「部屋の広さ」が違う?一畳で最大20センチの違い!江戸間、京間、団地間…それぞれの特徴を見極める

目次
  1. 不動産広告の表示規約が2012年に改定、1畳は1.62平米以上の広さで換算する表示ルールに
記事カテゴリ 購入
2017.05.01

建売住宅やマンションを購入する際、もっとも気になることのひとつが部屋の広さ。通常、敷地面積や建築面積は、平方メートルや坪単位で表しますが、各部屋の広さは畳数単位で表記することが普通です。

しかし、この1枚の畳の広さが地方や物件の種類によって異なっていることがあり、購入を検討する際には注意が必要です。

和室に使われる畳には、同じ1畳でも、サイズの異なるさまざまなタイプの畳があります。一般的にあるのは次の4つで、ご覧になっていただくとおわかりになるように、縦横の長さがそれぞれ違います。

・江戸間(88cm×176cm=約1.55平米)
・京間(95.5cm×191cm=約1.82平米)
・中京間(91cm×182cm=約1.66平米)
・団地間(85cm×170cm=約1.45平米)

もっとも大きい京間ともっとも小さい団地間では、横が10.5センチ、縦にいたっては21センチも違います。その差は面積にすると約0.38平米もの差になります。

たとえばこれが6畳間ともなると、京間の部屋と団地間の部屋とでは2.27平米もの差があり、これは団地間の畳1.5枚分以上に相当します。同じ畳数でも、使う畳によってこれだけ広さが違ってくるのです。

それぞれの畳の由来と主に使われている地方は次のようになっています。

江戸間(えどま)は江戸時代に規格化された畳のサイズで、別名・田舎間(いなかま)または関東間(かんとうま)とも呼ばれ、現在では関東地方を中心に全国各地でこのサイズの畳が使われています。

京間(きょうま)は室町時代または桃山時代に京都で使われ始めたといわれるサイズの畳で、京都を中心とした関西地方や西日本で多く使われています。

中京間(ちゅうきょうま)は江戸時代に入ってから中京地方で使われ始めたサイズの畳で、名古屋を中心とする中京地方や、東北・北陸地方の一部、沖縄・奄美大島で使われています。

団地間(だんちま)は別名・公団間(こうだんま)とも呼ばれ、近代に入って日本で団地のような集合住宅が作られるようになってから使われ始めたサイズの畳で、日本全国の古い公団住宅やアパート、マンションで使われています。

つまり、時代と地域によって使われる畳のサイズが違っていたものが、いまでも続いているわけです。そのため同じ8畳間でも、使っている畳によって広さが異なるのです。

面白いのは、どのサイズの畳も縦横の比率は2対1であること。これはおそらく、畳を床に縦横に敷き詰めていくうえでピッタリ収まるからだと思われます。

不動産広告の表示規約が2012年に改定、1畳は1.62平米以上の広さで換算する表示ルールに

さて、広告や不動産サイトの物件紹介では、間取りの説明に「洋6、和4.5、DK8」などという表示がされています。これは洋室の広さが6畳、和室が4.5畳、ダイニングキッチンが8畳という意味ですが、畳を使う和室はともかく、畳を使わない洋室はどのサイズの畳を基準にして畳数を出しているのでしょうか。

また、和室にしても、どのサイズの畳を使っているのでしょうか。それによって同じ畳数でも部屋の広さは大きく変わってきます。でも、どこにも使われている畳のサイズについての説明はありません。どうしたらいいのでしょう。

実は、これについては心配する必要はありません。不動産広告の畳数は、実際に敷いてある畳の枚数ではなく、各室の壁芯面積を表示規約に定める畳一枚当たりの面積(1.62平米以上)で除した数値で表示するルールになっているからです。なお、2012年の表示規約の改正以前は中古住宅であれば、団地間のような小さな畳でも、畳1枚あたりの面積を広告に明示すれば1畳として換算して表示することができましたが、2012年の不動産広告の表示規約の改定により、新築住宅と同様、中古住宅も畳1枚の広さは1.62平方メートル以上で換算するルールに統一されました。

また今回のテーマとは直接関係はありませんが、2011年にDKとLDKと表示するために、最低必要な広さの目安となる指導基準が決められています。その目安は、居室(寝室)が1部屋の場合はDKが4.5畳でLDKは8畳、2部屋以上の場合はDKが6畳でLDKは10畳となっており、DKやLDKにそれ以上の広さがないと、1DKや2LDKなどと表記できなくなっています(※その形状によっては、目安以上の広さがあってもDKやLDKと表記できないことがあります)。

以上でご説明したような畳の大きさの違い、また、不動産表示のルールやDKとLDKの広さの目安を知ったうえで不動産を見ていくと、各物件の違いについて、また新たな発見があるかもしれません。