Column / 2022 01,31

家の評価額とは?

不動産の価値を示す「評価額」には、いくつかの種類があります。今回は、家の売却を検討したいとき、また固定資産税の税額を調べたいときにそれぞれ役立つ評価額と、その調べ方についてご紹介します。

宮原裕徳

株式会社ラムチップ・パートナーズ 所長。税理士。日本のみならず、東南アジアも含めた不動産にかかわる会計・税務に精通している。法人や個人向けにの節税セミナーなども行っている。
https://www.miyatax.com/

家の価値を表すのは「評価額」

「自分の家にはどのくらいの価値があるのか」ということが気になるのは、家の売却を検討するときや、税金を支払うときではないでしょうか?

不動産の価値は「評価額」というもので表されます。この評価額にはいくつかの種類があり、「家の売り出し価格を決める参考にしたい」あるいは「税額を調べたい」といった目的によって、参考にすべき評価額は異なります。

そこで今回は、家の売買をするとき、税額を調べるときにそれぞれ役立つ評価額についてご紹介します。自分の目的に合わせて正しい評価額を調べ、役立てられるようになりましょう!

虫眼鏡と家の模型と電卓

家の売買をするときに役立つ評価額

家を売買する際、参考にできる評価額が「公示価格」「基準地価」「時価(実勢価格)」です。いずれも、家の売り出し価格を決めたり、相場を把握したりするときの目安になります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

住宅用の更地

公示価格と基準地価

不動産の価格を知りたいときの参考になる評価額が、公示価格と基準地価です。

●公示価格(地価公示価格)
公示価格とは、国土交通省が発表する毎年1月1日時点での土地の価格のことで、公示地価ともいわれます。都市計画区域(自治体が都市計画法に基づいて指定した地域)内の標準的な土地(標準地)を、2人以上の不動産鑑定士が鑑定して評価を決めます。

公示価格は毎年3月下旬に発表されており、ネットで閲覧することができます。売却する家に近い土地を検索し、公示価格を調べてみると参考になるでしょう。

●基準地価
基準地価は、公示価格に似ている評価額です。各都道府県が発表する7月1日時点での土地の価格で、都市計画区域外の土地も対象に含まれます。
基準地価の発表は9月下旬と、公示価格の発表と約半年離れているので、お互いの評価額を補正し合う関係といえます。

時価(実勢価格)

公示価格と基準地価は公的機関が評価した土地の価格ですが、これに対して実際に市場で売買された価格を示すのが時価(実勢価格)です。

ちなみに時価は、その取引が行われた時点での価格なので、市場の需要や景気の動向が変われば変動する場合があります。そのため、あくまで参考として見るようにするとよいでしょう。

●土地の評価額に関する記事はこちら
土地価格の基礎知識:土地の評価額

家の税金を知るときに役立つ評価額

家や土地などの不動産には、固定資産税、または相続税や贈与税がかかります。これらの税額を調べるのに役立つ評価額は、次の通りです。

家の模型と計算機

固定資産税評価額

固定資産税を知りたいときの参考になるのが、固定資産税評価額です。固定資産税の税額の基準(課税標準)となる評価額で、通常は「固定資産税評価額×税率1.4%」で税額を算出できます(自治体によって税率が異なる場合があります)。ほかに都市計画税、不動産取得税、登録免許税の計算にも用いられます。

固定資産税評価額は、総務省が定めた「固定資産評価基準」に基づいて、各自治体が土地と家屋それぞれに対して決めます。土地については公示価格の70%程度、家屋については再建築価格(その建物を今もう一度建てるのにかかる費用)の50~70%程度が目安です。
ちなみに、木造よりも鉄筋コンクリート造、一戸建てよりもマンションといったように、建てるコストが高い建物ほど固定資産税評価額は高くなります。

また、固定資産税評価額は「評価替え」といって3年に1度見直されるため、3年ごとに税金の納付額が変わる場合があることも覚えておきましょう。

路線価

土地にかかる相続税や贈与税を知りたいときには、路線価(相続税路線価)を用います。路線価とは、道路に面している土地1m²あたりの価格で、国土交通省が毎年7月に発表するものです。目安としては、公示価格の80%程度の価格となります。

路線価に面積をかけたものが土地の相続税評価額となり、この相続税評価額を基準に相続税や贈与税を算出します。

売却時の評価額を知るには?

ここまでは、家を売買するとき、家にかかる税額を知りたいときにそれぞれ役立つ評価額についてご紹介してきました。
次は、売却を検討するために家の価値を知りたいとき、評価額を自分で調べる方法について見ていきましょう。

コインと家の模型と裁判官の小槌

固定資産税納税通知書で知る

家屋と土地の固定資産税評価額を知るには、納税通知書に同封されている「課税明細書」を確認してみましょう。納税通知書は、お住まいの自治体から毎年5〜6月頃に届きます。紛失してしまった際は、所定の身分証明書を提示すれば役所で再発行してもらうこともできます。

固定資産税評価額は、固定資産税の税額を知るのに役立つことは上で述べた通りですが、家を売却するときにも役立ちます。上で述べたように、固定資産税評価額は公示価格の70%とされているので、「固定資産税評価額÷0.7」で計算すると売却相場を求めることができます。
また、おおよその売却相場が分かれば、住み替えの新居購入のための資金計画も立てやすくなるでしょう。

ちなみに、課税明細書には「課税標準額(税率を実際にかける金額)」も記載されています。普通、家屋の課税標準額は固定資産税評価額と同額になりますが、土地の課税標準額は、さまざまな特例や負担調整(評価替えによって税額が急激に増えないように調整すること)によって、固定資産税評価額より安くなります。
そのため、課税標準額と固定資産税評価額を混同しないように気をつけましょう。

ネットで知る

土地の公示価格と基準地価は、国土交通省のウェブサイト「土地総合情報システム」で調べることができます。「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」のページで、売却する家がある地域の標準地や基準地を絞り込んで検索してみましょう。

また、実際に取引されている価格である時価を調べるには、国土交通省の「土地総合情報システム」や、全国の不動産取引情報が公開されている「レインズ マーケット インフォメーション」などが役立ちます。

査定で知る

不動産会社の査定を受けることで、家の価値を具体的に知ることもできます。最初は、各不動産会社のサイトから手軽に行える簡易査定を依頼して、大まかな査定額を把握してみましょう。できれば複数の不動産会社に簡易査定を依頼して各社に査定額を出してもらうとよいです。
その後、さらに数社に絞り込んで、訪問査定(実際に現地を訪問して細かに査定すること)を受けてみると、家の価値についてより詳しく知ることができますよ。

●不動産査定の価格の相場に関する記事はこちら
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売値や税金は評価額が大きく影響する

不動産の売り出し価格や納税額には、不動産の価値を示す評価額がかかわっています。一方、実際の取引に影響するのは、市場の需要と供給のバランスを反映した時価です。
納税額も、不動産売買ほど時価の影響を受けることはないとはいえ、時勢によっては公的機関の評価に影響が及ぶ場合はあるでしょう。

各評価額の特徴を把握し、目的に応じて上手に活用することで、スマートな不動産所有に役立ててくださいね!

パソコンに向かう男性