Home / 2021 05,20

高齢者の介護施設にはどんな種類がある?それぞれの特徴をご紹介

介護施設は、介護度や受けられるサービスなどによってたくさんの種類に分けられます。この記事では、選ぶのに迷ってしまう介護施設の種類について、「民営施設」と「公営施設」に分けて、特徴を紹介していきます。

たくさんある介護施設、何が違う?

介護施設への入居を検討しようとしても、いろいろ種類があって分かりづらい…と戸惑ってはいませんか?介護施設には、「サ高住」といわれるサービス付き高齢者向け住宅や、「特養」と呼ばれる特別養護老人ホームなどいろいろありますね。

たくさんある介護施設は、大きく2つに系統立てて考えると理解しやすいですよ。

「民営施設」と「公営施設」がある

介護施設は、企業が主体となって運営する民営の施設と、地方自治体や社会福祉法人などが運営する公営の施設に分類できます。

民営施設では、運営母体の事業の特徴が色濃く反映される傾向があります。たとえば建築業を主業としている場合は、施設の使いやすさや住みやすさを重要視しているところが多いでしょう。外食産業を主業とする運営母体の施設では、日々の食事が美味しく、メニューのバリエーションが豊かな傾向にあります。

一方、公営施設は料金が安く、医療や介護・リハビリの面で専門性の高いケアも可能な場合が多いです。民営施設に比べて人気があり、なかなか空きがない、といった状況になりやすいといえます。

老人ホーム

健康状態に応じて施設の種類が分かれる

介護施設は入居者の心身の状態で分かれます。自立して生活できたり、介護度が低い人の場合は主に「自立型」、介護度が高い人の場合は主に「介護型」の施設に入居します。

●介護施設の種類に関する記事はこちら
●要介護度に関する記事はこちら

今回は施設の種類ごとにどんなメリットや注意点があるのかをご紹介します。

元気なシニア向けの「自立型」施設

「まだまだ元気だけれど、今後は身体が思うようにいかないこともあるだろうから」というアクティブなシニアが入居するのに適しているのは自立型の施設です。自分の時間を楽しみながらも、必要に応じて生活や介護のサポートが得られますよ。

施設を選ぶ際は、希望の暮らし方が叶うかどうか、日常生活上の不安を解消できるかなどを基準に選びましょう。

費用を安く抑えたいなら公営の「<自立型>ケアハウス(軽費老人ホーム)」

費用を安く抑えたいなら、公営施設であるケアハウスの一般(自立)型に入居するのがよいでしょう。入居者の収入や課税金額などによって自治体からの助成が受けられます。食事や洗濯など生活支援のサービスが受けられる施設です。一方で、施設数が限られているために入居を待たなければいけないことがあります。

サービスが豊富な民営施設

費用を安く抑えられる公営施設はなかなか空きが出ない傾向にあります。その点、民営の介護施設は比較的入居しやすいうえに、サービスが豊富ですよ。民営施設には以下のようなものが挙げられます。

アクティブに生活するなら「健康型有料老人ホーム」

アクティブに生活を楽しむなら、健康型有料老人ホームがおすすめです。ジムやプールなどの施設があり、レクリエーションも充実しているので、利用者同士の交流も図れます。ただし、全国的に施設数が少なく、介護が必要になると退去することになります。

シニアのレクリエーション

シニアの住みやすさを考えた「高齢者向け優良賃貸住宅」

高齢者向け優良賃貸住宅は、都道府県の計画のもとで設置された高齢者限定の賃貸住宅です。企業や都市再生機構、社会福祉法人などが運営しています。バリアフリー化され、緊急通報システムなど安全に暮らせる環境が整った住宅です。提供されるサービスは住宅ごとに異なります。

こちらは礼金や仲介手数料が不要なために初期費用が抑えられたり、所得に応じて家賃負担が軽減されたり、と金銭的負担が少ないのが特徴です。

資産形成もできる「シニア向け分譲マンション」

シニア向け分譲マンションは、バリアフリー仕様で、充実した生活支援サービスも受けられる物件です。受けられるサービスは、コンシェルジュの常駐や家事サポートなど物件によって多岐にわたりますよ。

分譲マンションのため、購入すれば子どもに相続する財産を形成することができます。一方、購入費用が高く、さらに管理費・修繕積立金が毎月必要になります。

シニアと家の模型

自由度が高い「<自立型>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」

いわゆる「サ高住」と呼ばれる、サービス付き高齢者向け住宅の一般(自立)型は、元気なシニアが入居でき、介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを利用して生活することができます。自宅にいるような自由な生活を楽しめるのが魅力です。バリアフリー化され、見守りセンサーや緊急通報装置が設置されていますよ。

しかし、施設によってサービスの内容や質に差があり、終の住処としての体制は不十分な場合もあります。また、一般的な賃貸住宅に比べて家賃が高いという面もあります。

ここまで挙げた施設は全て、介護度が上がると住み続けるのが困難になったり、退去しなければならなかったりすることがあります。自立型の施設を選ぶ際は、介護度が上がった場合はどうするのか、考えておくとよいですよ。

介護を見据えるなら「<自立型>介護付/住宅型有料老人ホーム」

シニア世代が元気なうちから入居でき、要介護度状態になっても住み続けられる場合が多いのは「自立型の介護付/住宅型有料老人ホーム」です。
元気なときはレクリエーションや暮らしを楽しみ、介護が必要になった場合は、内部のスタッフや外部の介護サービスを利用して生活を続けられます。レクリエーションや設備が充実している所が多いのが特徴です。
しかしその分、入居金や月額費用が高額になることもあります。また、医療依存度が高くなると、退去しなければならない可能性もあります。

介護が必要なシニア向けの「介護型」施設

介護や医療が必要になった場合、介護度や医療依存度、認知症の有無によって適切な施設が違いますよ。心身の状態に応じておすすめの施設をご紹介します。

介護度が低いなら公営の「<介護型>ケアハウス(軽費老人ホーム)」

介護度が低く、費用を安く抑えたいなら、介護型ケアハウスがおすすめです。介護型ケアハウスは、特定施設入居者生活介護の指定を受けた軽費老人ホームです。収入や課税金額によって助成が受けられますよ。

食事や洗濯などの生活支援ばかりではなく、介護度が高くなっても24時間常駐する介護スタッフからケアしてもらえます。そのうえ、プライバシーも確保できますよ。レクリエーションが豊富なため、友人も作りやすいでしょう。しかし、施設数が限られていて入居待ちが長い傾向があります。

在宅復帰が目的なら公営の「介護老人保健施設(老健)」

最終的には自宅に戻って生活をしたいなら、「老健」と呼ばれる介護老人保健施設がよいでしょう。在宅復帰を目的とした施設で、専門スタッフによるリハビリを受けられるのが特徴です。介護や看護サービスに加えて、医療ケアも受けられますよ。

ただし、在宅復帰が目的のために、入所期間が限定されます。生活支援サービスやレクリエーションのイベントはほかの施設よりは多くありません。

介護士とシニア

常に介護が必要で、在宅での生活が困難なら公営の「特別養護老人ホーム(特養)」

「特養」と呼ばれる特別養護老人ホームは、原則要介護3以上の人が対象の施設で、認知症のケアにも適しています。入居一時金が必要なく、費用が安いのが特徴ですよ。
生活支援、介護サービスが受けられ、看取りもしてもらえます。しかし、必要な医療ケアの内容によっては入居ができないこともあります。また、全国的に待機者が多く、すぐに入居できない場合があります。

家庭的な共同生活で認知症ケアをするなら民営の「グループホーム」

「グループホーム」は高齢者5~9名程度の少人数で共同生活を送る施設です。認知症の診断を受けた要支援2以上の人が入居できます。少人数なので介護スタッフの目が届きやすく、臨機応変に対応してもらえるのが特徴です。

ただし共同生活なので、雰囲気に適応できない場合があるかもしれません。またグループホームに入居するには、その施設がある市区町村に住民票が登録されている必要があります。

老人ホーム、シニアたち

手厚い医療と介護を受けるなら公営の「介護医療院」

介護施設は介護が主になるため、行える医療ケアは限定されます。医療ケアが必要な場合は、医療ケアに重きを置く施設を選びましょう。現在、専門的な医療ケアが十分に受けられる施設には、「介護医療院」と「介護療養型医療施設」があります。

ただし、介護療養型医療施設は2023年度で廃止が決定しています。その転換先として、2018年4月に介護医療院が新たに創設されました。介護医療院の運営母体は、医療法人となります。介護度が高く、医療ケアを必要としている人向けの施設で、長期療養が可能です。

介護医療院では、常駐の医師や看護師から医療ケアが受けられます。多くある多床室にはパーテーションを設置し、プライバシーも確保しますよ。看取りやターミナルケアにも対応していますが、終身利用の約束はされていません。

入居一時金の必要がなく、費用負担が比較的低額な介護医療院は、施設数が限られており、なかなか入居できない傾向にあります。医療ケアに重きを置いているため、レクリエーションやイベントは充実していません。

病室とベッド

設備・サービスを重視したいなら

「介護や医療ケアを受けることもあるけれど、まずは日々の生活を充実させたい」と希望するなら、設備やサービスを重視した施設を選ぶと満足する結果が得られるかもしれません。ただし、介護度や医療依存度が高くなると、入居し続けられない場合もあります。設備やサービスを重視した施設には以下のようなものがあります。

希望する介護を自分で選びたいのなら民営の「<介護型>住宅型有料老人ホーム」

介護度が軽度から重度まで対応するのが、住宅型有料老人ホームです。介護・看護スタッフが常駐していたり、外部の介護サービスを利用したり、介護事業所を併設していたり、と介護度が進んでも住み続けられるようになっています。

介護度が低いときは、充実した設備やレクリエーションを楽しめ、介護度が高くなれば、外部の介護サービスを利用して対応します。ただ、介護サービスを外部に委託することもあるため、費用は高額になる傾向です。

生活の自由度が高い民営の「<介護型>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」

サービス付き高齢者向け住宅の介護型は、特定施設入居者生活介護の指定を受けた住宅です。介護スタッフが24時間、看護師も日中常駐しているため、介護や医療ケアを受けながら、家で暮らすように生活できます。原則終身で利用でき、看取りに対応している施設もあります。

サービスも条件も幅が広い民営の「<介護型>介護付有料老人ホーム」

「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた介護付有料老人ホームは、サービスの内容や質、施設の設備など、幅が広いです。寝たきりや認知症の人も入居が可能ですよ。介護スタッフが24時間、看護師が日中常駐し、食事の介助や入浴などの介護サービスが受けられます。入居一時金が必要な所が多く、特別養護老人ホームに比べると、料金が高い傾向がみられます。

介護施設のバスタブ

施設との相性を見ながら入居を考えよう

たくさんある介護施設の特徴をお伝えしました。介護施設を検討しようとしても、介護施設にはいろいろな種類があり、「やっぱり分かりづらいな」と思ってはいないでしょうか?入居先を選ぶには、施設の特徴を理解したうえで、入居者との相性を見る必要がありますよ。

費用と介護度、立地で対象となる施設をある程度は絞り込めます。そのうえで、その施設で提供されるサービスや特徴を理解し、複数の施設を比較検討し、実際に見学や体験入居をしてから決めるのがおすすめです。

経済的な面、健康的な面、精神的な面と、それぞれ3つの側面を考慮しながら、親や自分に合った介護施設を選んでくださいね。

老人ホーム、孫とシニア女性

三井のリハウス 
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監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。