状回復費用を差し引いた額が退去時に返金される
礼金部屋を貸してもらったお礼として貸主に対して支払うお金賃料の1か月~2か月分退去時に返金されない
仲介手数料不動産会社に報酬として支払うお金借主と貸主を合わせて賃料の1か月分+消費税一般的には借主が支払う
火災保険料(借家人賠償責任特約付損害保険)火災や盗難など不測かつ突発的な事故による損害を補償する保険住宅の種類や建材、保険の契約期間によって異なる賃貸借契約の年数と合わせて、1年~5年の契約が一般的
賃料入居月(日割り家賃)とその翌月の家賃賃料による翌月の賃料を入居月の賃料と一緒に支払う
鍵交換費用鍵を交換する場合の費用約1万円~4万円鍵の種類によって異なる
保証料保証会社を利用するためのお金賃料の0.5か月~1か月分保証会社は借主が賃料を滞納した場合に、立て替えて支払う

具体的な費用を理解しておくと、初期費用が予想よりも高くなる、予算計画に支障をきたすといったことを避けられます。なお、相場については、あくまでも一般的な数値です。実際は契約する物件によっても異なるため、具体的な費用については事前にしっかりと確認しておきましょう。

賃貸借契約のチェックポイント5選

ここからは賃貸借契約の流れにおけるチェックすべきポイントについてお伝えします。よくあるトラブルを把握し、未然に防ぎましょう。今回解説するチェックポイントは以下の5つです。

・更新料
・退去時の事前申告期間
・違約金
・特約
・設備故障時の対応

以下で詳しく見ていきましょう。

賃貸借契約での確認

更新料

賃貸借契約を更新する際に発生する費用を更新料といいます。更新料の相場は更新後の新賃料の1か月分とされていますが、これより多い場合や更新料がかからないケースもあるため、事前に確認しておきましょう。

退去時の事前申告期間

物件を解約し退去したい場合は、貸主に予告する必要があります。一般的に申告期間は退去の1か月~2か月前までとされていますが、契約内容によって期限が異なるため、いつまでに予告する必要があるのかをあらかじめ不動産会社に確認し、把握しておきましょう。

申告期間をすぎてしまうと、賃料を余分に支払わなければならなくなる恐れがあります。

違約金

違約金とは、解約日をすぎても物件を明け渡さないといった、契約内容に違反する行為があった場合に発生する費用のことです。違約金に関する事項は、重要事項説明書へ必ず記載されているため、予想外の出費が発生しないよう、契約内容を確かめておきましょう。

特約

特約とは、その物件のみに課された特別な条件のことです。特記事項として契約書に書かれている場合が多く、上記で説明した違約金や退去時の修繕費用などの負担は、貸主と借主のどちらなのかも記載されている場合があります。特約事項の有無と内容を念入りにチェックしておきましょう。

設備故障時の対応

物件で設備が故障した場合、その修繕費を貸主が負担してくれるかどうかも確認しましょう。なかには前の借主の設備が残っているケースも考えられます。貸主の設備だと思っていたものが残置物である場合、修繕・買い替えの費用をめぐってトラブルになることがあるため、可能であれば申し込み前の内見時の段階で確認しておきましょう。

また、設備故障の対応窓口についてもチェックすることをおすすめします。物件によって、貸主と直接やりとりをするのか、不動産会社が間に入って対応するのかが異なります。

【まとめ】賃貸借契約の流れを理解してスムーズに物件を見つけよう!

この記事では、以下の内容について解説しました。

・賃貸借契約の流れ
・賃貸借契約で必要な書類
・賃貸借契約で必要な費用
・賃貸借契約のチェックポイント

賃貸借契約の流れを理解することで、スムーズに進められるでしょう。

三井のリハウスでは、都市部の分譲マンションを中心にさまざまな物件を取り扱っており、物件のご案内・説明から契約手続き、引渡しなど一連の流れを幅広くサポートしております。賃貸借契約の流れについて不安な方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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