不動産投資とは?「やめとけ」といわれる理由や成功率を上げるポイントも解説

不動産投資には収益を得られるメリットがある一方でリスクもあります。この記事では、マンションやアパートの賃貸経営を始めるときに知っておきたい不動産投資のメリットや注意点、リスクを回避して成功率を高めるポイントを解説します。

目次
  1. 不動産投資とは?
  2. 不動産投資によって得られる2つの収益
  3. 不動産投資の種類
  4. 不動産投資のメリット
  5. 「不動産投資はやめとけ」といわれる理由は?
  6. 不動産投資が向いている人・向いていない人
  7. 不動産投資の成功率を上げるポイント
  8. 不動産投資を始めるための初期費用
  9. 信頼できるパートナーと不動産投資を進めよう!
記事カテゴリ 賃貸 費用 マンション
2024.05.21

不動産投資とは?

不動産投資とは、不動産を購入し、保有している不動産によって利益を得る投資方法のことをいいます。「不動産投資を始めたいけれど、難しそう」と迷っている人もいるのではないでしょうか?そこで今回は、不動産投資を始めようか迷っている人や興味のある人に向けて、不動産投資を始めるうえで知っておくべきメリットやリスク、リスクを回避して成功率を高めるポイントについて解説します。

不動産投資によって得られる2つの収益

不動産投資で得られる利益は「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

インカムゲイン

インカムゲインとは、保有している資産に対して得られる利益のことをいい、不動産投資の場合は、資産を賃貸に出すことで得られる家賃収入がインカムゲインになります。きちんと管理をし、空室期間が生じなければ​長期的に毎月安定した金額を得られるという特徴があります。

キャピタルゲイン

対してキャピタルゲインとは、保有している資産を売却して得られる利益のことです。不動産投資の場合は、土地や建物などの不動産売却により得られる売却益のことを指し​​、購入時にかかった費用よりも売却時に得た金額のほうが高くなればなるほど、大きな利益を得ることができます。

不動産投資として主な投資家の間で話題に上がるのは、投資用の不動産(区分所有もしくは一棟)を購入してから、賃貸運用として家賃収入を得るインカムゲインのケースが一般的です。そのため、この記事では主にインカムゲインでの不動産投資について解説していきます。

家の模型とグラフ

不動産投資の種類

不動産投資には、「一棟投資」・「区分投資」という2つの投資方法があります。それぞれの特徴やメリット、リスクについて詳しく見ていきましょう。

一棟投資

一棟投資とはマンションやアパートを一棟まるごと所有し、投資する方法のことをいいます。メリットとしては、部屋数が複数あるため、賃貸に出した際に所有物件が全て空室になるリスクを分散することができ、家賃収入がゼロになる可能性を減らせます。また、​部屋数が多いことで、家賃収入によって得られる利益の総額が大きくなることも、不動産投資をするうえでメリットとなるでしょう。

一方で、リスクとしては一棟をまるごと購入することになるため、​​初期費用や修繕費用が別の投資方法である区分投資に比べて高くなることが挙げられます。

マンション

区分投資

区分投資とは、マンションやアパートを1戸単位で所有し、投資する方法のことをいいます。メリットとしては、一棟投資と比較すると、初期費用を抑えて投資を始められることが挙げられます。共用部分や土地はほかのオーナーと分割所有することから、修繕費や税金などの支出が抑えられるというメリットもあり、少ない費用で​不動産投資を始めたいという人におすすめです。

しかし、区分投資は一棟投資と違って1戸単位で物件を所有するため、空室になったときに家賃収入が途絶えてしまうリスクがあります。また、共用部の管理・修繕は不動産管理会社に委託することが多く、管理費・修繕積立金を管理組合に毎月支払わなければならないため、収支には注意が必要です。

不動産投資のメリット

不動産投資の種類によって、それぞれメリットとリスクは異なりますが、ここからは不動産投資全体に共通するメリットとリスク、その回避策をご紹介します。まず、不動産投資を行うことで得られる4つのメリットは以下の通りです。

・収入が得られる
・節税効果がある
・資産になる
・生命保険の代わりになる

1つずつ具体的に見ていきましょう。

収入が得られる

不動産投資として賃貸経営を行っている場合、所有している物件に賃料を払い続ける借主がいる限り、毎月安定した収入を得られるメリットがあります。賃料だけではなく、建物の賃貸借契約の際の礼金や、契約更新時の更新料も収入となります。

電卓と書類に記入する人

節税効果がある

不動産投資として賃貸経営を行うことには、所得税と住民税の節税効果もあります。購入時にかかった登記費用や仲介手数料、毎月かかる修繕費などを経費として計上することで、所得の金額を少なく申告できるからです。

なかでも大きな節税につながるのが、「減価償却」という会計処理に基づくものです。不動産(建物部分)は時間の経過とともに、資産価値が減少していく「減価償却資産」と呼ばれます。​​減価償却資産は購入した年にまとめてではなく、分割して費用計上しなければなりません。そのため、不動産を取得した次の年からは、実際に支出がなくても、一定期間で分割しながら計上できるので、課税所得を減らすことができます。

所得税と住民税の節税効果に加え、不動産投資は相続税対策にもなります。相続税を算出する際の基準となる相続税評価額は、土地は路線価、建物は固定資産税評価額で評価され、時価の7~8割となります。なかでも、賃貸として​建物が第三者に貸し出されている場合、不動産の相続税評価額はより低くなります。そのため、相続税対策においては額がそのまま相続税評価額になってしまう現預金や株式よりも、相続税評価額が時価より低く算出される傾向にある不動産として所有していたほうが、税額が低くなる可能性が高いでしょう。

●不動産投資の節税に関する記事はこちら

●家の評価額に関する記事はこちら

家の模型と電卓と通帳

資産になる

不動産投資は、いざとなれば売却して現金化することも可能です。物価が上がると不動産の価値も上がるため、現物資産である不動産は、インフレリスクに強いことが特徴です。デフレの場合でも、家賃が大きく下がる可能性は低いため、景気のよしあしが影響しにくいことは不動産投資の大きなメリットといえるでしょう。

生命保険の代わりになる

不動産投資は生命保険の代わりにもなります。不動産投資において不動産投資ローンの借り入れを行う際は、一般的に団体信用生命保険(団信)への加入が必要です。団信に加入することで、ローン契約者が亡くなった場合や高度障害状態になった場合に、残りのローンが保証金で弁済される仕組みになっています。

団信に加入した状態で契約者が亡くなった場合、不動産の所有権はローンの残債がゼロの状態で​被保険者の家族が引き継ぐため、家賃収入もそのまま入り続けます。契約者が亡くなるとローン残債の支払いが厳しくなるリスクがありますが、団信に加入していれば残債の支払いも必要なく、収入も得られるため、安心できるといえるでしょう。

ただし、法人で不動産を所有する場合は、団信に加入できません。また、不動産投資ローンを借り入れた後に加入することはできないなどの例外もあるため注意が必要です。

パソコンの前で考える男性

「不動産投資はやめとけ」といわれる理由は?

ここまでメリットについてお伝えしましたが、不動産投資には「やめとけ」といわれる理由として3つのリスクがあります。それぞれの内容とそのリスクを回避する方法を見ていきましょう。

[ 1 ] 空室や滞納が発生するリスクがある

貸し出している物件に契約者がおらず空室になってしまうと、家賃収入が入らなくなるリスクがあります。空室が長引くことによって、当初予定していた利回りが低下してしまい、資産運用が難しくなることもあるでしょう。空室が埋まらない理由として、立地に問題がある場合や、空室対策がうまくなされていないなどさまざまな要因が考えられます。そのため、空室になった際に市場を分析し、相場に見合った条件・対策を提案できる不動産会社に管理を依頼することが大切です。

また、入居者がいた場合でも家賃を滞納されると、家賃収入を得られません。​​家賃保証会社を利用したり、入居希望者の職業や収入をしっかりとチェックしたりして、事前に家賃滞納の可能性を減らすことができれば、安心して不動産を運用できるでしょう。

投資物件の購入から賃貸・売却まで一貫してサポートを行う三井のリハウスでは、独自のネットワークを活用することでスピーディな入居者募集を実現し、空室リスクを低減させることが可能です。不動産投資を始めたいけれど空室リスクを不安に感じている方は、ぜひお気軽にご相談ください。

●不動産投資についてのご相談はこちら

円と矢印が書かれた積み木

[ 2 ] 物件価格が変動するリスクがある

不動産投資には、物件の価格が購入時よりも大幅に低下する価格変動のリスクがあります。物件を売却するとなった際に、売却価格が購入価格を大きく下回ってしまうと、せっかく不動産投資を行ったにもかかわらず、それほど収益が得られなかったということも起こり得るでしょう。​一般的に価格が下がってしまう原因として、以下のような例が挙げられます。

・長期間保有し続けてメンテナンスを怠り、物件・設備の老朽化が進む
・景観・日照を阻害する建物の建設や自然災害など、周辺の環境変化によって利便性が損なわれる

価格低下のリスクを最小限に抑えるためには、立地や将来的な都市計画も踏まえて物件を購入したり、老朽化に備えてメンテナンスを計画的に行ったりすることが重要です。

[ 3 ] 金利が変動するリスクがある

不動産投資ローンを利用する場合、金利の上昇リスクがあります。ローン返済中に金利が上がって総返済額が増えると、返済が難しくなる可能性があるので注意しましょう。一括購入できない場合は、金利の上昇を見込んだり、資金計画を立てたり、頭金を増やしたりして余裕のあるローンを組むこと、万が一の場合でも余力を残せる価格の物件を購入することが大切です。

電卓を持って悩む女性

不動産投資が向いている人・向いていない人

不動産投資について、考えられる3つのリスクと回避策についてお伝えしました。リスクを知ったうえで、不動産投資に向いている人、向いていない人、それぞれの特徴を見ていきましょう。

向いている人

不動産投資に向いているのはどのような方でしょうか?たとえば、以下のような方は不動産投資に向いています。

・安定的に収入を得ている方
・投資に関する冷静な判断ができる方
・資産や土地の相続を予定している方

具体的に見ていきましょう。

●安定的に収入を得ている方
まず、毎月安定した収入を得ている方は、金融機関から不動産投資ローンの融資を受けやすいという点で不動産投資に向いています。加えて、勤続年数が長い、高収入である、保有資産が多いといった点も、不動産投資ローンを利用する際に金融機関からの評価が上がりやすいため、向いているといえるでしょう。

●投資に関する冷静な判断ができる方
前述したように不動産投資には複数のリスクがあるため、冷静な判断や対処ができる方が向いています。不動産投資の成功率を上げるには、周辺地域の需要や家賃相場、収支シミュレーションなどの客観的なデータに基づいて判断することが求められます。ただし、不動産に関して信頼できる情報を多く集めることは簡単ではありません。経験が少ない方にとっては判断が難しいケースもあるでしょう。不動産投資に詳しくない方が投資を始めるときは、不動産の投資や賃貸のプロフェッショナルに相談することをおすすめします。

●資産や土地の相続を予定している方
資産の相続を予定していて、相続税対策をしたい方も不動産投資に向いています。前述のように、現金を相続するよりも不動産を相続することで相続税評価額を下げられる可能性があり、不動産を第三者に賃貸することでさらに相続税評価額が低くなる可能性があるからです。

不動産を相続する人

向いていない人

一方、不動産投資に向いていないのは、以下のような方です。

・短期間で大きな収益を得ようとする方
・投資を行う資金に余裕がない方
・新たな知識・情報を得ることに抵抗がある方・苦手な方

それぞれ詳しく見ていきましょう。

●短期間で大きな収益を得ようとする方
不動産投資は、長期的な視野が求められるため、短期間で大きな利益を上げようとする方には向いていません。キャピタルゲインを目的とするような投資にはリスクがあります。インカムゲインでの不動産投資にも、前述のように、空室が発生するリスクや物件価格の下落リスク、金利変動のリスクがあります。周辺の物件より利回りが明らかに高い物件には、高利回りに潜むリスク(建物の修繕が長期間行われていない・設備に不具合があるなど)がある可能性があり、これらのリスクがあることを知ったうえで投資を検討しましょう。

●投資を行う資金に余裕がない方
自己資金や貯金がない方も不動産投資には向いていません。フルローンを組めば不動産投資を始めることはできますが、借入額が大きく、額によっては物件を売却するだけではローンを完済できない可能性もあります。物件価格の変動や空室が生じたときのリスクが大きくなってしまうため、資金に余裕がない方は注意が必要でしょう。

●新たな知識・情報を得ることに抵抗がある方・苦手な方
不動産投資に関する専門知識や運営ノウハウなどを学ぶことに関心がない方・抵抗がある方も向いていません。不動産投資をするには、物件の選び方や不動産投資ローンのこと、保険、かかる税金など、多くのことを学ぶ必要があるからです。

不動産投資の成功率を上げるポイント

ここまで紹介したように不動産投資にはリスクがありますが、それらのリスクを踏まえて、成功率を高めるポイントにはどのようなものがあるか、具体的に見ていきましょう。

空室リスクの少ない物件を選ぶ

まず、不動産投資において、特にマンションやアパートの賃貸経営を行う際、需要が高く、空室リスクの少ない物件を選ぶことが重要です。マンションやアパートの賃貸経営では、空室があるとその分の家賃収入を得られないため、需要が高いと考えられる物件を選びましょう。たとえば、交通アクセスがよかったり、スーパーやコンビニなどの施設が近くにあったり、利便性の高い場所にある物件は需要が高いと考えられます。不動産投資用の物件を選ぶコツについては、下記の記事も参考にしてみてください。

●不動産投資の初心者が知っておくべき、よい投資物件選びのポイントはこちら

長期的な視点で投資する

不動産投資では、投資した費用を回収するには一定の期間が必要なケースが多く、長期的な視点を持って計画を立てることが重要です。長期的な視点のなかにはリスクも含まれます。相場や競合物件の有無、所有物件のメンテナンス状況などによって設定する賃料が変化するだけでなく、築年数の経過に伴い、マンションやアパートの価値が低くなる可能性もあるためです。ほかにも、修繕費用や管理費用、税金などの費用もかかり、不動産投資ローンを利用する場合、金利が変動する可能性もあります。必要な費用やリスクを踏まえた長期的な視点を持って、どのくらいの期間で回収できるのか、事前に見通しを立てておきましょう。

信頼できる担当者と握手

信頼できる不動産会社とパートナーを組む

不動産投資の成功率を上げるためには「どの不動産会社と組むか」も重要なポイントです。なぜなら、マンションやアパートの賃貸経営では、管理が行き届いているかどうかによって、入居者の定着率が変わるからです。管理状況が悪いと、長い期間で住んでもらいにくくなり、入居者の質が下がってしまうこともあるため、賃貸経営の実績が豊富でサポート体制が整っている不動産会社とパートナーを組むことをおすすめします。

三井のリハウスは豊富な実績と経験に基づき、賃貸住宅の運営管理に必要なサポートを行っています。賃貸経営に必要な書類の作成や借主への対応に加えて、独自のネットワークを活用して空室対策も行っていますので、不動産投資や賃貸経営について疑問や不安をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。

●賃貸経営・賃貸管理に関するご相談はこちら

不動産投資を始めるための初期費用

ここからは、不動産投資に必要な費用のなかで最初にかかる初期費用についてお伝えします。ローンを利用して不動産投資を始めるには、自己資金として物件価格の10~20%前後が必要です。しかし、不動産投資ローンを組む際に、契約者の職業や年齢、年収、勤続年数などによって銀行の融資額が異なる場合があるため、あくまでも目安として考えましょう。初期費用以外で必要になる資金は、金融機関より融資を受けるケースが一般的ですが、物件価格の全額を借り入れるフルローンが可能な金融機関もあります。

LOANと書かれた積み木と家の積み木

また、不動産投資の際に利用できるローンには、「不動産投資ローン」と「プロパーローン」の2種類があります。不動産投資では、不動産投資ローンを利用するのが一般的です。

不動産投資ローンとは、家賃収入といった収益を得るための収益物件を購入する際に組むローンのことです。公務員やサラリーマンなどの安定的な収入が見込める職業に就いている人が、審査で通りやすいといわれています。

プロパーローンとは、保証会社を利用せずに金融機関が返済の滞納リスクを負担して貸し出すローンのことをいいます。その金融機関独自の審査基準で融資が決められるため、不動産投資ローンの審査基準を満たさない人でも借り入れができる可能性があります。しかし、保証人または連帯保証人が求められることに注意しましょう。

信頼できるパートナーと不動産投資を進めよう!

ここまで不動産投資に関するさまざまな知識を解説してきました。不動産投資は、メリットとリスクの両面があるため、それぞれを理解したうえで行うとよいでしょう。また、不動産投資を成功させるには、パートナーとなる不動産会社選びが重要です。よい不動産会社を見極める際は、メリットだけでなく、リスクもしっかり説明してくれるか、購入後もしっかりとフォローしてくれるかなどのサービスも含めたポイントを見てみましょう。

不動産投資に興味があっても疑問や不安を抱えている人も多いはずです。そんなときは一度、不動産のプロである、不動産会社に相談してみるとよいでしょう。​三井のリハウスでは、投資物件の購入から賃貸、さらにその後の売却までお手伝いします。また、賃貸中の物件の管理業務や契約に関するお手続きのサポートもいたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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