Home / 2021 06,11

サービス付き高齢者向け住宅とは?設備・サービス・費用について解説

住宅がバリアフリー化され、安否確認と生活相談サービスが提供される賃貸住宅である「サービス付き高齢者向け住宅」。「サ高住」、「サ付き」とも呼ばれる住宅の特徴や費用、入居条件についてお伝えします。

サービス付き高齢者向け住宅とは?

まだ介護の必要はないものの、老後の住まいについて漠然と不安を抱えてはいませんか?なかには、不安を解消するために、高齢者向けの施設の利用を検討している人もいることでしょう。

高齢者施設には、利用する人の状況に合わせて複数の種類があります。今回は、現在介護を必要としていないシニアに向けて「サービス付き高齢者向け住宅」について解説します。

シニアの夫婦

高齢者向けの賃貸住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、住宅全てがバリアフリー化され、安否確認と生活相談サービスが提供される賃貸型の住宅です。「サ高住」、「サ付き」と省略して呼ばれることもあります。

サービス付き高齢者向け住宅の大きな特徴は、先述の通り、施設内はバリアフリー対応となっている点です。一般的に個人の部屋には段差がなく、トイレや浴室には高齢者に合った高さの手すりが完備されています。共用スペースにも段差はなく、高齢者が安全に暮らすことができるように隅々まで設計されています。

また、各居室には、原則としてキッチン、トイレ、収納設備、洗面設備、浴室などが設置されています。ただし、キッチン、収納設備、浴室は共有設備として用意されている場合もあります。

居室内の設備に応じて、居室の広さには次のような基準が設定されています。

・居室の広さ:原則25m2以上
(共同で利用するキッチンやリビング等が充分な面積を有する場合は18m2以上)

サービス付き高齢者向け住宅を運営するのは、主に民間事業主です。高齢化が急速に進むなか、国は補助金制度を設けてサービス付き高齢者向け住宅の供給を促進しています。

全国でどんどん新たな施設が建設されているため、入居の申込みから実際に入居するまでの待機期間は、ほかの高齢者施設に比べると比較的短くて済むという傾向があります。

契約は、賃貸住宅に住む場合と基本は同じです。契約時に敷金を、そして月々家賃を支払います。ただし、一般の賃貸契約のように、礼金や契約更新料はありません。

また、サービス付き高齢者向け住宅は、介護サービスを提供するために、介護保険サービス事業所を併設しているところが多くあります。

共有設備が充実している住宅が多い

サービス付き高齢者向け住宅では、入居者が共同で使用する設備が充実している傾向があります。施設によっては、リビングのほか、レストラン、カラオケルームやシアタールーム、温泉設備までが設置されている場合もあります。こうした設備が整った施設では、シニアライフを元気に謳歌する入居者が多く見受けられます。

「一般型」と「介護型」の2種類がある

サービス付き高齢者向け住宅には、一般型と介護型があります。
一般型は、独居や夫婦2人暮らしで自立している人、あるいは軽介護度の人に適しています。多くの入居者は介護が不要なため、自由度の高い暮らしを楽しむことができます。なお、一般型の場合で介護が必要になったときは、一般的に外部の介護サービスを利用します。

介護型は、厚生労働省から「特定施設」の指定を受けた施設です。介護型の場合は、24時間常駐する介護スタッフや日中常駐する看護師から健康管理や身体介護、リハビリを受けられます。そのため、介護度の重い人にも対応しています。

どんなサービスが受けられる?

次に、サービス付き高齢者向け住宅ではどのようなサービスを受けられるかについて見ていきましょう。

シニア女性とヘルパー

安否確認と生活相談サービス

サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認サービスと生活相談サービスの提供を行っています。医師、看護師、介護福祉士、介護支援専門員など、医療・介護の有資格者が日中は常駐しており、安否確認を行います。また、こうした医療・介護のプロへ困りごとや介護に関することなど、生活全般についての相談もできます。

なお、スタッフがいない夜間は、通常、設置された緊急通報システムで対応するのが一般的です。

生活支援サービスは一般型と介護型で異なる

一般型の場合は、食事・掃除・洗濯などの生活支援サービスや、入浴・食事・排せつなどの身体介護が必要になった際は、自分で外部の事業所と契約して利用することになります。

一方、介護型の場合は、介護付有料老人ホームと同じく、常駐する介護スタッフから生活支援、身体介護、リハビリなどのサービスを受けることができます。

費用はどのくらいかかる?

入居を検討するとき、入居費用や月額の費用はどのくらいかかるのか気になりますよね。費用は地域や施設によって、また居室の広さによっても異なります。一般型か介護型でも異なってきますよ。ここでは、かかる費用の内容と相場をお伝えします。

サ高住の模型

初期費用

基本的に賃貸借契約となります。初期費用として、敷金または保証金が必要となるケースが多いです。敷金の目安は、家賃の2~3か月分、数十万~数百万となっています。また、賃貸借契約の前払い金として、数年~数十年分の家賃を一括で支払うケースもあります。

月額費用

●一般型
毎月支払う費用には、家賃、管理費(共益費)があります。月額の目安は、近隣の家賃の相場とほぼ同じで、10万~40万円ほどと考えてよいでしょう。
そのほか、食費・水道光熱費・安否確認・生活相談サービスの提供費用などが月々かかります。

安否確認・生活相談サービスの提供費用が管理費に含まれている場合もありますから、最初に確認するようにしましょう。食事に関しては、比較的元気な入居者が多いため、自炊する人もいます。食事の提供を受ける場合に限って、食事した分だけを支払うケースが一般的です。
また、水道光熱費も同じく、利用した分を支払います。東北や北海道などの寒冷地では、冬場に暖房費として費用を上乗せするケースもあります。

なお、介護が必要になった場合は、介護サービスは外部のサービスを利用することになるため、介護保険サービス利用費の支払いも必要になります。ちなみに、料金は自宅でデイサービスや訪問介護を利用するときと同じです。

●介護型
介護型の場合、月額の目安は15万~40万円程度です。この月額費には、家賃・管理費・水道光熱費に加えて、食費・介護費が含まれます。

入居には条件がある

食事をするシニア女性

サービス付き高齢者向け住宅に入居するためには以下のような条件があります。なお、入居者と一緒に同居することも可能です。入居者の条件とともに、同居者の条件も以下の表にまとめました。

種別 居住者の条件 同居者の条件
一般型 60歳以上で自立~介護レベルが軽度の人
※要介護認定を受けていれば、60歳未満でも相談可
・配偶者(事実上の夫婦と同様の関係にある人も含む)
・60歳以上の親族
・要支援・要介護認定を受けている親族
・特別な理由で同居の必要があると知事が認める人
介護型 60歳以上で自立~要介護5の人
※要介護認定を受けていれば、60歳未満でも相談可
・配偶者(事実上の夫婦と同様の関係にある人も含む)
・60歳以上の親族
・要支援・要介護認定を受けている親族
・特別な理由で同居の必要があると知事が認める人

また、一般型の施設の場合は、上記の条件に加えて、以下のような条件を付けていることが一般的です。

・自立した生活ができる(介護保険サービスを利用していても同様)
・認知症ではない

なお介護型の施設の場合は、介護度の重い人、認知症の人にも対応しています。また、サービス付き高齢者向け住宅へ入居する際には、連帯保証人・身元引受人が必要なケースが多いです。

メリットや注意点を知って、自分に合った住まいを選ぼう

これまでサービス付き高齢者向け住宅の特徴や受けられるサービス、費用などについて見てきました。では、利用する際、どんなメリットや注意点があるのでしょうか?

戸外でカメラを持つシニアの夫婦

メリット

サービス付き高齢者向け住宅の最大のメリットは、有料老人ホームと比較したときに、自由度が高いことだといえるでしょう。外出も自由にできるうえに、自炊もできます。そのうえ、自立した高齢者が安全に生活しやすい設備が整っています。

さらに、有料老人ホームと比べると少ない初期費用で入居できる可能性が高いです。また、住宅の供給量が多い分、選択肢の幅が広がるので、自分にあった住宅を見つけやすくなります。
さらに、一般型の場合は、すでに利用している介護保険サービスを継続できる、現在担当しているケアマネジャーに継続してケアプランをお願いできるという点もメリットとして挙げられます。

注意点

その一方で一般型の場合は、有料老人ホームと比べると、夜間の見守り体制が手薄になる施設もあるため注意が必要です。また、介護度が重度になると住み続けることが難しくなります。

緊急時はどのように対応してくれるか、また介護が必要になった際は、どのくらいまで入居できるのか、事前にしっかり確かめておくことをおすすめします。

高齢者施設への住み替えを検討している元気なシニア世代にとって、サービス付き高齢者向け住宅は、メリットも多く魅力的でしょう。しかし、同時に注意点もあるため、内容を十分に知り、自分の状況に合った住宅を納得してから決めることが大切です。

親の介護を考える子世代も、介護が必要になった際は、サービス付き高齢者向け住宅の場合どのくらいまで入居できるのか、また緊急時の対応についても事前にしっかり確かめておくことをおすすめします。

三井のリハウス 
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三井不動産株式会社 ケアデザイン室

監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。