賃貸経営の不動産管理会社の選び方とは?失敗しないための6つのポイントを解説

賃貸経営では入居者募集や契約、トラブル対応など、さまざまな管理業務があります。賃貸経営を成功させるためには、最適な不動産管理会社を選ぶことが大切です。本記事では失敗しないための6つのポイントを中心に、管理会社の選び方を解説します。

目次
  1. 賃貸経営の不動産管理会社の選び方とは?
  2. 賃貸の管理会社の業務内容
  3. 賃貸の管理会社の選び方のポイント6つ
  4. 大手と地域密着型ならどちらを選ぶべき?
  5. 賃貸の管理会社の選び方を踏まえて後悔しない賃貸経営を
記事カテゴリ 賃貸 マンション
2024.11.11

賃貸経営の不動産管理会社の選び方とは?

不動産の賃貸経営を既にしている、または始めようと思っている方のなかには「管理会社は何をしてくれるのか?」「管理会社はどのように選べばいいのか?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか?

賃貸経営では入居者募集や契約、トラブル対応などの管理業務があります。貸主(オーナー)による自主管理もできますが、管理業務は多岐にわたり、手間と時間もかかるため、管理会社へ委託するのが一般的です。国土交通省による賃貸住宅管理業の登録制度により2022年12月31日時点で業者数が8,000件を超えており、多くの管理会社が存在します。業者による差はないように思えるかもしれませんが、管理会社によって貸主の収益に差が生まれることもあるため注意が必要です。

本記事では不動産の賃貸経営を考えている貸主に向けて、そもそも管理会社は何をしてくれるのかを整理したうえで、管理会社の選び方を6つのポイントに分けて解説します。

不動産の賃貸管理

賃貸の管理会社の業務内容

賃貸経営の管理業務は、大きく分けると賃貸管理と建物管理の2つがあります。それぞれについて詳しく解説します。

賃貸管理

賃貸管理とは、マンションやアパートの部屋を貸し出すときに発生する業務のことです。具体的には以下の業務が挙げられます。

・入居者の募集・契約
・賃料の回収
・専有部分の修繕対応
・更新や解約・退去の手続き

●賃貸管理の業務内容や管理形態に関する記事はこちら

入居者募集中のマンション

建物管理

建物管理とは、物件の価値が下がらないように建物の共用部の維持管理をすることです。たとえば以下の業務が挙げられます。

・外壁やエントランス、駐車場などの定期点検や修繕
・消火器具や高架水槽、浄化槽、エレベーターなどの設備管理
・共用部の清掃
・長期修繕計画

以上のことから、賃貸管理、建物管理ともに手間と時間がかかることが分かります。賃貸経営は長期的に利益を回収していくものなので、管理会社とも長い付き合いになるでしょう。管理業務のうち、入居者を募集して空室を埋め、賃料を得ることは賃貸経営の要です。効率的な賃貸経営のために、業務内容を見極めて、信頼できる管理会社を選びましょう。

マンションのエントランス

賃貸の管理会社の選び方のポイント6つ

ここまで、賃貸の管理業務が多岐にわたることを解説しました。では、賃貸における管理会社はどのように選ぶとよいのでしょうか?まずは融資を受けている金融機関からの紹介や、インターネットでの情報収集を通じて、候補先を複数見つけ、比較・検討して1社に絞っていくようにしましょう

ここからは比較・検討するときに注目したい6つのポイントを詳しくお伝えします。

1.空室対策のノウハウがあるか

賃貸経営を成功させるには空室を埋め、空室の期間を短くすることが重要です。その理由は、空室があると貸主の家賃収入が減ってしまうからです。入居者を募集して候補者を速やかに見つけ、契約締結に至る力を「客付け力」といいます。賃貸経営を行う際はこの「客付け力」に注目しましょう。管理会社の「客付け力」は管理物件の成約に至るまでの平均募集期間から把握できます。成約に至るまでの平均募集期間が短いほど、空室リスクへの対策が取られていると推測できます。

さらに、空室が長引いたとき、ほかの管理物件ではどのような対策をしてきたのか、ヒアリングができるとなおよいでしょう。単純に「賃料を下げる」という提案だけでなく、ほかの対策を提案してもらえるかを1つの基準にするのもおすすめです。また、管理会社の実績として、これまでの管理戸数もチェックしたいところです。経験が豊富なほど空室対策のノウハウが蓄積されていると予測できるでしょう。

2.管理手数料は適正か

管理会社に管理業務を委託すればコストがかかります。管理手数料は宅地建物取引業法に上限が定められていないため、管理会社ごとに金額が異なります。管理手数料が安いと対応業務が限定されることもあるので、安ければよいとは一概にいえません。

管理手数料の相場は家賃収入の5%前後といわれています。複数の管理会社を比較検討すると相場が見えてくるでしょう。相場よりも極端に安過ぎるとサービスの質が悪い可能性もあるので注意が必要です。

3.トラブルにすぐに対応できるか

設備の不具合、不審者の侵入などのトラブルが発生したときは、素早い対応が必要です。賃貸経営では、借主に長く住み続けてもらうことが安定経営につながります。トラブルにすぐ対応できないと追加のクレームにもつながり、最悪の場合は借主が退去してしまうこともあるでしょう。

トラブル対応力はサービス内容と人員体制の2つの側面から判断できます。サービス内容は「トラブルが発生したら1時間以内に現地に赴く」「24時間365日体制で緊急連絡の一次受けをする」など、管理会社によって異なります。管理会社にどこまで対応してもらえるのかを確認しておきましょう。また、上記のような迅速なトラブル対応は、管理会社の人員体制にゆとりがあるからできることです。物件と管理会社の距離が近くても、動ける担当者がいなければメリットにはならないので注意しましょう。

4.貸主が求める管理業務に対応しているか

管理会社が、貸主の希望する管理業務にしっかり対応しているかを確認しましょう。管理会社は手がける業務によって以下の2種類に分けられます。

仲介管理会社
入居者募集や契約などに加え、入居者対応や賃貸管理も行っています。

管理専門会社
入居者対応や賃貸管理のみを行っている管理会社です。

管理会社にも得意・不得意があるので、自身の希望に合った業者を選びましょう。このほか、募集中物件の案内や契約手続きなどの仲介業務のみを行う仲介専門会社もあります。仲介専門会社は、管理業務は行っていませんので注意しましょう。

5.希望する貸し方や契約が可能か

借主との賃貸借契約には「普通賃貸借契約」や「定期賃貸借契約」があります。普通賃貸借契約とは、賃貸借期間が1年以上あり(一般的には2年)、貸主・借主ともに解約意思の通知がない限りは、賃料をはじめとした諸条件に双方が合意のうえで更新され続ける契約方法です。一方、定期賃貸借契約とは、設定されている契約期間が満了したら契約終了となり、退去が必要になる契約のことです。それぞれメリットと注意点があるので詳しくは以下の記事を参考にしてください。

●賃貸借契約に関する記事はこちら

また、賃貸管理を管理会社に委託する契約には「管理委託」と「サブリース」の2種類があります。管理委託とは、管理業務のみを委託する契約形態のことです。あくまでも賃貸借契約は貸主と借主の間で結ばれます。一方、サブリースは、貸主と不動産会社が賃貸借契約(マスターリース契約)を結び、不動産会社が借主に転貸する契約形態です。貸主と借主のそれぞれが不動産会社と契約を結びます。詳しくは以下の記事をご覧ください。

●サブリースのメリットや注意点に関する記事はこちら

6.担当者の対応が丁寧で、信頼できるか

管理会社に依頼すると、物件ごとに担当者が就くのが一般的です。不動産賃貸の経営は長期間にわたって行い、管理会社との付き合いも長くなる傾向にあります。担当者のレスポンスの早さや相談しやすい雰囲気かどうか、こまめな報連相をもらえるかなど、自分との相性を確認しておきましょう。なお、途中で担当者が変わることもあるので、担当者個人だけでなく、会社として信頼できるかも確認できるとよいでしょう。

管理会社の社員による商談

大手と地域密着型ならどちらを選ぶべき?

不動産の賃貸管理会社を選ぶとき、大手か、地域密着型か、という観点に迷う方もいるでしょう。それぞれにメリットがあり、どちらが合っているかについてはケースバイケースです。

大手管理会社のメリット

大手の管理会社を選ぶメリットは実績豊富で知名度が高いことです。借主を募集したとき、ネームバリューの効果で契約が決まりやすく、空室対策に強い傾向があります。また、実績が豊富なため、サービスのクオリティーが一定に保たれていることが期待できます。人員も十分なため、トラブル対応も素早く行ってくれるでしょう。大手の管理会社は、賃貸管理業務を一任したい方に向いているといえます。

地域密着型管理会社のメリット

地域密着型のメリットは地域特有の情報に精通していることです。借主を募集したとき、独自に持つ地域のネットワークによる集客が狙えます。また、物件と管理会社の物理的距離が近ければ、何かあったときに気軽に相談しやすくなります。地域密着型の業者は、自分でも物件の状況を確認しながら、賃貸管理業務の負担を減らしたい方に向いているでしょう

管理会社の社員

賃貸の管理会社の選び方を踏まえて後悔しない賃貸経営を

これまで賃貸経営の管理会社の選び方についてご紹介してきました。管理会社はどこも同じだろうからと安易に決めずに、6つのポイントを押さえて自身の希望に合う管理会社を見分けることが重要です。特に、空室対策やトラブル対応などのサポートの手厚さは貸主の経営状況・収益に深く影響します。

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※1 2024年3月末時点
※2 2024年4月1日現在