【たまプラーザ】PEOPLE 青葉区のプロと一緒に、ローカル目線で街歩き

目次
  1. 青葉区のプロが分析する地域の特徴って?
  2. 青葉区どこに住む? エリアごとの特性を知る
  3. イメージ通りではない個性豊かな人々に触れてほしい
記事カテゴリ 神奈川 首都圏
2019.06.07

郊外の高級住宅地のイメージが定着している、東急田園都市線たまプラーザ駅を中心とする横浜市青葉区。青葉区発のローカルウェブメディア『森ノオト』を運営するNPO法人森ノオトの代表・編集長の北原まどかさんに、ローカルの視点で地域の特徴と魅力を語っていただきました。


『森ノオト』は、青葉区の地域トピックスを中心に発信するローカルウェブメディア。記事の内容は、お店紹介、人物紹介、地域プロジェクトの紹介など多岐にわたりますが、そこにはエコの視点が貫かれています。
「取材対象はエコに直接関係なくてもいいんです。森ノオト編集部ライターが考える豊かな地域づくりにかかわるキーワードが取材対象にひとつでもあって、それをきちんと伝えていくことが、『森ノオト』の役割だと思っています」と、編集長の北原まどかさん。

代表・編集長の北原まどかさん(左)と事務局スタッフでデスクの宇都宮南海子さん。青葉区鴨志田町の事務所「森ノオウチ」にて。この場所に事務所を構えたのは、緑ゆたかな「寺家ふるさと村」が近いからとのこと。

北原さんと青葉区との縁は、大学卒業後に就職した横浜のタウン新聞の会社で、青葉区担当の記者になったことでした。入社から2年間、広告営業で青葉区内を回り、数多くのクライアントとの関係を築いていきました。そして結婚を機に青葉台に転入。「たくさんのクライアントさんに可愛がっていただいた経験から、この街がいいところであることは間違いないと思って」。
『森ノオト』を創刊したのは、2009年11月。きっかけは長女の妊娠だったといいます。
「フリーランスのライターになってから、エコロジー雑誌の編集者やウェブ媒体の記者としてグローバルな環境問題を取材していくうちに、地球温暖化の深刻さに気づきました。そして2008年に長女を妊娠したとき、子どものために今できることをやりたいと思い、原点であるローカルメディアを自分で創刊して、社会に関心をもって選択できる人を増やしていきたいと思ったんです」

こうした経緯から生まれた『森ノオト』は今年で10年目。2013年からNPO法人化し、今ではメディア運営だけでなく、有識者を招いての講演会、ワークショップなどのイベントの企画運営、書籍やパンフレットの作成、寄付布を使った小物などの制作など、幅広い活動を展開しています。

集まった寄付布を使って布雑貨を制作。
布雑貨は、スタイ(よだれかけ)やあずま袋、ヘアバンドなど様々。アパレルやパタンナーとしての経験のあるスタッフが布合わせをしているのでとてもおしゃれ。

青葉区のプロが分析する地域の特徴って?

青葉区はどこも街路樹が多く、街に季節感を添えている。

そんな、地域のプロともいうべき北原さんは、青葉区の特徴について次のように教えてくれました。
「まず、緑が多い点です。街路樹もたくさんありますし、青葉区は横浜市の中でいちばん公園が多く、230カ所ほどもあるんです。そして農業も盛んです。“田園”都市線というだけあって、もともとこの辺りは田園地帯だったので農家さんもいらっしゃるし、横浜市いちの米どころ。青葉台からバスに乗れば『寺家ふるさと村』という、昔ながらの農村地帯もあります。渋谷・六本木までの便がいいのに、郊外住宅地のなかで緑が豊かでゆとりのある暮らしができることが大きな特徴であり魅力でしょう。

また、高級住宅街ゆえに、暮らしを楽しむ余裕がある人が多い。豊かな景観を守るための建築協定の数も市内で一番多いのですが、住民自体が協定を守り、自分たちの力で街をよくして行こうという志を持った人が多いんです。これは私の実感ですが、市民力の高さは、環境系や子育て系、まちづくり系までさまざまなNPO活動が盛んなところにも表れていると思います。

育児の選択肢の多さも特徴のひとつと言えますね。青葉区には教育熱心な人が多いのですが、バリバリ勉強系から自然の中でのびのび系まで、さまざまな育児ニーズを満足させられる環境があります。子連れでも安心な、キッズフレンドリーなレストランも多いんですよ」

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青葉区どこに住む? エリアごとの特性を知る

中米のスペシャリティコーヒーがおいしいたまプラーザの『Cafe BlanCo』にて。

さらに、青葉区内でも駅を中心としたエリアによって特徴が異なると言います。例えばたまプラーザは……?
「たまプラーザは沿線を代表する高級住宅街のひとつ。駅直結のたまプラーザテラスにはハイブランドや上質な生活雑貨を揃えたショップが入っていて、沿線随一のブランドになっています。横浜市と東急電鉄が提携して『次世代郊外まちづくり』というプロジェクトで郊外住宅地の再生のモデル事業も行われており、日本の中でも先進的な都市のひとつと言っていいでしょう」

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そのほかのエリアについても伺いました。
「お隣のあざみ野は、横浜市営地下鉄線が乗り入れているため利便性がよく、乗降者数が青葉区内で一番多い駅。2030年に横浜市営地下鉄が小田急線新百合ヶ丘駅まで延伸する計画が発表され、再開発も予想され、今後はたまプラと同様に大きなブランドになっていくと思いますね。

江田は落ち着いた住宅街。市が尾には区役所があって、子育て支援や行政関係の施設が充実しています。

藤が丘は、急行が止まらない駅ですが、そのぶん、個性豊かな個人経営の飲食店が勝負しやすい環境です。そのため美味しいお店がたくさんあるんですよ。私たちは”沿線屈指のグルメタウン”と呼んでいます。

青葉台は、文字通り緑が豊かな街。駅前のバスターミナルはこの一帯の大きな拠点になっていて、たまプラーザと並ぶ青葉区内の二大拠点と言われています。先にも紹介した寺家ふるさと村への起点になっています」

イメージ通りではない個性豊かな人々に触れてほしい

『Cafe BlanCo』の井口さんご夫妻。

青葉区というと、ハイスペック、高学歴高収入で、少し気取った印象が固定化されているかもしれないけれど、実際は一様ではないと北原さんは言います。
「とくに地域の店主たちは個性豊かで、一人ひとりいろんな背景を持っています。この地域の中学校では、“地域マイスター講話”といって、地域で商売をしている方が生徒に向けて自分の話をするんですけど、まさに生きた教育だなと思います。今の子どもたちって、受験していい大学に入って大企業に入ってと、最初からレールが敷かれている。でも、地元の床屋さんやパン屋さんのおっちゃんの話を聞いていると、そんなレールとは関係なく、全身全霊で自分の職業を生きている人ばかり。そういう人たちに触れて生きられるというのはすごくいいことだと思うんですよね。私なんかもそうですけど(笑)」

青葉区と一口に言っても、エリアごとに異なる個性と魅力があるようです。以下にたまプラーザをはじめとした北原さんのお勧めスポットをご紹介。ローカルの視点で散策してみてください。

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たまプラーザのジャズバー『ROLLINS』のカウンターに立つマスターの近藤優さん。

(紹介スポット)

ROLLINS(ロリンズ/たまプラーザ)

マスターの行きつけだった喫茶店「ぽえむ」の跡地にオープン。

「たまプラーザには、独自のセンスで街の文化をつくっているお店がたくさんありますが、ジャズバー『ROLLINS』さんもそのひとつ。コーヒーや料理も美味しいですよ」と北原さん。

ROLLINSは1940年〜60年代後半のモダンジャズをかけるジャズバーであり、昼は具を入れ放題のまぜそばのお店『異端児』になるというちょっと変わったお店。マスターの近藤優さんはたまプラーザ育ちで、地域活動家の顔も持つ。「街の人に対する恩返しをしたいという思いがあって、『キフオク』という地域に眠る不用品のオークション販売代行事業を始めたんです。収益を依頼者に渡してその一部を地域活動団体に寄付できるという仕組みです。これなら誰も損しないし、頼んだ人もめちゃくちゃ喜んでくれるので、ものすごいやりがいを感じているんです」と、目を輝かせる近藤さん。人懐っこい彼の人柄のとおり、ジャズバーとはいえ入りやすい雰囲気も魅力です。

所在地:神奈川県横浜市青葉区美しが丘1-12-2
アクセス:たまプラーザ駅から徒歩5分
問合せ:045-909-6099
営業時間:ランチ11時30分〜14時30分(14時10分L.O.)、バー21時〜26時(月〜金)、19時〜26時(土)
休業日:日曜日
ビール500円〜、カクテル800円〜。アルコールのみチャージ500円。
http://www.rollins.jp

Cafe BlanCo(カフェブランコ/たまプラーザ)

たまプラーザ駅からバスで10分弱の住宅街、美しが丘西にある『Cafe BlanCo』。

「こだわりのコーヒー屋さんがすごく増えてきて青葉区にもコーヒーブームが来ているなと思います。たまプラーザの『Cafe BlanCo』さんは、自家焙煎した中米のスペシャリティコーヒーを味わえるこだわりのお店です」と北原さん。

豆はすべて、店内で自家焙煎しているため、常に挽きたて。常時8種類ほどのコーヒーが揃っており、カウンターで説明を読んだり香りを試したりしながら好みの豆を選ぶことができます。オーナーの井口直之さんは、たまプラーザ生まれ。「地元でお店を始めたくて、脱サラして好きだったコーヒーの修業をして2015年5月にオープンしました」。メニューの中には「美西(びにし)ブレンド」という、この地域の「美しが丘西」という地名を冠したものもあり、井口さんの地元愛を感じられます。昼下がりには、地元の奥様たちがまったりお茶を楽しんだり、学校帰りのちびっこがカウンターで話をしていたりと、地域密着ぶりがほほえましい。

所在地:神奈川県横浜市青葉区美しが丘西3-3-10
アクセス:東急田園都市線たまプラーザ駅から「た41系統」虹が丘営業所行きバスで蓬谷戸(よもぎやど)バス停下車1分
問合せ:︎045-902-3951
営業時間:10時〜18時
休業日:水曜日、第2・4火曜日
ドリップコーヒー550円〜
http://cafeblanco.jp

藤が丘商店会

藤が丘駅前の「藤が丘ショッピングセンター」。一見、あまり特徴がなさそうな駅前だけど……。

「藤が丘商店会の外山さんという会長がほんとうにユニークな人。とにかく面白いダジャレで商店会を盛り上げています。汁ウィンというゆるキャラもいますよ」と北原さん。「汁ウィン」とは、藤が丘で毎年10月に開催される汁ものを提供するイベント「汁まつり」と10月のハロウィンをかけた謎のゆるキャラで、ローカルで人気を博しているそうです。
「藤が丘は、グルメタウンとしての魅力も素晴らしいんです。私が大好きなのは、3人のお子さんを持つママさんがやっているオーガニックベースの『食堂POCO』さん、発酵食を提供する『ゆたかな食堂』さん、上質な素材を使った『クアットロ パンキーネ』さんというジェラート屋さん。私が尊敬してやまない『ナチュラーレ・ボーノ』さんという地産地消のイタリアンレストランもあります。そこは地産地消をいち早く取り入れたお店で20種はあろうかという横浜産野菜のバーニャカウダは圧巻です。美味しいお店がどんどん集まってきている穴場のエリアですね」(北原さん)

藤が丘商店会
所在地:神奈川県横浜市青葉区1-15-3
アクセス:東急田園都市線藤が丘駅徒歩すぐ。
http://fujigaoka.yokohama/

森ノオト
http://morinooto.jp