ゆるキャラ「ふなっしー」の登場により、その名を一躍有名にした船橋。この「ふなっしー」効果により、街には多くの人が訪れ、人口も増えたようです。

私自身も船橋市出身のため、当時はそれをどこか誇らしげに思っていました。
ですが、船橋から数駅離れた街で暮らしていた頃はまだ中学生だったこともあり、船橋駅で降りてすることと言えば、ショッピングとカラオケくらい。

今の船橋を見てみたい。そんな想いで、数年ぶりに船橋の駅に降り立ちました。

【船橋の基本情報】

駅名:JR総武線・東武鉄道野田線「船橋」
ランドマーク:意富比神社(おおひじんじゃ)

■東京駅まで一本!JRから徒歩3分の京成船橋駅も利用できる

JR総武線と東武鉄道野田線の2路線が乗り入れる船橋駅。
総武線は、快速と各駅停車の両方が利用でき、快速に乗れば約25分で東京駅に行くことができます。また隣駅の西船橋駅は5路線が通っているので、千葉県内から東京都内のあらゆる地域にアクセスしやすいのが特徴です。

JRの駅構内には「ピーターパンJr. シャポー船橋店」が営業。
千葉県内に9店舗を構える「ピーターパンJr.」は、テレビで紹介されたこともある人気のパン屋さんです。芳しいパンの香りに誘われるように、列をなす人々の姿が見られました。

東武鉄道野田線の入り口はJR総武線の改札横に。
鎌ヶ谷や柏を通り大宮まで行く野田線は、船橋が始発駅のため、どこへ向かうにも座って移動できるのが魅力です。

さらに、駅から徒歩3分の京成電鉄「京成船橋駅」を利用することも可能。
屋根のある連絡通路を通り、駅ビル「船橋FACE」を抜けると改札に出ます。
京成本線を使えば成田空港まで乗換えなしで移動できるので、出張が多いビジネスパーソンも便利です。

駅のバスターミナルからは3路線のバスが運行しています。
電車では約20分かかる、南船橋の巨大ショッピングモール「三井ショッピングパーク ららぽーとTOKYO-BAY」もバスなら乗換えせず10分で行くことができるので、休日も充実しそう。

■2つの商業施設が駅直結。駅ビル内にはミニ市役所も

船橋駅には、駅直通の商業施設が2つあります。
改札を出て左側にあるのが、婦人・紳士服売場や、ビックカメラ、レストランなどのテナントが入った「東武百貨店 船橋店」
地下1階にある生鮮食品売場では、新鮮な魚が豊富に取り揃えられています。値引きされる閉店間際の時間帯が狙い目なのだとか。

さらに奥に進むとあるのが「シャポー船橋」
館内では、アパレルショップや大型書店、レストラン、食品売場などが営業しています。

そして、駅北口を出ると目の前には「イトーヨーカドー 船橋店」があります。
ロフトやダイソー、無印良品など生活雑貨が揃うテナントのほか、地下1階には広々とした食料品売場が設けられています。

カフェやファッション雑貨店などが入った「船橋FACE」は、駅南口の連絡通路と繋がっていてアクセス抜群。5階には「船橋駅前総合窓口センター(ミニ市役所)」があるため、公共機関への手続が必要な際にも便利です。

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■街中の手頃な価格のお惣菜、路地裏の絶品オムライス

商業施設やチェーンの飲食店が目立つ船橋駅周辺ですが、街中には個性豊かなお店も点在しています。

南口から徒歩3分のところにある「三代目茂蔵豆富 船橋直売所」は、豆腐をはじめとした惣菜屋さん。
私の母も、船橋に来たら必ず晩御飯のおかずを買いに立ち寄るお店なのだそう。

スタンダードな豆腐はもちろん、「梅干し豆腐」「湯葉豆腐」など珍しい豆腐が手頃な価格で販売されています。また、「ほうれん草のチーズ白和え」「鶏竜田揚げ 湯葉甘酢あん」など、食卓を賑やかにするお惣菜も。

「三代目茂蔵豆富 船橋直売所」の向かいにある路地に入ると、地元で人気のオムライス店「hygge(ヒュッゲ)」があります。ここは、「hyggeのオムライスを食べないと、船橋に来たことにはならない」と言われるほど、地元で人気のお店なのだとか。

この日は「キラキラチーズオムライス(スープ・サラダ・ドリンクセット)」をいただくことに。オムライスの上にとろけるチーズが乗り、キラリと輝くその様子はまさにメニューどおり。
ふわふわな食感の卵は千葉県産の「煌黄(きらめき)」を使用しているそう。コクのある卵に、まろやかなチーズ、ほどよい酸味のチキンライスが相まった絶品です。

■豊かな緑を楽しめる広々とした公園と歴史ある神社

駅から少し足を伸ばすと緑豊かなスポットに出会えるのも船橋のいいところ。
こちらは北口から徒歩5分ほどのところにある「天沼弁天池公園」。大きな噴水を囲むように木々が立ち、四季折々の花々が咲いています。

園内は木でつくられた遊具や広々としたグラウンドが設けられ、子どもたちが休日や放課後を過ごすのにはうってつけの場所です。

公園を離れ南口から徒歩15分のところにある「意富比神社(おおひじんじゃ)」にやって来ました。
この神社は1900年以上の歴史を持つ由緒ある神社。鳥居の奥には木々がうっそうと茂り、神秘的な空気を放っています。

境内は街中とは打って変わって静かで厳かなムード。日常を離れ、心静かなときが過ごせます。本殿には、制服を着た学生さんが親子連れでお参りに来ていました。

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■「人口が増え、行政も生活しやすい環境づくりに力を入れ始めた」

小学3年生の頃、福岡から船橋へ移り住み、現在は船橋のダイニングバー「PANNACOTTA(パンナコッタ)」のオーナーを務める「鈴木康弘さん」。20年以上船橋を見てきたからこそわかる、街の変化や魅力を聞いてきました。

(※以下、「 」内は鈴木さんのセリフです)

――昔に比べて街が変化したことはありますか?
「ゆるキャラ『ふなっしー』の影響で船橋の知名度が一気に上がり、街に人が集まるようになりました。10年前の船橋駅の1日平均の利用者数が約5万人だったのに比べて、今ではその倍の数まで伸びているようです。『ふなっしー』全盛期の頃は住みたい街ナンバーワンにランクインしていたこともありますね」

――人口が急増したのですね。
「はい。住民が増えてから、行政も生活しやすい環境づくりに力を入れるようになりました。街にエレベーターが増えたり、駅がバリアフリーになったりと、幅広い年齢層の人が行動しやすくなっています。最近では、さらに街に人を呼ぶため『船橋音楽フェスティバル』などのイベントも行われ、街全体が盛り上がってきています」

▲温もりのある木製の家具で揃えられた店内

――街は活気づき、さらに暮らしやすくなったのですね。
「そうですね。もともと船橋は都心へのアクセスが良く、商業施設も豊富な利便性の高い街でした。そこに、環境の整備・イベントの開催など、新しい取組が加わったことで、船橋はより住みやすく楽しい街に進化しました。治安も少しずつ良くなっていて、すべての歯車が街をより良くする方向に回り始めていると感じています

――住民はどんな方が多いのでしょうか。
人情深く、交流を大切にしている人がとても多いと思いますね。例えば、この前お店が10周年を迎えて、常連さんに特別メニューの案内を送ったのですが、案内をお送りしたほとんどのお客さんが来店してくれました。あんなにたくさんの方々が来てくれるとは思っていなかったので、とても嬉しかったですね。船橋は港が近く、かつてはそれぞれが獲れた食材を交換し合い、助け合いながら生活していた街です。港町というこの街の背景が育んだ人情や温かみは、今でも色濃く住民の方々の心に息づいていると思います

■さまざまな人の生活が息づく「人情の街」

千葉に住んでいた頃は「遊びに出る街」という印象だった船橋。
ですが、「生活する街」という視点で改めて街を歩いてみると、暮らしを彩るスポットが豊富な街だということがわかりました。

駅前で生活必需品と晩御飯の食材を揃え、街の惣菜屋さんで1・2品買い足して帰宅する1日――
ららぽーとで買物を楽しんだ後、路地裏のカフェやバルでグルメを堪能しながら友人と談笑する1日――
公園で子どもと遊んだ後、駅ビルのお店でランチを楽しむ1日――

あらゆる人の生活を内包し、そこに人情が息づく街、船橋。
都内でなくても至便な街である船橋は、次に住み替える場所におすすめです。

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いちじく舞(いちじく まい)

フリーライター・編集者。千葉の住宅街で生まれ育ち、包容力のある中央線沿いの街で暮らす。古着と焼き鳥が好き。
Twitter:https://twitter.com/ichijiku_mai