Home / 2021 06,11

老人ホームの入居にかかる費用は?種類別の相場や利用できる減免制度を知ろう

老人ホームに入るためには、費用が必要です。費用には「入居一時金」と「月額利用料」の2種類があります。また、入居の際に費用負担が減らせる制度もいくつかあります。老人ホームの費用に関する知識を得て、無理のない資金計画を立てましょう。

老人ホームの費用の不安を解消するには?

老人ホームへの入居を具体的に考えたとき、気になるのが「費用をまかなえるかどうか」という経済面の問題です。

自分が入居する世代の場合は「貯金が少ないけれど、年金だけで入居できるホームはあるか?」、子世代の場合は「親のお金だけで費用を支払い続けることができるか?」といったそれぞれの不安があるでしょう。

ホームにかかる費用は、ホームの種類によって幅があります。また、支払いが困難な場合は、減免を受けることも可能です。ホームそれぞれの費用相場や、減免の種類について知ることで、無理のない資金計画を立てることができます。今回は、老人ホームの入居に必要な費用の目安と、利用できる減免制度についてご紹介します。

施設の模型と電卓

老人ホームにかかる費用は?

老人ホームにかかる費用のうち、主なものは「入居一時金」「月額利用料」という2つの費用です。それぞれどのような費用なのか、またホームの種類別の相場について見ていきましょう。

入居一時金

入居一時金とは、入居時に一定期間分の賃料その他の費用を前払いするものです。

ただし、全てのホームでかかるものではなく、なかには入居一時金を「0円(無料)」としているホームもあります。まとまったお金がない場合、このようなホームを選べば入居時の初期費用を抑えることができます。一方、入居一時金を支払っておけば、その後かかる月額利用料を安くすることができます。

この入居一時金は、あらかじめ施設ごとに決められた期間で償却されます。一般的に5年〜15年程度の償却期間があり、償却期間が終わる前にホームを退去した場合は、未償却分の入居一時金を返還してもらえます。

ホームによっては、入居一時金の一部または全部を「初期償却」として、入居と同時に償却する場合もあります。この初期償却分のお金は返ってこないので、終身入居できない場合、入居期間が短いと想定される場合には注意が必要です。

ほか、契約後90日以内に解約した場合には「クーリングオフ制度」によって、入居中の家賃や食費を差し引いた入居一時金をすべて返還してもらうこともできます。万が一、入居してすぐ退去することになった場合には、この制度を忘れないようにしましょう。

月額利用料

月額利用料とは、入居後に毎月支払う利用料のことです。月額利用料の内訳は、家賃、食費、管理費、水道光熱費、介護サービス費などが挙げられます。

上で述べた通り、初期費用の負担が少ないのは入居一時金0円のホームですが、前払いできる余裕があれば支払っておくと、月額利用料の負担を軽くすることができます。

入居後はこの月額利用料のほかに、日用品費やおむつ代、医療費といった個人で支払う費用が発生することにも注意しておきましょう。

ホームの種類別に相場を比較

入居一時金、月額利用料の相場は、ホームの種類によって下のような差があります。

施設の種類 入居一時金 月額利用料 入居条件
自立 要支援 要介護 認知症
民間施設 介護型有料老人ホーム 〜数千万円 15万〜40万円
自立型有料老人ホーム 〜数億円 8万〜30万円
サービス付き高齢者向け住宅 〜数十万円 10万〜50万円
グループホーム 〜数百万円 12万〜18万円
公的施設 特別養護老人ホーム 不要 6万〜15万円
介護老人保健施設 不要 8万〜17万円
介護医療院 不要 7万〜13万円
ケアハウス(一般型) 〜数千万円 6万〜30万円 ×

※入居一時金、月額利用料はあくまで目安の金額であり、金額を保証するものではありません。

民間施設より公的施設のほうが、各費用は安くなることが分かります。ただし、ホームによって入居条件は異なるため、まず条件に当てはまる種類のホームを調べ、そのなかで比較するようにしましょう。ホームの種類とそれぞれの特徴については、下記の記事で詳しくご紹介しています。

●各介護施設の概要説明に関する記事はこちら
高齢者の介護施設はどんな種類がある?それぞれの特徴をご紹介

費用負担を減らせる制度がある!

介護が必要になった場合、介護保険制度を利用すれば、介護度に応じて費用の給付を受けることができます。さらに、条件に当てはまれば、老人ホームの費用負担を軽減できる制度を利用することも可能です。

「所得が少ない」「老人ホームの入居費用に充てられる資産がない」といった事情がある場合は、次の制度を利用できるかどうか調べてみましょう。

高額介護サービス費支給制度

高額介護サービス費支給制度とは、介護保険サービスを利用した費用について、月々の利用者負担の上限額を超えた分が「高額介護サービス費」として払い戻される制度のことです。

介護保険サービスの上限額は、世帯全員が住民税を課されていない非課税世帯、現役並み所得者に相当する方がいる世帯など、収入額に応じて複数の段階が決まっています。

特定入所者介護サービス費(介護保険負担限度額認定)

特定入所者介護サービス費とは、所得の低い方が介護保険施設(特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院)に入所した場合、食費と居住費の自己負担が軽減される制度のことです。負担限度額(利用者が負担する金額)は、所得、介護保険施設の種類、部屋のタイプによって異なります。

もし対象にならなかった場合でも、2人以上の世帯のうち1人が施設に入所しており、入所後の食費と居住費の負担が困難と認められた場合には、特別減額措置を受けることができます。

社会福祉法人等利用者負担軽減制度

社会福祉法人等利用者負担軽減制度とは、所得が低く、経済的に困っていると認められた場合、介護費用の自己負担額を4分の3(老齢福祉年金受給者は2分の1)に減らしてもらうことができる制度です。

ただし、費用を軽減してもらうには、その介護サービス事業所が、制度の活用を申告している社会福祉法人でなければなりません。確認するには、自治体の福祉課に問い合わせてみましょう。

これらの制度を利用するには、いずれも自治体への申請が必要です。また、自治体によっては、上記のほかにも独自のサポートを行っている場合があります。ホームページで調べるほか、分からない場合は窓口に問い合わせてみましょう。

シニア夫婦と相談員

余裕を持たせた資金計画を立てよう

老人ホームへ安心して入居するには、余裕ある資金計画を立てることが大切です。資金計画は「現在の収入」「持っている資産」の2つに基づいて考えてみましょう。

現在の収入とは、年金、家賃収入、配当金など。持っている資産とは、預貯金、生命保険、不動産などです。

このうち、資産から入居一時金を支払い、収入から月額利用料を支払うのが理想ですが、収入が足りない場合は毎月資産を取り崩して支払っていくことになります。途中で費用を支払えなくなってしまうことのないよう、入居期間は長めに見積もって資金計画を立てましょう。

親の入居を検討している子世代は、実際に介護が始まる前に親と将来の相談をしておくことも大切です。支払える費用の範囲でどういう暮らしを希望するのかという介護方針、印鑑や通帳の保管場所について確認しておきましょう。

また、親世代が暮らしている家を売却してホームの資金に充てようと検討している方は、家の所有者が認知症になった場合、売却できなくなるので注意が必要です。このような認知症のリスクに備えるには「家族信託」という方法があります。下記の記事を参考に、将来への準備を考えてみてくださいね。

●家族信託に関する記事はこちら
相続でもめないために!今のうちにできる対策2つ

シニア女性と介護士

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三井不動産株式会社 ケアデザイン室

監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。