不動産の資産整理はどうすればいい?相談先を紹介

不動産の資産整理とは、所有している不動産を可視化したり、現金化したりすることを指します。不動産の資産整理を行う際は、目的を明確にすることや信頼できる業者にサポートを依頼することが重要なポイントです。

目次
  1. 不動産の資産整理とは?
  2. 不動産の資産整理の目的
  3. 不動産の資産整理はどこに相談すべき?
  4. 不動産における資産整理のポイント
記事カテゴリ 相続 シニア
2025.10.06

不動産の資産整理とは?

不動産における資産整理とは、所有する全ての不動産を把握したり、現金化したりすることを指します。

所有している土地や建物などの不動産をリスト化することで、これまで気付かなかった資産の存在が明らかになることもあります。また、全ての資産を把握することで今後の方針を立てやすくなるでしょう。不動産をリスト化するうえで、過去に相続した不動産の確認は重要なポイントの1つです。共有者のいる不動産がある場合は、売却時に全員の同意が必要になるため、ほかの共有者の意向を確認しておくとよいでしょう。

不動産を現金化することで、資産の流動性や利便性が高まります。現金化することで相続の際に1円単位で分配することもできるため、処理が簡単になり、親族間でのトラブルも減るでしょう。

この記事では「将来のことを考えて資産整理をしておきたい」「親から相続した資産を整理したい」といった方へ向けて、資産整理の基礎知識から方法まで網羅的に解説します。

資産整理を始めるシニア

不動産の資産整理の目的

不動産の資産整理の目的は主に以下の2つです。

・相続、終活
・債務整理

それぞれ詳しく見ていきましょう。

相続、終活

不動産を相続すると、相続人に手間や費用負担が発生する可能性があります。不動産を相続した相続人は、相続後も固定資産税や維持・管理費などがかかる点や、相続人が複数いると分割が難しくなるといった点に注意しなければなりません。また、相続税を支払うために、売却を急がなければならない場合もあります。

不動産を資産整理で現金化すれば、資産の流動性を高められます。たとえば、それらの資金は自身(被相続人)の老後資金に充てたり、相続人が負担する相続税の支払いに充てたりすることが可能です。このような効果を期待し、相続、終活を目的に資産整理をする方も多くいるでしょう。

以下で、相続、終活を目的とした資産整理のメリット、デメリットについて詳しく解説します。メリット、デメリットを踏まえて、相続、終活を目的とした資産整理をすることがおすすめな人について見ていきましょう。

メリット
相続、終活を目的として資産整理するメリットは主に以下の3つです。

・遺産相続がしやすくなる
・維持費が不要になる
・老後資金に充当できる

不動産を現金化することで、1円単位で資産を分配することもできるようになるため、遺産相続がしやすくなるでしょう。また、資産整理をあらかじめ行っておくことで、相続時に不動産売却の手間を相続人に負わせずに済むこともメリットの1つです。相続税がかかる場合も、既に現金化されていればスムーズに納付でき、自身の老後資金に充てることもできます。さらに、設備のメンテナンス費や老朽化に伴う修繕費といった維持費、固定資産税が不要になることもメリットとして挙げられるでしょう。

資産整理の目的について話し合うシニア

デメリット
相続、終活を目的として資産整理するデメリットは主に以下の3つです。

・売却に手間とコストがかかる
・引越しが必要な場合もある
・相続税が高くなる可能性がある

不動産を売却する際は、仲介業者を探す、家財整理をするなど複数のステップを踏む必要があり、大きな手間がかかります。また、売却に伴う各種手数料や税金などの諸費用を支払わなければなりません。さらに、現在居住している不動産を売却する場合は、引越しの必要も出てきます。

不動産を売却して得た現金を相続する場合、不動産のまま相続するより相続税が高くなる可能性があることにも注意しましょう。なぜなら、現金の相続税は額面通りの金額にかかりますが、不動産を相続する際は国が定めた基準によって評価された相続税評価額にかかります。相続税評価額は通常時価よりも低くなるため、現金を相続するよりも相続税は低くなるのが一般的です。

また、小規模宅地等の特例が適用されるとさらに相続税を減らすことが可能です。現金の場合は、こうした相続税を減らせる特例がないうえ、額面通りの金額に相続税がかかるため、相続税は高くなる傾向があります。なお、相続税には3,000万円+(600万円×法定相続人の数)の基礎控除があり、控除後の金額が残らず、相続税を計算できない(相続税の課税遺産総額がない)場合、相続税はかかりません。詳しくは税理士、税務署などにご確認ください。

おすすめの人
ここまでのメリット・デメリットを踏まえ、相続、終活を目的として資産整理するのがおすすめの人の特徴は主に以下の4つです。

・将来の健康状態が不安で自分が元気なうちに相続の心配を解消したい人
・複数の資産があって相続手続きが煩雑になることが予想される人
・相続人に迷惑をかけたくない人
・老後資金に充てたい人

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相続、終活を目的に資産整理するシニア

債務整理

債務整理とは、債務(借金)を減らしたり、返済方法を見直したりすることです。ローンの返済に困った人が、不動産を売却して、売却代金をローンの返済費用に充てるケースもあります。住宅ローンの返済に困っている場合は、任意売却や強制競売といった方法で不動産を売却することもあるでしょう。

任意売却とは、住宅ローンの返済が難しくなった債務者が、金融機関の同意を得て不動産を売却することです。競売とは、債務者が住宅ローンの返済を滞らせた場合に、債権者の申し立てによって裁判所が不動産を強制的に売却することです。

債務整理を目的とした資産整理は最終手段として考えるようにしましょう。また、専門的な知識や経験が求められることも多いため、税理士や弁護士、不動産会社に相談することをおすすめします。

●任意売却についてはこちら

●不動産競売についてはこちら

不動産の資産整理はどこに相談すべき?

ここからは、不動産の資産整理をする際、どこに相談すべきかについて解説します。基本的には、以下の2つの相談先が考えられるでしょう。

・不動産会社に相談する
・税理士や弁護士などの専門家に相談する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

不動産会社に相談する

不動産売却を伴う資産整理に関しては、不動産会社に仲介を依頼したほうがよいでしょう。信頼できる不動産会社に仲介を依頼することが、納得のいく不動産売却を実現するための第一歩です。

また、思い入れのある家に住み続けたい場合は不動産会社に相談して、リースバックを利用するという方法も考えられます。リースバックとは、売却した家に賃貸として住み直す方法で、売却代金を得て、毎月の賃料を払うことで今の家に住み続けることが可能です。しかし、リースバックの売却では、市場相場よりも安い価格を提示される可能性があるため、注意しなければなりません。

任意売却をする際、不動産会社に相談するメリットは不動産の売却に強いことです。任意売却といっても通常の売却と手順は変わらないため、売却に強い不動産会社に相談するのがよいでしょう。

税理士や弁護士などの専門家に相談する

法律、税制の問題に関して不安や懸念点がある方は、税理士や弁護士などの専門家に相談するのがおすすめです。税制や法律は頻繁に改正されており、キャッチアップが難しかったり、厳密な条件を網羅的に理解するのが難しかったりするため、知識と経験が豊富な専門家に相談するのがよいでしょう。

資産整理の相談に乗る不動産会社の担当者

不動産における資産整理のポイント

不動産の資産整理のポイントは以下の2つです。

・目的を明確にすること
・信頼できる業者を選ぶこと

以下で詳しく解説していきます。

目的を明確にすること

不動産を資産整理するうえで最も重要なのが、目的を明確にすることです。老後資金に充てるため、スムーズに相続するためなど、何のために資産整理をするのかを明確にしておくことで、最適な行動を取ることができます。逆に、目的がはっきりしていないまま資産整理を始めてしまうと、不利益になることもあるかもしれません。たとえば、まとまった資金が入る、維持費用が減るなどの理由でリースバックを選ぶと、長期的には不利益を被る可能性もあります。目的をはっきりとさせたうえで資産整理に取り組みましょう。

信頼できる業者を選ぶこと

信頼できる業者を選ぶことも不動産の資産整理において重要です。不動産の資産整理には、任意売却やリースバック、相続など、専門性の高い知識や経験が必要になることもあります。信頼できる業者を選ぶことで、安心して資産整理を進められるでしょう。

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柴田剛

弁護士法人ASK川崎所属。弁護士。
交通事故、相続、債務整理などのいわゆるマチ弁業務のほか、スポーツ法務にも注力している。
https://www.s-dori-law.com/