
コンビニで飲み物を買うときでも、コーヒーか紅茶か、それともちょっと疲れているので栄養ドリンクにしようかと悩まれる方は多いと思います。
わずか200円ほどの買い物でさえ、あれこれと考えて選ぶのなら、人生でおそらく一度きりの住宅を購入するときは、長い時間をかけて熟考されるはずです。
家族が顔を突き合わせ、話し合いを重ねても、険悪なムードになってしまうことがあるかもしれません。しかし、それも楽しく長く暮らすための産みの苦しみと覚悟すれば、きっと乗り越えられるはずです。
それでも家族全員にとって100パーセント満足できる物件を探し当てることは至難の業。結論として、できる限りメリットが大きく、逆にデメリットの小さい、つまりは「最大公約数的な物件」をいくつかピックアップするかと思われます。
さまざまな資料を元に選んで、最終段階で数件にまで絞れたなら、実際の物件に足を運ぶことをおすすめします。
とはいえ、物件内部を見るだけではなく、物件が立地している周囲の状況をしっかりと確認することも忘れてはいけません。
物件について書かれた資料には、間取りや築年数などが詳細に記されてはいても、物件の周囲については最寄駅までの距離や、ごく近くの商店や公共施設くらいしか触れていない場合がほとんどです。
「周辺地域は物件の内覧に行ったとき、ついでに見て回ればいい」と考える方もいるでしょうが、内覧のときにそうした時間は、なかなか取れないと諦めておくべきでしょう。ですから、あえて周辺の様子など見て回る目的だけで、お目当ての物件に足を運んでほしいところです。
住まいの環境、生活利便の落とし穴…購入前に足を運んで確認
最近では、パソコンやスマホで「グーグルアース」や「ストリートビュー」を使えば、家にいながらでも物件の周囲をいくらでもじっくりと見ることができる、と思われている方もいらっしゃるでしょう。
たしかにスマホやタブレットでも物件の街の様子を知ることはできます。ただし、ストリートビューは最新の街の状態を反映していないケースが少なくありません。物件の裏側が空き地で日当たりがよさそうだったのに、実際に行ってみたら大きなマンションが建設中で、すっかり物件が日陰になっていたということもあるでしょう。
さらに、現地に行ってみて初めて実感できる事柄は多いものです。コンビニが近くにある物件に住み始め、なにかと都合がよさそうだと喜んでいたら、コンビニへ荷物を搬入するトラックが家のすぐそばで荷下ろしすることがわかったケースもあります。
夜中に繰り返される荷降ろしの大きな音に眠りを妨げられ、「こんなことなら、この家を選ばなかった」と後悔してしまうわけです。
また、病院が近くにあれば、いざというときに安心だとして、病弱な子どもがいる家族が、病院の裏口近くに建つ物件に引っ越したところ、病院には昼でも夜でもサイレンを鳴らして救急車が出入りするため、子どもに余計なストレスをかけてしまったケースもあります。
物件を購入する際、ネット上で価格相場を確認したり不動産情報を入手するのはごく当然のことでしょう。いまやデジタルの力無しでは物件探しはできないと言っても過言ではないです。
しかし、現地へ出掛けたり、近所の人に話を聞いたりするなど、実際の行動は何より大切です。そうすれば、自分たちに適した物件と巡り会える確率はいっそう上がるはずです。
