マンション経営における礼金とは?相場やメリットについて解説
マンション経営でよく耳にする礼金とは、借主から貸主に感謝の気持ちを込めて支払うお金のことで、賃料の1か月~2か月分を支払うのが一般的です。この記事では、礼金のメリットやデメリット、相場などについて解説します。
目次
マンション経営における礼金とは
マンション経営における礼金とは、感謝の気持ちを込めて借主から貸主に支払うお金のことで、原則として返金する必要はありません。借主が入居するときに支払うため、入居一時金と呼ばれることもあります。
ちなみに、敷金は入居者のトラブルに備える保証金のような役割があり、退去時には原状回復や清掃に関わる費用を差し引いたうえで返還されることが一般的です。しかし、借主の故意による賃料滞納や不注意による設備の損傷などの損害が生じたときは敷金でカバーするため、返還されないこともあります。
礼金は、かつて貸主と借主の距離が近く、賃貸物件そのものが少なかった時代に、部屋を借りるお礼として金銭を渡していた慣習が続いているものです。不動産の需要よりも供給が上回っている場合は、礼金なしの物件が増える傾向にあります。
国土交通省の「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、礼金を設定している世帯は42.6%であり、半数以上が礼金を設定していません。また、礼金を設定している賃貸物件は、首都圏が49%、近畿圏は41.9%であるのに対し、中京圏では20%と地域差もあります。(※1)
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マンション経営で礼金を設定するメリットとデメリット
マンション経営で礼金を設定するメリットは、貸主の収益増加や退去率の低下などです。一方で、借主が賃貸借契約を結ぶときの障壁になるというデメリットも存在します。以下で、礼金を設定するメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。
メリット
マンション経営で礼金を設定する主なメリットは、次の3点です。
・収益が増える
・退去率が下がる傾向がある
・入居者の質を見極められる
礼金は借主の解約時に返金しなくてもよいため、単純に貸主の収益が増えることはメリットの1つです。また、入居時に礼金を支払うことで、借主はその分を無駄にしたくないという気持ちから、長く住み続けてくれるようになりやすいでしょう。
さらに、礼金には入居者の質を見極める効果もあります。礼金は賃料(家賃)の1か月~2か月分と、借主にとっては安くない金額です。そのため、ここで礼金をしっかり支払ってくれる借主は、将来的にも賃料を滞納せず、払い続けてくれる可能性があるといえるでしょう。
デメリット
マンション経営で礼金を設定すると、借主が賃貸借契約を踏みとどまってしまう恐れがある点は、デメリットといえます。マンションに入居するときは、賃料以外にも、引越し費用や仲介手数料などの初期費用がかかり、借主には大きな負担です。実際に、国土交通省が行った「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、礼金などの金銭負担に困った経験のある方は56.1%もいることが分かっています。(※1)
また、礼金に関するトラブルが発生したときは、臨機応変な対応が必要となる点もデメリットに含まれるでしょう。

マンション経営で礼金を設定しないメリットとデメリット
マンション経営では、礼金を設定しないことによるメリットとデメリットもあります。具体的には、借主が見つかりやすくなるのがメリットですが、収益が減る、退去率を抑えにくくなるといったデメリットも生じます。以下で、それぞれについて詳しく解説します。
メリット
マンションの礼金を設定しないことのメリットは、借主が見つかりやすくなることです。敷金は、部屋の原状回復費用に充てられたり、退去時に返還されたりする可能性があるため、借主にとって納得感があり、賃貸借契約前の障壁にはなりにくいという特徴があります。一方、礼金は返還されないのが一般的で、借主にとっては支払う意味合いも薄いため、賃貸借契約を進める際の妨げになることがあります。
礼金なしであれば、借主の初期費用が抑えられます。そのため、賃貸借契約も決断しやすくなり、結果として、借主が見つかりやすくなるといえるでしょう。
デメリット
礼金を設定しないデメリットは、貸主の収益が減ってしまうことです。
さらに、借主は初期費用を抑えて入居できるため、礼金がかかる物件に比べて退去のハードルが下がります。そのため、礼金を設定した場合に比べて退去率が上がりやすくなるリスクも考えられます。退去率が上がって空室になると、借主から安定した家賃収入を得られず、収益がダウンする恐れもあるでしょう。
また、賃貸借契約のハードルが下がる分、契約者の賃料滞納や部屋の使い方がよくないなど、トラブルにつながる可能性も考えられます。

マンション経営における礼金の相場
マンション経営における礼金の相場は賃料の1か月~2か月分程度です。ただし、礼金の相場は物件の周辺環境や競合物件、市場状況によっても異なります。
国土交通省が行った「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」によると、礼金を設定している物件の79.6%が賃料の1か月~2か月分で設定しています。(※1)
マンション経営で礼金を設定する場合は、公的データと周辺環境や競合物件などの外部要因、自身がマンション経営をする目的など、さまざまな要素を加味して決めましょう。

マンション経営における礼金のよくあるトラブル
マンション経営における礼金の主なトラブルは、契約内容の認識違いです。たとえば、礼金は返還されるものと誤解していた借主が、契約期間よりも短い期間で解約したとき、返還を訴えるケースが挙げられます。
礼金に関するトラブルは訴訟に発展するケースもあるため、契約時の説明を欠かさないようにしましょう。

マンション経営の礼金は適切に設定しよう
ここまでマンション経営に伴う礼金の定義からメリット、デメリットなどについて解説してきました。マンション経営の礼金は、公的データや市場の状況を踏まえ、さまざまな面から検討したうえで設定します。また、マンション経営の礼金についてはトラブルに発展することもあるため、賃貸借契約を結ぶときは丁寧に説明しましょう。
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※1出典:国土交通省 住宅局「令和6年度 住宅市場動向調査報告書」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001900667.pdf
(最終確認:2025年12月25日)



