
老後の住まいの選択肢とは?25個の質問で住みかえるべきかを判定
老後の生活を考えたとき、住まいについて悩む方も多いでしょう。この記事で、今の家に住み続けるべきか、住みかえを行うべきか、自分にはどちらが合っているかを判断するための25個の質問にトライしてみましょう。老後の住みかえの選択肢となる住宅の種類も、併せて紹介します。
目次
自分に合った老後の住まいが分かる25個の質問
「最近、家の階段の昇り降りがきつくなった…」「掃除するのが億劫になってきた…」「家の老朽化が目立ってきた…」など、年齢を重ねると、以前は感じなかった住まいの不便さを自覚することが多くなるのではないでしょうか?
もし、今の住まいに不便さを感じ、これからの暮らしに少しでも不安を覚えるなら、老後の住まいについて考えてみることをおすすめします。
老後の住まいの考え方には2つあります。将来にわたり「今の家に住み続ける」方法と「新たな家に住みかえる」方法です。今回は、これからの自分にふさわしい住まいを考える際の道しるべになる25個の質問を用意しました。当てはまるものにチェックを入れて点数を合算すると、自分に向いている住まいの傾向が分かります。
25個の質問
75歳をすぎると体力や気力の減退を感じることが多くなるため、現在の住まいが不自由に感じる機会が増えてきます。
一人暮らしだと、万が一のときに対応が遅れてしまう恐れがあります。また、年齢が高いほど疾病の可能性は高くなるため、孤独死に見舞われるケースも考えられます。
いざというときに頼れる身寄りがいない、または近くに頼れる人が住んでいない場合、万が一のときに対応が遅れてしまう恐れがあります。また、孤独死に見舞われるケースも出てきます。
歩行が困難になると、日常生活に支障を来すようになります。さらに症状が進み、車椅子が必要になると自宅での生活が難しくなるため、早めに今の住まいのバリアフリー化や住みかえを検討することをおすすめします。
介護度が重くなればなるほど、自宅での生活が難しくなるため、早めに今の住まいのバリアフリー化や住みかえを検討することをおすすめします。
インスリン注射や透析など、定期的な医療行為や通院が必要な病気を患っている場合、症状が進むと自宅での生活が難しくなるケースがあります。
自炊が面倒になり、外食や総菜ばかりになると、栄養に偏りが出てきます。栄養バランスの整った食事のサポートがある住まいへの住みかえを検討してもよいでしょう。
最近は高齢者の自動車事故が多発しています。運転技術に不安を覚える場合は、車がなくても生活できるところへの住みかえを検討してもよいでしょう。
高齢になると、庭の手入れが重労働になります。手入れを怠ると近隣に迷惑をかけることもあるうえ、業者に依頼すると、それなりの金額を支払わなければなりません。庭の手入れが必要でない場所への住みかえを検討してもよいでしょう。
高齢者の家を狙った空き巣被害が増加しています。今の住まいのセキュリティーが気になる場合は、セキュリティーを強化するか、セキュリティー対策がしっかりしている住まいへの住みかえを検討してもよいでしょう。
高齢者を狙った悪徳訪問販売業者による犯罪が多発しています。現在、訪問営業が頻繁に来るという人は、自宅玄関に訪問者を確認できるモニター付きインターフォンなどの設備を備えるか、住みかえを検討してみてもよいでしょう。
自宅にある荷物の整理をしたいなら、専門業者に依頼するのも1つの方法です。また、住みかえを決めたシニアの多くは、これまでの住まいよりもコンパクトな住まいを選んでいます。住みかえは、身の回りの品を整理するよい機会になります。
シニア向けの住まいはペット飼育が禁止されている物件が多いです。ペットを飼っている人は、住みかえ先の選択肢が限られてきます。
家が広いと掃除や管理がしづらく、どこに何をしまっているのか、自分で分からなくなってしまうこともあります。その場合、今のライフスタイルに合ったコンパクトな住まいへの住みかえがよいかもしれません。
車に乗らなくなった人や車を持っていない人は、電車やバスで移動することになります。そのため、駅までの距離が遠いと行動範囲が狭まってしまう可能性があります。徒歩圏内に駅がある場所へ住みかえを考えてみてもよいかもしれません。
上記と同様に、バス停が徒歩圏外にある場合、行動範囲が狭まる可能性があります。
バス停が徒歩圏内にあっても、バスの本数が少なければ、移動に時間がかかり、外出を負担に感じる可能性が出てきます。
高齢になると医療機関へ通うことが多くなります。医療機関が遠いと通院に時間がかかり、交通費もかさみます。無理なく医療機関に通える場所に住みかえることで負担を減らせるでしょう。
買い物の負担を減らすためには、スーパーや薬局など、日頃よく利用する店舗や商業施設が徒歩圏内にある環境が望ましいといえます。
高齢になると階段の昇り降りがきつくなり、生活に支障を来すケースが増えてきます。生活のしやすい住まいへの住みかえを検討しましょう。
たとえエレベーターがあったとしても、災害時に止まる可能性があります。エレベーターを利用しなくても行動できる範囲の階数に住みかえておくと安心です。
高齢になると階段の昇り降りがきつくなり、ちょっとした段差でもつまずきやすくなります。今の住まいにホームエレベーターを設置したり、段差が少なく安全に行動できる住まいへの住みかえを検討したりしてもよいでしょう。
築年数が30年以上の場合、管理内容や建物によっては不具合が多く出てくるようになります。その場合は生活に支障を来すことが増えるため、住みかえを考えるとよいでしょう。
住みかえには相応の資金が必要になります。一般的には、預金や不動産の売却資金などを住みかえ資金に充てます。そのためには事前に資金計画をしっかり立てることが重要です。
以上で質問は終了です。いかがでしたか?それでは、自分が「はい」と回答した点数を合計してみてください。
合計点数が25点以下の人は、「今の住まいに住み続ける」方向で検討するとよいでしょう。そして26点以上の人は、「新たな住まいに住みかえる」方向で検討を始めることをおすすめします。ただし、上記はあくまでも目安です。現状について考える1つのきっかけとしてご活用ください。
老後も今の住まいに住み続けるなら何をしたらよい?
上記の質問で合計点数が25点以下の場合は、「今の住まいに住み続ける」方向で考えるのがおすすめだとお伝えしました。しかし、「この家でずっと先まで快適に暮らせるだろうか?」といった不安がある人も多いと思います。
「人生100年時代」といわれる今、老後を過ごす時間は長くなっています。今の住まいに住み続ける選択をした場合は、快適に老後の生活を楽しむために、住まいのリフォームをおすすめします。今後の暮らしやすさを考えてバリアフリーにしたり、老朽化した部分を補修したりするとよいでしょう。
また、お子さまがいらっしゃる場合は、二世帯住宅へのリフォームを考えてみてもよいかもしれません。さらに、もしもに備えて、センサーや訪問、食事の配達などによって日々の暮らしを見守ってくれる見守りサービスの検討を今から始めておくと安心です。
なお、今の住まいは持ち家という方が将来売却を考える際、認知症等で意思能力がなくなってしまった場合には、名義人自身による売却は難しくなるため、成年後見制度の利用と家庭裁判所の売却許可が必要になります。成年後見制度の申し立てには時間と手間がかかり、専門職後見人や監督人が選任された場合は、毎月費用を支払わなくてはなりません。
また、苦労して成年後見の申し立てを行っても、家庭裁判所から売却許可が下りないケースもあります。元気なうちであれば、将来認知症になっても成年後見制度を利用せずに売却できるよう備える「家族信託」も利用できますので、併せてご検討ください。
以下の記事では、現在の住まいに住み続けるための具体策を紹介しています。また、資金調達について紹介している記事もあるので、ぜひご覧ください。
●住まいのリフォーム、見守りサービスに関する記事はこちら
●資金調達に利用できるリースバックやリバースモーゲージに関する記事はこちら
●家族信託に関する記事はこちら
老後の住まいなら一般住宅とシニア向け住宅のどちらがいい?
上記の質問の回答結果が26点以上の人には、「住みかえ」がおすすめです。住みかえることで、老後を安心して過ごせるでしょう。住みかえ先の選択肢には、一般の住宅とシニア向け住宅があり、それぞれメリット・注意点があります。
まず、一般の住宅は自由度の高い生活を送れることがメリットです。ただし、選択肢がバリアフリー物件に限られたり、老後の暮らしを送るうえでのサポートが薄かったりする点には注意が必要です。一般の住宅のなかでも賃貸物件の場合は、高齢による健康面や経済面の不安から審査が通りにくいこともあります。分譲の場合も、住宅ローンの借り入れに年齢制限があることを覚えておきましょう。
一方、シニア向け住宅は、老後の生活における利便性・安全性で比較すると、一般の住宅より非常に優れています。元気なシニアの住みかえ先には、「シニア向け分譲マンション」「シニア向け賃貸住宅」「サービス付き高齢者向け住宅」「有料老人ホーム」という4つの選択肢があります。以下で、それぞれの特徴と向いている人を紹介します。
シニア向け住宅 | 特徴 | おすすめな人 |
---|---|---|
シニア向け分譲マンション | ・物件購入後は資産となり、相続もできる ・数が少ないうえ価格が高い | ・要介護度が低く、自由に生活したい ・不動産の資産を残したい |
シニア向け賃貸住宅 | ・持ち家と違って維持管理は管理会社に任せられる ・毎月家賃を支払う必要がある | ・要介護度が低く、自由に生活したい ・介護施設や高齢者向け住宅に抵抗がある ・住宅ローンを組むことに抵抗がある |
サービス付き高齢者向け住宅 | ・60歳以上の高齢者が入居しやすい ・有料老人ホームよりも初期費用を抑えられる | ・自由に生活したいが、見守りや生活相談など一定のサポートを受けたい |
有料老人ホーム | ・サービスや設備が施設ごとに異なり、自分の健康状態や希望に合わせて選べる ・施設によって費用や利用条件の差が大きい | ・生活支援や介護サービスを受けたい ・将来の介護が必要になったときに備えたい |
シニア向け分譲マンションとは、内部がバリアフリー化されており、暮らしをサポートするサービスも受けられる分譲マンションのことです。老人ホームと比べて生活の自由度が高いうえ、一般の分譲マンションと同じく売却・相続も可能です。
シニア向け賃貸住宅とは、バリアフリー化された賃貸住宅のことです。スタッフはいませんが、センサーで見守りを受けることができます。
サービス付き高齢者向け住宅とは、1日1回以上の安否確認と生活相談サービスが受けられる賃貸住宅のことです。60歳以上なら、要介護の認定を受けていなくとも入居できます。
有料老人ホームとは、食事や介護などのサービスが受けられる施設のことです。多種多様なサービス・設備があるので、自分に合った施設を選べます。
このように、それぞれサービス内容や費用などに特色があるので、早めに情報を集め、自分にふさわしい住みかえ先を検討しておくとよいでしょう。
住みかえ先の選択肢について詳しい情報を知りたい場合は、以下の記事をご覧ください。
●住みかえに関する記事はこちら
老後の住まい探しが心配なら三井のリハウスへ
この記事では、老後に住みかえを行うべきか決めかねている方に向けて、その判断基準の1つとなる25個の質問を紹介しました。老後の住まいは、心身の状態や暮らしの状況、周辺の環境、希望する条件によって、適した選択肢が変わってきます。
実際に今後の住まいを決定するには、税金や相続、要介護度や資金など、多くの状況を個別に見ながら的確に判断しなければなりません。質問の判定結果を踏まえて、ご自身の選択に活用してみてはいかがでしょうか?自分で判断するのが難しければ、専門家に相談するのも効果的です。アドバイスをもらいながら、今後の住まいについて検討していくことをおすすめします。
三井のリハウス シニアデザインでは、売却時の家財整理や不用品回収、引越しなどを一括サポートする「シニアおまかせ売却パック」をご案内中です。さらに、「シニア向け住宅紹介サービス」や「総合身元保証サポート」など、住みかえに関するサポートも充実しているので、老後の住まいについてお悩みの際は、ぜひ一度三井のリハウスにご相談ください。
●三井のリハウス シニアデザインはこちら
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●シニアおまかせ売却パックはこちら
●老後も今の家に住み続けることに関する記事はこちら


三井不動産株式会社 ケアデザイン室
三井不動産グループが培ってきた住まいと不動産に関する総合力・専門性を生かし、豊かな老後を過ごすためのお手伝いをするとともに、福祉の専門職が豊富な経験に基づいたコンサルティングを通して高齢期のさまざまなお悩みにお応えしています。