消費税増税は不動産売買にどう影響する? 重視すべきはライフプラン!

目次
  1. 消費税増税の影響を受ける項目
  2. 売買のタイミングはライフプラン重視で!
  3. 節税で増税のダメージを減らそう!
  4. まとめ
2019.12.04

2019年10月1日より、消費税が8%から10%へ引き上げられます。

「住宅を買うなら増税前を狙って急ぐべきか、増税後の値下がりを狙うべきか。」といった、不動産などの高額商品の売買への影響が気になる人も多いでしょう。

本記事では消費税増税が不動産売買に与える影響や、売買のタイミングで重視すべきこと、節税で増税のダメージを減らす方法をご紹介していきます。

住宅の購入はとても大きな買い物です。焦って後悔することのないように参考にしてみてください。

消費税増税の影響を受ける項目

消費税増税の影響を受ける項目

不動産の売買の全てにおいて消費税増税の影響があるわけではありません。

消費税増税の影響を受ける項目をご紹介しますので、確認してみてください。

建物部分

不動産の売買において建物部分は消費税の対象です。

増税後に建物部分が1,000万円の物件を購入すれば、1,000万円×10%で100万円の消費税がかかることになります。(販売図面に表示されている価格は税込みです。)

例外として、売り主が不動産業者や法人ではなく個人である場合には消費税が非課税になります。

新築戸建・新築マンション・リノベーション済の物件の場合、不動産業者からの購入がほとんどなので課税対象です。

中古戸建て・中古マンションは個人が売り主となる場合もあり、非課税になるという違いがあります。

各種手数料

不動産業者に支払う仲介手数料や事務手数料などは消費税の課税対象です。

特に仲介手数料は上限があるとはいえ、他の手数料と比べて高額になりますので注意してください。

土地の売買は非課税

土地は消費の対象ではないと考えられているため、消費税の非課税対象とされています。

「建物は課税、土地は非課税」は重要なポイントです。

賃料・管理費も非課税

不動産の売買には直接影響しませんが、物件に住むのに欠かせない賃料や管理費は非課税対象です。

非課税になる理由は、住宅の賃料や管理費は消費の概念にそぐわず、消費税がかかると社会的な問題になる可能性があるためです。

しかし、物件が住宅用ではなく、事務所や店舗などの事業用である場合には消費税の課税対象となります。

住宅用兼事業用という物件の場合には、利用している面積比によって課税部分と非課税部分に分けることが必要です。

参考URL:
【No.6301 課税標準Q&A】
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6301_qa.htm
【集合住宅の家賃、共益費、管理料等の課税・非課税の判定】
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/09/02.htm
2019/09/20時点

売買のタイミングはライフプラン重視で!

売買のタイミングはライフプラン重視で!

住宅購入の予定がある人にとって気になるのは、売買を増税前と後どちらにするべきかということでしょう。

しかし、住宅の売買は市況のみで判断すべきではありません。

以下では、購入のタイミングや重要な判断材料であるライフプランについて解説します。

2019年9月30日までの不動産引き渡しが分かれ目

消費税8%で不動産売買ができるのは、2019年9月30日までに不動産引き渡しがされた場合になります。

引き渡しとは、売り主から買い主へ不動産の所有権が移転することです。

不動産の売買契約をすでに締結している場合でも引き渡しまでのタイムラグがありますので、逆算して考える必要があります。

駆け込み需要と増税後の値下がり

売買のタイミングでは、消費税増税にともなう駆け込み需要と増税後の値下がりが予想されています。

今回の増税では負担を軽減するための措置が取られており、消費税が5%から8%になった時ほどの駆け込み需要は見込まれていません。

また、増税後の値下がりは駆け込み需要の反動で売れ行きが落ち込むことが原因なので、駆け込み需要が盛り上がらなければ期待することは難しいといえます。

不動産売買はライフプランを重視する

不動産売買で重視すべき点はライフプランです。

消費税増税やオリンピック需要による市況も考慮すべきですが、狙ったとおりに市況が動くとは限りません。

お得に住宅を買おうと購入を先送りにしたとしても、値下がりする保証はなく、逆に値上がりする可能性もあります。

対してライフプランは、自分自身の将来にかかる金額を逆算して計画を立てるので、購入に向けてどのように資金をためていくか、購入するためのベストなタイミングを考えることが可能です。

自分自身のライフプランを考えながら、不動産を適切なタイミングで購入できるように計画を立てましょう。

節税で増税のダメージを減らそう!

節税で増税のダメージを減らそう!

今回の増税では政府が消費への影響を緩和させるための制度である「住宅ローン減税」「すまい給付金」「経過措置」を準備しています。

今回のタイミングで住宅を購入する方はチェックしておきましょう。

住宅ローン減税

住宅ローン減税とは、毎年のローン残高の1%(上限40万円)を10年間、所得税から控除できるという制度です。増税後は3年延長されることが決まっていて、トータルで13年間控除されます。また、所得税から控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。

住宅は金額が大きいため、1%であっても効果は絶大です。利用しない手はないでしょう。

すまい給付金

すまい給付金は、消費税引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するために給付金が支払われる制度です。

すまい給付金をもらうためには「住宅を取得し登記上の持分を保有するとともにその住宅に自分で居住する」「収入が一定以下」という条件を満たす必要があります。

上記の条件を満たしていれば、年収に応じて給付金が決定される仕組みです。

すまい給付金は住宅を購入すると自動でもらえるわけではなく、窓口での申請が必要なので注意してください。

経過措置

経過措置とは、一定の要件を満たす取引は2019年9月30日以降であっても消費税8%が適用される制度のことです。

先に触れたとおり、消費税の税率は引き渡しの日によって決定されます。

しかし、住宅については契約から引渡しまで長期間を要する場合が多いため、半年前の指定日の前日(平成31年3月31日)までに契約したものであれば引き渡しが2019年9月30日以降になっても消費税8%が適用されることになっています。

参考URL:
【住宅ローン減税制度の概要】
http://sumai-kyufu.jp/outline/ju_loan/
【すまい給付金とは】
http://sumai-kyufu.jp/outline/sumaikyufu/index.html
【消費税率引上げに伴う住宅に関する経過措置】
http://sumai-kyufu.jp/outline/background/keika.html
2019/09/20時点

まとめ

今回は、消費税増税が不動産売買に与える影響をご紹介しました。

不動産の購入は一生で大きな買い物のひとつです。あなたや大切な家族のライフプランを最優先とし、各種制度を利用して少しでもお得に住宅を購入できないか考えることをおすすめします。