名古屋市の中心部から電車で20分程度離れた「桜山」。通勤や通学にも便利な場所でありながら、人のぬくもりを感じられる温かい雰囲気の街です。

瑞穂区と昭和区にまたがるこのエリアには学校が多く、治安も良いと言われており、小さなお子さんがいる若い家族からシニア層まで幅広い年代が暮らしています。駅前にある名古屋市立大学が街のシンボルとなっています。

この街の生活を支えているのが、駅前に延びる「瑞穂通(みずほどおり)商店街」。ここでしか出会えない個人店が並び、食べ歩きにもおすすめ。
どの世代が住むにも居心地の良い桜山の安心感と便利さ、賑わいと落ち着きを兼ね備えた魅力を見ていきましょう。

【桜山の基本情報】

駅名:名古屋市営地下鉄桜通線「桜山」
ランドマーク:名古屋市博物館、名古屋市立大学

■中心部へのアクセス抜群!商店街、市立病院と博物館が並ぶ駅前

名古屋の中心部にほど近い桜山。桜山駅を通る桜通線に乗れば、新幹線の停車駅である名古屋駅や、名古屋市の繁華街・栄駅まで徒歩圏内の久屋大通駅などの名古屋市の中心部まで20分程度。通勤やおでかけにも便利です。

また、バスを使えば栄駅や、JRと名古屋鉄道が通る金山駅まで20分ほどで到着します。

桜山は平坦な土地なので、自転車に乗っている人も多く見られます。歩道が広く、歩行者ゾーンと自転車ゾーンが分かれているので安心です。

桜山駅といえば、駅前にある名古屋市立大学内の「名古屋市立大学病院」がランドマーク。23もの診療科があり、24時間体制で救急医療を提供しているので、家族で暮らすにも安心です。

桜山のエリアは明治時代から名古屋市内でも特に公立学校が集中し、今でも名古屋有数の文教地区として知られています。駅前には「名古屋市博物館」があるほか、個人の画廊やギャラリーが街中に点在していて、日常に文化を感じられる街です。

■商店街が充実!暮らしに必要なものが揃う街

桜山には実は大きなスーパーがありません。それでも住人が「暮らしやすい」と口を揃えるのは、「瑞穂通商店街」をはじめ、街のあちこちに専門店や個人店があるからです。スーパーに行かなくても、暮らしに必要なものが揃います。

桜山駅を出てすぐの商店街にある「生鮮食品グルメ市場 クック瑞穂」

1947年に誕生した生鮮食品がメインの市場で、現在は7つの専門店が軒を連ねています。肉、魚、野菜それぞれのプロが対面販売しているので、新しい食材との出会いもありそうです。

桜山駅から3分ほど歩くと、街で愛されるパン屋「ブーランジェリー ブレ・ヴァン」が見えてきました。

イチオシは、「デンマーク マロン」(280円(税抜))。ほどよい甘さのデニッシュから栗の香ばしさが感じられ、おやつにぴったりでした。おかずが入った総菜パンからデニッシュ生地の菓子パンまで、何を食べようか迷ってしまうほどの豊富なラインナップです。

スーパーに行きたいと思ったときは、隣の御器所駅から歩いて5分の「マックスバリュ御器所店」に行けば解決です。桜山駅からも徒歩15分程度なので、自転車ならスムーズに通えます。

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■隠れた名店がたくさん!ランチやティータイムにぴったりなお店

桜山駅近辺は、おしゃれでおいしい飲食店がたくさんあるのが特徴です。商店街のなかにも名店があるので、お気に入りのお店探しも楽しそう。

この日は名古屋市博物館の帰りに立ち寄るお客さんも多い、地元の名店「TALBOT(タルボット )」へ。

アンティークの家具が揃えられた雰囲気のある店内で、イタリアンを楽しめます。

人気メニュー「サルシッチャのプッタネスカ」のランチセット(1,150円(税込))を注文。トマトソースをベースに、たっぷりの野菜とソーセージが入っていました。

ランチを食べたらその足でデザートへ。商店街に並ぶ「Bois Vert Terre(ボアヴェールテール)」は雑貨店が併設されたカフェで、近年はかき氷で知名度が増しました。

今回は「ピスタチオミルク」(990円(税込))に、クリームチーズのエスプーマ(200円(税込))をトッピング。

器からあふれんばかりのふわふわの氷には、粒の食感が効いたピスタチオソースがかかっています。甘さと塩気のハーモニーを楽しめるクリームチーズのエスプーマが、かき氷と相性ぴったりです。

桜山では、豊かな自然も楽しめます。人気のお散歩コースといえば、駅から東へ15分ほど歩いたところにある「山崎川」。落ち着いた雰囲気の河川沿いでは、運動をしたり散歩を楽しんだりする人の姿も見られました。

「山崎川四季の道」は桜の名所として知られ、春には観光客が集まります。自然に囲まれながら穏やかなひとときを過ごすのにぴったりです。

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■「ここに行けば安心」。“街のお母さん”が営むフルーツ屋さん

どこを歩いても穏やかな雰囲気で、暮らしやすそうな桜山。さらなる魅力を教えてもらうべく、「トップフルーツ八百文」をたずねました。

八百文は開業から50年以上もの歴史を持つフルーツ専門店。お散歩中の親子や近所の子ども達がフルーツジュースを買いに立ち寄る、地元で愛されるお店です。

「ようこそ、いらっしゃい」と迎えてくださったのは、代表取締役の鈴木和子さん。

全国各地のフルーツや食育に関するセミナーに登壇しながら、自ら店頭に立って地域の顔となり、近所の人も相談に訪れる“街のお母さん”のような存在です。

ご自身も子育てをしながら桜山で50年以上過ごしてきた鈴木さんに、桜山での暮らしについて伺いました。

(以下インタビュー。「 」内は鈴木さんのコメント)

――先ほどから、お店にお子さんがたくさんいらっしゃるんだな、と思いました。
「そうなんです。小学生のお子さんからシニア世代まで、誰でも気軽に寄ってくださいます。桜山で困ったことがあったら八百文を頼ってもらえたらいいなと思って、いつも扉を開けて『すきま』をつくっているんです」

――ここにはフルーツを買いに来るだけではないんですね。
「子育てに悩んだりちょっと疲れたりしたら、人に話しにくいこともみなさんよく話に来てくださるんです。私は50年以上桜山に住んでいるものですから、何か解決できそうな知り合いがいたらどんどん紹介しています。この街は、人とのつながりが豊かなんですよ」

――こういう場所がひとつあるだけでも、安心して暮らせそうだなと思いました。
「そうですね。風通しが良くて温かい街だと思います。新しく引っ越してきた方も、ご近所関係にスムーズに入れているんですよ」

▲水も砂糖も入れていないフルーツ100%ジュース。素材の濃い甘さを存分に味わえる。左はスイカ、右はクラウンメロン。

――他にも、桜山の魅力だなと思う部分はありますか?
「文化や芸術が日常にあふれていることですね。博物館や美術館があるだけでなく、絵を描いたりピアノを教えていたりする方も多くて。それに山崎川に行けば、遊歩道で美しい自然を楽しめますから、心が豊かになれる街だなと思います。もう他の街に住める気がしないくらいに、桜山が好きですね」

――桜山を長く見守ってきた鈴木さんならではのお話を伺えて、豊かな暮らしが見えてきました。ありがとうございました。

■桜山の温度を保っているのは、人と人との豊かなつながりだった

商店街を中心に街が広がり、どの道に入っても穏やかで人の温度を感じられる桜山。お店に入ると店員さんとお話しができて、街ですれ違った人が挨拶してくれて、そんな人と人との繋がりが安心感のある街の雰囲気を生み出しているように感じました。

八百文の鈴木さんが、ジュースを買いに来たお子さんや近所の方にさりげなく声をかけ、明るく送り出している姿が印象に残っています。

この街には、きっとたくさんのつながりが広がっていると感じました。

桜山が心穏やかに過ごせる街であり続ける理由を、垣間見たような気がしました。

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菊池百合子

編集者・ライター。2018年にフリーランスとして独立し、インタビュー記事を中心にWebメディアや雑誌で執筆している。首都圏で生まれ育ち、2018年に滋賀県長浜市に引っ越し。関心のあるテーマは「地域での暮らし」と「人生の選択肢」。

Twitter:https://twitter.com/kikuchi410