Column / 2019 12,05

不動産購入時には年末調整が必要?不動産買換え時の手続き入門

マイホームなどの不動産購入を検討している方のなかには、不動産の購入や買換えに対して手続きが複雑で大変というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

とくにわかりにくいのは、税金に関する手続きです。
会社に勤めていると源泉徴収で天引きされますが、不動産の売却・購入時には会社員であっても確定申告が必要になる場合があります。

さらに、年末調整の手続きが必要な場合があるので要注意です。
手続きを忘れると控除が受けられないということもあります。

本記事では、年末調整や確定申告が必要になるケースを売却時と購入時にわけてご紹介します。また、手続きによって受けられる控除についても解説します。

不動産購入した年は年末調整を行うと控除を受けられる

不動産購入した年は年末調整を行うと控除を受けられる

不動産を買換える際、特に居住用の不動産であれば多くの控除が用意されています。控除を受けるには、確定申告や年末調整が必須です。

手続き自体は面倒かもしれませんが、しっかりおこなうことで費用削減になる可能性があるのです。

控除対象になるかによって必要な手続きが変わるので、以下では売却時と購入時にわけて年末調整が必要なケースおよび控除の種類をお伝えしていきます。

参照URL:
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/05_1.htm
2019/09/20時点

不動産売却時に確定申告は必要?

不動産売却時に確定申告は必要?

はじめに、現在保有している不動産を売却する場合についてみていきましょう。売却時には、利益が出たら必ず確定申告をしなければなりません。また、損失が出た場合には確定申告をおこなうと控除を受けられることがあります。

不動産売却時に確定申告が必要なケース

不動産売却時に確定申告が確実に必要なのは、売却によって利益が発生した場合です。

売却益は「譲渡所得」に分類され、所得税および住民税の課税対象となります。
税額の根拠になる「課税譲渡所得金額」の求め方は以下のとおりです。

・課税譲渡所得金額=
売却価格 −(購入価格+購入時の諸経費+売却時の諸経費)− 特別控除額
特別控除額とは、一定の条件を満たした場合に適用される金額になります。

土地や建物の購入価格がわからないときや、実際の購入価格が売却価格の5%未満のときは「購入価格=売却価格の5%相当額」になります。

計算した課税譲渡所得金額がプラスになる場合は売却益が発生したということになり、納税義務が発生して確定申告が必要になるのです。

損失がでても控除のためには確定申告が必須!

以上のことを踏まえると、売却益が出ない場合は確定申告が必要ないように感じるかもしれません。

しかし譲渡損失が生じた場合でも、控除を受けたいのであれば確定申告が必須です。
売却によって利益が出る・出ないに関係なく、控除対象になっていたら確定申告が必要と覚えておきましょう。

実際の控除内容を次の章でご紹介していきます。

知っておきたい控除の種類

マイホームを買換える場合には、売却に多くの控除や特例が用意されています。細かい点は省略しますが、適用条件を事前に確認しておきましょう。

売却益が出る場合の控除

まず、個人の住宅や土地を売却する場合は一定の条件に適合していれば3,000万円の特別控除が受けられます。つまり、売却益が3,000万円以下なら税金はかからないということです。

次に、所有期間が10年を超える住宅やその土地を売却する場合は税率が軽減されるという特例です。上記の「3,000万円特別控除」との併用ができます。

最後に、所有期間が10年を超える住宅や土地を売却してマイホームを買換えた場合、売却益に対する課税を繰り延べることができます。

あくまでも繰り延べなので、課税自体が無くなるわけではありません。買換えたマイホームを再び売却するときに、その分の課税義務が発生するのです。

先ほどご紹介した2つの控除・特例とは併用できません。

売却損失が出る場合

損益が発生した場合、通常は年度内の会計でしか処理することしかできません。しかし、控除を受けると5年以上居住した住宅を売却して損失が出た場合、損失分を他の所得から3年間控除することができます。

控除を受けるには、確定申告をすることが条件です。

不動産購入した年は、住宅ローン控除を受けるため年末調整が必要

不動産購入した年は、住宅ローン控除を受けるため年末調整が必要

新しくマイホームを購入する場合について見ていきましょう。

購入時に確定申告や年末調整が関係してくるのが「住宅ローン控除」です。マイホームを購入すると税金が控除されるというお得な制度ですが、適用を受けるには確定申告と年末調整をしなければなりません。

購入したら確定申告で控除!

マイホームの購入時に受けられる住宅ローン控除は、「住宅借入金等特別控除」という名称の控除です。

基本的には借入期間10年以上の住宅ローンを借入れた人を対象に、毎年末の住宅ローン残高の1%相当額(普通住宅であれば最大40万円)が、最大10年間所得税から控除されます。要件を満たしていれば、新築・中古どちらでも控除を受けられます。

お得な制度ですが、会社員であっても確定申告が必須となります。

確定申告をする時期は「購入・入居した年の翌年の1月〜3月15日の間」です。控除による還付金は、通常申告から約1か月後に指定口座へ振り込まれます。

2年目以降は年末調整を行うと控除される

住宅ローン控除は確定申告が必須ということでしたが、会社員であれば確定申告をし続ける必要はありません!

2年目以降は会社の年末調整で申請をすれば控除を受けられるのです。

確定申告をした翌年からは、9月ごろに税務署から送付される「年末調整のための住宅借入金等控除証明書」および金融機関から送付される「残高証明書」を、会社の年末調整書類に添付しましょう。申請をすれば、毎回確定申告することなく控除が受けられます。

税務署発行の控除証明書は今後9年分がまとめて発行されるので、無くさないように注意しましょう。

申請の流れ

申請の流れ

マイホーム売却時と購入時の手続きを見てきましたが、流れをおさらいしておきましょう。

以下は、住宅の売却および新しい住宅の購入が同年の場合を想定しています。

1.住宅を売却・購入。2.売却・購入の翌年1月〜3月15日の間に確定申告。3.申告から約1か月後、住宅ローン控除の還付金が振込。4.2年目の9月ごろに税務署から以後9年分の控除証明書が送付されるので、大切に保管する。5.毎年金融機関から発行される残高証明書とともに、会社の年末調整書類に添付。購入から2年目以降は年末調整で控除の手続きをする。

まとめ

最後に重要なポイントをまとめます。

・不動産、特にマイホームの売却時には確定申告が必要になることが多い。・売却時には多くの控除が存在するので、自身が対象となっているかチェックするとよい。・購入時の住宅ローン控除を受けるには、入居の翌年の確定申告と2年目以降の年末調整を忘れずにおこなう。

一見ややこしいですが、手続きするだけで控除が受けられます。本記事を参考にしてお得に買換えをしましょう。