Home / 2022 02,07

老人ホームの入居相談はどこですればよい?各窓口の特徴について

老人ホームの入居については、公的機関である「地域包括支援センター」や「高齢者総合相談センター」、民間の紹介センターや担当のケアマネジャーなどに相談することができます。ここでは、それぞれの相談窓口の特徴や事前準備についてお伝えします。

老人ホームについて相談するには?

シニア世代の人や、年齢を重ねた親がいる子世代の人のなかには「そろそろ老人ホームの入居について考えたいけど、実際にどうやって選べばよいのだろう?」と思っている人も多いのではないでしょうか?老人ホームへの入居を検討する際には、本人やその家族の状況や希望条件に合った施設を選ぶことが重要です。

老人ホームにはさまざまな種類があり、身体状況や経済状況によって適した施設は異なります。数多くある施設のなかから、本人や家族にとって納得のゆく入居先を決めるのは、かなり難しいと感じるかもしれません。

そんなとき、どこか相談できる窓口があると安心ですよね。今回は、老人ホームについて相談できる窓口にはどのようなものがあるのか、また、それぞれの窓口で相談する際のポイントは何かについて解説します。

微笑む高齢女性とスタッフ

老人ホームに関する相談窓口

老人ホームの相談窓口となるのは、大きく分けて「公的機関」「民間の紹介センター」「担当のケアマネジャー」の3つです。ここでは、それぞれの特徴を見ていきます。

公的機関

老人ホームの相談窓口となってくれる公的機関には、「地域包括支援センター」や「高齢者総合相談センター」などがあります。それぞれの特徴は以下の通りです。

地域包括支援センター
地域包括支援センターは、介護や医療、保健などのさまざまな角度から高齢者をサポートしてくれる総合相談窓口です。地域包括支援センターは原則として、各都道府県の1万5000人から3万人程度の住民に対し1か所以上が設置されています。地域包括支援センターが近くにない場合は、自治体の福祉課でも相談することができますよ。

●地域包括支援センターに関する記事はこちら
地域包括支援センターは何をしてくれる?高齢者や家族のための役割と利用方法をご紹介!

高齢者総合相談センター
シルバー110番とも呼ばれる高齢者総合相談センターは、各都道府県に設置されており、主に介護や認知症、介護費用などシニアやその家族の悩みや疑問を気軽に相談できる窓口です。
電話で「♯0808」をダイヤルするだけで相談することができます。

上記の公的機関では、いずれも通話料を除き無料で相談ができ、かつ地域の施設に関する情報に精通しています。また、公的機関なので利害関係のない第三者的な情報を得ることができるでしょう。気になる人は一度、問い合わせすることをおすすめします。

民間の紹介センター

民間の紹介センターは、全国各地にある老人ホームの情報を取り扱うサービスです。高齢者の住まいや施設探しに特化した相談窓口のため、老人ホームの探し方から希望に合った老人ホームの紹介、見学の同行や契約時のサポートなどさまざまなサービスを提供しています。

自分が住んでいるエリアの情報だけでなく、近隣の都道府県の老人ホームや地方都市にある施設の情報を得ることができるため、公的な機関に比べて幅広い施設の選択肢があるといえます。それに加え、民間の紹介センターを利用して入居した場合、入居後のアフターフォローを受けることができるので、長い目で見て安心できるでしょう。

また、オンライン相談ができる紹介センターが増えてきているため、相談窓口に足を運ぶのが難しい場合、Eメールやチャットを使って自宅からでも、気軽に相談することが可能です。

なお、民間の紹介センターは、介護施設から紹介料を徴収して運営されている場合が多く、提携している老人ホームの数が少ない場合、持っている情報量も少ないといった可能性があります。
相談は原則無料ですが、一部有料で対応するセンターもあるため利用の際には注意しましょう。

高齢女性に説明をするスタッフ

担当のケアマネジャー

ケアマネジャーは、介護に関する知識だけではなく、医療や福祉などの知識も持ち合わせた実務経験5年以上の有資格者です。ケアマネジャーの主な業務は、利用者やその家族が必要とする介護サービスのケアプランを作成したり、利用者やその家族、自治体、各施設との仲介役としての調整を行ったります。

担当のケアマネジャーであれば、健康状態や性格、生活スタイルなどを把握しているため、希望に合った施設を探しやすいですが、在宅のケアマネジャーのなかには施設に精通していないケアマネジャーが多いのも事実です。

また、ケアマネジャーは基本的に中立的な立場ですが、所属組織が運営する老人ホームを優先的に紹介する場合もあります。その場合は、自社以外の老人ホームについても紹介してもらうように依頼しましょう。

●ケアマネジャーに関する記事はこちら
ケアマネジャーはどう選ぶ?業務内容から付き合い方のポイントまで解説!

老人ホームの相談員は2パターン

上記でご紹介した窓口以外にも、もちろん老人ホームに直接問い合わせても相談ができます。老人ホームにいる相談員は「入居相談員」と「生活相談員」の2つに分けられます。ここでは、それぞれの特徴について見ていきましょう。

入居相談員

入居相談員の主な業務は、入居にかかわる相談対応のほかにも入居前の見学時の案内や説明、また契約業務など多岐にわたります。入居相談員は、入居希望者がその施設で初めて相談する相手であるため、いわば「施設の顔」といえます。そのため、入居相談員の実際の対応の仕方で施設の雰囲気がある程度分かるといってもよいでしょう。

たとえば、言葉遣いや態度が悪かったり、契約や医療体制、費用などについての質問に答えられなかったりする入居相談員の場合は、要注意といえます。また、こちらの要望に対し全て「できる」と簡単に答えて契約を急がせようとする場合や、あいまいな回答で話を終わらせようとする場合も同様です。

よい入居相談員とは、十分な現場経験があり、パンフレットの情報だけでなく介護や医療などの幅広い知識を持っている人です。その施設に入居すべきかどうかは、入居相談員の対応を見極めることも必要な要素といえます。

●介護施設の見学に関する記事はこちら
【介護施設の見学】確認すべきポイントは?手順や時間帯を紹介

窓側を向く車いす

生活相談員

生活相談員とは、入居後に利用者やその家族が、希望に合わせて適切に介護サービスを利用して生活できるように対応してくれる人です。生活相談員は、「社会福祉士」や「精神保健福祉士」などの資格を保有している場合が多く、主な業務は以下の通りです。

・入退去の調整・手続き
・利用者やその家族に対する相談援助
・ケアマネジャーや施設との調整業務
・苦情などの対応・窓口業務
・入居者の相談に対して適切な関係機関と連携する

相談前に行いたい準備

適した老人ホーム選びには、相談先のほかにも相談をスムーズに進めるための事前準備が大切です。そこで実際に相談する前の準備として、本人や家族の状況や希望条件など、どういったポイントを整理しておくとよいのかをご紹介していきます。

健康状態

本人の健康状態によって、入居できる施設が異なります。そのため、まずは健康状態の整理を行いましょう。確認する項目としては、年齢や本人の要介護度、認知症の有無、介護や医療ケアが必要なのかなどです。

たとえば、特別養護老人ホームの場合、65歳以上の要介護3以上が対象となります。一方、ケアハウスは、60歳以上で自立していることが条件です。介護施設はいくつか種類がありますが、入居を希望する施設と入居者本人の状況が一致しているのかを確認しましょう。

●要介護度に関する記事はこちら
要介護認定の基礎知識!要支援・要介護の違いと申請方法の解説

入居期間

「リハビリのため」「状態が安定するまで」「終身」など、希望する入居期間も老人ホーム選びには重要です。看取りに対応している施設としては、特別養護老人ホームや介護付有料老人ホームなどが挙げられます。医療ケアを必要とする場合は、本人やその家族が最期をどのように迎えるかも話し合うことが大切です。

●要介護度に関する記事はこちら
介護施設の種類を知ろう!簡単早見表で比較

一緒に歩くシニアカップル

サービス

入居する本人が、より充実した生活を送るためにはどのようなサービスが必要なのかを事前に確認しておきましょう。

たとえば食事の場合、普通食でよいのか、介護食がよいのかなどです。そのほか、介護サービスやリハビリ、家事サービスやレクリエーションの必要性も整理しておきましょう。併せて、必要な居室の広さや欲しい設備などの環境面も確認しましょう。

予算

施設を選ぶうえでも重要な要素になるのが費用です。現実的にその施設に入居することが可能なのかを判断する基準となるでしょう。民間施設のなかには、入居金がかかる施設とかからない施設があります。今どれくらい貯蓄があって、今後どれくらいの支払いなら可能なのかを把握しておきましょう。

●老人ホームにかかる費用に関する記事はこちら
老人ホームにかかる費用を解説

立地

どんな場所にある施設に入居するかもその後の生活を左右する大きな要素です。自宅の近くや子どもが住んでいる場所の近く、交通の利便性のよさ、医療機関、周辺の環境など、自分がどんな環境で生活したいのかを明確にしておきましょう。

安心できる住まい選びのために

老人ホームを決めるということは、シニアライフの過ごし方を決めるということです。そのため、慎重な決断が必要です。老人ホームへの入居を検討しているときは、1人だけで決めずに家族と話し合ったり、地域包括支援センターや紹介センターなどの専門機関に相談したりして選ぶことをおすすめします。

相談することは、入居後のトラブルを避けることにもつながりますよ。今回ご紹介した窓口を利用して、安心、納得のできる住まい選びをしましょう。

三井のリハウス
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監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。