Home / 2021 01,07

相続手続きをプロに相談したい!用意しておくべきものは何?

相続手続きを自分で行おうとすると、かなりの労力と時間を使うもの。プロに相談したいと考えても、何を準備して行けばよいか分からない方も多いのではないでしょうか?今回は、相続の相談に行く際に準備しておいたほうがよいものを紹介します。

伊藤諭

弁護士法人ASK市役所通り法律事務所代表。弁護士。
地元に根ざした幅広い業務を行い、企業法務や交通事故、相続などを注力分野としている。
多数の講演実績のほか、ネットニュースの監修やメディア出演も行う。
https://www.s-dori-law.com/

相続の手続きはプロに任せたい…

親が亡くなった場合、相続の問題が浮上してきます。「相続に関する諸手続きはいったいどうしたらよいのだろう?」「誰がどのくらい資産を引き継ぐのだろう?」「相続税はどのくらいかかるのだろう?」など、相続にはこうしたさまざまな疑問が出てくるものですね。

知識がない、時間がないなどの理由から、相続手続きに不安を覚える人もいると思いますが、大変な相続手続きをプロに依頼できることをご存じでしたか?

相続に関する専門家は、一般的に「司法書士」「行政書士」「税理士」「弁護士」などが挙げられます。こうした相続の専門家の多くは、初回無料相談を行っているところが多くあります。何から手を付ければよいのか分からない、自分でやり遂げる自信がないという方は、一度相談してみるとよいかもしれません。

最初の相談時は、書類を用意しなくても相談できる所がほとんどです。しかし、できる範囲で情報を集め、整理し、書類を持参すると話がスムーズに進みますよ。

では、実際に専門家を訪ねるとき、何を用意すればよいのでしょうか?

●各専門家の違いについての記事はこちら

遺産分割協議書を見る税理士の手元

相続の相談をする前にやっておくべきことは?

相続の専門家は、初回無料相談の際に、時間制限を設けていることが多くあります。そのため、できるだけ情報を集め、整理し、必要な書類をあらかじめ用意してから訪問するとよいでしょう。具体的にどのような情報を整理しておくべきかお伝えします。

家族構成をまとめておく

相続人が誰かを明確にするために、家族構成をまとめておきます。家族構成は、誰がどのくらいの財産を引き継ぐかを決めるための大切な情報です。

被相続人(亡くなった方)の配偶者、子ども、孫、親、兄弟姉妹、その子どもなど、全ての相続人の名前と住所を書き出して、分かりやすくしておくとよいでしょう。特に、被相続人に離婚や死別した前の配偶者がいて、その間に子どもや孫がいるケースもありますので、注意してください。

全ての財産をできるだけ洗い出しておく

遺産分割や相続税の概算を知るためには、被相続人の財産がどのくらいあるかを洗い出しておくことが必要です。財産には、現金、預貯金、土地、建物、株式、有価証券、社債、自動車、ゴルフ会員権、貴金属や絵画などが挙げられます。借金も相続の対象ですから忘れずに記載してください。

生命保険、退職手当などは遺産ではありませんが、相続税の対象になりますので、これらも把握しておいて下さい。

葬儀の費用は、相続税債務控除の対象になるので、これらの金額も把握しておきましょう。葬儀にかかった全費用の領収書を保管しておくことをおすすめします。

財産の調べ方が分からない場合は、被相続人の預金通帳と郵便物を確認するとよいでしょう。預金通帳を見れば、預金額やお金の流れを確認することができます。また、郵便物を調べれば、財産を管理している金融機関はどこか、借り入れがあるかどうかなどのヒントになります。
最近は、ネット銀行やネット証券など書類がないものもあります。こうした金融機関のキャッシュカードなどがないかどうかも確認してください。

郵便物として、保険会社の契約内容の確認や株式の配当についての通知が来ていることもあるでしょう。また、固定資産税の通知書があれば、不動産の管轄市区町村を把握することができます。その後、金融機関や管轄市区町村に詳しく問い合わせるとよいでしょう。

亡くなるまでの時系列を整理しておく

もし、亡くなった方が生前病気を患っていたり、意思疎通が取れなかったりしていたら、そうなった時期を記録しておくことも必要です。この情報は、生前贈与や遺言能力についての判断材料になります。

相続の相談をする際に用意しておきたい書類は?

財産の洗い出しが終わったら、必要な書類の準備に取り掛かりましょう。書類がそろっていれば、迅速に相談が進むうえに、早めに相続税を算出するのに役立ちます。

注意する点は、全ての資産を書類として提出することです。大きな資産が抜け落ちていた場合、相続税額が大幅に変わってきます。相続税額を正しく算出するために、全資産に関する書類を事前にそろえておく必要があります。

相談の際にそろえておくとよい書類と書類の入手先は、以下の通りです。

必要書類 入手先 備考
亡くなった方の戸籍謄本と住民票の除票 市区町村の窓口 死亡の記載がある戸籍謄本は本籍地の役所に請求また、除票は死亡時の住所地の役所に請求
預金通帳の残高証明書 銀行 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本、また申請する本人が相続人であることが分かる戸籍謄本・実印・印鑑証明書が必要
株式・投資信託の有価証券 証券会社・信託銀行 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本と除票の写し、また申請する本人が相続人であることが分かる戸籍謄本が必要
固定資産評価額が分かる証明/建物の課税証明書 市役所・区役所 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本と除票の写し、また申請する本人が相続人であることが分かる戸籍謄本が必要
固定資産評価額が分かる証明書/土地の登記簿謄本 法務局 公図・測量図も合わせて用意すること
不動産は一般公開されているため、身分証明書・印鑑は不要
生命保険証・損害保険証 保険会社 受取人が誰かを調べておくとよい
借入金の残高証明書 金融機関 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本と除票の写し、また申請する本人が相続人であることが分かる戸籍謄本が必要
葬儀費用 葬儀関係者 領収書が必要
年金手帳 市区町村役場・年金事務所 被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本と除票など
遺言書 自宅等、法務局、公証役場 自筆遺言書の場合は写しを持参する
自筆証書遺言は家庭裁判所で検認手続きが必要なため、封印されている場合は決して開封しないこと
公証役場や法務局に遺言が保管されている場合があるので、事前に確認しておくこと(全国どこの公証役場、法務局でも可能。被相続人の死亡が確認できる戸籍謄本と除票の写し、また申請する本人が相続人であることが分かる戸籍謄本が必要)

なお、被相続人に上記以外の資産がある場合は、さらに用意する書類が多くなります。被相続人のケースによって必要書類は異なりますから、専門家に事前に尋ねておくとよいでしょう。

また、相続の手続きを行うため、上記の書類を集める際、相続する人の戸籍謄本、住民票、印鑑証明書などが必要になります。入手先によって提出書類が違うため、事前に問い合わせることをおすすめします。

事前準備をしっかりして相続手続きをスムーズに進めよう!

相続の手続きは専門知識がないと時間がかかってしまうかもしれません。誰が財産を引き継ぐのか、また財産の分与額はどのくらいか、さらに相続税についても専門知識がないと難しいものです。自分だけで手続きを進めることに不安がある場合は、専門知識を持ったプロに相談するのがよいでしょう。

無料で相談する際は、この記事で紹介した書類を準備しておけばスムーズに話ができます。全てがそろわなくても相談はできますので、安心してくださいね。

また、一度相談したら、その人に依頼しなければならないということはありません。見積もりが事前に提示されるので、他社と比較しながら検討することもできます。複数名の専門家に相談して、信頼できる人を探してみるのもよいでしょう。

相続税の申告手続きには期限が定められています。専門家に相談して、負担を軽減しながら、正確でスムーズな手続きを行いましょう。

三井のリハウス 
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