【藤沢】COLUMN 海と山と空の間に。食材と人が出合う天空のカフェ

目次
  1. 藤沢産にこだわらず、おいしいものが集まる場所
  2. 地域の人々が集まる、交流の場に
記事カテゴリ 神奈川 首都圏
2019.07.26

神奈川県南部の海辺の街、いわゆる湘南エリアで最大の人口を持つ藤沢市。観光地として愛される江の島や波乗り文化の中心地である鵠沼海岸、辻堂海岸など、“海”のイメージが強い藤沢市ですが、この春、海と空、山を一望するロケーションに登場したカフェが話題を呼んでいます。地元の食材と各地の旬を巧みに合わせた料理で、人の縁をつなぐという「3+3 CAFE」をご紹介しましょう。


古くから東海道の宿場町として栄え、旅人と物資が行き交う交通の要衝であった藤沢市。現在は、JR湘南新宿ラインや小田急江ノ島線など4線が利用でき、東京駅や渋谷駅、新宿駅などの主要駅間を乗り換えせずにアクセスすることができます。相模湾に面した海岸線をもつ一方で、北部には農地が広がり、また、県内随一の飼育数を誇る養豚も盛ん。そう、藤沢市は海山の幸に恵まれた土地なのです。

目指すカフェは藤沢駅北口から徒歩約13分、市の公共施設である「Fプレイス」内にあります。「ここでいいのかな」と訝しく思いながら施設のエレベーターを降りると、そこには空とひと続きのような開放的な空間が広がっていました。
「大きな看板を出していないですし、公共施設内であることもあり、半信半疑でやってこられるお客さまは、みなさん驚かれますね」
店長の常盤木将志さんが温かく迎えてくれました。

テラスに出てみると、南に江の島を浮かべた太平洋、西には美しい丹沢の山並み、その奥には富士山の素晴らしい山容を一望できます。「天空のカフェ」と呼ばれる所以は、このすばらしい展望にあるのでしょう。

テラスからは江の島と相模湾も一望できます。

それにしても、「3+3 CAFE」とは変わった名前です。どんな意味があるのでしょう。
「3+3は6。この6という数字から想像をめぐらせました」
藤沢の産業の起点となる「Fプレイス」の6階に位置すること、藤沢はかつて、東海道五十三次の6番目の宿場町であったこと……。そして「3+3」には、産地と産地を、食を通じて結ぶこと、ここに訪れる人と人を食でつなげること――そんな願いがこめられているそうです。

海風が心地いい、明るい店内。

「公共施設に民間の飲食店が入ることは、全国的にも珍しいそうです」と常盤木さん。藤沢市にとっても新しい取り組みではありますが、地元に根付いた運営がなされることを期待して、この地で30年近く飲食業を展開するヨンドングループに白羽の矢が立ったそう。
「そうした経緯から、藤沢の街に還元できること、民間の飲食店である自分たちだからできることを提案したいという思いが、このカフェの根底にあるのです」

藤沢産にこだわらず、おいしいものが集まる場所

香りと口どけがすばらしい「藤沢産熟成生ハム」980円。

藤沢市はトマトと豚の産地としても知られていますが、「3+3 CAFE」では「藤沢ナポリタン」をはじめとした料理で地産の味覚を楽しむことができます。目を見張るのは、「藤沢産の熟成生ハム」。地元の豚を使ってていねいに調理した生ハムは、チーズのような甘い熟成香を放ち、口どけも絶品!
とはいえ、地元の食材を使うことだけにこだわっているわけではないと常盤木さんは言います。
「公共施設内ということもあり、ご年配の方やお子さま連れなど、地元の方が多くいらっしゃいます。そんな方々にとっては他県の味覚も魅力ですよね」

トマトの甘みと太めのパスタの食感を楽しめる「藤沢ナポリタン」980円。

例えば地元産のトマトだったら、それに合う素材を国内外に広く探し求める。それが地元ではなくどこか別の土地の食材だとしても、そこには産地と産地を結ぶことで新たな喜びが生まれると考えるそうです。
「地元の食材に合うものをバランスよくチョイスする。そうすることで、食材同士の出合いが醸す喜びを楽しんでいただけると思っています」

粗めにひいた牛肉の香りと食感が抜群の「3+3ハンバーグステーキ」1600円。

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地域の人々が集まる、交流の場に

「3+3 CAFE」は「Fプレイス」と同じく、2019年4月1日に誕生したばかり。予想外の反響に驚きながら、無我夢中でこの2カ月を過ごしてきたそうです。
「今後はこのロケーションを活かしたテラスでのバーベキューやビアガーデンなどを仕掛けていきたいと思っています」
さらには、食にまつわるワークショップも検討中だそう。
「藤沢生ハムの作り手は、元イタリアンのシェフで、売り切れ続出の鵠沼魚醤の生産者でもあるんです。そうした作り手とコラボレーションし、発酵をテーマにしたワークショップなどを開催できないかと考えています」

藤沢産の食材にこだわった「ふじさわっぱ弁当」880円。限定10食ゆえ、たちまち売り切れる人気メニュー。

外からの風を受け入れることで、地元をより魅力的に——。それは、宿場町としての歴史を持つ藤沢市ならではの、今も昔も変わらない、街の輝かせ方なのかもしれません。

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■施設データ
3+3 CAFE
所在地:神奈川県藤沢市本町1-12-17 Fプレイス6F
アクセス:藤沢駅北口より徒歩約13分
問合せ:0466-23-3939
営業時間:11時~21時(20時30分L.O.)
定休日:第3月曜(祝日の場合は翌日休業)

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