Column / 2019 06,21

【千歳烏山】COLUMN 文化人が愛したエリアで、本と文学に親しもう

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東京23区初の近代総合文学館として南烏山に誕生した「世田谷文学館」。一昨年のリニューアルでは本好きを唸らせるコーナーや子どものためのスペースが新たに誕生し、親子で読書を楽しめる施設に生まれ変わりました。丸一日楽しめる、「世田谷文学館」での過ごし方をご紹介します。


新宿駅まで乗り換えなしで15分弱というアクセスの良さと、スーパーマーケットや商店街の充実ぶりから、ファミリー層から単身者まで幅広いターゲットに人気の京王線千歳烏山駅周辺エリア。この界隈で、親子でのんびりと休日を過ごせる施設が世田谷文学館です。千歳烏山駅から、落ち着いた商店街と閑静な住宅地をのんびり歩くと10分ほどで到着します。

文化人が作り上げた世田谷の風土

烏山川緑道の木立の中に立つ世田谷文学館。

「文学館は烏山川緑道の途中にあり、緑も多く周辺を散策するのもお勧めです。烏山川緑道を10分ほど歩けば、明治の文豪・徳冨蘆花の旧居がある『蘆花恒春園』があります」と、学芸員の原辰吉さん。世田谷区は文学者や芸術家などの文化人が多く住む土地柄として知られていますが、そのさきがけが、小説『不如帰』や『自然と人生』で知られる徳冨蘆花(1868〜1927)でした。
「徳冨蘆花は、いまでいうスローライフを実践した最初期の人でした。蘆花は当時の人としては珍しく世界一周を目指した旅に出るのですが、その時に傾倒していたロシアの文豪、トルストイに会い、半農生活を勧められます。そして移り住んだのが世田谷区粕谷だったのです」(原さん)

蘆花が粕谷に移り住んだ1907年以降、明治後期から昭和初期にかけて鉄道が発達した背景もあり、関東大震災をきっかけに都心部からの人口が流入、街が発展していきます。それに伴い文学者や芸術家たちも多く移り住み、落ち着きのある文化的な風土が醸成されていきました。
「当館のコレクションに所蔵されている横溝正史、小栗虫太郎、森茉莉と妹の小堀杏奴、北杜夫など、様々な文学者が世田谷に居を構えました。その土地柄を生かし、区民が文学に触れ合う場所として1995年にオープンしたのが世田谷文学館です」(同)

文学館の横には小さな堀があり鯉が悠々と泳いでいました。

力の入った展示と刺激的なイベントが魅力

2019年6月30日まで開催の企画展「萬画家・石ノ森章太郎展 ボクは、ダ・ビンチになりたかった」。

文学館では、年4回の企画展と新春の書展、世田谷ゆかりの文学者のコレクション展を年に2回開催しています。企画展「萬画家・石ノ森章太郎展 ボクは、ダ・ビンチになりたかった」(〜2019年6月30日)では、『仮面ライダー』『サイボーグ009』『ジュン』などの鮮やかな原画をたっぷり鑑賞できるほか、教育者・作家・社会起業家など、多彩な側面を持った石ノ森の人物像に迫りました。

企画展に合わせて多彩なゲストを迎えて行うイベントも見逃せません。例えば昨年(2018年)に筒井康隆展を行なった際には、筒井さんご本人に加え、菊地成孔さんや中川翔子さんといった旬の文化人を招いて対談を行い、大変好評を博したそう。対談だけでなく、ミュージシャンを招いてのライブ、作品を鑑賞して感想を語り合う一般参加型のイベントもあります。

2019年9月23日まで開催のコレクション展「仁木悦子の肖像」

コレクション展は、世田谷ゆかりの文学者や世田谷を舞台にした文学作品に関する資料を展示。2019年9月23日までは、“日本のアガサ・クリスティー”と評された推理作家の仁木悦子展を開催。直筆原稿や創作プロットなどの貴重な資料をはじめ、寺山修司が仁木に宛てた手紙の数々も見どころです。

人気の常設展示の一つ、「ムットーニのからくり劇場」。様々な名作の朗読に合わせて仕掛けが動きます。

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資料室をリニューアルし、親子で楽しめるライブラリーに

「ほんとわ」の子ども向けフロア。

展示にイベントにと充実の文学館ですが、なかでも子育て世代にお勧めしたいのが、2017年にリニューアルオープンした親子で楽しめるライブラリー、「ほんとわ」です。「ほんとわ」は、大人向け・子ども向けの2つのエリアに分かれています。大人向けは植草甚一や北杜夫など、世田谷ゆかりの作家に関するコーナーをはじめ、各ジャンルで活躍する人々のセレクト書棚コーナー「本と輪」など、本好きを唸らせる書棚がつくられています。年に3回入れ替わるので、替わるたびにチェックするのも楽しみ。「各界のプロフェッショナルの方にセレクトいただくことによって、自分だとなかなか選ばない本と出会うことができます」と、原さん。

子ども用のコーナーは、絵本や児童文学の名作を中心に揃えています。中心には、直に座って本を読んだり積み木を広げたりできるマットのフロアがあり、思い思いに遊ぶことができます。さらに、奥には授乳室まで備えてあり、直接ベビーカーで入ることもできるので、乳幼児と一緒でも安心です。

セレクト書棚「本と輪」。こちらは探検家の高橋大輔さんがセレクトしたコーナー。
「ほんとわ」の授乳室。しっかりとした個室になっている。

「それまでは資料室のような感じだったのですが、リニューアル後は、小さなお子さん連れの親御さんをはじめ、たくさんの人に来てもらえるようになりました」(原さん)
実際に遊びに来ていた人たちにお話を伺ってみると、「孫を連れてしょっちゅう来ています。気に入った絵本や積み木でずっと遊んでいてくれるので助かっています。同世代のお友達もたくさんいますし」、「通りかかったときに偶然ここの存在を知って、今日が2回目の来館です。子どもだけでなく親も一緒に読書を楽しめるのがいいですね」と、好評です。

このほかにも、絵本づくりワークショップや古典文学に親しむ講座、柔軟な発想力を駆使してショートショート(超短編)の小説を創作する「超ショートショート講座」など、地域の子どもから大人まで楽しめるイベントも開催しています。休日は、子どもと一緒に世田谷文学館で「文学との出会い」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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併設の「喫茶どんぐり」では季節のメニューも楽しめる。季節の特別メニューのレモンタルトセット600円(税抜)。

■施設データ
世田谷文学館
所在地:東京都世田谷区南烏山1-10-10
アクセス:京王線千歳烏山駅から徒歩約10分、京王線芦花公園駅から徒歩約5分。
問合せ:03-5374-9111
営業時間:10時~18時(17時30分最終入館)、喫茶室11時~17時(16時45分L.O.)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)
https://www.setabun.or.jp