実家売却の流れは?相続した不動産にかかる税金や売る際のポイントを解説
空き家や相続した実家は、使用せずとも所有しているだけで固定資産税や管理費が発生し続けるため、早めに売却するのがおすすめです。この記事では、実家を売る際の手順や税金、相続した実家を売る際のポイントなどを解説します。
目次
住んでいない実家は売却したほうがよい?
住んでいない実家を放置することにはリスクが伴うため、売却の検討をおすすめします。
住んでいなくても不動産には固定資産税がかかり、経年劣化による修繕費や、火災保険料といった管理費が発生します。また、結果的に売却するにしても、時間の経過とともに不動産の価値は下落してしまいます。築36年~40年の不動産の成約価格は、築0年~5年の不動産の成約価格のほぼ半額であるというデータもあります。加えて、建物の状態が悪く売却時にリフォームや修繕が必要になると、さらなる出費がかかるでしょう。このように、住んでいない実家は、放置すればするほど不利益が大きくなるので、実家の売却を決めたら早めに動くのがおすすめです。
ただし、家を売却する際にはさまざまな手続きがあるため、あらかじめ知識を持っておくとスムーズに売却ができます。この記事では、実家を売る際の手順や発生する税金、相続した実家を売却する際のポイントなどについてお伝えします。

実家を売却する方法
相続した実家を売却する方法には、大きく分けて「不動産会社に仲介を依頼する方法」と「不動産買取業者に買取を依頼する方法」の2つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、よく理解してご自身に合うほうを選ぶことが重要です。
●家を売るときの基本的な流れについてはこちら
仲介を依頼する
仲介とは、不動産会社が家の売主から依頼を受けて購入希望者を探す方法で、売主と買主の間に入って売却を進めていきます。相続した実家の売却は仲介によって行うのが一般的で、立地条件や建物の状態がよい場合は比較的スムーズに売却できます。仲介で売却活動を行うには、不動産会社と「媒介契約」を結ぶ必要があります。媒介契約を締結することで、不動産会社が正式に売却活動を開始できるようになります。
なお、媒介契約を結んでから売買契約に至るまでは、一般的に3か月~6か月程度かかるとされています。そのため、売却までにある程度の期間がかかってもよい場合に適した方法といえます。
●媒介(仲介)についてはこちら
買取を依頼する
買取は、不動産買取業者が直接買い取る方法です。短期間で、実家を売却したい場合に適しており、早期に売却できるメリットがあります。一方で、不動産買取業者は買い取った不動産を、リフォームやリノベーションによって価値を上げて販売することで利益を出しているため、買取の成約価格は仲介で売却する場合の6割~8割程度になる点には留意しましょう。
実家を売却する際の流れ
まず、実家の不動産を相続する際、相続人が複数いる場合は最初に遺産分割協議を行って遺産の分け方を決定します。協議の完了後は、相続登記による名義変更の手続きが必要です。その後は、通常の不動産売却と同様に査定や売却活動を進めます。具体的な手順は、以下の通りです。
1.遺産分割協議を行う
2.相続登記を行う
3.査定を受ける
4.不動産会社と媒介契約を結ぶ
5.売却活動を行う
6.買主と売買契約を結ぶ
7.物件の引渡しと登記を行う
8.確定申告を行う
1.遺産分割協議を行う
実家の売却活動を行うためには、まず最初に相続を完了させる必要があります。この際、相続人が複数いる場合は「遺産分割協議」を行い、誰が相続するかを決めて「遺産分割協議書」を作成しなければなりません。
遺産分割協議とは、相続人全員で遺産の分け方を話し合い、合意する手続きです。相続する人が決まらないままでは名義変更ができず、売却手続きが進みません。作成する「遺産分割協議書」は、合意内容をまとめた書類で、次の「相続登記」を行う際に必要です。
2.相続登記を行う
次に、相続登記を行います。相続登記とは、亡くなった人の名義で登記されていた不動産を相続した人の名義に変更する手続きのことです。売却時には、登記上の名義人と売主が一致している必要があるため、相続登記を済ませておかなければなりません。
なお、相続登記の申請は、2024年4月1日から義務化されました。それ以前は、申請期限や罰則は設けられていなかったため、相続手続きを終えていても、登記名義が被相続人のままになっているケースも少なくありません。相続した実家を売却する際は、相続登記が済んでいるか確認しましょう。
3.査定を受ける
次に、相続した実家がどのくらいの価格で売却できるかを把握するために、不動産査定を受けます。査定は不動産会社に依頼すれば無料で受けられます。査定方法には、物件情報をもとにオンライン上で算出する「AI査定」と「簡易査定」、不動産会社の営業担当者が現地を訪れて査定額を算出する「訪問査定」があります。不動産査定は種類によって特徴が異なるため、ご自身の状況に合う方法を選ぶことが大切です。
相続した実家の査定では、特例によって売却利益にかかる税が控除される場合もあるため、相続後の資金計画を正確に立てるうえでも、より精度の高い査定を行うことが求められます。
三井のリハウスでは、相続した不動産の売却に関する相談に応じております。豊富な経験を活かし、相続した実家の状態に適した売却方法をご提案いたします。まずは実家がどれくらいで売れそうかを確かめるために、無料査定からお試しください。
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●不動産査定の方法や流れについてはこちら
4.不動産会社と媒介契約を結ぶ
査定を受けたら、実家の売却を依頼する不動産会社を決めて媒介契約を結びます。媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つの種類があります。それぞれの特徴を理解して自分の条件に合うものを選びましょう。
売却活動中は、不動産会社の営業担当者とかかわることが多くあるため、信頼できる不動産会社を見極めることが大切です。訪問査定は、不動産会社の営業担当者と直接話せるので、売却に関する知識や対応の丁寧さなどを確認するよい機会になります。
5.売却活動を行う
媒介契約を締結すると、売却に向けた活動が本格的に始まります。主な内容は、広告掲載や販売営業、内覧に向けた準備などです。実際の売却活動は不動産会社が中心となって進めますが、売主自身も状況を把握しておくことが大切です。購入希望者が現れた場合には内覧を実施するため、直前になって慌てないよう、事前に整理整頓や掃除をしておくとよいでしょう。
6.買主と売買契約を結ぶ
購入希望者から「購入申込書」を受け取ったら、売主と買主で契約条件の確認を行い、合意に至れば売買契約を締結します。売却契約前には買主に対して重要事項説明が行われ、内容に納得したうえで契約書に署名・捺印をします。この際、買主から「手付金」として、売主に売買代金の一部が支払われるのが一般的です。
7.物件の引渡しと登記を行う
売買契約が完了したら、不動産の売買代金を決済して、買主に物件の鍵や各種資料などを渡し、家の引渡しを行います。
8.確定申告を行う
実家を売却して譲渡所得が生じた場合には、売却した翌年に確定申告を行う必要があります。確定申告とは、1月1日から12月31日までに得た所得について、原則として翌年の2月16日~3月15日まで(土日祝日の場合は翌日)に税務署へ申告・納税する手続きのことです。不動産の売却によって生じた所得は「譲渡所得」と呼ばれ、利益が出た場合には所得税や住民税が課税されるため、確定申告が必要になります。
●不動産売却時の確定申告の行い方についてはこちら

実家の相続と売却にかかる税金は?
実家を相続し売却した際には、譲渡所得にかかる税金以外にもさまざまな税金がかかります。主な税金は以下の通りです。
・相続税
・印紙税
・登録免許税
・譲渡所得にかかる税金
・消費税
これらの税金は、相続によって実家を取得した際にかかるものと、その後に売却を進めるなかで発生するものに分けられます。以下では、それぞれの税金について順に解説していきます。
相続税
相続税は人が亡くなり資産が移転した際に、資産を受け取った人に対して課税される税金です。相続税には基礎控除があり、控除しきれなかった分のみが課税対象となります。基礎控除額の計算方法は以下の通りです。
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
●不動産相続でかかる税についてはこちら
印紙税
印紙税とは、契約書を作成する際に課税される税金です。印紙税は書面に記載された契約金額によって変動し、課税文書(不動産の譲渡契約書等)の作成者に納税の義務があります。課税文書を売主、買主それぞれ共同で作成した場合は、連帯して納税する義務があるため、契約時に確認しましょう。
登録免許税
登録免許税は、主に不動産の所有権を移転させる際にかかる税金です。売主から買主に所有権を移転させるときに発生します。
譲渡所得にかかる税金
不動産の売却によって発生した譲渡所得は「所得税」「住民税」「復興特別所得税」の課税対象です。これらの税金は「譲渡所得税」と呼ばれることもあります。
また、譲渡所得にかかる税金の税率は、不動産の所有期間5年を境目に、短期譲渡所得と長期譲渡所得に区別され、税率が異なります。なお、譲渡所得がマイナスになる場合は課税されません。詳しくは関連記事をご覧ください。
●譲渡所得にかかる税金についてはこちら
消費税
消費税は、売買契約を締結した後に不動産会社へ支払う仲介手数料に対して課せられるのが一般的です。なお仲介手数料の上限額は、宅地建物取引業法第46条(※1)にもとづき、国土交通大臣によって定められています。
●仲介手数料についてはこちら

相続した実家を売却する際に使える特例
相続した実家を売却する際に使える特例には、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」や「小規模宅地等の特例」「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」の3つが主にあります。これらは譲渡所得にかかわる特例です。利用する場合は、忘れずに確定申告を行いましょう。

被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例
「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、相続をはじめとする理由で取得した実家を売却した際、譲渡所得の金額から最高3,000万円までを控除できる特例です(相続人の数が3人以上である場合は2,000万円まで)。
なお、こちらの控除を利用するには「譲渡の時において一定の耐震基準を満たすものであること」「売却代金が1億円以下であること」などの要件を満たさなければなりません。
小規模宅地等の特例
「小規模宅地等の特例」とは、被相続人の自宅を含む土地について330㎡までの相続税評価額を最大80%減額できる特例のことで、相続税の大きな減税が見込めます。
相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例
「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」は課税金額を軽減できる特例です。相続税の一部を取得費として加算し、譲渡所得を減らすことで課税金額を抑えられます。
ただし、小規模宅地等の特例と併用すると、取得費加算の計算に用いる相続税額が小規模宅地等の特例適用後の評価額を基準とするため、取得費加算のメリットが小さくなる場合があります。特例を利用する際は、2つの特例を併用すべきか、どちらか1つの特例のみを利用すべきか、事前に計算してから判断するのがおすすめです。

実家を売却する際の注意点
ここからは実家を売るときの注意点について解説していきます。以下の点に気を付けて、納得のいく売却を目指しましょう。
適切な売却のタイミングを検討する
実家を売却する適切なタイミングは、大きく分けて「相続する前」「相続した後」の2つです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
相続する前の場合
親が介護施設に入所することが決まったときは、実家売却を検討する1つのタイミングといえます。親の判断能力が確かなうちに売却できれば、資産をスムーズに現金化でき、相続の準備も進めやすくなります。設備が整ったシニア向けの施設は入所費用が高い所も多いため、実家の売却代金を充てられるのもメリットです。また、子が独立して親だけになり、老後の住まいを検討するタイミングで実家売却を選ぶというケースもあるでしょう。
ただし、相続前に親が実家を売却すると、売却代金は親の預金として相続財産に含まれるため、相続税の負担が変わる可能性があります。
相続した後の場合
実家を相続することになった場合、まずは遺言書の有無を確認しましょう。遺言書がある場合、その内容に従って遺産分割を行うことが基本です。一方、遺言書がない場合や、実家の取り扱いが明確でない場合は、相続人全員で遺産分割協議を行います。
なお、遺言書には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があり、証人の有無や保管方法などがそれぞれ異なります。一般的に使用されているのは、公正証書遺言と自筆証書遺言です。公正証書遺言は法律の専門家でもある公証人が作成し、公証役場で保管されます。一方、自筆証書遺言は遺言を残す本人が書くもので、自身で保管できますが、2020年に「自筆証書遺言書保管制度」が導入されたことで、法務局でも保管してもらえるようになりました。

家財の処分も同時に進めておく
実家を売却する際は、売却手続きを進めるのと同時に家財の整理・処分も進めておきましょう。相続した実家には家具・家電・衣類・日用品など多くの残置物があることが多く、放置したままだと引渡し時に余計な手間や費用がかかる可能性があります。処分方法としては、自治体の粗大ごみサービスの利用、リサイクルショップや不用品回収業者への依頼などの選択肢があります。量が多い場合や、実家が遠方にある場合などは、必要に応じて専門業者に依頼するのも1つの手です。
なお、家財は法律上全て相続財産に含まれます。相続人全員で扱い方について事前に話し合い、合意を得たうえで処分することが大切です。
相続から3年以内の売却を目指す
相続した実家を売却する場合は、相続開始から3年以内の売却を目指すことがポイントです。3年以内の売却をはじめとする一定の要件を満たせば、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」や「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」といった税制特例を利用できる可能性があります。期限をすぎると特例が適用されなくなるため、遺産分割協議や名義変更が終わり次第、早めに売却の検討を進めることが大切です。
よくある質問
実家の売却にあたっては、さまざまな不安や疑問が生じることでしょう。ここでは、実家を売却する際によく寄せられる質問を取り上げ、精神的な負担への向き合い方や、売却がうまく進まない場合の対処法について分かりやすく解説します。
実家の売却がつらいときは?
実家の売却に対してつらさを感じる場合は、必ずしもすぐに売却を決断する必要はありません。相続した実家に自分や家族が住むことも、選択肢の1つです。しかし、住む予定がなく空き家にした場合でも、固定資産税や修繕費、管理の手間といった負担は継続的に発生してしまいます。寂しさを感じることもあるかもしれませんが、空き家のまま放置する可能性が高いのであれば、将来の負担を見据え、売却を前向きに検討するのがよいでしょう。
実家の売却が進まないときはどうしたらいい?
実家を売却に出しても買い手が付かない場合は、まず物件の印象を見直すことが重要です。室内外をきれいに整えたり、不要な家財を処分したりすることに加え、必要に応じてハウスクリーニングなども検討してみるとよいでしょう。それでも売却が難しい場合は、賃貸や土地活用という選択肢を考えるのも1つの方法です。

【体験談あり】実家を売却するなら不動産査定を受けよう
ここまで、実家を売却する際の手順や発生する税金、相続した実家を売るポイントなどを解説してきました。実家は、所有しているだけで固定資産税を支払う必要があり、経年劣化による修繕費がかさむリスクもあるため、早めに売却するか、活用方法を考えるのがおすすめです。売却を検討する場合は、不動産査定を受けて実家の価値を知ることから始めましょう。
ここでは、三井のリハウスで実際に実家を売却した方の体験談を一部抜粋してご紹介します。
| 【体験談の集計概要】 三井のリハウスが独自に集計した体験談を掲載しています。 募集期間:2024年3月1日~2024年3月31日 対象者:三井のリハウスで不動産売買をしたことがある方 回答人数:14,281人 調査方法:Webでのアンケート |
【50代・遠方にある相続した実家を売却した方の体験談】
遠方の実家を相続した昨年初夏に、現地で最初に売却を依頼した不動産会社からは「当物件には問い合わせがなかった(あるいは非常に少なかった)」旨の短いメッセージが毎月機械的に送られてくるだけでした。数か月が経ってしまい焦りを感じたため、ちょうど専任契約が切れるタイミングで、現在の住まいの最寄駅前にある三井のリハウスに相談。遠方の物件ながら快く相談に応じていただき、すぐに実家のある地域の支店担当者を紹介してくださいました。
この担当者の方が、売却に向けて各方面へ積極的に働きかけると同時に、物件室内の片付けがなかなか進まない状況を打開する具体的なスケジュールも組んで下さり、初めてトンネルの向こうに灯りが見えた気がしました。その後あっという間に買い手が現れたのは驚きでしたが、さらに室内の残置物の撤去を自分たちで行いたいという希望をくみ取っていただき、遠方で当地に出向く日程は限られていたなか、引渡し日を先に延ばすことを先方や業者にかけ合ってくださいました。おかげさまで希望に沿った形で年内に無事に売却の運びとなりました。すがすがしい気持ちで家族で部屋の窓から最後に見た遠くの山々の眺望は忘れられません。担当者の方には細やかにお気遣いいただき心から感謝いたします。
三井のリハウスでは、無料で不動産査定を行っています。実家の売却を検討している方は、まず査定を受けてみるのがおすすめです。ぜひ三井のリハウスの不動産査定をご活用ください。
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●リハウスAI査定はこちら
※1出典:デジタル庁 e-Gov法令検索「宅地建物取引業法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176
(最終確認:2026年4月14日)

監修者:三上隆太郎
株式会社MKM 代表取締役
大手ハウスメーカーにて注文住宅の受注営業、家業の建設会社では職人として従事。
個人向け不動産コンサルティング会社のコンサルタントやインスペクターを経験し、中古+リノベーションのフランチャイズ展開、資格の予備校にて宅地建物取引業法専属講師など、不動産業界に幅広く従事。
https://mkm-escrow.com/





