老後に賃貸は借りられない?後悔しないための物件の選び方
高齢者の賃貸借契約は健康や資金面でのリスクを懸念され、借りにくい傾向がありますが、借主の経済状況や物件によっては借りることも可能です。本記事では、入居のハードルを下げる具体的な方法や物件選びのポイント、よくある質問までを網羅的に解説します。
目次
老後に賃貸を借りにくいといわれる理由
老後に賃貸物件を借りにくいといわれる理由は、貸主にとって3つのリスクがあるからです。具体的には以下のように、加齢に伴う健康面での不安や金銭的なリスク、さらに連帯保証人や緊急連絡先の確保が難しいといった事情が挙げられます。
・健康面での懸念があるから
・金銭面でのリスクがあるから
・連帯保証人や緊急連絡先を立てにくいから
ここでは、それぞれの事情について深掘りしていきます。

健康面での懸念があるから
高齢者が敬遠される大きな理由の1つが健康面への懸念です。加齢や認知症によって判断能力が低下すれば、火の不始末による火災や、隣人とのトラブルを引き起こす可能性があります。また、万が一室内で孤独死が発生した場合、部屋の後処理に多大な負担がかかるだけでなく、事故物件として資産価値が低下してしまうリスクがあることも、貸主が契約に慎重になる大きな要因です。
金銭面でのリスクがあるから
健康面と並んで貸主が懸念するのが、金銭面でのリスクです。高齢者のなかには定期的な収入が年金のみという人もいるため、貸主は借主の支払い能力を慎重に見極める必要があります。もちろん、貯蓄額やそのほかの副収入の有無によって判断は分かれますが、一般的に支払い能力に不安を持たれやすく、入居審査が厳しくなるのが実情といえます。
連帯保証人や緊急連絡先を立てにくいから
「連帯保証人や緊急連絡先の確保が難しい」という点も、高齢者の入居を難しくする理由の1つです。通常、賃貸住宅を借りる際には連帯保証人や緊急連絡先が必要です。若い世代であれば両親や兄弟姉妹が認められますが、高齢者の場合、自身と同年代以上の親族は連帯保証人や緊急連絡先として受け入れられないケースがあります。いざというときに駆けつけられる距離に自分より若い候補者がいない場合、賃貸借契約を断られる原因になります。そもそも高齢者の場合、保証人を頼める親族が少なかったり、親族も高齢で保証能力がないと判断されてしまったりするケースが少なくありません。

高齢者でも賃貸を借りやすくする方法
一般的に、高齢者の賃貸借契約はハードルが高いとされていますが、決して不可能ではありません。「自分にはリスクが少ない」と貸主に安心してもらう材料を用意したり、最初から高齢者の入居を想定した物件を選んだりすることで、借りられる可能性を高められます。
以下では、具体的な方法を解説していきます。
金銭面の心配がないことを伝える
大家さんが懸念する金銭面について、リスクが低いことを証明できれば、賃貸借契約のハードルは下がるでしょう。必要に応じて預金通帳や年金証書を提示し、賃料の支払い能力があることを具体的に示すようにしましょう。
シニア向け賃貸住宅を探す
賃貸を借りやすくする方法として、「シニア向け賃貸住宅」も有効な選択肢の1つです。多くは介護を必要としない60歳以上の方を対象とした住まいで、バリアフリー構造や安否確認サービスが充実しているのが特徴です。高齢者の入居を前提としているため、年齢を理由に入居を断られる心配もありません。
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老後でも暮らしやすい賃貸の選び方
老後の住み替えにおいて意識したいのは「日常生活での移動距離をいかに短くするか」という点です。体への負担を減らすためにも、物件内の生活動線のチェックは欠かせません。加えて、商業施設や医療施設など、日頃よく足を運ぶ場所へのアクセスのよさも重視しましょう。
ここからは、高齢者が賃貸物件を選ぶ際に押さえておきたい具体的なポイントを解説します。
周辺施設が充実している物件
スーパーマーケットや病院、駅・バス停といった施設が近隣にあるかどうかは、高齢者の賃貸選びにおいて極めて重要です。今は気軽に外出できていても、年齢を重ねるにつれて歩くのがつらくなったり、車の運転ができなくなったりする可能性は十分に考えられます。将来的な身体の変化を見据え、日常生活に必要な施設へのアクセスがよい物件を優先して選びましょう。
家族・親族が近くに住んでいる物件
家族や親族が住んでいるエリアの近くで物件を探すのも、賢い選択肢の1つです。何かあったときに頼れる人が近くにいれば、緊急時にすぐ駆けつけてもらえますし、平時でも様子を見に来てもらえます。物理的な距離の近さは、大きな安心感につながるでしょう。
バリアフリーに対応した物件
老後はどうしても、加齢とともに身体機能が低下していくものです。そのため、可能であれば、最初からバリアフリーに対応した物件を選んでおくことが重要といえます。たとえば、トイレや廊下に手すりがある物件や段差の少ない物件を選んでおけば、将来的に歩行が困難になったり、車いす生活になったりした場合でも、日常生活への支障を最小限に抑えられます。

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高齢者が賃貸に住むメリット
持ち家と比べて、賃貸物件を選ぶことには高齢者ならではのメリットがあります。そのなかでも大きいのが、「家事や生活の負担を減らせる」「住み替えがしやすい」、そして「自宅を現金化できる」という3点です。これらのメリットについて、以下で詳しく解説していきます。
家事や生活の負担を減らせる
コンパクトな間取りの賃貸マンションであれば掃除の範囲が限られるため、毎日の家事が楽になります。特に、一戸建ての階段の上り下りや庭の手入れは高齢になると大きな負担になりがちですが、賃貸マンションであればその心配も少なくなります。住まいの維持管理に時間や体力を奪われることが少ないのは、賃貸マンションならではの大きな魅力です。
一方、ごみ出しについては物件によって条件が異なるので注意が必要です。重いごみ袋を集積所まで運ぶ負担がないよう、「敷地内にごみ出し可能な置き場があるか」といったポイントもチェックしておきましょう。
住み替えがしやすい
ライフスタイルや周辺環境の変化に合わせて、気軽に住まいを変えられるのも賃貸ならではのメリットです。特に老後は健康状態の変化が早いため、柔軟性は非常に重要といえるでしょう。賃貸であれば、状況に応じて親族の家の近くや通院しやすい病院のそばなど、自分に最適な環境への住み替えがスムーズです。
自宅を現金化できる
自宅を売却して賃貸住宅に住みかえることで手元にまとまった資金を用意でき、それらを老後の生活費や医療費に充てられます。また、元気なうちに自宅を売却しておくことはリスク管理にもなります。将来、認知症などで意思能力を喪失してしまうと自宅を現金化できなくなる恐れがありますが、早めに現金化しておくことでそうしたリスクを未然に回避できるでしょう。

よくある質問
ここからは、老後に賃貸住宅に住むことに関するよくある質問について解説していきます。
高齢者が賃貸に住むにはいくら必要?
賃貸に住むために必要な初期費用は、一般的に賃料の6か月分が目安です。また、毎月の賃料は、1か月に得るお金の1/3以内が無理のない範囲とされています。
2019年に金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」が公表した報告書では、「老後30年間で約2,000万円が不足し、貯金の取り崩しなどで補うことになる」という試算が示され大きな話題となりました。しかし、この「2,000万円」という数字はあくまでモデルケースの一例にすぎません。
そこで、三井のリハウス シニアデザインでは、お客さまの現在の生活状況や将来のご希望を踏まえ、今後の資金計画をまとめた「老後資金シミュレーションレポート」を無料でご提供しています。「自分にはいくら必要なのか」を知るためにぜひお気軽にご利用ください。
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老後に賃貸に住むのは厳しい?
老後の賃貸暮らしの懸念は、現役時代に比べて収入が減るなかで賃料という固定費を払い続けなければならない点です。しかし、事前にしっかりとした老後資金の計画を立て、ご自身の収支に見合った「無理のない賃料」の物件を選べば、経済的に苦しくなるリスクは最小限に抑えられるでしょう。
老後は持ち家と賃貸どっちがいい?
持ち家の強みは、住宅ローン完済後、月々の出費を大幅に抑えられる点です。また、資産価値の高い家であれば、将来的に売却益を得ることも期待できます。
一方、賃貸の魅力は初期費用を安く抑えられる点と、住み替えのしやすさにあります。自身の健康状態や体力の変化に合わせて、最適な環境へ気軽に移り住むことが可能です。
それぞれの特徴をしっかりと把握したうえで、ご自身の経済状況や理想とする老後の暮らしに合った住まいを検討しましょう。

老後の生活に向けてきちんと資金計画を立てよう
ここまで、高齢者が賃貸を借りにくいとされる背景や、スムーズに借りるための工夫、そして物件選びのポイントについて解説してきました。老後の賃貸生活を安心してスタートさせるためには、事前にしっかりとした資金計画を立て、金銭面の不安を解消したうえで入居することが重要です。もし老後資金の確保やお部屋探しで迷われた際は、シニア向けの案件に強い不動産会社へ相談するのがおすすめです。
三井のリハウス シニアデザインでは、ご高齢の方に向けた住み替えサポートから、資金計画のご相談、さらには終活のサポートまで老後の暮らしをまるごとサポートいたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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柴田剛
弁護士法人ASK川崎所属。弁護士。
交通事故、相続、債務整理などのいわゆるマチ弁業務のほか、スポーツ法務にも注力している。
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