
空き家になった実家を賃貸住宅として貸すメリット!賃貸における注意点やリフォームについても解説
実家が空き家になった場合の対処法の1つは、賃貸に出すことです。メリットとしては、家賃収入が得られることや、再び住み直す選択肢を残せることなどが挙げられます。この記事では、実家を賃貸に出すメリットや注意点について解説します。
目次
空き家になった実家は賃貸に出すべき?
親が亡くなって家を相続したり、高齢者施設に入所したりした場合、もともと住んでいた実家をどうするか考えなければなりません。空き家になった実家の活用方法として挙げられるのは以下の3つです。
・家族の誰かが住む
・売却する
・賃貸住宅にする
これらの選択肢のなかでも、家の立地がよかったり、家を手放す決心がつかなかったりする場合は、賃貸住宅にすることがおすすめです。この記事では、実家を賃貸に出すことのメリットや注意点について解説します。
実家を貸し出すメリット
実家を貸し出すメリットとして、以下のような内容が挙げられます。
・家賃収入が継続的に得られる
・物件の劣化対策になる
・家周辺の治安悪化を防げる
・住み直す必要性が出た場合に対応できる
これらのメリットについて、それぞれ解説します。
家賃収入が継続的に得られる
実家を貸し出す際、最初に思い浮かぶメリットは家賃収入(賃料)が得られることでしょう。家賃収入は、借主が見つかれば基本的には毎月得られるものであり、建物や設備の維持管理費用として活用できたり、親の介護費用の一部として利用できたりします。
物件の劣化対策になる
空き家は、掃除や換気が行われないため、通常よりも劣化が早く進む傾向があります。そのため、実家を手元に残すとしても、賃貸に出して、誰かに住んでもらうほうが建物の劣化を遅らせられるでしょう。また、入居者が家の不具合に気付いてくれるため、適切なタイミングでメンテナンスができるでしょう。
家周辺の治安悪化を防げる
実家が一戸建ての場合、空き家のままにしておくと、家周辺の治安が悪化することもあります。たとえば、空き巣や放火の被害にあったり、害獣や害虫のすみかになったりする問題が考えられるでしょう。また、荒れた状態のまま放置していると、隣人から苦情が来る恐れもあります。実家を賃貸物件として貸し出すことで、これらのリスクを防止することが可能です。
住み直す必要性が出た場合に対応できる
実家を貸し出していても、物件の所有権は変わりません。そのため、親族や知人が将来的に実家に戻る可能性がある場合は、定期賃貸借契約の締結をおすすめします。定期賃貸借契約については後で詳しく説明します。
また、転勤や出張などで家を長期間空ける場合も、空き家のままにしたり、売却を急いだりせず、賃貸に出すことがおすすめです。前述した通り、借主が住みながら家をメンテナンスできることが理由として挙げられます。
実家を賃貸に出す注意点と対策法
実家を賃貸に出すにはいくつかの注意点があります。前述したメリットと比較・検討して、総合的に判断し、後悔のない選択をすることが大切です。具体的な注意点は以下の通りです。
・借主との契約内容に注意する
・借主が物件を傷付けてしまう可能性がある
・貸し出す前に家の荷物を整理する
これらの注意点について、1つずつ解説します。
借主との契約内容に注意する
貸主と借主との間で結ばれる契約には、普通賃貸借契約と定期賃貸借契約の2種類があります。それぞれの違いは、以下の一覧表の通りです。
項目 | 普通賃貸借契約 | 定期賃貸借契約 |
---|---|---|
契約期間 | 1年以上(2年が一般的) | 自由に設定可 |
契約更新の有無 | あり (正当な理由がない限り更新される) | なし (貸主と借主が合意すれば再契約は可能) |
賃料等の改定 | 期間中の改定は貸主・借主双方の合意が必要 | ・期間中の改定は貸主・借主双方の合意が必要 ・期間満了後は新たな契約条件を提示可能 |
解約方法(貸主) | ・解約には正当事由が必要 ・借主からの同意が得られない場合、貸主からの一方的な解約は困難 | ・契約期間満了の1年から6か月前までに借主へ書面で通知する ・契約期間内の解約は原則認められない |
前述した通り、親や自分が将来的に実家に戻る可能性があれば、定期賃貸借契約を結ぶことがおすすめです。
普通賃貸借契約は、賃貸契約としては一般的ですが、契約の更新が前提であり、原則として貸主は契約の更新を拒否できません。また、更新を拒否できたとしても、立ち退き料を払わなければならない場合がほとんどです。
一方で、定期賃貸借契約では、契約時に貸主が契約期間を設定できます。そのため、契約が満了すれば借主の事情に関係なく、再契約しないことも可能です。ただし、契約終了の1年から6か月前には、契約終了や再契約の通知を送る必要がある点に注意しなければなりません。
●賃貸借契約についてはこちら
借主が物件を傷付けてしまう可能性がある
借主の生活習慣や性格は、ほとんどの場合、契約前には分かりません。そのため、実際に住み始めてから、借主が建物や設備を粗雑に扱ってしまうことも考えられるでしょう。
借主が住んでいてできた損傷は、借主が対処するか、貸主が対処するかは場合によります。国土交通省が、賃貸住宅で起きたさまざまなトラブルの対応事例についてまとめているので、参考にしてみましょう。
●民間賃貸住宅に関する相談対応事例集はこちら
これらのトラブルが実家で発生した場合を想定して、どこまで許容できるか事前に考えておくとよいでしょう。
貸し出す前に家の荷物を整理する
実家を賃貸に出す際には、もともと使用していた家具や家電の扱いを考えなければなりません。一般的には、必要最低限の整理をして借主も使える形で残すか、全て片付けるかのいずれかになるでしょう。
家具や家電を残しておく場合は、整理にかける労力を最低限に抑えられることに加え、家具や家電が物件の付加価値になることもあります。一方で、それらをどのように使ってもらえるかは分かりません。また、家具・家電付きの物件にニーズがあるのは、単身者や海外からの移住者など特定の層に限られます。そのため、一般的なファミリー層をターゲットとする場合は、付加価値になりにくいとも考えられます。なお、残しておいた家具や家電も所有者は貸主になるため、借主が勝手に改造したり処分したりはできません。
全ての家具や家電を片付ける場合は、新居やトランクルームへ移動させるか、処分することになります。片付けに手間はかかるものの、貸主、借主双方にとってメリットとなる場合もあるでしょう。
どちらの方法がより自分に適しているかを、慎重に考えて決断しましょう。
実家を賃貸として貸し出すまでの流れ
実家を賃貸にするまでの一般的な流れは、以下の通りです。
1.賃貸管理業務を代行する不動産会社に依頼する
2.借主を募集する
3.賃貸借契約を締結する
賃貸経営を行う際は、借主の募集や家賃の徴収、設備の修繕、税金の納付など多くの管理業務をこなさなければなりません。これらを貸主個人で行うのは難しいため、賃貸管理業務を代行する不動産会社に委託することが一般的です。委託する不動産会社を選ぶ際は、取扱実績が豊富で対応が丁寧な会社を選びましょう。
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実家を賃貸に出す際によくある質問
ここでは、実家を賃貸に出す際によくある質問に答えていきます。この記事では、以下の3つの質問をご紹介します。
・リフォームはどれくらいすべき?
・親族に貸してもよい?
・管理会社を探すときのポイントは?
リフォームはどれくらいすべき?
リフォームの必要性は、物件の立地や状態などによって異なるため、一概にどのようにすべきとはいえません。
実家を賃貸に出す際のリフォームは、費用対効果をよく考えて行うとよいでしょう。物件の価値を高めるためであっても、何も考えずに進めてしまうと、借主が見つからず、多額のリフォーム費用を投じただけになってしまう恐れもあります。このようなリスクを避けるために、まずはそのままの状態で賃貸管理会社に相談してから、どの程度リフォームするかを決めることがおすすめです。
親族に貸してもよい?
実家の持ち主の子どもを含めた親族に、実家を無償ないし少額で貸す場合でも、贈与税はかかります。ただし、扶養義務のある父母や祖父母が、子や孫に必要と認められる生活費として、実家を無償ないし少額で貸す場合は、贈与税がかからないケースもあります。
管理会社を探すときのポイントは?
賃貸経営において、賃貸管理業務を代行する不動産会社選びは重要です。自分に合った不動産会社かどうかを吟味したうえで、契約を結びましょう。不動産会社を選ぶ際の主なポイントには、以下の3点が挙げられます。
・管理手数料は適正か
・空室対策のノウハウがあるか
・トラブルへの対応力があるか
経験や実績が豊富な不動産会社であれば、貸主の幅広い要望に柔軟に対応してもらえる場合があるでしょう。
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空き家になった実家を貸すなら三井のリハウスへ
この記事では、実家が空き家になった際の活用方法の1つである、賃貸住宅にすることについて解説してきました。賃貸に出すという選択肢は、実家の所有権をもとの所有者やその子ども、親族に残しつつも実家を有益に活用できる点が魅力的です。
賃貸に出すには、さまざまな管理業務や手続きが必要となるため、賃貸管理会社とともに賃貸経営を行うのが一般的です。賃貸管理を委託する不動産会社を選ぶ際に検討すべき点には、取扱実績が豊富であるか、対応が丁寧であるかなどが挙げられます。
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