Home / 2021 09,15

高齢者の住まいはどこがよい?種類と特徴を紹介!

高齢者の住まい選びは、安全で快適な生活を送るうえで重要です。健康状態や自身が望む生活形態の観点から、高齢者の住まいにはどんな選択肢があるのか、詳しくご紹介します。

高齢者の住まい、どう選ぶ?

高齢化の加速が問題になっている日本では、高齢の単身者世帯や夫婦のみの世帯が増加しているという、国土交通省の統計データがあります。

しかし、高齢者のみの生活には「家事や買い物の負担が大きい」「一人暮らしで夜間に具合が悪くなったときが心配」など、不安を感じる人も多いのではないでしょうか?地域包括ケアシステムによって、高齢者が安心して生活できる社会の構築が進んでいますが、何かと不安があるのが現状です。

老後を快適に、かつ安心して過ごすためには、自分の希望と健康状態に合った住まいを探し選ぶことが大切です。「こんな環境でこんな風に暮らしたい」という希望条件や生活の中でサポートして欲しいこと、介護や医療ケアがどの程度必要なのかによって、選ぶ住まいは変わってきます。

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今回は、高齢者の住まいを「元気な高齢者向け」「介護が必要な高齢者向け」に分け、それぞれの施設の特徴をご紹介しましょう。

シニア女性

元気な高齢者向けの住まい

現時点では介護を必要としていない、元気な高齢者を対象とした住まいには「シニア向け分譲マンション」「サービス付き高齢者向け住宅」「シニア向け賃貸住宅」「有料老人ホーム」の4つが挙げられます。

4つのうちどれが自分に合っているのかを選ぶ際には、「自分はどんな暮らし方がしたいのか」というライフスタイルを基準にして、それぞれを比較してみましょう。

シニア向け分譲マンション

シニア向け分譲マンションとは、段差がない・手すりが付いているなどバリアフリー構造の建物に、生活をサポートするサービス等が付いた分譲マンションです。

食事の提供や家事代行サービスを受けられるほか、図書館や美容室、フィットネスジムなど、暮らしが豊かになる設備も充実した物件が多くそろっています。

これまでのライフスタイルを大きく変えることなく、自由な暮らしをしたい人にはおすすめの住まいです。また、分譲マンションなので、購入後は自分の資産となります。

注意点は、高齢者に配慮された設備やサービスが付いている分、一般のマンションより高価になりやすいことです。また、常時の介護や医療ケアが必要になった場合は、そのようなサービス提供を受けられる施設へ住み替える必要が出てくるかもしれません。

介護施設の食堂

サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、バリアフリー化された建物で、見守りサービス・生活相談サービスを受けられる賃貸住宅です。個室の広さや廊下の幅などは認定基準が設けられているため、高齢者が暮らしやすい空間となっています。

高齢者が安心なサービスを受けつつ、自宅と同じ感覚で暮らしたい人にはおすすめの住まいです。

また、サービス付き高齢者向け住宅の入居時に支払う敷金は家賃の2〜3か月分程度が相場です。入居一時金が数千万円に及ぶ場合がある有料老人ホームに比べると、初期費用が抑えられるメリットもあります。

一方、一般的な賃貸住宅より家賃が高くなりやすく、また、常時の介護や医療ケアが必要になった場合は、そのようなサービス提供を受けられる施設へ住み替える必要が出てくる可能性があります。

●サービス付き高齢者向け住宅に関する記事はこちら

シニア向け賃貸住宅

シニア向け賃貸住宅は、建物がバリアフリー化されている賃貸住宅です。サービス付き高齢者向け住宅に似ていますが、建物の規定やサービス提供の義務はないため、高齢者の住まいとしてどの程度最適な環境かは、各事業者により異なります。

サービスはついていない場合が多いので、生活や介護に関するサービスが必要な場合は、運営会社が用意しているサービスから選ぶか、自分で外部の事業者と契約することが必要です。

自宅のように自由な暮らしができるうえ、持ち家と違って維持管理のコストや手間がかかりにくいことがメリットですが、事業者によって設備やサービス内容が大きく異なること、介護度が上がった場合は住み替えの必要性が出てくることが注意点として挙げられます。

一人暮らしのシニア男性

〈自立型〉有料老人ホーム

〈自立型〉有料老人ホームとは、高齢者が暮らしやすいように配慮された建物で、「食事サービス」「介護サービス」「生活支援サービス(洗濯や掃除など)」「健康管理サービス」等が受けられる施設です。

有料老人ホームは「健康型」「住宅型」「介護付」の3つの種類に分けられており、それぞれサービス内容や生活様式が異なりますが、大きな違いは介護が必要になった場合の対応です。それぞれの介護が必要になったときの対応は以下の通りです。

健康型:退去しなければならない
住宅型:外部のサービス事業者と契約する
介護付:ホームから介護サービスが提供される

運営事業者によって介護が必要になったときの対応、提供サービスや設備、費用や入居条件が異なるため、立地も含めて自分に合った施設を選ぶことが大切です。

●有料老人ホームに関する記事はこちら

介護が必要な高齢者向けの住まい

介護が必要な高齢者を対象とした住まいには、「〈介護型〉サービス付き高齢者向け住宅」「〈介護型〉有料老人ホーム(住宅型・介護付)」「介護老人保健施設」「介護医療院」「特別養護老人ホーム」「グループホーム」の6つが挙げられます。

6つのなかから自分に合う住まいを選ぶ際には、介護度やサポート体制を基準に比較してみましょう。

介護士とシニア女性

〈介護型〉サービス付き高齢者向け住宅

サ高住のなかには、「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた〈介護型〉もあります。〈介護型〉サ高住では、24時間常駐の介護スタッフから介護サービスが受けられるほか、日中には看護師のケアも受けられます。

介護が必要になっても、家で暮らすように生活したい人にとっては、必要なサービスを受けながら安心して暮らせる住まいといえるでしょう。

注意点としては、〈介護型〉サービス付き高齢者向け住宅の場合、外部の介護サービスを受けられないことが挙げられます。

〈介護型〉有料老人ホーム(住宅型・介護付)

〈介護型〉有料老人ホームでは、「食事サービス」「生活支援サービス」を受けながら暮らすことができます。

また、介護サービスの受け方によって「住宅型」「介護付」の2種類に分かれており、介護が必要になった場合の対応も以下のようにそれぞれ違います。

住宅型:外部のサービス事業者と契約する
介護付:ホームから介護サービスが提供される

介護付の場合は、看護師も常駐しており、多くのホームが看取りまで行ってくれます。希望する人は、入居の際に確認しておきましょう。

介護老人保健施設

介護老人保健施設とは、在宅復帰を目的として心身のリハビリを行う施設です。「入院の必要はなくなったものの、病院を出てすぐ家に戻るのはまだ不安」という状態の人が、医師や看護師のケア、専門家のリハビリを受けながら過ごすことができます。

在宅復帰を目標としているため、入居期間は3〜6か月程度と短い点に注意が必要です。また、浴室やトイレなどの設備は基本的にすべて共用となっており、居室も2〜4人で利用する多床室がほとんどです。

看護スタッフ

介護医療院

点滴やたん吸引などの医療ケアを必要とする人のための生活施設です。
日常生活上のサポートや介護サービスが受けられるほか、ターミナルケア(終末期医療)や看取りにも対応しています。

医療ケアが必要で自宅での生活に不安があり、最期まで安心して暮らせる住まいを求めている人に適した施設といえるでしょう。

注意点は、居住空間が完全な個室ではなく、パーティションや家具などで仕切られた多床室の場合もある点です。プライバシーをしっかり確保したい人は、部屋がどのようになっているか事前に確認しておきましょう。

特別養護老人ホーム

特別養護老人ホームとは、介護が常に必要な人を対象とした公営施設です。24時間常駐の介護スタッフから介護サービス・生活支援サービスを受けることができ、看取りまで対応してもらえます。
公営施設なので費用が比較的安価で倒産の恐れが少なく、終身利用できる住まいを求めている人におすすめの施設です。

ただし、原則要介護3以上など入居要件が定められており、地域によっては空きが少ないため、入居に時間がかかることもあります。

グループホーム

グループホームとは、認知症の人が少人数で共同生活を営む施設です。できる範囲で家事の分担や助け合いを互いに行うことで、認知症の進行を遅らせる狙いがあります。ホームには認知症ケアの専門スタッフが常駐しており、日常生活のサポートを受けることができます。

地域密着型のサービスなので、住み慣れた地域で暮らし続けたい人にはおすすめの施設です。

ただし、看護師の常駐は義務付けられていないため、医療ケアが必要になるなど身体状況に変化があった場合には住み替えの必要が出てくるかもしれません。

介護スタッフとシニア

今の自宅に住み続けたい場合は?

ここまで、元気な高齢者・介護が必要な高齢者向けの住まいをそれぞれご紹介してきましたが、「住み慣れた自分の家で最期を迎えたい」と考えている人も多いでしょう。
その場合は、自分の今の状態に合わせて、家を安全で住みやすい環境に整えることが必要になります。

家の劣化具合を専門家に診断してもらい、耐震・バリアフリーなどのリフォームを行うほか、「見守りサービス」を利用するのもおすすめです。見守りサービスには、専任スタッフが訪問してくれるタイプ、離れた家族がセンサーで安否確認できるタイプなどさまざまな種類があります。

また、介護が必要な状態になったときは、介護保険サービスや自治体のサポートの利用も検討しましょう。地域包括支援センターや自治体の相談窓口、担当のケアマネジャーなどに相談すると、適切なサービスや利用方法についてアドバイスしてもらえます。

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訪問介護

早めに考える・相談することが大切

住まい方を考えたり決めたりすることには、体力も精神力も必要です。安心してシニアライフを過ごすためには、なるべく元気なうちから行動し始めるようにしましょう。

また、住み替えは経済的にも心身にも負担が大きいため、何度も行わずに済むよう、慎重に検討することも大切です。

分からないことは担当のケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみましょう。また、まずは話を聞きたい、相談したいという場合には、三井のリハウスシニアデザイン室や老人ホーム紹介センターなどもおすすめです。家族とも話し合って、不安を少しずつ解消していくようにしてくださいね。

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三井不動産株式会社 ケアデザイン室

監修
三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。