「京王線沿線は暮らしやすい」

私自身、新宿から高尾山口まで続く京王線沿線に暮らして5年ほど経ちますが、商業施設もあり適度に栄えているのに、地元の商店街などローカルな雰囲気も残っていて、この沿線ほど暮らしやすいと思った場所はありません。

中でもつつじヶ丘は、個人的に「京王線沿線の穴場」だと感じています。世田谷区に近い調布市にあり、都会と自然のバランスが絶妙な立地。急行・快速の停車駅なので都心へのアクセスもいいのです。

また、「子育てに理解がある人が多い」「外から来た人を歓迎してくれる」「適度な近所付き合いがある」など、引越しを検討している人には嬉しい口コミもよく聞きます。どんな街なのか、実際に歩いてみました。

【つつじヶ丘の基本情報】

駅名:京王電鉄京王線「つつじヶ丘」
ランドマーク:京王リトナードつつじヶ丘、キテラタウン調布

■新宿駅まで乗り換えなし、始発列車もあるので座って通勤も。

つつじヶ丘は、京王線の駅。各駅停車に加え、急行・区間急行・快速が停車するので、電車の本数は多めです。
何と言っても新宿駅までのアクセスが抜群によく、急行に乗れば乗り換えなしで17分で到着します。また、京王線は都営新宿線に直結しているので、都内の地下鉄路線への乗り換えも便利。
朝の時間帯には、つつじヶ丘駅始発の列車もあるので、座って通勤できるのもうれしいポイントです。

電車での移動が便利なため、バス路線は電車がアクセスしにくい南北の移動を中心に路線が充実しています。

バスターミナルには、三鷹市のコミュニティバスである「みたかシティバス」の姿も。低床でお子さんやお年寄りも利用しやすいバスです。

また、つつじヶ丘は甲州街道が近く、高井戸インターチェンジや調布インターチェンジなど高速道路へのアクセスもいいので、車でお出かけするのにも便利です。

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■日用品の買い物に便利なのは駅の北口エリア

つつじヶ丘駅の駅舎は2011年に改装され、きれいに整備されています。駅の改装と同時にオープンした駅ビル「京王リトナードつつじヶ丘」もあり、洗練された印象です。

「京王リトナードつつじヶ丘」には、スーパーやファミレス・カフェ・ベーカリー・ドラッグストア・書店・フラワーショップ・銀行・保育所など、生活に必要なあらゆるお店が揃っています。

また、つつじヶ丘駅の魅力のひとつと言えるのが、安くて質のいい商品が揃うと大人気のスーパー「オオゼキ つつじヶ丘店」が北口の目の前にあること!

たくさんのお客さんで賑わっており、店員さんの元気な声が響いています。私も帰りについつい食料品を買い込んでしまいました。

駅前には数棟の高層マンションがありますが、その向こうは低層マンションや一軒家などの閑静な住宅街が広がっています。

駅北口と甲州街道の間は、活気ある商店街。いくつかの商店街が連なっており、全体を「つつじヶ丘商店街」と呼んでいます。

大型の書店やドラッグストアなどがあるほか、他の駅からもお客さんが来て行列ができるラーメン店「柴崎亭」のような飲食店も。

2017年には、隣の柴崎駅との間にショッピングモール「キテラタウン調布」がオープン。

100円均一ショップ「ダイソー」の大型店舗や家電量販店の「ノジマ」、ファミレス・子どもの習い事教室などが入り、駅まわりで手に入りにくいものも徒歩圏内で揃うようになりました。

■野鳥もいる!自然豊かな南口エリア

うって変わって、のどかな雰囲気なのが南口エリア。現在、道路拡幅など整備が進められているようです。

駅の前にバスターミナルがあり、中・低層マンションが見えます。その向こうには大きめの一軒家が並んでいて、世田谷区の住宅街を思わせる光景。

住宅街を抜けて歩いて行くと、緑豊かな大型の団地エリアが広がっています。
団地内には緑豊かな散歩道や公園が多数あり、たくさんの子どもたちの遊ぶ姿がありました。まわりにファミリー世帯が多いと、子育てもしやすそうです。

団地エリア内に、近所の人たちの憩いの場となっている広場があり、ギャラリーやスーパーなどのお店が並んでいます。その一角にあるのが、編集者チーム「手紙社」が運営するカフェ「手紙舎 つつじヶ丘本店」

落ち着ける店内席のほかに、テラス席もあり、風を感じながら食事やお茶を楽しめます。
ここで休憩がてらランチをいただくことにしました。

「目玉焼きのせキーマナポリタン(1,100円)」と「季節のシロップドリンク(650円)」を注文しました。

テラス席の場合、レジで注文するとテイクアウト形式で提供してくれます。テラス席が混んでいるときは近くの公園や野川沿いでいただくのもよさそう。食べてみると、意外とボリュームたっぷりでお腹いっぱいになりました。

店内には、セレクトされた雑貨や本も置いています。
手紙社の手掛ける書籍も手に取ることができ、つつじヶ丘のカルチャーの発信地にもなっています。友人が遊びに来たときなどに案内すると喜ばれそう。

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■ファミリー世帯が多いから子育てしやすい

ファミリー世帯の多いつつじヶ丘は、子育て世代にうれしい地域の取り組みもあります。

甲州街道沿いにある「つつじヶ丘児童館ホール」では、館庭やプレイルームで遊べたり、さまざまなイベントが開催されていたり、ちょっとした発表会ができるホールも併設しています。

調布市では、小学校内や近隣の施設を利用して安全な遊び場にする、放課後子供教室事業「ユーフォー」という取り組みも行なっており、学童に入れない子どもたちの受け皿になっているようです。

また、自宅で民間のベビーシッターを利用した場合に、利用料の半分を補助してくれるサービスもあるんだとか。自治体のサポートが手厚いところも、子育て世帯からの人気を集める理由のひとつなのかもしれません。

子どもと一緒に自然の中で遊ぶなら、「野川」へ。
川が浅く穏やかなため、水遊びが楽しめます。魚や虫を夢中で探す子どもたちの姿もあり、東京都内とは思えない風景!

こうやって子どもに自然との触れ合いを体験させられるのはとてもいいことだと感じました。

■「温かいコミュニティに惹かれて引っ越してきました」

最後につつじヶ丘在住の写真家、飯坂大(いいざか だい)さんにインタビュー。ネパール・ニュージーランド・アメリカ・アルゼンチンなど世界各地のトレイルを歩いて、旅の写真やエッセイを発表するほか、国内で身近な自然の魅力を伝える活動も行なっています。

▲2020年8月10日の「山の日」にネパール・ヒマラヤのトレッキングルート「グレートヒマラヤトレイル」周辺の風土を記録した写真集を刊行

(以下インタビュー。「 」内は飯坂さんのコメントです)

――住む場所として、つつじヶ丘を選んだ理由を教えてください。
「大学生のころから、仙川との間にある『オープンガーデン 森のテラス』でイベントを開催させていただいていたんです。その後、手紙社さんが僕の写真展の案内をしてくれたこともあって、温かいコミュニティがあるなと思ったのがきっかけです」

――つつじヶ丘の魅力はどんなところですか?
「都市と自然のいいとこ取りができるところです! 近所に畑があって、そこで野菜を買えたり、湧き水があったり。あとは、毎日近所を走っているんですが、野川沿いのジョギングコースを6kmほど野川公園まで走っていくと、アスファルトを踏まずに行けるんです。

駅の北側は栄えていて深大寺方面にも行きやすいし、車を使えば小田急線の成城学園前・狛江も近い。都心にも出やすいですし、高速道路で地方に行くのも便利です」

――よく行くお店はありますか?
「コーヒーが好きなので、コーヒー豆専門店『パオコーヒー』で豆を買ったり、『珈琲焙煎SAKAMOTO』というローカルな喫茶店や『ヒュッテ』という山好きなご主人がいる喫茶店が気に入っています。つつじヶ丘のお店の人たちは、『お疲れ様』という感じで迎えてくれて、みんな優しいですね」

■遠出しなくても、身近な場所で自然を感じられる街

人気の京王線沿線の中でも、まだ開発されすぎておらず、豊かな自然が残っているつつじヶ丘。

都心への出やすさは残しつつも、もう少しだけ自然に近い場所に住みたいと思っている私の目にも、非常に魅力的に写りました。

子育てするにも温かなサポートが用意され、身近な場所で自然を楽しめるつつじヶ丘。ファミリーで住むには特にオススメです。

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山賀沙耶(やまが さや)

編集プロダクション、出版社勤務を経て、フリーランスの編集ライターになり、雑誌を中心に書籍やウェブなどの媒体で活動中。自然と動物が好き。旅しながら仕事する生活を理想としつつ、いつも何かに追われている。

Instagram:https://www.instagram.com/jo_saya/