老後に家を売却しても大丈夫?メリットとデメリット、売る前の注意点を解説

2026.10.15

老後に家を売却することは、住まいとお金の2つの観点でメリットがある一方で、売る際の対応が適切でないと後悔につながる可能性があります。この記事では、将来の暮らし方を検討している方のために、事前に知っておきたい知識や注意点を解説します。

目次
  1. 老後に家を売却するメリット
  2. 老後に家を売却するデメリット
  3. 老後に家を売却する際のポイント
  4. 老後に持ち家を売却する際の準備
  5. 住み替え以外の選択肢は?
  6. よくある質問
  7. 不動産売却の不安はプロへ相談

老後に家を売却するメリット

老後に家を売却すると、住まいに関する負担が軽減できるほか、金銭的なメリットもあります。主なメリットは、以下の4つです。

・老後資金を確保できる
・相続の面倒がなくなる
・住環境を改善できる
・住宅ローンや固定資産税などの負担が減る

それぞれ詳しく説明していきます。

老後に家を売却するメリット

老後資金を確保できる

持ち家を売却すればまとまったお金を得られるため、老後資金の準備に役立ちます。また、固定資産税や都市計画税などの税負担もなくなります。

厚生労働省の『2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況』によると、高齢者世帯で「生活が苦しい」と感じている世帯は約52%で過半数を占める結果となっています。持ち家の売却や住み替えをうまく利用して、老後の資金を確保しましょう。(※1)

相続の面倒がなくなる

家や土地などの不動産は、現金と違って分割しにくいため、相続人が複数いる場合は遺産分割でトラブルが発生するケースがあります。一方、売却して現金化しておけば、財産が分けやすくなるため、相続時の負担軽減に役立つでしょう。

不動産相続の様子

住環境を改善できる

持ち家を老後に売却すれば、シニア世代の暮らしに合った家へ住み替えやすくなるのがメリットです。たとえば、まだ子どもが幼いうちは、老後のことよりも子育てメインで住まいを検討するでしょう。そのため、高齢者向けの住まいをイメージしにくく、現状で求める理想の住まいとギャップが生じることがあります。独立して夫婦2人になった場合、部屋数が少ないコンパクトな家に住み替えれば生活動線もシンプルになります。結果として、掃除の手間が省けるほか、家の中での移動も楽になるでしょう。

また、定年後に通勤の必要がなくなった場合は、自然が豊かで静かな環境を選ぶこともできます。体に負担を感じる場合は、スーパー、病院、役所などが徒歩圏内にある立地の家や、バリアフリーの安全な家へ住み替えると暮らしが楽に感じるかもしれません。「シニア向け住宅」のような物件は、高齢者を想定した作りになっているので、快適に暮らせるでしょう。

「三井のリハウス シニアデザイン」では、老後の住まいに関するご相談も受け付けています。以下より確認してみましょう。

●「三井のリハウス シニアデザイン」へのお問い合わせはこちら

●シニア向け賃貸住宅についてはこちら

●シニア向け物件紹介サービスはこちら

住宅ローンや固定資産税などの負担が減る

自宅を売却することで、住宅ローンや固定資産税などの負担を軽減できることも、老後に家を売却するメリットです。売却代金で住宅ローンを完済できれば、収入が減りやすい老後に住宅ローンの返済が続く負担を抑えられます。また、家を手放すことで、固定資産税などの維持費もかからなくなるため、老後の支出を抑えることにつながります。

老後に家を売却するデメリット

老後に家を売却する際には、いくつか注意しておきたい点があります。売却に伴う手続きや荷物の整理などが、高齢者にとって負担になる可能性があるほか、売却後に賃貸住宅へ移ろうとしても、審査が通りにくいといった懸念もあります。

売却活動を進めるのに不安がある場合は、シニア向け住宅の紹介サービスがある不動産会社に相談するのがおすすめです。三井のリハウス シニアデザインでは、年齢に関係なく入居できるシニア向け住宅の紹介ができます。さらに、一般的な不動産売却の知見だけでなく、シニア世代の不動産売却をスムーズに成功させるためのノウハウや各種サポートを展開しています。

●「三井のリハウス シニアデザイン」へのお問い合わせはこちら

老後に家を売却するか悩む夫婦

手続きや引越しなどに手間がかかる

家の売却には多くの手続きが必要であるほか、住み替えのための新居探し、荷物の処分、引越しなども進めなくてはなりません。また、生活する環境が変わるとストレスを感じることもあり、これらは高齢者の心身にとって負担となる場合もあります。

三井のリハウスでは、売却をご検討中のシニア世代の方へ向けて「シニアおまかせ売却パック」をご案内中です。売却から引越し、不用品整理など住み替えに必要な作業をまとめてサポートするため、複数の業者との調整にかかる負担を軽減できます。

●「三井のリハウス シニアデザイン」へのお問い合わせはこちら

●三井のリハウスの「シニアおまかせ売却パック」についてはこちら

引越しをする高齢者

賃貸の審査が通りにくい

持ち家を売却して賃貸への住み替えを考えていても、年齢や収入面のほか、緊急時の対応や入居者が亡くなった後の残置物の処理などに対する貸主側の懸念から、入居先が限られる場合があります。そのため、希望する物件に入居できない可能性があることを、あらかじめ理解しておく必要があります。

売却活動から住み替えまでの一連の流れに不安がある方は、売却後、シニア向け住宅の紹介をしてくれる不動産会社に相談するのがおすすめです。三井のリハウス シニアデザインなら、年齢だけで住み替えを諦めることなく、健康状態やご希望に応じたシニア向け住宅をご紹介しています。売却後の住み替えをスムーズに進めたい方は、ぜひご相談ください。

●「三井のリハウス シニアデザイン」へのお問い合わせはこちら

家賃がかかる

持ち家を処分して住宅ローンや固定資産税などを整理できても、賃貸住宅に入居すれば毎月家賃や管理費がかかるため、退職後の老後生活に負担となる場合があります。そのため、将来にわたって家賃を支払い続けることができるか、資金計画を慎重に立てることが重要です。

不動産にかかるお金

予想より売却価格が低いケースもある

家は経年に伴って価値が下がるのが一般的です。そのため、長年住んだ家の売却価格は予想より低い場合があります。特に住宅ローンの残債がある場合は、まず査定を受けて売却価格で完済できるかどうかを確認する必要があります。

老後に家を売却するかどうかは、ここまでご紹介したメリットとデメリットを踏まえて総合的に判断するようにしましょう。

老後に家を売却する際のポイント

実際に、老後に家を売るとなったときには、今後どのような暮らしをしたいのかを考えたうえで、売却のタイミングや転居先を検討することが大切です。具体的に意識しておくべきポイントは、以下の3つです。

・これからの暮らし方を考える
・元気なうちに行動する
・転居先は慎重に検討する

それぞれ詳しく解説していきます。

これからの暮らし方を考える

老後に家を売却する際は、まず今後どのような暮らしをしたいのかを考えることが大切です。どこに住み替えるのか、今後の生活にどの程度の資金が必要なのか、将来介護が必要になった場合にどのような住まいで暮らしたいのかなど、ご自身やご家族の希望を整理してみましょう。

そのうえで、住み替えに必要な費用や売却後の資金計画を踏まえ、いつ、どのような方法で自宅を売却するのかを検討すると、ご自身に合った売却計画を立てやすくなります。

元気なうちに行動する

認知症や病気の後遺症などにより判断能力が低下すると、所有している家を自分で売却できなくなる場合がある点には、注意が必要です。その場合、家庭裁判所が選任した子どもなどの親族や、弁護士・司法書士などの専門職が成年後見人となり、本人に代わって手続きを行うことがあります。

また、成年後見制度の利用には、手続きに時間や費用がかかる場合があるほか、成年後見人が本人の居住用不動産を売却する際には、家庭裁判所の許可が必要です。場合によっては、本人の生活や療養、財産状況などを踏まえて売却の必要性が認められず、家庭裁判所の許可が得られないこともあります。こうしたことを踏まえ、売却を検討している場合は、元気なうちから早めに準備を進めておくとよいでしょう。

●成年後見人についてはこちら

転居先は慎重に検討する

家を売却した後の転居先は、老後の暮らしを考慮して慎重に検討しましょう。スーパーや病院といった生活に必要な施設は近くにあるか、もしものときにすぐ駆け付けてもらえる距離に子どもや知人は住んでいるかなどを事前に確認しておくことが大切です。加えて、将来、身体状況が変化した場合にも、安心して暮らし続けられる住まいかどうかも検討しておきましょう。また、賃貸住宅には審査があるほか、老人ホームなどの高齢者向け施設は、空き状況によっては希望するタイミングで入居できない場合もあります。

このように転居先の確保には時間がかかる場合があるため、自宅の売却についても計画的に進める必要があります。自宅も希望する時期に売却できるとは限りません。特に、入居時にまとまった費用が必要な高齢者向け施設では、自宅の売却代金を入居費用に充てるケースもあるため、売却と入居のタイミングを計画的に進めることが大切です。

三井のリハウス シニアデザインでは、シニア向け住宅についてのご相談を承っているほか、物件のご紹介も行っています。転居先についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。また、ご希望のエリア・費用・入居条件からぴったりの物件を探せるサービス「シニア向け住宅検索」もご提供中です。

●「シニア向け住宅検索」についてはこちら

転居先の市街地

老後に持ち家を売却する際の準備

老後に持ち家を売却する際は、査定価格や売却にかかる費用を把握しておくなどの準備が必要です。それぞれ、具体的に見ていきましょう。

査定を受ける

売却を本格的に検討するには、査定を受ける必要があります。査定とは、自宅がいくらほどで売れるかを不動産会社が調べて推定価格を提示することです。査定価格を提示してもらうと、住宅ローンの残債を返済できるか、どのくらいの期間と金額で売れそうかという見通しを立てられます。

精度が高いのは訪問査定ですが、まだ売却を迷っているという方には、基本情報を入力するだけで結果が分かる簡易査定(机上査定)、AI査定がおすすめです。三井のリハウスでも、豊富な取引実績にもとづく訪問査定や簡易査定、その場ですぐ結果が分かるAI査定をご案内しています。いずれも無料でご利用いただけるので、お気軽にお申し込みください。

●無料査定はこちら

●AI査定はこちら

費用を把握する

家の売却には、仲介手数料、印紙税、引越し費用などさまざまな費用がかかります。また、家を売却して得た利益は「譲渡所得(売却益)」として課税の対象です。売却を検討する際は、こうした売却にかかる費用もあらかじめシミュレーションしたうえで判断することが大切です。

●売却費用についてはこちら

住み替え以外の選択肢は?

住み替え以外にも、老後に合った家で生活したり、資金を得たりする方法はあります。たとえば、バリアフリーにリフォームすれば今の持ち家のまま、老後の身体状況に合わせた生活へシフトできるでしょう。一方で、自宅を保有したまま資金を得る「リバースモーゲージ」や、自宅を売却した後も賃貸住宅として住み続ける「リースバック」といった方法もあります。しかし、注意点もあるのでそれぞれ詳しく解説していきます。

リフォーム

リフォームは、老後に住み替えをせず生活を快適にする方法の1つです。たとえば、お風呂やトイレなどの水回りに手すりを設置する、段差をなくすなどのバリアフリー工事を行うと、住み替えずに安全かつ安心な暮らしができるようになるでしょう。

また、耐震性や断熱性に優れた「性能向上リフォーム」をすると、安全性だけでなく省エネの面でもメリットが大きいでしょう。

リフォームする様子

リースバック

老後に住み替える以外の選択肢には、リースバックも挙げられます。リースバックとは、自宅を不動産会社に売却し、その後は不動産会社と賃貸借契約を結ぶことです。家を売却してまとまった資金を得られるうえ、売却後も同じ家に賃貸住宅として住み続けられるというのがメリットです。そのため、「今の暮らしを変えたくない」という方に向いている方法といえます。ただし、リースバックは住宅ローンの完済が必要なうえに、賃貸であるため家賃がかかる点をあらかじめ理解しておきましょう。また、通常の売却と比べて売却価格が低くなる場合があるほか、賃貸借契約の形態次第で長く住み続けられない場合もあるため注意が必要です。

なお、リースバックでは自宅を売却した代金を受取り、その代金は譲渡所得として課税されます。さらに売却時は印紙税や登録免許税なども発生します。ただし、所有権が移転するため固定資産税は不要になります。

●リースバックについてはこちら

リバースモーゲージ

リバースモーゲージとは、自宅を担保にして融資を受けるローン制度です。自宅を保有したまま、借入金を一括または定期的に受け取れます。返済方法には、毎月利息のみを返済するタイプと、毎月の支払いがなく、利息を借入残高に組み入れて一括返済するタイプがあります。

ただし、利用には年齢制限があるほか、物件の価値によって融資限度額が決まるので、希望より融資額が少なくなってしまう場合もあります。また、リースバックは資金の用途に制限がありませんが、リバースモーゲージの場合は事業や投資には使えないとされている点も確認しておきましょう。

●リバースモーゲージについてはこちら

ローンを確認する人

よくある質問

ここでは、老後に家を売却することに関するよくある質問をご紹介します。

65歳をすぎても自宅を売却できますか?

自宅の売却に年齢制限はありません。ただし、自宅を所有する本人が認知症や後遺症などで判断能力が衰えると、自分で売却できなくなる可能性があります。その場合は、成年後見人が代理で売却を行います。なお、本人の居住用不動産を成年後見人が売却する場合は家庭裁判所の許可が必要であり、必ず売却できるとは限りません。

高齢者が自宅を売却するときにかかる税金は?

自宅を売却したときの譲渡所得には、所得税と住民税などがかかります。譲渡所得とは、収入金額(売却価格)から取得費と譲渡費用を差し引いたものです。これらの税金は一般的に「譲渡所得税」と呼ばれることがあります。

譲渡所得にかかる税負担を軽減できる特例もあります。たとえば、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」は、適用要件を満たす場合、譲渡所得から最大3,000万円を控除できます。ほかにも、相続した空き家を売却する際に利用できる控除制度もあります。

●不動産売却にかかる税金についてはこちら

●居住用財産の3,000万円控除についてはこちら

不動産売却の不安はプロへ相談

老後に家を売却する場合は、自分たちだけで決めるのではなく、周囲へ相談することも大切です。たとえば子どもがいる場合、子どもにとっては生まれ育った家がなくなることになるほか、転居先によっては親の様子を見るのが難しくなる場合もあるため、まずは子どもに相談するとよいでしょう。親子間でのトラブルを避けるため、同意を得るようにしましょう。

また、住み替えや相続のことを判断するには専門知識も必要となるため、分からないことや不安なことはプロに相談しましょう。

「三井のリハウス シニアデザイン」では、老後の暮らしに関するご相談を受付中です。お金、住まい、介護、相続など、幅広いご相談に不動産のプロとして解決策を提示できます。どのようなことでも、まずはこちらよりお気軽にご相談ください。

●「三井のリハウス シニアデザイン」へのお問い合わせはこちら

※1出典:国民生活基礎調査の概況、厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa25/dl/03.pdf
(最終確認:2026年8月31日)

三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。

売却をご検討の方へ