Home / 2021 04,09

在宅介護サービスの種類・それぞれの特徴と利用方法について知ろう

在宅介護を行う際、介護保険で利用できるサービスがたくさんあります。今回は、在宅介護で利用できる「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス(ショートステイ)」と、そのほかのサービスの種類についてご紹介します。

「在宅介護」といってもたくさん種類がある!

「そろそろ介護が必要かな…」と親の様子を見て思うことはありませんか?「老後もなるべく今の家に住み続けたい」という親の考えから、在宅でできる介護について調べてみると、種類がたくさんあることに驚く人も多いと思います。

今回はたくさんある在宅介護のサービスについて、それぞれの特徴や利用方法をご紹介します。在宅介護とは、日常生活に助けが必要な要支援者や要介護者が自宅で生活しながら、介護のサポートを受けることです。

在宅介護のメリットは、住み慣れた自宅で過ごしながら、状況に応じて自由に介護保険のサービスを選べる点です。介護保険のサービスを利用することで、在宅介護の負担を軽くすることができます。

ちなみに、在宅介護の負担を軽減する方法として、介護保険適用外のサービスを利用することもできますよ。これには、自治体からのオムツ支給、寝具乾燥、民間事業者やボランティアによる見守りや生活支援、移送サービスなどがあります。

ここでは、介護保険で利用できる在宅介護サービスのさまざまな種類と特徴についてご紹介します。

車椅子と和室

在宅介護サービスは大きく分けて4つ

自宅で生活しながら利用できる介護保険のサービスはたくさんあり、大きく4つに分類することができます。「居宅サービス」とも呼ばれる在宅介護サービスは、多岐にわたる内容が用意されています。

訪問サービス

訪問サービスは、介護スタッフや医療ケアの専門家に自宅に訪問してもらい、利用するサービスです。訪問サービスの種類は以下の通りです。

名称 サービス内容
訪問介護(ホームヘルプサービス) 介護スタッフが行う食事や入浴・排せつなどの身体介護、料理や洗濯、買い物などの生活援助
訪問入浴介護 組み立て式の浴槽を持ち込み、介護スタッフや看護師が行う入浴介助
訪問看護 主治医の指示や連携によって看護師等が行う看護、療養上の世話や診療の補助
訪問リハビリテーション 日常生活の自立に向けて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が行うリハビリテーション
居宅療養管理指導 療養生活の質を向上するために、医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士、または歯科衛生士などが行う、健康管理やアドバイス

通所サービス

通所サービスは、自宅から施設に通って受けるサービスのことです。在宅介護の場合、外出が億劫になり、自宅に閉じこもりがちになる傾向があります。通所サービスを利用すれば、外出のきっかけになるでしょう。

通所サービスには、2種類があります。サービス内容はほぼ同じですが、「デイケア」を利用するには医師の指示書が必要となります。

名称 サービス内容
通所介護(デイサービス) 介護スタッフや看護師、機能訓練指導員、生活相談員のもとで行われる、食事や入浴、機能訓練やレクリエーションなど
通所リハビリテーション(デイケア) 上記のサービスのほか、医師の指示による医療ケアやリハビリ専門のスタッフのもとで行われるリハビリ

短期入所サービス(ショートステイ)

短期入所サービスは、「ショートステイ」とも呼ばれ、期間を決めて介護施設に入所するサービスのことです。ショートステイを利用することで、日頃介護をしている家族の負担を軽減することができますよ。ショートステイには、以下の2種類があります。

名称 サービス内容
短期入所生活介護 食事や入浴、排せつなどの介護や日常生活の世話、リハビリなど
短期入所療養介護 看護、医学的管理のもとで行われる食事や入浴、排せつなどの介護や日常生活の世話、リハビリなど

そのほかのサービス

介護保険では、上記で紹介したサービスのほかにも、在宅での介護をより快適にするサービスがありますよ。

住環境の改善サービス

住環境を改善するサービスには、3種類あります。福祉用具の種類や住宅改修の工事内容は決められています。対象者や払い戻しの限度額など条件があるので、利用する前に確認しましょう。

名称 サービス内容
福祉用具貸与 車いす、特殊寝台(電動ベッド)、床ずれ防止用具など福祉用具の貸し出し
特定福祉用具の購入 腰掛け便座(ポータブルトイレ)やシャワーチェアなど、直接身体に触れるものの購入
住宅改修費の支給 手すりの取り付けや段差の解消など、在宅介護がスムーズになるためのリフォーム費の支給

地域密着型サービス

地域密着型サービスとは、市区町村指定の事業者が地域住民に提供するサービスのことです。介護度が高くなっても住み慣れた地域や家で介護が続けられるように、緊急時や医療依存度が高い場合にも対応できるサービスがあります。利用者の住民票がある市区町村のサービスのみ利用できます。

名称 サービス内容
夜間対応型訪問介護 夜6時から朝8時の訪問介護。排せつの介助や安否確認などの定期的な訪問の他、急な体調変化などにも随時対応
認知症対応型通所介護 認知症の診断を受けた方が施設に通って利用。食事や入浴などの日常生活支援や機能訓練など、認知症ケアに特化したサービス
小規模多機能型居宅介護 1つの事業所から提供される、「通い」「訪問」「宿泊」サービス。調理や洗濯、掃除などの家事支援や、入浴、排せつ、食事などの介護サービスが顔なじみのスタッフから提供
看護小規模多機能型居宅介護 医療的ケアが必要な人の在宅生活を支えられるよう、小規模多機能型居宅介護に「訪問看護」の機能を加えたサービス
定期巡回・臨時対応型訪問介護看護 医療依存度の高い方や1日に複数回の訪問が必要な方の自宅を介護スタッフや看護師が訪問して行う、食事や入浴、排せつの介護や療養上の世話

このほかにも、要支援1・2の認定を受けた場合は、要支援者が自力で日常生活を続けるための介護予防サービスが利用できます。

在宅介護サービスを利用するには?

在宅介護サービスは、在宅介護を受ける本人や家族の負担を軽減させます。介護サービスを利用するには、以下の4つのステップが必要です。

[ 1 ] 要介護認定を受ける

まずは要介護認定を受けましょう。両親の住民票がある市区町村の窓口で申請をし、認定調査を経て、要介護度を判定してもらいます。

申請してから1か月ほどで要介護認定の通知が届きます。認定は、介護を必要としない非該当(自立)、要支援1・2、要介護1~5の8種類に分かれていますよ。もし認定に不服がある場合は3か月以内に申し立てをしましょう。

要介護認定には、有効期間が定められており、原則として新規申請は6か月、更新申請は12か月となっています。ただ、身体の状態に変化が生じた場合は、有効期間の途中でも要介護認定の変更が可能です。

●要介護認定に関する記事はこちら

シニア女性と男性

[ 2 ] 介護の専門機関に相談・依頼をする

要介護認定を受けた後は、実際に介護サービスを利用するために、介護サービスの計画書を作成する必要があります。

計画書を作成するために、要介護認定で要支援1・2だった場合は、地域包括支援センターに相談します。要介護1以上の場合は、「ケアマネジャー」と呼ばれる介護支援専門員のいる居宅介護支援事業者に依頼します。

[ 3 ] ケアプランを立てる

介護保険のサービスを利用する場合の介護計画書のことを「ケアプラン」と呼びます。ケアプランを立てながら、在宅介護のサービスをどのように利用するかを決めていきます。ケアプランは地域包括支援センターの職員やケアマネジャーとともに、当人や家族が決めます。

地域包括支援センターの職員やケアマネジャーは、介護の必要度や当人、家族の状況・希望に応じながら、ケアプランを作成していきます。ケアプランを作成するときの注意点は、任せきりにしないことです。介護される当人や家族が満足するケアプランになるように、状況や気持ちを正直に伝えることが大切です。

契約書類と手元

[ 4 ] 事業者を選んで契約する

関係者の総意のもとでケアプランが完成したら、介護サービスの事業者を選んで契約をします。
不測の事態が起こった場合の対応も確認しておくとよいでしょう。

状況に応じて適切な方法を選ぼう

「なるべく自宅で過ごしたい」と希望する多くの高齢者にとって、在宅介護サービスは心強い支援となります。ケアプランを作成するときには、自宅でできること、できないことをケアマネジャーと話し合い、適切なサービスを利用することが大切ですよ。

介護の現場では不測の事態が起きるものです。在宅介護が長期になった、親の状態が大きく変化した、家族が介護に対応できなくなったなど、在宅での介護が難しくなった場合は、施設介護も検討するとよいですよ。

在宅介護サービスは、介護される側のことはもちろんですが、介護する家族の負担を軽減するためにも設計されています。上手に活用して、在宅介護の生活を快適にしましょう。

介護する女性とシニア女性

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監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。