
賃貸物件のキッチン(台所)リフォームにかかる費用とは?種類や補助金制度も解説
賃貸物件のキッチン(台所)リフォームにかかる費用相場には幅があり、全体を交換する場合は50万円~150万円程度かかります。この記事では、キッチンのリフォームの種類や使える補助金、注意点について解説します。
目次
賃貸物件のキッチンリフォームにかかる費用
キッチン全体を交換する場合の費用相場は、50万円~150万円程度です。キッチンの大きさや仕様にもよるため、費用相場は幅広い傾向があります。コンパクトなミニキッチンであれば、比較的安く交換できるでしょう。一方、キッチンのグレードを上げたり、間取りを変更したりする場合には費用が高くなることもあります。
また、キッチンの設備を部分的に交換することも可能ですが、複数の設備交換を考えている場合はキッチン全体を変えるほうがお得なケースもあります。そのため、リフォームの際には複数の専門業者へ見積もりを依頼し、慎重に比較検討することがポイントです。
●マンションリフォームの費用相場についてはこちら
賃貸物件のキッチン(台所)リフォームの種類
賃貸物件のキッチンリフォームの種類を目的別に分けると、主に以下の3つがあります。
・老朽化した設備の修繕
・レイアウトの変更
・収納スペースの確保
それぞれの種類について、詳しく説明していきます。
老朽化した設備の修繕
キッチン本体の耐用年数は10年~20年程度といわれています。キッチンは毎日使うため、劣化するスピードが速い傾向があります。物件を貸し出す前に、キッチンの設備や床、壁紙などに不具合があれば修繕が必要です。異音や水漏れ、排水溝から異臭がするといった場合にも必ず修繕しておきましょう。
主なリフォームの方法は2つあり、修繕が必要な部分のみの交換と、システムキッチンへの変更です。老朽化の状況や予算に合わせて修繕する箇所を検討しましょう。
レイアウトの変更
物件のターゲット層のライフスタイルや家族構成に応じて向いているキッチンのスタイルは異なります。ターゲット層に合わせてキッチンのレイアウトを変更することで、より多くの入居希望者が集まるかもしれません。キッチンの主なスタイルは以下の6つです。
・I型
・L型
・U型
・Ⅱ型
・アイランド型
・ペニンシュラ型
たとえば、作業スペースを広く確保できるL型やU型のキッチンは、複数人で作業がしやすく、コンロや冷蔵庫への動線も短くなるため作業効率が上がる傾向があります。また、I型の対面式キッチンやアイランド型は、開放感があり、リビングにいる家族の様子が見やすい点がメリットです。
収納スペースの確保
物件のターゲット層に応じて、キッチンの収納スペースを確保するためにリフォームを行うケースもあります。レイアウトの変更を行うのであれば、合わせて検討するとよいでしょう。また、収納棚を備え付けておくことで、物件の魅力が高まって入居希望者を集めやすくなる可能性もあります。
賃貸物件のキッチンリフォームで使える補助金
貸主(大家さん)が賃貸物件のリフォームを行う際、以下のような補助金制度が利用できます。
・子育てグリーン住宅支援事業
・給湯省エネ2025事業
・各自治体の補助金制度
子育てグリーン住宅支援事業とは、国土交通省による事業で、子育て世帯を中心に改修費用の支援を行うものです。省エネや子育て対応、バリアフリーに関するリフォームを対象に、最大60万円の補助が受けられます。ただし、こちらの補助金制度は、2024年11月22日以降にリフォーム工事に着手した物件が対象になるので注意が必要です。
給湯省エネ2025事業は、高効率給湯器の導入にかかる費用の一部が補助される制度です。なお、導入する給湯器の種類によって補助金額が異なるため、きちんと確認しましょう。こちらも2024年11月22日以降に工事に着手したものが対象です。ここまでご紹介した2つの補助金制度には、それぞれ要件があるため、きちんと確認しておくのがおすすめです。
上記のほか、各自治体でもキッチンのリフォームで利用できる補助金制度が設けられていることがあります。補助金の対象となるリフォーム内容や、補助金額といった運用は自治体によって異なります。また、制度が終了している場合もあるため事前に確認しておきましょう。
●子育てグリーン住宅支援事業についてはこちら
●給湯省エネ2025事業についてはこちら
賃貸物件のキッチンリフォームの費用は誰が負担する?
賃貸物件のキッチンリフォーム、設備の交換にかかる費用は、原則貸主側が負担します。これは民法第606条により、「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」と規定されているからです。ただし、借主の故意や過失による設備の不具合は、借主が負担することもあります。
また、借主は退去時に原状回復義務があるため、賃貸借契約中に発生したシンクの水あかや、食べこぼしによるシミなどの清掃は借主が行わなければなりません。
賃貸物件のキッチンリフォームの注意点
貸主が賃貸物件のキッチンをリフォームする際の注意点は、主に以下の3つが挙げられます。
・管理規約を確認する
・近隣住民に伝えておく
・余裕のある資金計画やスケジュールを立てる
それぞれの注意点について、順番に詳しく見ていきます。
管理規約を確認する
賃貸マンションをリフォームする際は、違反をしないよう、事前に管理規約を確認しておきましょう。管理規約はマンションによって異なり、リフォームできる範囲が制限されていることもあるため、注意が必要です。特に、ガスや電気、水回りは、建物の構造上、移動や交換が難しいため、工事に細かな制限が設けられていることもあります。
近隣住民に伝えておく
リフォーム工事をする場合は、前もって近隣住民に伝える必要があります。特に、工事が始まる1週間前までには伝えるようにしましょう。伝える範囲は、両隣、上3軒、下3軒が一般的で、心配な場合には2つ隣やエレベーター前の住民にも伝えておくのがおすすめです。事前の周知なしでリフォームを開始すると、騒音や異臭による苦情が発生し、近隣住民とのトラブルに発展する恐れがあります。周知すべき内容は、主に以下の3つが挙げられます。
・リフォームの内容
・リフォームの日時・期間
・リフォーム業者の連絡先
余裕のある資金計画やスケジュールを立てる
賃貸物件のキッチンを交換したり、リフォームしたりする際は、余裕のある資金計画を立てましょう。リフォームに費用がかかり過ぎると、家賃収入だけでは回収できず損をするリスクがあります。リフォームの内容を決めたら、事前に費用相場を調べて把握しておくのがおすすめです。
また、借主への引渡し日の目途が立っている場合には、そこから逆算し、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。万が一、多少工期が伸びても支障がないように計画を立てましょう。
賃貸物件のキッチンリフォームに迷ったらプロに相談しよう!
賃貸マンションやアパートのキッチンリフォームにかかる費用は、設備の種類や工事の規模によって大きく異なるため、一概にはいえません。また、貸し出す前にリフォームをすべきかはケースバイケースなので、個人で進めるよりプロに相談するのがおすすめです。
三井のリハウスでは、気になる箇所だけのリフォームから全面リフォームまで、ご予算やご希望に合わせたプランをご提案します。また、三井のリハウスの賃貸管理サービスでは、賃貸経営に関するさまざまなご相談を承っています。キッチンリフォームにお悩みの貸主さまは、お気軽にお問い合わせください。
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