老後の住み替えはマンションがおすすめ?失敗しない住まい選びのポイント

老後にマンションや一戸建てへ住み替える場合は、自身の経済状況や今後の健康状態、理想の生活環境などを考慮して住まい探しをすることが大切です。この記事では、充実した暮らしを実現するために知っておきたい住み替えのポイントについて解説します。

目次
  1. 老後にマンションの住み替えを検討する理由
  2. 老後の住み替え先の選び方
  3. 老後の住み替え選択肢4選
  4. 老後に住み替えるタイミング
  5. 住み替える際には経験豊富な不動産会社に依頼しよう
  6. シニア向けサポートが充実した不動産会社で納得のいく住み替えを行おう
2024.10.17

老後にマンションの住み替えを検討する理由

老後に住み替えを検討するのには以下のような理由があります。

・ライフスタイルや健康状態の変化への対応
・住環境の最適化
・経済的な負担の軽減
・維持管理にかかる負担の軽減

たとえば、「子どもが独立してから家が広過ぎると感じるようになった」「一戸建ては階段の昇り降りがきつい」といった、これまでの住まいに由来する悩みがある人には、住み替えがおすすめです。ほかにも、「病院や小売店など、日常的に利用する施設が集まったエリアに住みたい」「外出に便利な駅近くの物件が望ましい」など、最適な住まいの在り方は変わると考えられます。

このように、老後のライフスタイルや健康状態、自身の詳細な希望に適した物件選びができる点が、住み替えの大きなメリットといえるでしょう。

以下では、老後の住み替えで検討すべきポイントや注意点について解説していきます。

老後の住み替えを専門家に相談する夫婦

老後の住み替え先の選び方

老後の住み替えについて最初に検討すべき3つのポイントは、以下の通りです。

・賃貸か持ち家か
・マンションか一戸建てか
・生活のサポートが必要か不要か

順番に解説していきます。

賃貸か持ち家か

賃貸と持ち家のメリットと注意点は、以下の通りです。

比較項目賃貸持ち家
メリット ・初期費用が持ち家に比べて低く、住み替えしやすい
・維持管理費の負担が少ない
・自分の資産になる
・自由にカスタマイズできる
・物件の選択肢が豊富
・住宅ローン完済後は支出が減る
注意点 ・住んでいる限り賃料の支払いが続く
・自分の資産にはならない
・物件の選択肢が限られる可能性がある
・高齢になると新規契約が難しくなる
・初期費用や税金が高い
・維持管理の手間と費用がかかる
・簡単には住み替えられなくなる
・所有者が認知症になると売却が困難

これらのポイントを踏まえると、「住宅の維持管理が面倒」「短いスパンで住み替えを考えている」という方には賃貸物件が、「持ち家を資産として子に相続したい」「老後は自分好みの内外装にリノベーションしてわが家を楽しみたい」という方には持ち家が、おすすめといえるでしょう。

ただし、老後の住まいに賃貸物件を選ぶ際は注意が必要です。一般の賃貸住宅は目安として60歳以上になると住宅の審査に通りにくくなる傾向にありますので、シニア対象の賃貸住宅を検討してみるのもよいでしょう。

一方、老後に持ち家を選ぶ場合の注意点は、将来的に売却するときに所有者が認知症になり意思決定能力がないと判断されると、自宅の売却時に成年後見制度の利用と家庭裁判所の許可が必須になることです。元気なうちであれば、将来認知症になっても成年後見制度を利用せずに自宅を売却できる「家族信託」も利用できるので、併せてご検討ください。

老後の住み替え後に援助が必要な方を手伝う手

マンションか一戸建てか

マンションと一戸建てのメリットと注意点は、それぞれ以下の通りです。

比較項目マンション一戸建て
メリット ・室内に階段がなくフラットなため移動がしやすい
・管理体制が整っている
・セキュリティー性が高い
・プライバシーが保てる
・ペットの飼育に制限がない
・ライフスタイルの制約が少ない
注意点 ・管理費や修繕積立金などの固定費がかかる
・管理規約による制約がある
・維持管理の手間や費用がかかる
・生活における移動シーンが多い

生活のサポートが必要か不要か

老後の生活でサポートを必要とする方は、住まいの選択肢が変わる可能性も視野に入れておきましょう。具体的には、家族と同居するのに十分な広さの住宅や二世帯住宅、サービス付き高齢者向け住宅などへの住み替えがおすすめです。

サービス付き高齢者向け住宅とは、「サ高住」とも呼ばれ、自宅のように自由な生活を送りながら、1日1回以上の安否確認や生活相談サービスがあり、高齢者が安心して生活できるように設計された賃貸住宅を指します。

老後の住み替え選択肢4選

ここまでの話を踏まえたうえで、老後の主な住み替え選択肢4選を紹介します。選択肢は以下の通りです。

・コンパクトなマンション
・バリアフリー対応の一戸建て
・シニア向け住宅
・子ども世帯との近居・同居

順番に解説していきます。

コンパクトなマンション

ファミリー向けなどの広い物件よりもコンパクトなマンションに住み替えることで、維持管理の手間を減らせるとともに、賃料や住宅ローン費用などを抑えることができます。支出の軽減によって生まれた費用は、商業施設や交通機関へのアクセスが容易な好立地のマンションへの住み替えに充ててもよいでしょう。移動が楽になれば、老後の身体的負担も軽減されます。

バリアフリー対応の一戸建て

バリアフリー対応の一戸建てであれば、自宅内の移動の労力やけがの心配が減り、安心感が増すでしょう。さらにガーデニングを楽しんだり、ペットを気兼ねなく飼ったりすることもできます。「生活のプライバシー空間を確保したい」といった方にもおすすめです。

シニア向け住宅

シニア向け住宅とは、バリアフリー設計や安否確認など、高齢者が安心して暮らしを楽しめる環境が整っている住宅・施設を指します。賃貸であればサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)、持ち家であればシニア向け分譲マンションがその代表例です。

主なシニア向け住宅は以下の通りです。

シニア向け住宅の種類メリット注意点
シニア向け分譲マンション ・老人ホームよりも生活の自由度が高い
・自分の資産になり、相続もできる
・一般的な分譲マンションより価格が高め
・介護度が上がると住みにくくなる可能性がある
・物件数が少なく、選択肢は限られる
シニア向け賃貸住宅 ・住宅ローンを組まなくてよい
・維持管理の負担がない
・毎月賃料の支払いが発生する
・介護度が上がると住みにくくなる可能性がある
サービス付き高齢者向け住宅 ・有料老人ホームよりも初期費用が低め
・維持管理の負担がない
・60歳以上の高齢者が入居しやすいように整備されている
・一般的な賃貸住宅より賃料が高め
・介護度が上がると住みにくくなる可能性がある
有料老人ホーム ・維持管理の負担がない
・施設ごとに提供されるサービスや設備が異なり、自分の好みや状況に合ったものを選べる
・施設ごとにサービス内容の幅があるため、費用や利用条件も異なる
・元気なシニアを対象とした老人ホームは費用が高額になる傾向がある

詳しくは以下の記事を参照ください。

●高齢者向け住宅に関する記事はこちら

子ども世帯との近居・同居

介護従事者は全国的に不足傾向で、この状況が今後しばらく続く可能性もあります。そのため、十分な支援・介護サービスを受けたいときに受けられない恐れもあり、家族が近くに住んでいる、または同居しているという生活環境が望ましいといえます。

子どもとしても、「孫の面倒を見てもらえるのでありがたい」「親の安否がすぐに分かるのは安心」などと、近居や同居について前向きに考えているかもしれないので、家族で話し合う機会を設けるとよいでしょう。特に同居の場合は生活距離が近く、お互いへの影響が大きくなることから、焦らず慎重に検討しましょう。

老後の住み替えによる二世帯暮らしの家族

老後に住み替えるタイミング

老後に住み替えるタイミングはそれぞれの事情によって異なりますが、住み替えるタイミングのきっかけとしては、主に以下の背景が挙げられます。

・子どもの独立
・持ち家の経年劣化によるリフォームや建て替えの検討
・定年退職

具体的に見ていきましょう。

子どもの独立

就職や結婚などによって子どもが家を離れれば、部屋が余ってしまい、住まい全体がこれまでよりも広く感じられるため、夫婦2人に合った広さの家へ住み替えを検討するケースがあります。

持ち家の経年劣化によるリフォームや建て替えの検討

持ち家の経年劣化をきっかけにリフォームや建て替えのプランを立てる場合は、住み替えも同時に検討するケースが見受けられます。しかし、リフォームをしたからといって、売却時の資産価値が上がるとは限らず、建て替えの場合は仮住まいも必要になるといった複数の注意点があることは意識しておきましょう。

定年退職

定年退職を機に収入やライフスタイルが変わるため、住み替えを含めた次のライフステージを検討する適切な時期といえます。

住み替える際には経験豊富な不動産会社に依頼しよう

そもそも住み替えをするには、物件探しや資金計画のシミュレーション、売買・賃貸借・住宅ローンの契約締結など、多岐にわたるプロセスをクリアしなくてはなりません。また、老後というステージでの住み替えなので、持ち家の場合は相続も視野に入れて計画する必要があります。

これらのポイントをきちんと押さえて住み替えを行うなら、まずはシニア向けのサポートサービスが充実していて取引実績が豊富な不動産会社に相談してみましょう

シニア向けサポートが充実した不動産会社で納得のいく住み替えを行おう

これまで、老後に住み替える際のポイントや物件の選択肢、注意点などについて解説してきました。老後の住み替えでは、資金計画や健康状態、生活環境などさまざまな要素を検討しながら、自身に合った住み替えを選択することが重要です。

三井のリハウス シニアデザインでは、豊富な物件数と取引実績をもとに専門スタッフがお客さまの現状やご要望を伺って最適な住まいをご紹介する「シニア向け住宅紹介サービス」を提供しています。また、住み替えに売却が伴う場合には、家財整理、不用品回収、引越しなどをトータルで手配し、自宅売却までの一連の手続きをワンストップサポートする「シニアおまかせ売却パック」もご用意しておりますのでお気軽にご相談ください。

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三井不動産株式会社 ケアデザイン室

三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。