西新井と聞いてまず頭に浮かぶのが、厄除け大師として有名な西新井大師。

一度お参りに訪れたときに初めて西新井の駅に降り立ったのですが、駅前に大きなスーパーやショッピングモールがいくつかあり、生活するのにも便利そうな街だな、という印象を受けました。

近年は、都市開発により大型マンションが建てられ、保育園や公園なども整備され、暮らしやすさがさらに向上しているよう。

古くからのお寺と新興住宅地が共存する西新井の街。
いったいどんな雰囲気なのか、実際に街を歩いてみることにしました。

【西新井の基本情報】

駅名:東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)、東武大師線「西新井」
ランドマーク:西新井大師・ギャラクシティ

■電車、バスともに使い勝手がよく移動に便利

東武伊勢崎線(東武スカイツリーライン)と東武大師線の2線が通る西新井駅。とはいえ大師線は、西新井大師の最寄り、大師前駅と西新井駅を結ぶ2駅だけの路線のため、移動に使う路線は東武スカイツリーラインのみとなります。

1路線だと少し不便かな……と思いきや、日比谷線と半蔵門線に乗り入れ運行しており、上野まで約15分、銀座まで約30分、渋谷へも約45分と、乗り換えなしで出ることができます。また、西新井駅は準急も停車します。

電車以外に、バスでの移動もオススメです。駅前からは「東武バス・都営バス・国際興業バス」などさまざまな会社のバスが運行しています。「池袋・赤羽・ショッピングモールのある亀有」行きのバスがありました。

これらの駅は電車だと行きにくいですが、駅前発のバスなら1本で行くことができます。多くは駅前発着のため、座って移動できるのも魅力的ですね。

■ファミリーに必要なすべてを備えた住宅地と、昔ながらの商店街

西新井駅は西口側がメインロータリー。

ロータリーのすぐそばには、2018年に新しくできた「ドン・キホーテ 西新井駅前店」があります。ベッドタウンとしてファミリー層が増えたことによる出店らしく、ベビー用品が充実しているそうです。

ロータリーの向かいには複合モールの「パサージオ西新井」が。カフェやドラッグストアのほか、ベビーパークや一時保育可能なキッズスペースなどが入っており、小さな子どもを持つお母さんは重宝しそう。

駅から伸びる歩道は、歩行者用と自転車用に分けられており、どちらも道幅が広くとられているため、子どもやお年寄りも安全です。

西口駅前はかなり大規模に開発されています。駅から徒歩5分でこの景色!大型のマンションが何棟も建ち、道も緑がきれいに植えられています。

大型マンションが開発されたことで、公園や保育園の数も増えたようです。マンション群の中に新しい公園「西新井さかえ公園」がありました。寒い日でしたが、子どもたちが元気に遊んでいました。

公園の向かいに建つのが「アリオ西新井」。大きなイトーヨーカドーと専門店街が入ったショッピング施設です。日常の買い物だけでなく「服屋さん・電気屋さん・100円均一ショップ・書店・映画館」なども入っています。

近くには「西新井警察署」もあり、頻繁におまわりさんが巡回していました。

また、西口側には24時間対応の総合病院「洪泳会 東京洪誠病院」もあります。東京都指定二次救急医療機関で、高度な医療が受けられます。万が一の事故や病気のときも安心。

家のすぐ近くに「公園・大型モール・保育園・病院」があり、治安も守られているのがポイント。駅前には、ファミリー層が引っ越してくるのも納得の充実した環境が整っています。

また、住宅街を抜けてすぐのところには、昔ながらの商店街も残っています。この「関原銀座会(せきはらぎんざかい)」はジャパン・レトロな雰囲気が外国人観光客にも人気だそうです。

商店街の中にはおしゃれなお惣菜屋さんやパン屋さんも。「SUZUKI PAN」は、1989年創業の老舗パン屋さんが手がけるコッペパン専門店なんだそうです。

店内には惣菜系も菓子系も、たくさんのコッペサンドが!ランチでもスイーツ感覚でも楽しめる豊富なラインナップが魅力的です。

街が便利になっても、こういったあたたかみのある商店街が残っていてほしいもの。
住んでいてもほっとできそうです。

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◾家族で休日を過ごせるスポットが大充実!

家族みんなで出かけられるスポットが多いのも西新井の魅力です。

まず駅西口近くにあるスーパー銭湯「THE SPA 西新井」。天然温泉・寝湯・露天風呂・サウナ・塩サウナ・マッサージ・岩盤浴まである大型の温泉で、お食事処も完備されているので長い時間のんびりできます。

そして、駅東口の環七通り近くにある「ギャラクシティ」
子どもの好奇心を育てる「こども未来創造館」「西新井文化ホール」からなる複合施設で、大きなネット遊具・プラネタリウム・クライミングウォール・体験ワークショップなどアクティビティやイベントがてんこもり!

▲直径17m、高さ10m、3階建ての大型ネット遊具「スペースあすれちっく」

 

▲東京23区最大級のプラネタリウム「まるちたいけんドーム」

種類が多いだけでなく、どのアクティビティ・イベントもクオリティが高く、大人でも見ていて思わずワクワクしてきます。

しかも驚くべきことに入場無料。オムツ替えスペースやキッズスペースもあるので、小さな子ども連れでも安心です。地域の人だけでなく、県外からも多くの人が訪れるのだとか。

また、中高生のための部活動「Gがくえん」もあり、「ダンス部・天文部・パソコンゲーム部」など、楽しそうな部活動にも参加できます。学校の垣根を超えた友だちを作ることができるのも大きな魅力。

こんな場所がわたしも学生のときに欲しかった!

そして、街のシンボル「西新井大師」を紹介しないわけにいきません。関東厄除け三大師のひとつで「関東の高野山」と呼ばれています。

西新井駅からは歩いて15分ほど。行きは歩いて、帰りは大師線に乗ってみることにしました。
参道もお茶屋さんなどが並び、散歩しているだけでちょっと旅行気分。

この日は年末だったので、お正月準備で境内はちょっと慌ただしそうでした。本堂にお参りをして、長寿をお祈りするお地蔵さんにも手を合わせてきました。

西新井駅からほんの小一時間のプチトリップ。
この街に住んだら、ぜひ家族で訪れてほしいスポットです。

また西新井には、家族で訪れるのにぴったりなリラックス感のあるカフェもあります。そのなかのひとつ、東口からほど近くにある「cafe arbor」で遅めのランチを。

こちらは、オーナー夫婦のおばあさんが住んでいた家を改装して始めたカフェ。オーナーが「自分の好きなものを自然に集めてできあがった」というナチュラルテイストなインテリアが本当にかわいい!

ドライカレーとホットサンドが有名ということで、「ごろごろ野菜のドライカレー(800円)」をオーダー。
このカレー、野菜のうまみが凝縮していて本当においしいんです。どこかのお店で修行されたのかと思いきや、メニュー開発も独学で勉強されたとのことでした。居心地が良くて、ついつい長居してしまいそうな素敵なカフェです。

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■優しいおせっかいが多い、人の魅力あふれる街

魅力あふれる西新井の街。
この街に住んでいるのはどんな人たちなのでしょうか?地域の人とのコミュニケーションを仕事にしているプロに聞いてみることにしました。

駅東口にある「エンブレムホステル西新井」のマーケティングディレクターを勤める松下秋裕(まつした あきひろ)さんとシニアコネクター髙橋文子(たかはし あやこ)さん。特に髙橋さんはホテル内のカフェ担当で、地域の人と一緒にイベントを行うなど、宿泊ゲストと地元をつなぐお仕事をする機会が多いそう。

▲「エンブレムホステル西新井」は元ビジネスホテルだった場所を4年前にリノベーションして新たにオープン

(以下インタビュー。「 」内は松下さんと髙橋さん)

——西新井の街はどんな方が多いですか?
「下町なので、古くからここに住んでいる方が多いです。最近は西口側が開発されて20〜30代の若い家族が増えてきましたね。都内の中だと家賃は比較的リーズナブルで、広い物件が多いので人気なんだそうです」

▲ホテル内のカフェ。ゲストが観光に出かけている昼間の時間は地元の主婦の方でにぎわう

——西新井の治安はどうですか?
「足立区っていうとなんとなく治安が悪いイメージがあるんですが、西新井って大型のチェーン店が少なくて、昔ながらの個人店が多いんです。いわゆる繁華街がないので、治安は全然悪くないと思います」

——西新井の魅力はなんですか?
「それはもう間違いなく人ですね。最初、街のことを何もわからなかったとき、昔から住んでいる人たちが色々助けてくれたんです。自分の住んでいる街が好きな人が多いので、引っ越してきた人にはいい意味でおせっかいというか、本当に優しいですよ」

——地域の人とどんな活動をされているんですか?
「たとえば、保育園からの依頼で食育の一環としておにぎり作りのイベントをしました。世界各国の具材を集めて、自由におにぎりを作って、ゲストも一緒になって食べたりとか。あとは英語教室さんの発表会をうちのカフェで開催して、宿泊しているゲストが観客になったり。カフェは、地域の人同士がつながったり、世界中のゲストと地域の人がつながる場になっています」

▲ほかには、地元の飲食店と一緒にワークショップの開催も

——今後、西新井でどんな活動をしていきたいか、またはどんな街にしていきたいと考えているのか教えてください。
「今後は地域の方のハブとなるような場づくりにもっと力をいれていきたいと思っています。普段から地元の方たちと関わる中で、情報の得られる場、人と出会える場、そういった場所が求められていると感じています。エンブレムがそのつながりの場になれるよう、日々、人との交流を大切にしていきたいなと思っています」

■最新の住宅街と昭和の東京らしさのいいとこどり

利便性を追求して街を整理してしまうと、どこか日本のあたたかさが失われるような気がしていました。
しかし西新井の街は、そのふたつがしっかり同居していました。住むにも便利だし、街歩きの楽しさや人とのふれあいも残っているいい街だと思います。

きっとこの街づくりができているのは、地元の「心優しきおせっかいさん」たちのおかげなのでしょう。良い部分を残しつつ、新しい人たちを受け入れて変わっていく。そんな、ポジティブな空気を街全体から感じました。

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宮島麻衣

雑誌出版社に勤務したのち、ふらりとタイのバンコクに数年暮らし最近帰国。人生において「自分で住む場所を決められる」自由をすごく大切に思っていて、いつも次の理想の住みかを探しながら歩いています。
Twitter:https://twitter.com/miyajimai517