東京都東村山市にある久米川。埼玉県の所沢市にほど近く、東京都の端というイメージですが、じつは西武新宿駅まで電車で30分という好立地にある街です。

調べてみると駅周りにはスーパーや商店街が充実し、何だか暮らしやすそうな雰囲気。おまけに公園や空堀川など自然豊かなスポットもあり、ここなら穏やかな暮らしが実現できそうです。

便利で緑の多い久米川は「都心に通勤する方や子育て世代にはきっと住みやすい街に違いない!」と俄然興味が湧いてきました。さっそく実際に街を探索して、その暮らしやすさをレポートしていきます。

【久米川の基本情報】

駅名:西武新宿線「久米川」駅
ランドマーク:空堀川

■電車・バス・車でも。あらゆる場所に行きやすい立地

久米川駅は、埼玉方面から新宿までを結ぶ西武新宿線が通っている駅です。

急行・準急・各駅停車の電車が止まり、急行を利用すればJR山手線に接続する高田馬場駅まで25分、西武新宿駅までは30分で、乗り換えなしで行けます。とくに新宿はさまざまな路線が通っているので、行動範囲が一気に広がるでしょう。通勤や通学には便利な印象です。

久米川駅は西武鉄道しか通っていませんが、生活圏内には、西武拝島線と多摩湖線が通る萩山駅や、西武多摩湖線の八坂駅、西武国分寺線・西武沿線が通る東村山駅があるので、行き先によって沿線を選ぶこともできます。

久米川駅の南口と北口にはそれぞれバス停があり、西武バスやグリーンバスが利用できるためバスを使えば立川や所沢方面への移動もラクラクです。

さらに駅近くには新青梅街道が通り、新宿方面や多摩方面にも行きやすいです。久米川は埼玉県にも近いので、車を持っていれば多摩湖をはじめとした自然豊かなエリアにもすぐに足が延ばせそうですね。

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■スーパーも多数!商店街が賑やかな南口

はじめに久米川駅南口を歩いてみましょう。大きなバスロータリーがある南口エリアは駅周りを中心に「久米川商店会」が広がっており、賑やかな雰囲気です。

もっとも便利そうなのは駅から徒歩1分の位置にある「西友久米川店」。24時間営業なので、急な買い物にも役立ちそう。

食品フロアと生活用品フロアのほかに、100円均一ショップや「ファッションセンター しまむら 西友久米川店」などの専門店が入っています。ここなら生活必需品のほとんどが揃いそうです。

駅から徒歩6分の位置には「ビッグ・エー 東村山栄町店」もあります。遅くまで営業しているお店なので、お仕事帰りにも重宝しそうですね。

このあたりは商店街が多く、「モザーク通り商店街」の愛称で親しまれる「久米川中央銀座会」には「食品の店おおた 久米川店」も。南口ならどのエリアに住んでいてもお買い物には困らないでしょう。

「モザーク通り商店街」を抜けると、「久米川中央通り商店街(ウィング通り商店街)」が見えてきました。商店街のなかには「栄町児童館」があります。幼児専用室や遊戯室を完備し、子どものいるご家庭には便利な施設と言えるでしょう。

飲食店がたくさんあったので賑やかかと思いきや、駅から少し離れれば落ち着いた雰囲気が広がっていて子ども連れでも住みやすそうです。あちこちに並木道があり、日差しが強い日でも日陰に入りながらお散歩できそうな雰囲気。

また、南口エリアは敷地内に公園があるマンションや団地が多く見られました。

駅から徒歩10分と少し歩きますが「伊豆殿公園」というとりわけ敷地の広い公園も見つけました。ブランコや滑り台などの遊具があり、子どもを思い切り遊ばせたいときに便利そうです。

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■自然が豊富で穏やかな北口エリア

駅反対側の北口まで足を延ばしてみました。こちらはマンションが多く、落ち着いた雰囲気の駅前です。

駅目の前には「スーパーあまいけ久米川店」があります。さまざまな産地の野菜を取り扱っていて、普段から利用できそうです。

北口にも商店街がありました。「久米川北口商店街」にはチェーン店のほかに、昔ながらの和菓子屋さんやおしゃれなパン屋さんも。こちらの商店街も歩いているだけで新しい発見がありそうです。

少し駅から離れたところには新青梅街道が通っています。多摩方面から新宿までを結ぶ道路なので、車を持っていれば都内にも出やすいと言えるでしょう。

北口エリアも南口エリアに負けず劣らず、自然を感じられるスポットが多くありました。とくに空堀川沿いは木々が連なり、お散歩コースにもぴったりです。この日はウォーキングをしている人や、木陰で休む人を見かけました。

せっかくなので空堀川近くのお店でランチをいただきます。

「喫茶にじのまど」は青い屋根、白い壁が印象的なカフェ。店内には本のギャラリーが併設され、子どもと一緒に楽しめそうです。

この日はサラダ付きの「ビーフカレー(680円)」にドリンクセット(200円)をつけて。ホロホロとやわらかいビーフが入っていて、食べ応えも抜群!窓の外には緑豊かな風景が広がり、ゆったりとした時間が過ごせました。

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■人とのつながりを感じられる人情味にあふれた街・久米川

最後に、地元の方々に愛される生花店「hanaha株式会社」の代表取締役・本間直紀(ほんま なおき)さんに、久米川の魅力についてお伺いしました。

(以下インタビュー。「 」内は本間さんのコメント)

——hanahaはどんなお店ですか?
「父の代から数えると50年近くこの地で商売を続けている地域密着型の生花店です。幅広い年代のお客さまに、ギフトをメインにご利用いただいています。とくにこだわっている仏花に関しては、三代に渡ってご利用いただいているご家庭も。近年ではオンラインショップとして“100本のバラ専門店”や、お供え花専門の“想慕”の運営も行ない、サービスを広げています。

お花は誰かを想う場面で利用されることが多く、言葉にし切れない部分を表現してくれるもの。贈る人の気持ちを代わりに手紙にするような気持ちで、日々アレンジメントやブーケ作りを行なっています」

——久米川の魅力は?
「久米川に住んでいる人は、やはり心が温かい方が多いです。お世話になっているお客さまから出産のお祝いをいただいたり、職場体験に来た小学生たちが、後日ボランティアで手伝ってくれたりなんてこともありました。

次第に“街って人が形づくるものなんだ”と感じるようになっていきましたね。幼い頃は隣の街に住んでいたため最初は“父の職場の街”というイメージでしたが、店を継いで街の方々と触れ合ううちにすっかり大好きな街になりました」

——昔と今で街の変化はありますか?
「10年前に比べて、南口エリアはとくにスーパーが増えたように思います。若いファミリー層をよく見かけるようになったのも、久米川が住みやすい街に変化しつつあるからかもしれません。

実際に交通の便もいいですし、都心にも電車で30分程度で出られます。所沢まで行けば副都心線を使って横浜方面にも行けるので、どこに行くにもちょうどいいエリアだと思います」

——住む視点から見た久米川のよさは?
「このあたりは個性的な飲食店が多く、グルメが楽しめるのもいいところだと思います。地域のお店同士がタッグを組んで、いろいろなイベントを開催しているのもポイントです。私もお菓子屋さんや中華屋さんなどさまざまなお店と一緒にイベントを行ない、街を盛り上げています。
今は感染症対策で休止していますが、夏には商店街で阿波踊り大会も開催しているんです。地域のみんなで力を合わせて作るお祭りは、夏の風物詩になっています。活気のある街にするべく、これからもみんなで頑張っていきたいですね」

■久米川は初めて移り住む人にも優しそうな懐の深い街

久米川は緑が豊かなうえに、生活に役立つ施設も多くて、まさに落ち着いた暮らしを実現したい人にはぴったりの街だと思いました。1日歩いただけでは回り切れないほど、いろいろなお店が連なり、毎日新しい発見のある街だと言えそうです。

何より取材を通して人の温かさを感じられ、取材を終える頃にはすっかり久米川の街が好きになっていました。本間さん曰く「“フェイスブック東村山会”というコミュニティもあって、地元の方おすすめのグルメやイベント情報が知れる」とのこと。初めて移り住んできた方でもつながりができやすい環境が揃っているように思います。

久米川は住みやすさもさることながら、人のつながりを感じられる温かい街でした。

大瀧 亜友美(おおたき あゆみ)

山形出身で、東京在住歴は約10年。未だにお上りさんのようにあちこちの観光地を訪ねては、素敵な町探しにいそしんでいます。好きな街は、落ち着いた雰囲気のあるローカルな町。
Twitter:https://twitter.com/writerotaki04