賃貸物件の和室を洋室にする方法とは?空室対策となる簡単なDIYのコツも解説

賃貸物件において、和室は洋室に比べて人気が低く、入居率の低下につながる恐れがあります。そのため、空室対策としてリフォームを検討されている貸主さまもいらっしゃるでしょう。今回は和室を洋室にリフォームするメリット、具体的な方法、そして手軽にできるDIYのポイントについてご紹介します。

目次
  1. 和室は洋室より賃貸需要が小さい?
  2. 賃貸物件で和室を洋室にするメリット
  3. 賃貸物件の和室を洋室にする際のリフォーム方法
  4. 和室を洋室にする際の費用
  5. 費用を抑えて和室を洋室にするコツ
  6. 和室の賃貸物件における空室は三井のリハウスにご相談を
記事カテゴリ 賃貸 マンション
2025.03.19

和室は洋室より賃貸需要が小さい?

和室は洋室に比べると、入居希望者からの人気が低い傾向があります。そのため、和室のある物件は、洋室の物件よりも借主が決まりにくく、空室期間が長引いてしまうリスクも懸念点です。

この背景には、和室特有の「古さ」を感じやすい内装や、畳の維持管理の手間が挙げられます。畳は定期的なメンテナンスが必要で、ダニの発生リスクや掃除の煩雑さから敬遠されがちです。特に若い世代のなかには、畳の正しい手入れ方法を知らない方も少なくありません。

このような状況を踏まえると、和室付きの賃貸物件を所有している貸主は、入居促進のために賃貸管理会社へ依頼することをおすすめします。専門的な知識とノウハウを持つ賃貸管理会社に相談することで、和室を洋室にすべきかどうかを含め、最適な対策を提案してもらえるでしょう。

和室を洋室にすべきか悩んでいる方は、ぜひ三井のリハウスにご相談ください。経験豊富なプロの視点から、賃貸経営における課題解決をサポートいたします。

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和室の賃貸物件

賃貸物件で和室を洋室にするメリット

和室を洋室にリフォームして賃貸住宅経営を行うメリットは以下の2つです。

・入居率が上がる可能性がある
・メンテナンスが楽になる

ここでは、それぞれのメリットについて以下で詳しく解説していきます。

入居率が上がる可能性がある

賃貸物件において、洋室の人気が高い主な理由は、スペースの有効活用ができる点や、インテリアレイアウトの自由度の高さなどです。

たとえば、布団の収納に押し入れが必要な和室と比べ、洋室のベッドであれば寝室に出したまま下部のスペースを有効活用できます。加えて、フローリングの洋室はベッドやソファなど、重量がある家具の設置に適しています。畳よりも床材のへこみや傷みを気にせず自由に配置できるため、インテリアにこだわりたい方からも支持を集めやすいでしょう。模様替えの自由度が高く、自分好みの空間を演出できる点が、洋室の大きな強みといえます。

ただし、近年注目されている「和モダン」スタイルのようなデザイン性の高い和室は、借主に好印象を与える可能性も十分にあります。和室より洋室の入居率が高いとは必ずしも断言できない点には留意すべきでしょう。

メンテナンスが楽になる

和室を維持管理するうえで、湿気によるカビの対策は避けられません。定期的な換気や畳の表替えなどは、相応の手間と費用がかかります。しかし、洋室にリフォームすることで、これらのメンテナンス負担を大幅に軽減できます。

フローリングは、ロボット掃除機による自動清掃、水拭きによる汚れの除去、そして定期的なワックスがけといった多様な清掃方法に対応可能です。そのため、きれいな状態を維持しやすいでしょう。

さらに、和室から洋室にすると、借主の退去に伴うハウスクリーニングでもメリットがあります。和室の場合、傷・汚れがなくても、経年による変色等で畳の表替えやふすまの張り替えが必要です。一方、洋室であれば、フローリングの軽微な傷の補修といった比較的安価かつ短時間で済む作業が中心となるため、原状回復費用を抑えられる可能性があります。

フローリングの掃除

賃貸物件の和室を洋室にする際のリフォーム方法

賃貸物件の和室を洋室にする際、必要になる主なリフォームは以下の通りです。

・畳をフローリングに変える
・壁紙を貼る
・押し入れをクローゼットに変える
・ふすまを外して引き戸に変える

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

畳をフローリングに変える

床の畳をフローリングに変更することは、部屋の印象を大きく変える効果的な方法の1つです。ただし、既存の畳を撤去する際に下地と入り口の間に段差が生じる場合があります。これは畳の厚みによるもので、必要に応じて下地の高さを調整する追加工事が発生することもあります。

リフォーム業者に依頼する際は、部屋の広さ、畳撤去後の下地調整の有無、そして使用するフローリング材の種類などによって工事期間が変動することを理解しておくことが重要です。事前に業者と打ち合わせを行い、工期や費用について明確にしておけば、スムーズなリフォームを実現できるでしょう。

壁紙を貼る

もし既存の壁が和風の意匠や、土壁、砂壁の場合は、洋風の壁紙(クロス)に貼り替えることで、部屋全体の雰囲気を変えられます。特にマンションでは、新築時から洋風の壁紙が使用されているケースも多く、リフォームにかかる手間や費用を抑えられる可能性が高いでしょう。

壁紙を貼り替えるリフォーム業者

押し入れをクローゼットに変える

ふすまを洋風の扉に交換し、内部にハンガーパイプを取り付けることで、従来の押し入れをクローゼットへと転換できます。洋服を掛けて収納できるため、利便性が向上するでしょう。ただし、押し入れの中央に中段がある場合、ロングコートやワンピースといった丈の長い衣類が収納しづらくなるため、中段の撤去も検討する必要があります。

収納スペースの機能性向上は借主の満足度を高め、ひいては入居率の向上にもつながる可能性があります。単に見た目だけでなく、借主のライフスタイルや使い勝手を考慮し、収納の内部構造まで見直すことが効果的なリフォームのポイントです。

ふすまを外して引き戸に変える

和室を洋室化するリフォームでは、隣接する部屋との仕切り部分の変更も検討事項です。特に、和室との間仕切りがふすまの場合は、洋風ドアへの交換が一般的です。

既存の枠をそのまま活用できれば、仕切り部分の調整といった大掛かりな工事を省略し、リフォーム費用と工期を抑えられます。そのため、既存のふすまと同じサイズの引き戸タイプのドアを選定することが、効率的なリフォームのポイントです。

ふすまを外して引き戸にした部屋

和室を洋室にする際の費用

一般的な賃貸マンションやアパートにおいて和室を洋室にリフォームする際の費用は、工事内容や既存の和室の状態によって大きく変動します。そのため、複数のリフォーム業者から見積もりを取り、費用の内訳を確認しながら慎重に検討を進めることが重要です。

また、リフォームによって洋室化したとしても、必ずしも空室が解消されるとは限りません。入居希望者が現れず、リフォーム費用だけがかさんでしまうリスクも考慮しましょう。

リフォーム費用のリスクから実施をためらう場合、ほかの空室対策も視野に入れることをおすすめします。たとえば、賃貸管理会社を変更したり、現在の賃料設定を見直したりすることで、和室のままでも入居希望者を増やせる可能性があります。

リフォームは空室対策の有効な手段の1つですが、費用対効果を十分に検討し、ほかの選択肢とも比較しながら総合的に判断することが大切です。場合によっては、現状維持や、より低コストな改善策(部分的なリフォーム、DIYなど)が最善の選択となることもあります。

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複数社の見積もりと費用の計算

費用を抑えて和室を洋室にするコツ

先述の通り、リフォームの予算に懸念がある場合、DIYは費用を抑えるための有効な選択肢です。

お住まいのマンションの管理規約によって、大規模なリフォーム工事が制限されている場合にも、DIYは実現可能な代替手段として検討する価値があります。

以下で、DIYでできる手軽な方法を見ていきましょう。

畳の上からフローリングシートを貼る

畳を剥がしてフローリングに貼り替えなくとも、既存の畳の上にフローリング調のシートやクッションフロアを敷設することで、手軽に洋風の床を実現できます。

フローリングシートとは、表面にフローリングの木目などが印刷されたシート状の素材です。一方、クッションフロアは、塩化ビニールを主原料としたクッション性のある床材で、木目調やタイル調など多様なデザインが印刷されています。

これらの方法は、畳を撤去してフローリングを施工する本格的なリフォームと比較すると大幅に費用を抑えられ、比較的簡単に洋室の雰囲気を演出できるというメリットがあります。DIY初心者の方でも、取り組みやすい方法といえるでしょう。

ふすまを取り外す

フローリングシートやクッションフロアを用いて床を洋風に仕上げた後、さらに空間を広く見せたい場合は、部屋を仕切るふすまを取り外すという選択肢があります。これにより、2つの空間が一体化し、広々とした1つの洋室として利用できるようになります。

また、押し入れのふすまを撤去し、内部を洋風の収納ケース等で整理すれば、「見せる収納」として活用することも可能です。これにより、単なる収納スペースとしてだけでなく、インテリアの一部として、おしゃれなオープン収納空間を演出できます。

さらに、ふすま自体をリメイクする方法もあります。たとえば、ふすまの上から洋風のデザインが施されたシートを貼り付けることで、和室特有の雰囲気を抑え、部屋全体の調和を図れるでしょう。

賃貸のプロが相談に乗っている様子

和室の賃貸物件における空室は三井のリハウスにご相談を

これまで解説してきたように、賃貸物件においては、一般的に洋室が和室よりも需要が高いとされ、和室を洋室にリフォームすることが入居率向上につながる可能性があります。

しかしながら、リフォームには注意すべき点も少なくありません。たとえば、費用がかかること、マンションの管理規約によっては制限があること、リフォームをしても必ずしも借主が現れるとは限らないことなどです。そのため、現在空室の和室を抱える貸主さまには、リフォーム以外の空室対策も視野に入れることをおすすめします。

リフォームを行うべきか否か、あるいはほかにどのような対策が有効か、ご自身だけで判断するのが難しい場合もあるでしょう。判断に迷ったときは、賃貸管理会社や不動産会社などの専門家に相談し、客観的な意見やアドバイスを求めるのが有効です。

三井のリハウスでは、区分所有マンションをお持ちの方を中心に、空室対策を含む賃貸経営のサポートをしております。賃貸のプロが、物件の状況・地域の市場動向・貸主さまの希望などを総合的に考慮し、最適な提案をいたします。また、リフォームが必要と判断された場合は、リフォーム業者や要望に合わせた最適なリフォームプランをご紹介いたしますので、まずはお気軽にご相談ください。

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