東京都心からほど近い埼玉県・志木市。この街は、高大一貫教育の「慶應義塾志木高校」をはじめ、多くの教育施設が立ち並ぶ学生の街です。

大型のスーパーやショッピングモールがあるなど、発展した駅周辺もさることながら、街には「新河岸川(しんがしがわ)」と「柳瀬川(やなせがわ)」という2本の川が交差し、自然も身近に感じられます。

「教育水準は高そうだし、なんだか子育て環境もよさそう……」

ふとそんな思いが頭をよぎりました。果たしてこの想像は当たるのか、街歩きをしながら確かめてみることにしました。

【志木の基本情報】

駅名:東武東上線「志木」駅
ランドマーク:慶応義塾志木高等学校

■都心まで30分以内の好アクセス。快速急行・始発も利用可能

東武東上線の志木駅は、池袋まで直通20分、新宿駅まで22分、渋谷駅まで28分と都心へのアクセスが良く、快速や急行、始発便も利用できる利便性の高い駅です。

単一路線しか通っていないものの、東武東上線は東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、みなとみらい線の4路線に乗り入れているため、時間をうまく合わせれば、乗り換えせずに出られる駅が多くあります。

市内の移動はバス路線が便利。駅の東口・西口にはバスロータリーがあり、「志木市役所」や「市民病院」などへの足となっています。

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■駅前には大型のショッピング施設や学び場が充実

駅周辺には、普段使いしたい大型スーパーが豊富。

駅直結の「EQUiA(エキア)志木」「マルイファミリー志木」では、ショッピングや食事のついでに、スーパーで食料品や日用品も買い揃えられます。

また、駅の徒歩10分圏内には夜遅くまで営業しているスーパー「カスミ フードスクエア志木店」や大型店舗の「イオン新座店」もあります。

また、学生街で若者が多いためか、駅周辺にはスーパー以外にも多くのチェーン店やコンビニが集結していて、買い物や食事に困ることはまずなさそう。駅まわりはとてもにぎやかです。

さらに、駅からほど近いところに「慶應義塾志木高等学校」があり、少し歩くと保育所や幼稚園・学習塾など、学校や教育施設が充実。どれも駅の近くにあるため送り迎えしやすく、子育て世帯にはうれしい環境が整っています。

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■駅から続く商店街と川沿いの憩いスポット

次は、駅の東口から続く「いろは商店街」を散策しながら、街の憩いの場「いろは親水公園」を目指すことに。

商店街は平坦な道が続いていて、徒歩はもちろん自転車やベビーカーでも安心。通りにはパン屋さんや、パティスリーなど、日常的に利用したいお店が並んでいます。

少し歩いたところでランチ休憩を。いろは商店街を20分ほど進んだ場所にあるカフェレストラン「アクシオカフェ」へ。開放的で明るい店内は、おひとり様からお子様連れまで、気軽に立ち寄れそうな雰囲気です。

注文したのは、メインにサラダ、前菜、自家製キッシュのワンプレートと、ドリンクがセットになったお得なプレートランチ。メインは「野菜たっぷりドライカレー(1,100円)」をチョイス。

野菜の食感を感じられるドライカレーは、子どもも安心して食べられそうなマイルドな味わい。自家製キッシュも、具だくさんでとても美味しかったです!

ランチを食べたあとは、新河岸川と柳瀬川が合流する場所にある「いろは親水公園」へ。川岸と中洲の一帯が公園になっていて、ブランコなどの遊具があるほか、水辺の護岸や野鳥観察壁が設置されており、気軽に自然を楽しむことができます。広場では、子どもたちの遊ぶ姿が見られました。

園内には、市の歴史を感じられる市の指定文化財「志木市村山快哉堂(しきしむらやまかいさいどう)」も。明治時代に建てられた薬屋の建物を移築したものだそうで、内部を見学することもできます。

建物の奥には、子どもの遊び場にちょうど良さそうな広場もありました。

■「子育てするにも、歳をとっても“この街なら大丈夫”という安心感がある」

最後に、いろは商店街で「おうちcafeパン工房」を10年営む、店長の荒井尚子さんにお話を聞きました。志木の街で子育てを経験し、現在は地域密着型のパン屋さんとして地元の方に憩いの場を提供しています。

(以下インタビュー。「 」内は荒井さんのコメント)

――実際に子育てをされてみて、志木の子育て環境はどうでしたか?
「私が子育てをしていたときから、市全体が子育て支援に力を入れている印象です。たとえば子育てを終えたお母さんたちが、今度はほかの子どもの送り迎えなどをお手伝いして、子育て中のお母さんたちをサポートする『ファミリー・サポート』という取り組みがあったり。自分の目が届かないところでも、“誰かが子どもを見守ってくれている”という安心感がありました」

――志木に住まれている方はどのような方が多いですか?
「二世帯・三世帯で、昔からこの街に住んでいる方が多いと思います。最近では、マンションが建ったことで若い世代の方も増えているみたいですね。お店に来るお客さんも、お子様連れの方が多いです。私自身もお店をやりながら、先輩のお母さんたちから子育ての情報を教えてもらったり、今度は自分の経験を次の世代のお母さんに伝えたり。うちはお母さん同士の情報交換の場にもなっていますね」

▲パンは子どもが触らないようショーケースに入れるなど、お母さん目線の心配りも

――昔と比べて、街の変化はありましたか?
「駅前に『マルイファミリー志木』ができてからは、街並みがぐっと整備されました。いろは商店街でも電線の地中化が進められているので、景観がきれいになってきています。あとは街の各所に防犯カメラを設置するなど、子どもたちの安全を考えた取り組みが積極的に行われていますね」

――街全体で子どもたちを守っているんですね。
「子育てしながらお店をオープンしたときも、周りの方にすごく助けてもらいました。その分、地元の方の交流の場や、行きつけの場になってほしいと思いながらお店をやっています。これから志木に住む方も、気軽におしゃべりしに来てくださいね」

■地域みんなで子どもを育む街

時代の流れで、人と人とのつながりが少しずつ薄くなってきている中、志木には昔ながらの地域の交流がいまなお息づいていました。

「地域みんなで子育てをし、この街で育った子どもたちが、さらに次の世代を支える。そんな素敵な連鎖が、この街にはあるんだろうな」

街を楽しそうに歩く学生たちの姿を見ていると、自然にそう思うことができました。

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稲垣恵美(いながき えみ)

北海道で出版社に勤務したあと上京。まずは錦糸町というなかなかディープな街に住み、現在は埼玉県に居住。好きな街は、下町の人情があるところと、憩いの場所があるところ。素敵な街をみなさんに共有したいお散歩ライター。

Twitter:https://twitter.com/emily83601992